命の麦茶
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よくきたね、まぁここへ来たのも何かの縁なのかもしれない、一つ話を聞いてはくれまいか?

何、別に大したことじゃないさ、少しの時間だけ話につきあってくれればそれでいい。

ある日のことさ、冷蔵庫をふと覗いてみると覚えのない麦茶が冷蔵庫に有ったんだ。

その時は丁度喉が渇いていたんだよ。

人間、喉が渇いている時に冷たいものを出されたら怪しさよりも自分の欲を満たすことを優先してしまうだろう?

俺がそうだった。

もちろん飲んでしまった、けれども別に異常は無かったよ。

もし異常と言えることを無理に当てはめるとしたらむしろ体がとても力が湧いてくるようだったね。

もうじき30だった私はもう体も衰退していくだろうと思っていたのにそれが全然感じられなくなるようだった。

親二人もいい歳だし、妹は少し離れていて22だがまだ相手がいないのもあってそう感じられたのはとてもよかったよ。

だってそうだろう?今家族を支えているのは自分なのだから。

でもね、その日の夜に母から電話が掛ってきたよ、父が死んでしまったとね。

とても辛かったよ、葬式も三日後と早くにやることになった。

次の日の朝も目覚めはよくなかったよもちろん。

とりあえず飲み物を飲もうとしたんだ、そうしたらまた麦茶があるのさ。

もちろん覚えなんてないよ?

他には飲み物がなかったからね、もちろん飲んだよ。

そうしたら何となくだね、体が元気になるようだったよ。

本当にどうしてなんだろうね?

でもその元気も束の間、夜に今度は母が死んでしまったんだ。

突然だよ、本当に。

運が悪かったのかと思ったよ、だって呪いだとか何だとかそんな非現実的なこと信じられるわけがないじゃないか。

母の葬式は一週間後になったね、さすがに連日やるわけには行かないと思った結果だな。

その日はうまく眠れなかったな、何となく意識がハッキリしてなかったから何とも言えないけれど夜に誰かがいたような気がしたよ、でもそうじゃ無かった気もするな。

朝に冷蔵庫を開けたんだ、そうしたらまた麦茶があったんだ。

飲んだよ、だって今までだって飲んで何もなかったんだから。

でも飲む時ふと少し考えたよ、これが飲んだのが原因じゃないかって?

でもそんなわけないよな、だから飲んだんだ。

するとどういうことだろう、夜に妹が死んだと連絡があったんだ。

まるで麦茶が飲んだのが原因みたいだったよ。

……え?いつの話かって?たしか90年も前の話だったかな。

まるで麦茶が家族の命の水みたいだ!……まぁそんなわけないだろう。

話はここまでにしておこうか、もし続きが聞きたければまた今度。

説明
超短編です、学校の授業中にパパッと書いたのでかなり飛ばした短い内容です。
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短編 麦茶 

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