【デジナミ】ハロウィン舞台裏【小月暁夜】【交流?】 |
ハッピーハロウィン!
デジナミワールドでは、GM主催のハロウィンパーティが大盛り上がり。
デジモンが食べられるお菓子も配られ、皆大喜びです。
しかし、その舞台裏には・・・約1名の無駄な努力と、他大勢の犠牲があったのです。
「よし、これで完成っと」
完成した文書ファイルを保存し、印刷機に出力する。
伸びをしたら、ばきばきといやな音がした。
徹夜泊り込み三連続。その結果の集大成がここにある。
「ほらみろよ、ギル。今度こそ、創佑からOKをもぎ取るぜ?」
デジヴァイスの中の相方に、企画書の題目を指し示す。
そこには、大きく「ハロウィンパーティー」の文字が躍っていた。
「……ほんに、ようやるの。
わしの記憶が正しければ、
それはこの間、却下されていた企画ではなかったかの?」
折角、俺の渾身の企画書が完成したのに、
ギルは冷たい上にジト目で俺を睨んで来る。
確かにこの企画は、数日前に創佑が難色を示した物だ。
ギルの雷が落ちたのも、記憶に新しい。
「確か、先月は、月見で着物を大量に発注して、
画像担当に泣かれておったじゃろう。
少しは奴らの考えて、自重したらどうじゃ?
だいたい、月見もおんしが言いだしっぺじゃった気がするが、
わしの気のせいじゃったかのう・・・?」
「たっ、確かに、前月のお月見パーティーは俺の企画だ。
ここの所、俺が発案するイベントが立て続けなのも認める。
けどな、よくよく考えて見ろよ?
季節は秋、時間は夜、月が綺麗ときたら、
拠点がクレセントゾーンの俺が仕切らなくてどうするよ」
お説教モードに入り始めたギルを遮って、まずは建前から説明する。
本格的に始まると、不味い上に長い上に疲れる。
とりあえず、ギルはこっちの言い分は一通り聞いてくれる良い奴だ。
納得させる事が出来れば、味方になってくれる。
そして、その納得させる切り札を、俺は持っている。
「それに、今回は仮装だけじゃないぜ?
目玉は・・・これだ!」
「こっ・・・これは!!!」
キーボードを操作し、画面に一枚の写真を表示させた瞬間、ギルの目が輝いた。
表示されているのは、有名老舗菓子店、天竜亭のあんぱん。
1日限定1000個が、開店数時間で売り切れとなるという、今話題の一品だ。
どういうことじゃ、と視線を送ってくるギルに、説明する。
「やっぱ、ハロウィンだからお菓子交換だろ?
ユーザーに、期間限定お菓子をプレゼントするんだ。
有名所の老舗菓子店の許可は貰ったし」
「その様な現世の仕組みなぞどうでもよいわ。
……アキラ、これをわしに見せるということは、そういうことかの?」
いや、説明とか、交渉とか、許可とか、色々大変だったんだけど。
俺の苦労話よりも、ギルが聞きたいのはそこじゃないらしい。
早く答えろ、と目が本気になっている。
こういう相方の表情を見るのも久々だよなぁ、とか思いつつ、
このままだと、さっさと話せと雷が落ちそうなので、答える。
「もちろん、そういうこと。
流石にユーザーは食べれないけど、おまえらなら食べれるだろ?
お菓子は仮装衣装に付けておくつもりだ。
交換でほかの人から貰うことが出来るし、配る分には数は減らない。
ユーザーは、パートナーから味の感想を聞けるから、企業PRの効果もばっちり。
PGの準備も完璧。ほら、これならゲームマスター殿も納得するだろ?
……って、聞いてないし」
ギルの視線は完全に画面に固定されている。
それに苦笑いしながら、協力者、一人目ゲットと呟く。
今回は、ギルが甘いもの好きだって知っている俺の作戦勝ちだな。
次に狙うのは、創佑の相方のシャウトモン。
外堀から埋める、これも一つの戦略だ。
「待ってろよ、創佑。この企画、必ず通させてもらうぜ?」
○月×日
アキラの日時報告から抜粋。
To:真宮 創佑 様
Cc:グラフィックチームの皆様
お疲れ様です、神代です。
○月×日の進捗を送付します。
お手数ですが、確認をお願いします。
残業 :10H→後で承認お願いします。
進捗 :ハロウィンパーティー企画書120枚 (8H)
セントラルゾーン受付代行 (2H)
残件 :なし
連絡事項:グラフィックチーム
→ハロウィンの仮装衣装、小物について製作着手お願います。
PGチーム
→ハロウィンお菓子PGと衣装の、試験お願いします。
PGと仮グラフィックは、いつものところに入れてあります。
真宮殿
→これから行きますので、企画書の承認お願いします。
ギルとシャウトモンが楽しみにしていますので、
即行でお願いします。
以上です。よろしくお願いいたします。
○月×日ギルの回想録より抜粋。
アキラはこの間、創佑によって没にされた企画書を、残業してまで完成させおった。
まったく・・・そのやる気を何時も出せば良い物を。
しかし、今回ばかりはそのやる気を認めざるを得まい。
何せ、有名老舗菓子店、天竜亭のあんぱんが食べられるのじゃ。
何としても、創佑の首を立てに振らせなくてはならんの。
<おまけ>
△月□日
ルナの回想録より抜粋
今日はデジナミでハロウィンパーティがあった。
配られた衣装はなぜか妖精で、微妙に透けてて、ちょっと恥ずかしかった。
でも、服に付いていたお菓子は、りゅーちゃんがものすごく喜んで食べてた。
周りに同じ服を着てた子が一人だけだったのが気になるけど・・・。
まあ、いっか。
説明 | ||
ハッピーハロウィン! デジナミでは、ハロウィンパーティが開かれたようです。 お菓子と仮装が楽しいパーティは大好評! ただしその舞台裏は・・・。 勝手にスミマセン。 リィさんのこちら【http://www.tinami.com/view/319069】から微妙にリンクしてるつもりです。 リンクしてるのに名前だけでスミマセン、お借りしました! 真宮創佑さんとシャウトモン:【http://www.tinami.com/view/249294】 うちのこ(アキラとギル):【http://www.tinami.com/view/253300】 企画元様:【http://www.tinami.com/view/236070】 |
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