戦乱恋モード 一章の一 |
これはオリジナル作品です。
ド素人の文なんて見るに耐えない、なんて方は戻るボタン推奨です。
それも読んでいく!って方はそのままお進みください。
それでは戦乱恋モード一章の一、始まりです。
「えー今日の午前前半の授業は歴史について学んでもらうさ」
と百合山の居るクラス、十一年二組の担任は言った。
いたるところから『え〜!』の声が上がる。
「え〜、じゃないぞ。よし今回は今から一世紀半前までの話だけにしておいてやるから」
と担任が言ったとたん皆一斉に『いぇい!!』の声。
これに担任は「お前ら……、女の子なんだからさぁ」と少しがくりと呻く。
「はぁ、じゃお浚いさ。この国、と言うか大陸がなんて名前かわかるな。そう日本大陸だ」
教壇から降り教室内を回り始め担任は続ける。
「もっとも一世紀半も前までは島国だったのだがそれは覚えているな」
皆から「うん」とちらほら聞こえてくる。
「じゃ続けるさ
今から百五十年も前の、2011年頃の話だ。突如としてこの星の大地が一斉に波打つように集まってきた。
このことを学者の中じゃ「大地の津波・第一波(The first tsunami ground)」なんて呼ばれててな。
それでこの時に世界の発電施設が九分九厘大破、最早この時点で文明は後退せざるおえなかった。
因みにこの時に海に出ようものなら本物に飲まれたそうだよ。
で話しを戻すと日本以外の地震があまり来ない国は崩壊、存続は不可能でね。
約五十年かけて軽症の瘡蓋までなった日本は他の国に支援をしていたってさ。
このとき日本には藩とか県みたいな自治体みたいなものがあって国としてのシステムは出来上がっていたそうだよ。
日本が支援を始めてから二十年が経とうとしていた頃に第二波目が来た。
これは日本を中心起きたもので「大地の津波・第二波(The second tsunami ground)」と言われていてね。
この地殻変動でこの大陸になる基盤が出来たのさ。
すると諸各国は日本に飛びついたのさ。
この当時の日本の面積は約一千万km^2だと言われている。
それでも全世界の人を抱え込めるほど大きくなったわけでないから領土を巡っての戦争にまで発展してしまったそうだ。
このときの戦争は「原始的戦争」と覚えていれば良いさ。
戦争開始から五年ほど時が経つと三回目の地殻変動が起きてね。これも日本を中心としたもので、またもや日本の面積が広がったのさ。
各国の面積が減る中で、ね。
妬みを買うかと思いきや皆我先にと日本に集まってきたのさ。
広くなった日本に移民計画が五年かけて成立してね、終了までに十七年の歳月がかかったそうだね。
そんな移民計画の途中に第四回目が来たのさ。
これは移民の最終段階に入った時らしくてね。
最悪も最悪の被害らしく、この地殻変動に巻き込まれて亡くなった方が約十億人、行方不明者が約五億八千万人と伝えられている。
その様はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図だったみたいだね。
四回目のことは「最悪の地殻変動(Deformation of the worst)」と覚えてくれていれば良いよ。
移民計画が終わった後に五回目の地殻変動が起こる。
これは大陸を一つにまとめる為の地殻変動だ、と言われ「終わりの島集め(Last collection)」って呼ばれてる。
これ以降、地殻変動は起こらなくなった。
っと、此処まで話して百年弱分か。もう残り時間が少ないな。まぁいいや続けよう。
はじめの地殻変動から一世紀が経つと大陸のど真ん中に京といわれる一つの国みたいな街が出来た。
このほかにも状態が落ち着いた人たちが街を形成して京をつくり出したそうだ。
はじめに作られた京はその規模から何時しか大京と呼ばれる様になったのさ。
話しが少し戻るけど日本政府は今の十二学院制度を2100年までに築き上げいたみたいでね。
移住者が作り出した京に学院が置置いていくようになった。
そう、この中央元女学院こそが最古の学院なのさ。
中々由緒ある学院なんだぞ。」
キーンコーンキ−ンコーン
「ん?鐘が鳴ってしまったか。じゃ号令よろしく」
一人の生徒の声で皆が一斉に礼をする。
「あれ?紺青はどこに消えたのさ」
「話の途中で居なくなりました」
「そう、じゃ後で聞いてみるさ」
〜紺青視点、始〜
授業の途中に伝書鳩が来た。
連絡は唯一つ、「依頼」の一言のみ。
この御時勢のため「依頼」と言われると思いつかれるのが殺し。
俺はその殺しを殺すために「依頼」される。
一つ言っておくけど俺は人を殺めて、ましてや傷つけて平気で居られる人間じゃない。
じゃ何故そんなことをやっているかっていうと、生業だからとしか言えない。
殺らなきゃ理不尽に刈られる命がある。
そしてだからこその曰く付きの妖刀なのだ。
人を殺める仕事は全部妖刀に操ってもらってる、手に感触は残ってしまうが。
はっきり言って他力本願に近い。
そうだよ、俺はヘタレさ。
ああ、今回も妖刀に身を任せる、自分を表舞台から引き釣り下ろされてしまう様な感覚を伴いながら。
〜紺青視点、了〜
〜??兼第三者視点、始〜
大京郊外
二人の人物が森を駆けている。
森の中は昼であっても暗く、足元がはっきりと見渡せない。
「っはっは、まだ走れる?」
母親らしき人物はまだ幼さが残る子供に問う。
子供は声を発せず首を縦に振り答えた。
彼女らの後方には数十人のならず者が追いかけている。
はじめはかなり離れていたが段々と距離を詰められていた。
「ぁ!」
子供が躓き、転んでしまった。
「大丈夫?まだ走れる?(しまった、この子の事に気が回らなかった)」
子供は首を横に振り踞ってしまった。
その間にならず者共に追いつかれてしまう。
「げへへ、捕まえたぁ!」
ならず者共は下卑た笑みを絶さず近づいてきた、このあと起こす快楽を想像して。
「いや、来ないで…」
彼女は子供を抱き抱えて後退りをするも囲まれ退路を失う。
しかしそれは突如空から降りてきた、鬼面を被り長い髪を靡かせて。
「だ、誰、なの?」
その者は笑った様に答えた。
「黒鬼、罪を斬り罰を背負う者よ」
名前が発せられた途端、ならず者共の顔から血の気が引いていく。
「っ、そんなはずはねぇ!こいつは偽者だぁ!やっちまえぇ!」
ならず者の一人がそう叫ぶと次々に飛び掛かった。
しかし飛び掛かった其処には女性も子供も、自らを黒鬼と名乗る者も居なくなっていた。
「爺、頼むぞ」
とならず者の後ろから聞こえてくる。
「う、後ろだぁ!」
振り向く頃には彼女らの姿はなく、黒鬼のみになっていた。
「さ、殺りあおう。なに、直ぐに死ねるから」
と黒鬼が言うが早いかならず者共は切りかかった。
「あっはははははははは!」
恐らく仮面の下はひどく歪んだ笑みを浮かべているだろう。
ヒュン!
黒鬼が黒い刃を左から右へと振るう。
ただそれだけで人の腕が、足が、胴が、 首が飛ぶ。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
先程の一振りだけで五人は死の淵に立たされた。
「楽に稼ごうとしたツケが回ってきたぞぉ?ほぅら逃げろ逃げろぉ!」
黒鬼は笑いながら罪を切る。
その太刀筋は剣術のへったくれもない、力任せに振るわれているものだった。
ならず者共は叫びながらなんの役にも立たない骸に成り下がっていく。
かつて彼らがした事と同じように。
皆の様子を見ていた外側の者二人は気付いた。
「やべぇぞ。ここに居たら殺される」
「ああ、さっさとずらかるぞ」
二人は静かにその場を離れていった。
黒鬼に気付かれているのも知らずに。
ザッザッザッ
「くそ!チクショウ!!」
草むらの中二人の男が早足で進んでいる。
「奴は簡単な仕事って言ってたじゃねぇか!!あんな奴が出てくるなんざ聞いてねぇ!!」
その男達の手には幅広の剣が握られていた。
ガサッ!
「ひぃっ!」
草むらの茂みから音がしただけと言うのに一人の男は体と剣の切っ先を向け、立ち止まる。
「チクショウもう追いつきやがったのか!!やれるもんならやってみやがれぇ!!」
もう一人の男はまだ茂みの中に居るモノが何かも解らずに剣を振るう。
ザシュッ!
振られた剣は茂みの中の獲物を切り裂いた。
それも全身が真っ白い毛の兎を。
「な、何だ、兎か。……ビビらせやがって」
と男が安堵の声を漏らすとこの者の首が飛んだ。
ボトッ、と首がそこらに転がり、男だった物は糸が切れた様に崩れた。
切りかからなかった男の思考が一旦停止する。
「なっ!!」
男が再起動し驚きの声を上げると同時に、
ガサッ! ガサササッ! ガサササササッ!
ガササッ! ガサササササッ!
と周りの茂み一帯から何かが移動する音がし始める。
「なんだぁ!?何が起きてるんだぁ!?」
半べそになりながら一人になった男は周りで起こっていることを理解しようとする。
ポタッと透明な何かが男の頬に落ちる。
「雨?」
男は空を見た。
「雲なんざ見あt
斬っ!!
上を向いていた男は空より飛来した黒い刃に分断された。
「雨?」
男が上を向く。
(…今)
音無く地を蹴り男の頭上まで跳び上がる。
「雲なんざ見あt
斬っ!!
男を頭から両断する。
「……ふぅ」
刃に付着した血糊を払い、鞘に収めた。
「これで仕舞い?」
何も居ない筈の空間に鬼面を被った髪の長い青年と取れる彼は話しかける。
「ええ、こやつ等で最後に御座います、黒葉様」
空間からは御老体のような声と共に一人の老人が姿を現した。
「そう。……では先に戻っておるぞ」
と黒葉と呼ばれた青年(?)は何か言いたげだったが音も無く姿を消した。
「お疲れ様に御座います……(やはり、賊が増え始めておりますな)」
この御老体もじきに姿を闇に溶かした。
〜??兼第三者視点、了〜
〜紺青視点、始〜
ザクリ、ザクリと肉を骨を切る度、感覚が刀から手へと伝わってくる。
その度に体が震えそうになる。へたり込みたくなる。怖気がする。
人を切り始めてから数年経っても未だに慣れない。
仕事柄慣れなきゃいけない事なのだろうが俺には無理のようだ。
今にも発狂してしまいそうだ。
意識が戻ったときには自宅の玄関に立っていた。
異様に息が荒く震えている。むせ返るほどに鉄くさい。吐き気がする。
顔を顰めつつ風呂場に入っていく。戸を開けると既に適温の湯船が張られている。
「(流石、爺だな。良く解ってる)」
風呂場に篭り、一人湯船に浸かり息を整えようとする。
「(まだ匂いが染み付いている。流したい、消し去りたい)」
半濁した意識下の中震える手を動かそうと力を籠めるも意思に反して動こうとはしない。
なのに動かそうとまた力を籠めるがまた失敗に終わる。
殺しをした後、何度も繰り返してきた、言わば習慣じみたことだ。
無駄だと解っていながらも何度も繰り返す。
そしてのぼせかけた頃に這い出る。
体を拭き自室に向かいそのまま布団に倒れこむ。
「(このまま、明日まで、お休み。明日は、平、和で、あ、る、よう、に…)」
そのまま意識は底のない沼に沈んでいくように眠りに落ちた。
次の日
学院へ行こうと玄関を出ると爺がやってきた。
「あれ、どうしたの?」
「うむ、何でも姉妹弟子がそちらの学院に行ったそうで、あったらくれぐれも粗相の無い様に、と本家よりお達しが参っての」
「……、了解」
既に今日の平和は約束してくれないようだった。
校門前まで来ると風月に出会った。
「…、よう」
「おはよう紺青、珍しいまでに眼に光が籠もってないわね」
この言葉に無言でいると彼女は俺の胸倉を掴み口元まで寄せた。
周りが一気に騒がしくなった。
すると彼女は言った。
「……人でも斬ったのかしら?」
周りには聞こえないほど小さく。
俺はこの言葉に動揺が隠せず、言葉も出せなくなった。
しかし彼女は誤解されかねない体勢のまま続けた。
「辛いなら言いなさい。彼方だけが背負う業ではないわ」
これを言い終えると胸倉から手を離し、
「ではまた」
とだけ言うと校舎の中に入っていった。
周りの騒がしさを残したまま。
今日の授業は実技らしくHRが終わると俺らの学年は校庭に集められた。
「はい、今日は実技の試験をします。相手は先生です!!」
と言ったのは此処の学院長。
ある意味規格外の体系の持ち主だ。
身長は200cmを越し、ボンキュボンと表現するのが正しいと思えるスリーサイズを誇る。
おそらく健全な男子の視線は欲しいままに出来るだろう。
残念ながら俺はそんな健全な男子の一人ではなかったようだ。
どうもあれを見つめる気にはなれない。
「我此処在れど心は此処になし、かな」
「何を言っているのかしら?紺青」
と言いつつ彼女達はこちらに近づいてきた。
「皆さんおそろいで、何しに?」
「何って、今日は実技よ?」
「相手はあの人だろう?」
「あの人相手では相手にならんのだ!」
「だからって……」
「だから、紺青に相手をしてもらうかしらって思ったの」
と俺が言葉を返すもかわるがわる答えられてしまった。
「……(人の気持ちも知らんで)」
「それにもう授業は始まっているのよ?」(ジャラ、フォンフォン…)
と言うなりギミックが始動したトールを振り回し始める風月。
「つまり私たちの相手をしてもらう以外に道はない、だ」
と和泉川妹。弓を引き絞りながらのお言葉だ。
「腕が鳴るなぁ!」
とあまりの無邪気さにため息が出る和泉川姉であった。
「……、ハァ。オーケー」
泣きたくなるような授業の始まりだった。
「センセー、一之瀬さんた達が勝手に始めちゃいましたけどー」
「いいのよ。彼女達の青春は!」
「センセー、勘違いだと思うんですけどー?」
「そんなはずはないわ!」
「センセ、涙流しながら言わないでください」
次回予告
彼女たちは現れた。それも良いとはいえぬ状況で。
其処を聞いたのは妄想豊かな生徒。
それを聞いてしまったのは思い込みに激しいシスター。
悲しくも紺青はまたも標的にされてしまう!
この状況を覆すことが出来るのか!?
負けるな紺青!諦めるか!?紺青!!
次回一章の二!よろしく!!
今回の登場人物張
先生
名前がないので以下略。
黒葉(くろは)
その素性はまだ知らない。
自らを黒鬼だと名乗っているが最近の盗賊には恐怖の対象になっているみたいだ。
〜あとがき〜
楽しみになさっていた方にはすみませんでした!!
もうこうなったら土下座ならぬ土下立するほかないのか!?
と戯れるのはここまでにして
はい、始まりました戦乱恋モードの一章が。
最初に言った通りの不定期連載になってしまいました。
これからはなるべく不定期に成らないようがんばります。
最後にですが先生の名前募集します。
良い名前が思いついたのであればどうぞお書き込みください。
それではさようなら。
また会う日まで
説明 | ||
大幅に遅れはしてすみません 今回も見てやるか精神で読んでいってください。 |
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