あの日見た僕(サーヴァント)の名前を俺達はまだ知らない。 |
あの日見た僕(サーヴァント)の名前を俺達はまだ知らない。
冬の僕(サーヴァント)は、相当に獰猛だ。
「じんタン、じんタ〜ン。お腹減ったよぉ〜。死んじゃいそうだよぉ〜」
「さっきラーメン、俺の分を食ったばかりだろうが!」
そして、エンゲル係数に優しくない。
にしても、こんな幻が白昼堂々見えちまうなんて。
俺の溜まりに溜まったストレスはどうやら限界を超えてしまったらしい。
「え〜? メンマーの最近は〜楽しいことばっか〜。だからたくさん遊んでお腹も減るんだよぉ〜」
「聖杯戦争が終わるまで『欲しがりません勝つまでは』ってさっき言ってなかったか?」
俺の妄想の産物は、英霊だの聖杯戦争だのやたらと凝った設定を持っている。
俺、そんなに厨二病だったっけ?
頭を横に振って奇妙な妄想を払う。
やっぱりコイツは俺の脳をおかしくさせる危険な存在だ。
冬の寒さが生み出した幻を無視して1階へと降りる。
先ほど食べ損ねてしまったラーメンを今度こそ食べたい。
そして、この幻想とさっさとおさらばしたい。
「じんタン、じんタ〜ン。ラーメン茹でるの?」
俺が生み出した欲求不満の幻影が後ろから鍋を覗き込む。
「そうだよ」
さっき誤って俺が召喚してしまったという英霊を無視してラーメンを茹でる。
「玉子は、玉子はどうするの? 溶きたま? そのまま? メンマーは溶きたまが良いな〜」
「どうするも何も玉子はさっき作った分のラーメンで全部使い切っちまったよ」
奮発して3個も使ったのは間違いだった。
その3個全てが俺の僕(サーヴァント)を名乗るコイツに平らげられてしまった。
「じゃあじゃあ、メンマは?」
「それもさっき作った分で全部使い切っちまったよ」
引き篭もってなんかいないで、スーパーまでラーメンの具材を買いに行っておけば良かった。
チッ。何の具も入っていない素ラーメンになっちまってる。ああっ、虚しい……。
「そっかぁ〜。玉子もメンマも英霊メンマーを召喚するのに使われた大事な触媒だもんね」
「お前っ、玉子とメンマで召喚されたのかよっ!?」
「うんっ♪」
随分と安い英霊もいたもんだ。
「茹でたのがケンちゃんラーメンだったら、メンマーはクラスがスーパーメンマーにパワーアップできてたんだけどね」
大きな溜め息を吐く英霊。
俺にはよくわからんが本人は残念がっている。
「で、スーパーメンマーだったら何がどう凄かったんだ?」
期待せずに聞いてみる。
「うんとねぇ〜♪」
花が咲いたような満面の笑みを浮かべるめんま。もとい、メンマー。
「メンマーの額になるとが貼り付けられた状態で召喚されたんだよ。カッコいいでしょ〜♪」
「ああ、そうですか」
人生の貴重な時間を無駄にしてしまった。
いや、今の自分のあり方が24時間年中無休で無駄なのは俺にだってわかってる。
けどよぉ……。
「いただきますっ!」
考えるのを止めてラーメンを食べることにする。
テーブルに乗せたラーメンは見事なまでに汁と麺しかない。
見ていてちょっと悲しくなる。
「玉子もメンマもお野菜も入ってないラーメンを食べるのは邪道だよぉ〜」
「その邪道に俺を導いたのは英霊を名乗るお前だってことを忘れるな」
俺を惑わすという意味で英霊というか悪霊の方がピッタリな気がする。
「じゃあじゃあ、メンマーは玉子の代わりを探してくるね〜」
ドタドタと騒がしく音を立てながら俺の元から離れるメンマー。
と思ったら、うちの冷蔵庫を開けて何かを取り出し戻って来た。
「じんタン、じんタ〜ン。冷蔵庫の中にヨーグルトみつけたよ〜♪」
メンマーが持って来たのはぱちモン臭い感じがするマケドニア・ヨーグルト。
ヨーロッパからインドにまで達した王国を築いた古代の大王のおっさんの顔がプリントされている。
髭面のおっさんがニッと笑っている。何て言うか、最悪に食欲を減退させるパッケージだ。この商品開発を思い付いた奴にその狙いを問い質したい。
いや、問題はそれ以前にある。
「お前はヨーグルトをラーメンの中に入れて食えと言うのか?」
それはとっても素敵な未知の味を生み出すに違いない。
俺は現代のナイーヴな若者なのでそんなフロンティア精神は持ち合わせていない。
「う〜。確かにヨーグルトを入れたラーメンで召喚されていたら、メンマーは反英霊の悪い子になってたかも〜」
「反英霊? その反英霊ってのになると何がどう変わるんだよ?」
どうせさっきのスーパーメンマーみたいにせこい変化なんだろうな。
「メンマーは世の中の全てを何でも征服したがる豪快なおじさんになって召喚されたかも〜」
「それは暑苦しいし邪魔だし何より見た目が嫌だな」
俺の生み出した幻想は周りをチョロチョロするだけでも鬱陶しい。
でも、まあ……外見は可愛……悪くないからまだ悪くない。
だけどこれがビジュアルおっさんで、世間に迷惑ばっかり掛けそうな征服王だったら本当に最悪だっただろう。
近所のババァたちの視線がより最悪なものに変わってしまう。
「もしくはじんタンのお耳に息をふぅ〜と吹き掛けてから甘がみしてみたり、寝ているじんタンの顔や首を舐めたりするイタズラっ娘で悪い子なメンマーになっていたかも」
「何故ラーメンにヨーグルトを入れなかったんだぁ、俺ぇ〜〜っ!」
悔しくて、悲しくて涙が出ちまいそうだった。
ああっ、もう認めるよ。
俺は欲求不満だよ。情緒不安定だよ。色欲過多かもしれねえよ!
めんまが英霊として召喚されたのだって俺の心が不安定だからに違いない。
だって、何でめんまが俺の前に今になって現れるんだよ?
そうだよ。めんまは数年前に事故で幼くして死んだんだ。
もういないんだ。
なのに、今隣にいるコイツは俺と同じぐらいの年齢に成長している。
俺はめんまの成長した姿を知る筈がないのにだ。
これはもう、俺の精神状態が相当ヤバいことを示している。
更にその成長しためんまがちっこくて貧乳なのは更にヤバすぎる。
俺って貧乳好きだったのか?
いや、というよりもだ。
背の小さい俺よりも更に頭1つ分小さいめんまは……どう考えても同級生の女どもよりも幼く見える。
服装も昔の白いワンピースだし。小学生が着ている服だぞ、これは。
つまり、俺ってロリコンだったのか!?
俺は胸がデカくて大人っぽいお姉さんが好きだと自分では思っていたのにぃっ!
俺は一体、めんまに何を望んでいるんだぁ〜っ!?
俺の性癖は一体どうなっているんだぁ〜っ!?
「あぁ〜っ! ラーメンでも食って頭冷やそう」
素ラーメンを思いっきり音を立てて啜る。
「じゃあ、このヨーグルトは魔力補充にメンマーが食べるね〜♪」
そして俺の断りもなくヨーグルトを食べ始める自称英霊の幽霊少女。
英霊ってヨーグルトで魔力を補充できるものなのか。
まあ、どっちにしても結局コイツは俺が生み出した幻影なんだろうけど。
「美味しい〜。美味しいよ〜じんタ〜ン♪」
「お前、口の周りがベトベトだぞ……」
口どころか顔中を白いヨーグルトで汚すメンマー。
その顔を見て俺はまた自分が欲求不満なことを意識せざるを得なかった。
しょうがないだろ。
俺だって男なんだから……。
ラーメンを食い終えて一息吐いてから背筋を伸ばし直す。
「なあ、もう1度聞くが、お前は俺に召喚された英霊ってことで良いのだよな?」
目の前の銀色の長い髪をした少女に尋ね直す。
俺が生み出した幻想に意見を聞くなんてバカげているのは自分でもわかっている。
でも、それでも訊かずにはいられなかった。
かなり追い詰められているな、俺。
「うん。メンマーはじんタン・ウェイバーに召喚されたサーヴァントだよ〜♪」
明るい声で答えて返す自称英霊メンマー。
「俺は、お前を召喚した覚えはないんだが?」
大体俺は魔法使いでも、マッドサイエンティストでもない。
ただの引き篭もりの不登校高校生だ。
そんな俺に死者を現界させるなんて出来っこない。
なのに何故コイツは俺に見えるんだ?
しかもラーメンだのヨーグルトだのバクバク食ってるし。
「でも、じんタンの左手にはちょっと前から聖痕が出ていた筈だよ〜? その聖痕を持っている人はサーヴァントを召喚する最低限の条件を満たしているんだよ〜」
「聖痕?」
左手を見る。
特に変わった所はない。
強いて言うなら手の甲にこの間料理の最中に熱い鍋に触れてしまってできた火傷の痕があるだけだ。
「その火傷の痕が聖痕だよ。聖なる食べ物カレーを煮込んだ鍋でできた傷だから、聖杯に反応したのだと思うよ〜」
「カレーで火傷したら聖杯が反応って、随分お手軽で安い判断基準だな」
メンマーの話通りなら、日本中マスターとサーヴァントに溢れていることになる。
「それでね、それでね〜。じんタンは召喚に必要な媒介〜、メンマと玉子、それからラーメン。そして召喚者の血を使って英霊メンマーを呼び出したんだよぉ〜」
「召喚者の血って……包丁で過って切った小指の血が1滴鍋の中に入っただけじゃねえか」
「召喚するのに必要な血の量に多い少ないは関係ないんだよ〜♪」
暢気に答える自称サーヴァント。
俺ってば自分が生み出した幻想に何をそんなに熱心に設定まで作ってんだ。
火傷の痕が聖痕だとか、ラーメンと俺の血でめんまが召喚されたとか。
ほんと、どれだけ厨二なんだよ。
「でも、じんタン、英霊の召喚に必要な呪文を楽しそうに唱えてたよ?」
「ありゃ呪文じゃなくて、のけモンの主題歌だろうがっ!」
つまりあれか。
モンスターを召喚するあのアニメの主題歌は実は英霊を召喚する呪文でもあったってことかよ?
じゃあやっぱり日本中こんな変てこな英霊で溢れているってことか?
「メンマー限定の召喚呪文だけどね」
「やっぱお前、ミソッカス英霊だろ」
他の英霊がどんなヤツなのか知らないが、こんな安っぽく召喚されるのはさすがにいないだろう。
「ぶ〜ぶ〜。じんタンはメンマーを自分で呼び出したのに冷たいよぉ〜。マスター失格だよ、失格〜」
「じゃあ、失格で良いからとっとと消えてくれ」
よりによって俺の目の前に現れたのがめんまだなんてどんな悪質なトラウマだよ?
なら、さっさと消えて欲しい。じゃねえと、俺の頭は本気でショートしてしまう。
「ぶ〜ぶ〜。じんタンはメンマーと契約したんだからマスターをやめることはできないんだもんね〜」
「それ、最悪だぜ」
それはつまりメンマーはすぐに消えてはくれないということ。
そういうルールなのか、それとも俺がメンマーの幻を見続けることを本当は心の奥底で望んでいるのか。
どちらにしても、良くはない状況だ。
「じんタンはメンマーのマスターなんだからもっと自覚持たないとダメだよぉ〜」
「マスターって急に言われてもなあ、全然ピンと来なくて……」
メンマーが初めて俺の目の前に姿を現した2時間前のことを思い出す。
メンマーは、急激に光を発し室内を真っ白く包んだ鍋の中から突如現れた。
『なっ、何が起きたんだ!?』
鍋の急激な変化に驚いた俺はその場で尻餅を付いていた。
けれど、俺が本当に驚くことになるのはこれからだった。
『う、嘘、だろ?』
鍋の中から女の子が現れて来たのだ。
いや、正確には鍋の表面に何か魔方陣のような文様が麺で描かれ、その魔方陣から銀色の長い髪をした白いワンピースの女の子が突如出現した。
その女の子は青い光に全身を包まれたまま宙を浮きながら鍋を離れて床へと降り立った。
そして、俺の方を向き直ると澄んだ瞳で凛とした声で尋ねたのだった。
『問うよ〜。じんタンがメンマーのマスターなの?』
それが、俺とめんまの数年ぶりの再会、いや、俺とメンマーの初めての出会いだった。
「まあ、わかった。メンマーが召喚された経緯については理解した。お前が俺の生み出した厨二設定の幻想だったとしてもだ」
「メンマーは幻想なんかじゃないよぉ〜。じんタンのいけず〜!」
両手を挙げて頬を膨らませながら怒る英霊を軽くスルーする。
まあ、コイツが偶然俺に呼び出された英霊にせよ、俺のイカれてしまったらしい頭が作り出した妄想に過ぎないにせよ、俺が引き篭もっている限り大きな違いはない。
めんまの存在が、そしてめんまが見えている俺の存在がこれ以上世間にクローズアップされることはないからだ。
しかし、問題は他にある。
「で、メンマーが召喚された理由なんだが……」
「うん。メンマーは聖杯戦争に勝利してじんタンとメンマーの願いを叶える為に英霊の座からここに召喚されたんだよ」
問題は、これだ。
俺の厨二設定は相当に奥が深いものらしい。
何だよ、聖杯戦争って?
「聖杯戦争について簡単にもう1度説明してくれないか?」
メンマーをジッと見る。
「メンマーもよくわかってないんだけどね、メンマーを含めて7人のサーヴァントがこの秩父市に召喚されてね。それで、マスターとサーヴァントがチームを組んで聖杯戦争っていう名前のガチンコバトルを戦って戦って戦い抜くの。それで最後に1人残ったサーヴァントとマスターがね、聖杯ってのを手に入れられて、どんな願いでも叶えられるんだって」
「少年漫画によくありそうな設定だな」
俺の半端な漫画知識に基づく厨二設定ではこの辺りが限度だったということだろうか?
まあ、良い。
「で、聖杯ってのは一体何なんだよ? ドラゴンボールみたいなものか?」
「メンマーも知らないんだよ〜。何でも望みが叶うってこと以外は」
肝心な所はボカす。
これは、聖杯戦争を裏で糸を引いているヤツが情報を秘匿にしているのか。
それとも、俺の脳内設定が未熟なのか。
まあ、どちらにせよ一番の問題点は次だ。
「7名のサーヴァントって、残りの6名は一体どんなヤツなんだよ?」
場合によっては俺の家の中の平穏が崩されるという最悪な展開を迎えるかもしれない。
「全然知らないよぉ〜。サーヴァントはお互いに名前も知らないまま戦うのが普通だから。だって真名を知られたら弱点も知られちゃうんだもん〜」
めんまは首を横に振った。
「英雄譚には英雄の長所と共に弱点も語られていることが多い。だからそれは何となく納得しよう。けどなあ、お前に関してはそれ当てはまらないだろう!」
めんまを英雄として扱っている奴がいるなんて聞いたことがない。
大体、コイツは人様に自慢できるような功績を立てたことなんか一度もないだろうが。ただのガキだったんだから。
「メンマーは超平和バスターズの一員として秩父の平和を守ったもんね〜」
「ああ、さいでっか」
もしかして英霊ってご当地ヒーローなのか?
めんまがそれに該当するとも思えないが。
「で、ガチンコバトルって何するんだ?」
「殺し合い♪」
「いきなり話が物騒になったな!」
厨二的設定の詰め込み過ぎで殺人に走ったなんて、ワイドショーやネット掲示板にネタにしてくださいと言っているようなもんだろう!
やばい。俺の精神状態やばすぎる!
「は、危ないからのけモンバトルだよ〜」
「危険度下がり過ぎだろ、それ〜っ!」
まあでも、よくよく考えてみれば、聖杯を求めてとか訳の分からない理由で、厨二病患者同士がのけモンバトルを繰り広げるのならそれっぽい。
社会的には十分アウトだろうが。
「はぁ〜。で、その聖杯戦争ってのはいつ始まるんだよ?」
こうなったらアレだ。
俺の脳内設定に従って、俺の脳みそを満足させてやった方が、この厄介な冬の僕(サーヴァント)は消えてくれるかもしれない。
「う〜んとね〜。聖杯戦争は600年ごとに開かれているから〜……」
「間隔長っ! 前回の聖杯戦争って室町時代のことじゃねえか!」
600年前にはどう考えたってのけモンは存在しないだろう!
俺の脳内妄想、もうちょっと設定をしっかりしろっての。
「縄文時代から続いている割とポピュラーなレクリエーションだよ。勝負の方法は毎回違うんだよ〜♪」
「歴史クソ長っ! っていうか、レクリエーションって何だよ! ガチンコバトルじゃなかったのかよ!」
俺の脳内妄想め。
何とか整合性を付けようと必死だな。
「でねでね、話を戻すとね。聖杯戦争はサーヴァント7人全員が揃ったらゲームスタートなんだよ〜」
「そうか。で、残りの6人はいつ召喚されるんだ?」
さっさと聖杯戦争に参加して、さっさと俺のこのストレスの源に消えてもらおう。
でないと俺の精神が蝕まれて止まない。
「う〜とね〜。メンマーはじんタンに会いたくて他のサーヴァントより早く召喚されて来たからね〜」
「そっ、そうかよ」
めんまが俺に会いたくてという件でちょっと照れる。
いかん。本気で俺は欲求不満だ。
やっぱり俺は今でもめんまのことが……。
いや、ダメだ。ダメだダメだ!
この想いを断ち切らないことには俺は前に進めないんだ。
これは丁度良い機会なんだ。
俺は、めんまへの追憶にケリをつけて歩き出さなきゃいけないんだ。
めんまをずっと俺の中に閉じ込めてちゃいけないんだ。めんまにずっとしがみついていちゃダメなんだ。俺には、めんまとの一刻も早い別れが必要なんだっ!
「ちょっとフライングしちゃったから、他のサーヴァントが召喚されるのは後7、80年先のことかな〜」
「一生俺に纏わり付くつもりかよ、めんまはっ! っていうか、70年後にはのけモン存在してねーよっ!」
俺の大声のツッコミが家内に木霊する。
けど、ツッコミを入れながらめんまがずっと側にいてくれることに喜んでいる俺もいた。
認めるには抵抗があるけれども、どうやら俺はめんまが側にいてくれる今の状態を結構気に入ってしまっているらしい。
認める。俺はもうしばらくめんまと一緒にいたい。
だって俺は今でもめんまのことが……だから。
天井を仰ぎ見る。いつもの木目が見える。
視線を窓の外に向ける。雪交じりだが、いつもの風景。
そして正面を見る。
「どうしたの、じんタン?」
「何でもねえさ」
ストレスの源であり元気の源でもある少女の顔がある。
俺は大きく息を吸い込んで深呼吸した。
こうして俺の自称英霊との同居生活は幕を開けたのだった。
たぶん続かない
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