真・恋姫夢想 天上天下絶品武道会 特別編 エキジビジョンマッチ、その第二試合 |
前回からの続き。
エキジビジョンマッチの第一試合、星渡慧と華雄の激闘は、華雄にその軍配が上がった。
そして、エキジビジョンマッチは次なる試合へと進む。
管理者中史上、最強の男、峠崎丈二と、武道会の開催を企画した、その実力今だ不透明な狭乃狼。
会場内のほとんどの者は、どう考えても無茶を通り越して無謀の一言しかその頭に出てこなかった。
大会中にかけられていた能力制限は全く無しに、星どころか世界の一つ二つ、いや、十や二十は平気で破壊できるのではないかと言われる丈二に対し挑むのは、余りにも愚か極まる行為だと、誰もが一様に考えていた。
そんな会場の空気を一切気にする事無く、狼は平然と、そしてとてつもなく清清しい顔をして、武舞台中央にて丈二と相対していた……。
ひっとー「さあ、第一試合の興奮今だ覚めやらぬ中、エキジビジョンマッチ、その第二試合が間も無く開始されるぜい!」
一刀「……」
華琳「どうしたの、一刀?さっきから完全に黙り込んじゃっているけど」
ひっとー「へっ。おおかたさっきの試合の激しさにでも気圧されて、言葉ってものを忘れちまってるんだろうよ」
一刀「……それも確かにあるけどさ。でも、それだけじゃあないんだ。……狼の奴のあの態度、あれがどうも腑に落ちなくって、さ」
桃香「どういうこと?」
一刀「丈二ってさ、管理者の中じゃあ1・2を争う実力の持ち主だろ?いや、もう完全に最強だって言っても良い。そんな相手とこれから戦うって言うのに、狼の奴、めちゃくちゃ良い表情してるんだぜ?……まるっきり、勝つ自信でもあるみたいにさ」
ひっとー「だーかーら!マダオ如きが師父を呼び捨てにするなって、言ってんだろうが!!……まあ、確かにそれに関しては?俺もマダオと“悔しいけど”!同意見なんだよなあ……」
まともな勝負どころか、試合が始まった途端にぼろ雑巾にされかねないだろ、と。丈二の一番弟子を自負して止まないひっとーからしてみれば、その師と能力制限無しに真っ向から戦おうとしている狼の、そのどこか自信に満ち溢れた笑顔が、全く腑に落ちないものではあった。
卑弥呼「さあ、それでは第二試合をはじめるぞ!両者とも、準備は良いかの?特に狼よ?ほんとうに良いのだな?能力制限無しでの、この丈二とのガチンコバトル。……命の保証は出来んぞ?」
狼「心配してくれてサンキュウ。……でもまあ、これが良い機会かと思うんだよ。……管理者仲間全員に、俺の本当の全力モードを、知っておいてもらうのは、さ。と言うわけで丈二さん?も、ほんとに遠慮は要らないから、全力全開で相手をしてくれよな?」
丈二「……分かった。なら、((最初|はな))から全力でやらせてもらう。……後になってやっぱり待ったは無しだぞ?」
狼「もっちろん」
卑弥呼「では、両者の確認が取れたところで、エキジビジョンマッチ、その第二試合、峠崎丈二対狭乃狼の試合、これより開始とする!両者、構え!!」
その卑弥呼の言葉と共に、丈二は全開モードの象徴ともいえるアロハをその身にまとい、激しい闘気をその身から発する。対して狼は、大会中と同様その漆黒の仮面を被り、ロウキモードへと変身を済ませる。
卑弥呼「では始めるぞ?……エキジビジョンマッチ、第二試合、レディーーーーーー、ゴオッッッッ!!」
丈二「ぬうううううううううんっ!!」
狼「……ッ!!」
制限無しの、丈二のその全開の力を込めた拳が、恐ろしいまでの勢いでロウキと化した狼へと襲いかかり、その漆黒の鎧に身を包んだ体を粉砕する――――――!!
かと思われたが。
丈二「なに!?」
『!?』
巨大な闘気の塊となった丈二の拳が、狼の体をぶつかるその直前、その姿は忽然と消え去り、丈二の拳は何も無いその空間をただすり抜けていた。
ひっとー「ろ、狼さんがき、消えた!?」
一刀「!!いや、消えてない!!丈二!後ろに、あ、いや、横、え?上空にも?ちょ、な、何がどうなってんだ、あれ!?」
蓮華「狼が、武舞台上に、何人も居る?!」
華琳「十、二十、三十、いえもっと、百以上……?!一体何がどうなって……!!」
丈二「……これは、残像拳、か?」
司会席に居る一同が、揃ってそこに見たとおり、武舞台上には丈二を中心にして百人以上の狼が、武舞台の上のみならず、空中にまでその姿を幾重にも現していた。
狼「……ファントム・ミリオン……。原理は残像拳と同じだけど、そのスピードは全く比べるべくも無い、俺の技の一つ。言っとくけど、影で本体を探すってのはその意味を成さないから、諦めたほうが良いぜ?これだけ早けりゃ全部の幻影に影が生まれたままになるしな」
丈二「むう、確かに全部の残像に影が残ったまま、か」
狼「まあ、唯一の手段としては、移動する合間を遮るって手だが、いくらお前さんでも、光と同じ速度で動く物体を見極めるのは、流石に骨が折れるだろう?……そして俺も、そんな暇は与えないし、な」
丈二「!!来るか?!」
狼「しっかり防御しろよ、丈二?……ミリオン・クレッセント・ブレイカー……!!」
幻影の刃。それが無数に、しかもほぼ同時のタイミングで、武舞台中央に居る丈二に襲い掛かる。
丈二「ぐうううううううっっっっっ!!……らあああっっっっ!!」
狼「うおっとおっ!?」
しかし流石に管理者最強と謳われる、峠崎丈二。百を遥かに超えるその斬激をことごとく凌ぎ、それどころか、その無数の幻影の中から狼の本体を一瞬にして探り出し、反撃のファル○ンパンチまで繰り出して、狼を怯ませたのだった。
ひっとー「……ぽっかーん」
一刀「……狼の奴も大概だけど、丈二は丈二であれを防ぎきるのかよ?」
貂蝉「……もーし、今どっちかと戦ったら、わたしも卑弥呼も、勝つのは難しいかもしれないわねえ」
桃香「ちょ、貂蝉さんがそうおもうんだ……」
狼「……あれを全部凌ぐどころか、反撃までしてくるってか。さすがは北の聖猩、峠崎丈二。脳のリミッターを外すっていうその能力も、やっぱ下地になってる肉体の鍛え方からして違うんだな。いや、改めて恐れ入ったよ」
丈二「……そういうわりには、お前さんはまだ、余裕たっぷりに見えるが?」
狼「へへ、まあな。……さっきのはあくまでも、大会中に見せられなかった“ロウキモード”での全力を、皆に見せてあげただけの、いわば余興だよ。……本番はここから、さ」
そう言うと、狼はその顔から仮面を外し、本来の自分自身の姿へと戻る。
狼「それじゃあ『牙』?そろそろ始めるぜ?」
牙『ふむ。漸く吾の出番か』
丈二「そうか。お前さんは牙の力を使ってこそ、その本来の力が振るえるんだったな。……どっかのヒーローにでも変身するのか?」
狼「それも出来るけどね。けど、丈二が相手となりゃそんな小手先な力は意味を成さないからな。さて、それじゃあ本邦初公開!これが俺の、全力全開モードだ!牙!((獣神融合|イグニッション))!!」
牙『心得た!……ガアアアアアオオオオオオンンンンッッッッ!!』
狼の左腕に張り付いている、狼を象った手甲・『牙』が、その彼の腕から離れて、本来の姿であるフェンリル狼へと戻り、宙を駆け巡る。そして、狼をめがけて一気に急降下したかと思うと、((牙|かれ))は狼のその体に完全に入り込んだ。
桃香「き、牙さんが狼さんの体に入っちゃった!」
ひっとー「狼さんってば、一体何を……って。……何、“アレ”」
アレ、と、司会席のひっとーがそう指し示したのは、無論狼のことである。ただし、普段少々白い物が混じった彼の黒髪が、青みがかった白とも銀とも取れる色へと変化しており、肩口までしかないその長さも、足首にまで届くほどの長さに伸び、まるでたてがみの様に風にたなびいている。そして何より、先ほどまで実年齢通りの年輪を刻んでいた彼の顔が、心なしかいくらか若返って見えていた。
丈二「……狼。それが、お前さんの全力姿、なのか?」
狼「そ。……牙と魂のレベルで融合し、肉体の能力を飛躍的にアップさせるのが、この((獣神融合|イグニッション))っていう技でな。お前さんのリミッター解除同様、普段使われていない肉体の能力、その百パーセントを扱えるようになる。あと、肉体自体も全盛期ぐらいにまで若返るっていう、素晴らしい副作用まであるんだ♪」
丈二「……じゃあ、何で普段からその格好で居ないんだ?((管理者|おれたち))だったらそれぐらい、造作も無い事だろう?」
狼「……エネルギー消費がマジ半端無いんだよ、この姿。なもんで、この姿のままで居るともう、エンゲル係数が上がる上がる(笑)。……貧乏人の家計には優しくないんだよ」
丈二「……なるほどな(苦笑」
狼「さ、それじゃあ解説の時間はこれ位にして、全力全開の『殴り愛』。往ってみるとするか!?」
丈二「応よ!どっからでも来い!!」
『どりゃっさあああああああっっっっっ!!』
天が振るえ地が割れる。……とまでは、結界の防御効果もあってかいかないにしろ。狼と丈二の全開バトルは、もう、それこそ表現などしようの無いくらい、激しいと言う言葉が真っ赤になって逃げ出すほどの、壮絶なものとなった。
狼「くらえっ!!ギャラクティカ・ファ○トム!!」
丈二「なんのおっ!!ギャラクティカ・マ○ナム!!」
((漢|おとこ))と漢、拳と拳、蹴りと蹴り。その凄まじいまでのぶつかり合いは、両者とも素手での戦いと言うことも相まって、なかなか相手に致命的なダメージを負わせることが出来ず、一体どうやって決着がつくのか、その場に居る誰にも全く分からなかった。
ひっとー「……」
一刀「……おーい。ひっとー?帰ってこーい」
華琳「無駄よ、一刀。今の彼には何言っても聞こえていないわよ」
桃香「ですねー。……自分が絶対の強者だと思っていたお師匠さんと、あれだけ渡り合える人が居たんですもんねー」
蓮華「けど、その二人もそろそろ体力の限界みたい。ほら、息が上がってきてる」
蓮華が指し示したその通り、さしもの二人もフルパワーでの戦いはかなり消耗するらしく、武舞台上にて肩で息をしながら、少々距離を置いて対峙していた。……ただし、二人とも相当楽しそうであるが。
丈二「……いい感じだぜ、狼。漢女の二人はおろか、俺とマジでやれんのは、本来の姿になった老仙の奴ぐらいだと思っていたが……。ふ。俺もまだまだ修行が足りん、な」
狼「……そいつあ光栄だよ。……けど、流石にそろそろ限界だ。……お互い、次の一撃で最後にしようや」
丈二「……同感、だ」
シン、と。先ほどまでの激しいぶつかりあいがまるで嘘の様に、静かに息を整えていく両者。そして、少々の間のあと。
狼&丈二『……おうりゃああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!』
右ストレートと右ストレート。真っ向からの最後の一撃。それに全身全霊を込めて、相手へと互いに繰り出す。
その結果は――――――――!!
ひっとー「……はっ!?あ、ああーっとおっ!!おいらが余りの事態に放心している間にぃ!!師父と狼さんが、それはもう絵に描いたようなクロスカウンターで交錯していたーーーーーーーーっっっ!!」
一刀「あ。帰ってきた」
ひっとー「卑弥呼おっ!二人はどうなった!?」
卑弥呼「……むう、見事なほど綺麗に、互いにカウンターパンチが決まっておる。……試合終了!!この勝負、両者気絶によるドローとする!!」
『……ほわああああああああああああああああっっっっっ!!』
熱狂。そして大絶叫。観衆から湧き上がるその大音量をバックに、狼と丈二はとってもいい笑顔をしたまま、互いにクロスカウンターを決めた状態で、気を失っていた。
ひっとー「以上をもって!今大会は今度こそ、本当に本当の終了だ!!みんなー?!思いっきりEnjoy出来たかー?!それじゃあみんな、いつかまた会う日まで!!See You later!!」
『天上天下絶品武道会』
お終い。
自己満。厨二全開、乙。
言われる前に自分で言っときましたww
ということで、この長かった武道会、これで本当に終了でございます。
正直言って、なんでこんな企画始めたんだろう(苦笑w
というのがただいまの素直な感想です。まあ、ともかく。これで本当の本当に終わりですので、今後はもう、完全に仲帝記に集中いたします。
では最後に、改めて今大会に参加してくれたユーザー様一同に感謝を込めつつ、そのお名前を紹介して締めさせていただきます。
大ちゃんさん
karasuさん
関平さん
戦国さん
黒山羊さん
ほわちゃーなマリアさん
スターダストさん
じょーじさん
南華老仙さん
berufegoalさん
劉邦柾棟さん
ひっとーさん
シューティングスター・ヒトヤさん
蒼天の守護者〜ティマイ鳥〜さん
(以上、順不同)
それではみなさん、再見〜( ゜∀゜)o彡゜
説明 | ||
厨二でスイマセンww といいわけで、エキジビジョンマッチ、その二試合目です。 これにて今度こそ大会は完全に終了です。 長い事駄作にお付き合い頂きありがとうございましたw であ |
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コメント | ||
チラッ(( ̄_|壁|……(`□´){ほわああああああああああああああああっっっっっ!!(o^ O^)シ彡☆師匠最強(o^ O^)シ彡☆師匠最強(o^ O^)シ彡☆師匠最強(o^ O^)シ彡☆師匠最強。(黒鉄 刃) 良い戦いでした〜・・・レスキュー・キャット・・・強いですよね^^;(萌香) 次元の狭間|おや?スターダストが敗れたか。これでヤツも少しは・・・・・・クククッ(mighty) お疲れ様でした・・・うむ・・・もう何も言うまい;(スターダスト) 次の俺の出演は「仲帝記」か・・・胸が熱くなるな(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) ロンロンさん、誤字報告どうも。ただいま直しましたww(狭乃 狼) 「勝つ自身」→「勝つ自信」 世界の修正力に真っ先に巻き込まれるような二人でした・・・。(龍々) 狼さん・・・おつかれです・・・ジョージさん相手にドロー・・・完璧に人外の戦いでしたねww今年内に完結出来ましたねww・・・本当にお疲れです!(戦国) 無事、完結おめでとうございます。 本当にお疲れ様でした!?(劉邦柾棟) |
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