母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI! #1 謎の転校生と変な新入生 |
咲音メイコ:咲音メイコです。学級委員長に立候補します。皆さん、よろしく
プリマ先生(担任):て、転校生なのに学級委員長に立候補するんですか(汗)。他に立候補者もいないので決定としますね、これから1年宜しくお願いします
パチパチパチ
女生徒A:ぼそぼそ(こんな大学受験で忙しい1年間に学級委員長に立候補なんて、奇特よね・・・)
女生徒B:ぼそぼそ(しかも、転校生で今日から新学年よね。受験、余裕なのかな?)
女生徒C:ぼそぼそ(というか、随分“おねーさま”な方よね・・・。前の高校でダブったのかしら・・)
(昼休みの廊下)
カッカッ・・・
メイコは黙って廊下を歩いて学食に移動していた。
メイコ:(はぁ〜、仕事とはいえ、女学園の3年生は無理がないか???? 依頼主の学園長、無茶苦茶よね・・・)
***
(回想・2010年4月1日 母香炉女学園 学園長執務室)
学園長:こんにちは。私が当女学園の学園長の黒井木之子(くろいきのこ)です
MEIKO:赤井探偵事務所のMEIKOです・・・というか、この仕事の依頼、本気なんですか?
学園長:本気だから、ここに来て頂いたんです。というより、いらっしゃったということは受けてくれるんですね
MEIKO:まぁ受けますが。『潜入調査』とはいえ、“二十歳越えている私“が高校3年生でこの女学園に潜入するのは、ちと無理がないですか?
学園長:あなたと同じ位の“大人な生徒”は、当女学園には沢山いますよ。あなた綺麗だし、後輩から“おねーさま”・・・コホン、“お姉さん”って慕われるタイプだと思いますから、大丈夫ですよ
MEIKO:ははは、“おねーさま”ね・・・・。わかりました、依頼書通り、4月8日の新学年度で、3年B組の転校生“咲音メイコ”として、当女学園への潜入調査を開始します。内容は書面の通りなんですね?
学園長:はい。目的は“当女学園の生徒会の秘密を暴く”事です。なので当日の自己紹介が終わったら、学級委員長に立候補してください。たぶん競合しないで決まりますから
MEIKO:しかし、学園長の依頼で、自分の女学園の生徒会の調査を依頼するってのは、失礼ながら“解せない”んですけど
学園長:お恥ずかしいながら、我々『学校運営側』、つまり“学園長、教師”をも手玉に取る、当女学園の一大勢力でして、表の情報は勿論“公開義務”として公開させてますが、どーも、“裏”があるらしく、その裏のために、本来“上”で監督しているはずの、教師や私が介入出来ない程の権力を持っているのですよ。今年度、遂に、あなたのような“私立探偵”を雇って、潜入調査して貰うことを決めたんです。もう“生徒だから”等と言っていられない状態になったので・・・
MEIKO:はぁ。私が貰った仕事の中でも上位に来るくらいの珍しい仕事だと思いますが。とりあえず学級委員長にはなります。でも、何故? 普通“生徒会”って、学級委員長から選ばれるわけでは・・・
学園長:当女学園では、規則として“学級委員長”達で“生徒会”を運営する事にしているのです。それでも1年の時に生徒会に入った生徒は、3年まで引き続き“学級委員長”に立候補して、生徒会を動かしている傾向がありますね。だからメンツは似たり寄ったりになることが多いです。それが“権力を持つ集団の温床”になっていると、私は読んでますが、それを補ってあまりある“権力”を生徒会は持っているんですよ
MEIKO:でも卒業する生徒もいますよね?
学園長:勿論です。だからずっと“特定の人物が原因“というわけではないと思うのですが、ここ2年の傾向はちょっと違います。生徒会にあなたが入って欲しいのは潜入調査目的ですが、ターゲットは教えておきます。今度、3年D組に進級する”巡音ルカ“、彼女がここ2年の”生徒会長“であり、今年もなるでしょう
MEIKO:に、2年って・・・、1年生の時から“生徒会長”になっているんですか!?
学園長:おかしいと思いますよね? たぶんそこら辺が調査内容にも入ってくるはずです
MEIKO:わかりました。そういうことなら、私たちの仕事ともオーバーラップします。まさしく“謎解き”ですから
学園長:よろしく頼みます。あ、それと、私への連絡の時だけ“MEIKO”を使い、それ以外は、例え私との会話でも“咲音メイコ”で通しますので。生徒会の裏がわからないので、安全のためにそうします
MEIKO:了解です
***
(2010年4月8日 母香炉女学園 新年度1日目・1年A組の教室)
勇気めぐみ:勇気めぐみで〜す! 学級委員長に立候補しちゃうぞぉ〜! み〜なっさーん、よっろしくぅ!!
レオン先生(担任):ず、随分と元気な新入生ですね・・・(汗)。ま、まぁ、他に立候補者がいないから決定とします。1年間宜しくお願いします
パチパチパチ
めぐみ:きゃっほ〜♪
女生徒D:ぼそぼそ(か・・・・かわっているというか・・・・)
女生徒E:ぼそぼそ(この人を学級委員長にしちゃっていいのかな?・・・・)
女生徒F:ぼそぼそ(でも・・・明るいのっていいわよね・・・友達に誘っちゃおうかな・・・)
(昼休みの廊下)
スキップ、スキップ・・・
めぐみは陽気に廊下をスキップして学食に移動していた。
めぐみ:(やっぱり高校生っていいわよねぇ♪ しかも、秘密の花園“女・学・園”。くはぁ〜、仕事とはいえ、たまりまへんなぁ、ぐへへ・・・・あ、アタシも女の子だった・・・いやよね〜、若くして“社会”に出ると、うら若きオトメだというのに“おっさん”になっちゃって・・・。まぁそれでも、生徒会長のルカさんには感謝よね)
***
(回想・2010年4月1日 母香炉女学園 生徒会室)
巡音ルカ:こんにちは。私が次も生徒会長になる、巡音ルカと申します。この女学園の3年生です
GUMI:橙緑探偵事務所のGUMIでーす! 若くして社会に出た苦労人の18歳でーす!
ルカ:・・・・苦労しているようには見えないのですが、まぁいいです・・・あの、あなたココに“仕事”で呼ばれているの、理解してます?
GUMI:勿論ですよぉ♪ しょちょーに言われて来ましたですよ♪ 今回のお仕事は私が担当なんですよ、えっへん♪
ルカ:(あんの所長・・・・手続きの時は可愛い子だと思ったのに、実物はこんな・・・高校生だと思って手を抜いたか・・・)えー、とりあえず仕事の話に移ります、いいですか?
GUMI:勿論ですよー♪ しごとキッチリがモットーですよ♪
ルカ:えーっと、仕事の内容は、この女学園の運営側、つまり学園長や教師集団への“潜入調査”です。ただ、いきなり“先生”として入る事はさすがに出来ませんから、貴方にはここの1年生として、新年度から入って貰うことになります。私の裏の力で、“普通にここへ入学した事”にさせておきましたから安心して下さい。教師にも学園長にも、あなたの素性はばれてません
GUMI:すっっっっっっごいですねー! いよっ♪ 悪代官!
ルカ:それ褒めてません・・・・。まぁいいです、事実、悪代官でしょうね。とりあえず貴方は私の情報網で掴んだネタである“学園長が裏で動いた”事に関する情報を、生徒会に入ることで調べてもらいます。貴方は1年A組になるので、そこの“学級委員長”になってもらいます。そうすれば自動的に“生徒会”に入ることになるのですが、役職は持たなくて良いです。“生徒会”の名刺さえあれば職員室だろうと、学園長執務室だろうと、入ることを許されますから
GUMI:うっわー、ここの“せいとかい”って、悪の秘密結社なんですね〜! ワクワク
ルカ:(本当に大丈夫なのかな・・・・・)ま、まぁ、そんな所です。私の裏の力を持ってしても、さすがに学園長の裏行動のガードはやぶれないのです。それに私を含め、生徒会幹部は全員、顔が広いので、なかなか潜入調査までは出来ないのです。ホント、宜しく頼みましたよ
GUMI:グミグミにまっかせなさーい!
ルカ:グミグミ!?
GUMI:今考えたアタシの愛称なのでっす♪
ルカ:コードネーム“GUMI”のままにします。とりあえず私だけとの報告時はこのコードネームにします。それ以外は、ここの学校に通してある“勇気めぐみ”という名前を使いなさい。いいですね、向こうも“探偵”を使ってこっちを探っている事も考えられますから
GUMI:(´・ω・`)せっかくナイスなネーミングだと思ったのに・・・。わかりましたー
ルカ:(はぁ〜、大丈夫なのかなぁ〜)
(昼食時間・母香炉女学園 学食)
メイコ:さーて、まずは腹ごしらえっと。何にしようかしら(さすがに酒類は置いてないか・・・)
めぐみ:なっ・にっ・にっ・しよーかな〜、ワクワク! (あ! 食後の大好きなグミキャンディーも買って置かなきゃ)
二人は食券売場で遭遇したのだった。前がメイコ、後ろが、めぐみだった。
メイコ:え、あ、どうも(? 随分明るい子ねぇ。名札・・・・“1年A組の勇気めぐみ“さんか。やっとこの高校1年生で舞い上がっているのね)
めぐみ:あ、いえ、こちらこそどうも、へへ(? 随分、おっとなーな人だなぁ・・・名札・・・・“3年B組の咲音メイコ”さんか。3年ともなると、こんなに落ち着いちゃうのねぇ)
メイコ:先に食券買いますね。(ポチっ)
めぐみ:あ、じゃあ、私はこれ。(ポチっ)
メイコ:それじゃ私は向こうで食べますね
めぐみ:あ、私はこっちで。それじゃぁどうも
こうして、お互い敵同士である事を、まっっっっっっっったく気づかない状況で、お互いの昼食を食べて、学校散策に出る事にしたのだった。
(昼食時間・母香炉女学園・中庭)
元生徒会委員A:ねえねえ、ネルちゃん、1回デートしようよ、ねえ
亞北ネル:ちょっ! ここ女学園ですよ! 女の子同士でデートって、先輩、大丈夫!?
元生徒会委員A:だからこそよ! ここは、秘密の花園! こういうのは日常茶飯事なのよ? わかる?
ネル:(汗)(あーーーーーやっばぁーーーーー誰か来てくれないかなーーーーー。あ!)
ちょうどそこへメイコが通りかかったのだった。
ネル:そ、そこの大人な先輩!! 助けて下さい!
メイコ:え? 私?
元生徒会委員A:なによー! ネルちゃん“フケ専”?
メイコ:(゜Д゜)(フ・・・・フケ専!!!!!)・・・・・あんた、命が惜しかったら、私の視界から消えなさい。5秒時間をやる
元生徒会委員A:う、うわ! ごめんなさーい!!!!
その生徒は猛ダッシュで逃げていった。
ネル:せ・・・先輩、有り難う御座いました。あの、私、1年A組の亞北ネルって言います。宜しくです
メイコ:私は3年B組の咲音メイコよ。宜しくね。それにしても、あの子誰?
ネル:あの人、元生徒会の委員だった子だそうです。私は1年だから知らないけど、なんかここの学校見学と受験の時から狙っていたらしいのです。どこで私の個人情報、見つけてくるんだか・・・・
メイコ:そうなの、災難だったわね(これも生徒会の裏の力か・・・。ますます放っておけないわね)
ネル:あの、先輩、お友達になっていただけますか? 高校での初めての上級生のお友達に
メイコ:いいわよ! そういえば私も“お友達“って立場の人、ここでは初めてなのよね。私、転校生だから
ネル:そうなんですか! やったー! あ! ねえねえ、そこに隠れているハクちゃん!
弱音ハク:((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
ネル:ハクちゃん! もうあの人どっか行ったよ! この人が助けてくれたの!
ハク:え・・・・あ・・・・、あ、あの、ネルちゃん助けてくれて・・・有り難う御座います。私、弱音ハクっていいます。ネルちゃんの同級生です。宜しくお願いします
メイコ:こちらこそ宜しくね。私は咲音メイコよ。これでハクちゃんも私のお友達ね
ハク:あ、そうですね。メイコ先輩、有り難う御座います!
ネル:あの、私たち、メイコ先輩のお力になりたいんですけど、なにかありますか?
メイコ:そうね、私もこの女学園、初めてなのよ。だから、お互い、自分のクラスや自分の学年であったこととか、情報交換しない?私は学級委員の仕事とかご飯とか以外はクラスにいると思うから、いつでも来てね
ネル:は、はい! 有り難う御座います! 遊びに行きます!
ハク:わ・・・・わたしも行かせていただきます
メイコ:じゃあ、宜しくね!(ネルちゃん、ハクちゃん、ごめんね。でも、これで1年生の情報網は出来たわ)
その後、3人は別れて教室に向かったのだった。
***
(昼食時間・母香炉女学園・屋上の暗がり)
男性教師:テトちゃん、ね、1回デートしてよ! ねえねえ
重音テト:(´皿`;)
男性教師:しゃ・・喋ってよ! ねえ、デートしてくれるの?
テト:(( ̄_ ̄ )(  ̄_ ̄))
男性教師:(ム!)、喋らない上に否定かよ・・・・・
めぐみ:そこのエロ教師! お前の悪事もそこまでだぁ!
男性教師:な・・・なんだお前!! クラスと名前を言え!
めぐみ:我こそ! 1年A組の勇気めぐみだぁ!! それでもって生徒会委員だぁ!!!
男性教師:え・・・・生徒会・・・・(やばい、これネタにされて揺さぶられたらヤバイ・・・)、あ! 僕、仕事が残ってた。じゃコレにて
男性教師はそそくさと逃げていった。
めぐみ:大丈夫か?
テト:(d ̄▽ ̄)
めぐみ:(喋られないのかな?)そ、そう、良かったね。あーゆーの、まだいるんだね
テトは自分の名札を見せた。
『2年B組 重音テト』
めぐみ:そっか、2年の先輩のテトさんかぁ。私は1年A組の勇気めぐみ、先輩、宜しくね!
テト:(*^-^*)
テトはめぐみの手を握って、握手し、その後、屋上を後にした。
めぐみ:(アタシも変わっていると思うけど、テトさんも変わっているわよね。全然喋らない・・・・・)
この後、めぐみも教室に戻ることにした。
***
こうして二人の女学園生活1日目の前半が終わった。後半はホームルームと、問題の学級委員長の顔見せであるが、それは次回のお楽しみ!
(続く)
CAST
咲音メイコ(MEIKO):MEIKO
勇気めぐみ(GUMI):GUMI
生徒会長・巡音ルカ:巡音ルカ
プリマ先生:Prima
レオン先生:LEON
亞北ネル:亞北ネル
弱音ハク:弱音ハク
重音テト:重音テト
黒井木之子・学園長、女生徒、男性教師、元生徒会委員A:エキストラの方々
説明 | ||
○ボーカロイド小説シリーズ第5作目の”母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI!“シリーズの第1話です。 ☆ジュブナイル探偵SFファンタジーモノ(?)です! ○今回はMEIKOさんとGUMIさんのダブル主役です。 ○pixivで人気の良かったシリーズです。 |
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