真恋姫無双 〜蜂蜜姫の未来〜 第2話 |
この作品は恋姫無双の二次小説で袁術ルートです。オリ主やオリキャラ、原作キャラの性格改変やオリジナルの展開などもあります。
そういうのが許せない、特定のキャラが好きな方はスルーしてください。
※一刀アンチ作品ではありません。
第2話
大地は城に向かいながら話を聞くことにした。大地はまずこの時代の情報収集を、八恵は大地が天の御使いではないかという期待を、七乃は八恵を全力で凝視。ただ一人方向性がずれているような気もするが。
「僕が聞きたいことは3つです。今はどんな時代なのか、真名とは何なのか、僕は何故城に行かなければいけないのか、です」
それが分かれば、とりあえずの対策は立てることができる。紀霊という名は確か三国志に出てくる武将だったはずだ、張勲については聞いたこともないが。ということは今は漢の時代である可能性が高い。にしても、なぜ女なのかは分からないけど。
「まず、今は漢王朝で現皇帝は劉宏様ですね。真名というのはその人を形作る神聖な名の事で、本人の許可なく呼べば殺されても文句は言えません。最後の質問ですが、私はあなたが天の御使いではないかと考えています。なので袁術様に会っていただくためにお連れしているわけです」
“真名には気をつけて”
あの少年が最後に俺に言った言葉。
なるほど、もし俺が不用意に真名を呼べば即ゲームオーバ−だったってわけか。そういう意味では感謝しなきゃいけないんだろうな。
大地は喉にひっかった小骨が取れたような気がした。だが、そこに一つの疑問が生じる。
天の御使いとは一体?
「袁術殿に会うのは構いませんが、僕が天の御使いというのはどういうことでしょう?」
「最近大陸にある占い師の予言が広まっているのですよ。黒天を切り裂き天より飛来する流星は御使いを乗せ乱世を治めん。大陸に二人の天の御使い揃いしとき、運命が動き出すといった内容のものです。そして霧里殿は流星が落ちたところに居合わせ、流星を見ていないと言う。ならば流星と共に落ちてきたと考えるのが自然だと思いませんか?」
「なるほど、確かにそうなりますね」
そして俺が一人目の天の御使いだというなら、二人目が本郷一刀で間違いないだろう。問題は北郷が 何処に落ちるかだ。それによって俺の動きが制限される事態だけは避けたい。ならばとるべき行動は決まってる。
「ですが、天の御使いという名はまだ公表しない方が賢明でしょう。その理由は……分かりますよね?張勲さん」
「もちろんですよ♪天子を頂点とする漢王朝が、もう一つの天を名乗る者を放置するはずがありませんし。それに、お嬢さまが知ったら十日も経たずに世間に広まるに決まってますから」
「お嬢さま?」
「袁術様のことです。私たちは袁術様の側近ですから」
主要な人物はほぼ女ってことか。この分じゃ曹操や劉備とか有名な奴は女なんだろうな、はぁ……。
いつの間にか城門近くまで来ていたらしい。目の前には巨大な門があり、何人か兵の人達が集まっていた。そして一人がこちらに気づいたらしくこちらへ走ってきた。張勲に耳打ちし何か報告しているらしい。するとそれを聞いていた張勲の表情がだんだん険しくなっていく。
「あなた達は一体何をしてたんですか!?顔についてるその目は飾りなんですか!だったら私がくりぬいて上げますよ!」
「申し訳ありません!厠に行くと侍女に告げたそうなのですが、それからしばらくしても戻ってこないらしく、我らも探しているのですが……」
「八恵ちゃん!霧里さんを客室に連れて行ってくださいね!私はお嬢さまの泣き顔を見に行きますから!」
「泣き顔って!?七乃、待ってくださいよ……私も見たいのに」
「はっ?」
紀霊がボソッと呟いた言葉に俺は耳を疑った。こいつはまともだと思っていたが、どうやら違うらしいな。
「それでは霧里殿こちらです」
紀霊からやる気が感じられん。そんなに落ち込まなくても、と思うのは俺だけか?
この物体はなんだ?
俺を部屋まで案内した紀霊はそのままどこかへ走り去ってしまった。そして俺は部屋へ入りベッド?で寝ようと布団をめくると、そこには気持ちよさそうに寝息をたてる少女がいた。
身形からしてこいつが袁術なのか?俺の妹より年下じゃないか。
大地は部屋に案内されるまでに紀霊からこの城の現状を聞き出すことができた。袁家の連中は袁術を隠れ蓑にして民に重税を課し、豪族から賄賂を受け取り、奴隷商から奴隷を買うなど腐りきっているらしい。というか、いくら落ち込んでるからってそんな情報をホイホイ教えないでくれ。
「許さねぇ」
俺は袁術の頭を撫でながら、どうやってこの子をこの腐った世界から救い出そうかと考えていた。
そのまま俺の意識は深い眠りへと落ちていった。
「……お主……だ……ぬか!」
うるせぇなぁ、こっちは昨日の今日でまだ眠ぃんだよ。静かに惰眠を貪らせろ。
「起きるのじゃ!お主、妾の寝室に忍び込んで何をしておるのじゃ!」
ちっ!黙らせてやるから顔見せろ、って俺が目を開ければ済むことか。
大地が目を開けるとそこには昨日の少女がいた。
「おはよう」
「うむ、おはようなのじゃ……って違うのじゃ!お主は妾の寝室で何をしておる!」
「まぁ、落ち着け。順を追って説明してやるから」
そう言うと少女は話を聞く気になったのか姿勢を正した。最低限の礼儀は叩き込まれてるらしい。
「まず、俺はお前の兄だ」
「なんと!?妾に兄上がおったのかや!?」
「ウ・ソ!」
「嘘じゃと!?信じてしまったのじゃ」
あぁ、なんてバカだ。まさか信じるとは。こりゃあ、某博士があの子を騙すのもうなずける。だって騙しがいがあるもん、この表情。
「本当のところは客人だ。昨日紀霊にこの部屋に案内されて、寝ようとしたらお前がここで寝てたんで、起こすのもかわいそうだからそのままにしておいたってわけ」
「なんと!?妾が部屋を間違えたのか?」
「まぁ、寝ぼけてたんだろうししょうがないだろ」
「うむ!妾は悪くないのじゃ!それで、お主は結局誰なのじゃ?」
「俺は霧里だ、よろしくな。おまえは?」
「霧里か。妾は袁術、字を公路という。よろしくしてやるのじゃ」
やっぱりこいつがそうか。だとしたら、張勲がこいつを守るためにバカのまま育て上げたってことだな。
賢い主君は邪魔でしかないから排除されるが、バカなら使い道がある限りそのまま据え置きってわけだ。だったら俺が害虫駆除を買って出てやる。それと……
「とっとと入ってこいよ!いつまでそこで悶えてるつもりだ?」
「もう、分かってたんなら言ってくださいよ〜」
「すみません、盗み聞きするつもりは無かったんですが……。それより霧里殿、その喋り方は?」
「こっちが俺の地だ。初対面の奴らには名を教えるな、反感を買うなって家訓でな。家訓は他にも色々あるが」
まぁ、寝起きは機嫌悪いから地が出やすいってのもあるが、そこは触れなくてもいいだろう。
「ではなぜ?」
「も〜、八恵ちゃんてばニブニブですねぇ〜。もちろん信じるに足ると判断したからに決まってるじゃないですか♪」
「そうだ。その証として、俺の名は大地だ。これからよろしくな」
「私の真名は七乃です。七乃って呼んでくださいね」
「大地殿、私の真名は八恵といいます。八恵とお呼びください」
なんか部屋の中が温かい空気になってる気がする。こんな気持ちになったのは久し振りだ。
そんな感じで三人で和気あいあいと話しているのを見て袁術が拗ねてしまった。
「兄上、妾は無視かや?」
「ごめんごめん、ほら袁術も「美羽じゃ」こっちに、って」
「妾の真名は美羽じゃ、兄上」
「あー、えっと、美羽」
「なんじゃ?」
「なんで兄上なんだ?」
「妾がそう決めたのじゃ!じゃから大地は妾の兄上じゃ!」
「ちょっ!?七乃、八恵これは」
「「無理です(ね〜)」」
救いの手は、非常にも俺のはるか上空を通過していきやがった。まぁ、別に妹が増えたと思えば問題は無いのか?
「……分かった、好きにしろ」
「ならば今日から大地は妾の兄上じゃ!良いな七乃、八恵」
「はっ!」
「は〜い♪で、ですねお嬢さま、大地さんがお兄さんなら私は?」
「?七乃は七乃じゃろ?」
「そうですよね〜、はぁ」
七乃が落ち込んでるなぁ、慰めてやるか。
「七乃、さっきの“ウ・ソ!”の使い方教えてやるから元気出せよ」
「さきほどお嬢さまを手玉に取り、驚愕の表情を引っ張り出したあれですか!?」
「ああ!使い方はだな……」
「ふむふむ。なるほど」
「のう、八恵。あの二人は何をしておるのじゃ?」
「気にしたら負けです」
「そうなのか?」
朝の城内の一室に四人の笑い声が響いていた。
あとがき
ご都合主義って素晴らしい言葉だと思います。
大地の知識まで吸収したら七乃は何処までも美羽をいじり倒す絵が浮かんだ物で…
美羽については、兄上って呼ばせたかったんです。主様とか一刀とかはあるのに、なぜ兄上が無いのか!?と考えていたりしたんです。
相変わらずの駄文。あぁ、どっかに文才が転がってたりしないだろうか、なんてことを考えつつ書き上げました。ここおかしくね?みたいな所があれば言ってください。直して良くなるなら大歓迎です。
ということで、やっと顔合わせ終了。次は管理者サイドですね。
でわでわしつれいします
説明 | ||
美羽との出会いです ご都合主義が働いている気がしますが、気にしません ではどうぞ |
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