第二問 主人公と保健室 |
☆保健室★
★???SIDE☆
「ふう・・・平和ね・・・」
正直、何も無くて暇かなと少しだけ思ってしまったりするけど、保健室の先生としては喜ぶべき事なのよね。
「あの子達、ちゃんとやっているのかしら・・・?」
まあ、あの子達なら普通にやっても総合でB、悪くてもCかDクラスには入る事は出来・・・いや・・・
「・・・何か問題起こしたり、わざと悪い点とってたりしそうね・・・」
そうよ、冷静に考えてみれば何かふとした拍子に何かしでかしてそうじゃない。
あの子達、成績より友達優先だったり、趣味優先だったりするから、寝不足で受けれませんだったり、とか駄目教師にイラついて、とか・・・
「まさか、流石に今日はそんな事は・・・」
と、思っていたら、
ガラッ!!
「すいません!誰かいませんか!?」
いきなり誰かが入ってきた、って、明久じゃない。
しかも一緒にいるのは姫路さん?
ここにいると言うことは、テストを抜け出してきたんでしょうね。
まあ明久は元気そうだから、具合が悪くなった姫路さんを連れてきたって所ね。
「あ!ティアさん!?」
全く、まあ、それがあなたらしいのだけれど。
「ふう・・・学校では先生をつけなさい吉井」
さて、姫路さんを早く寝かせてあげなくちゃね。
★明久SIDE☆
「よ、吉井君・・・ごめんなさい、私のせいで・・・」
「気にしないでよ、姫路さん。」
「でも・・・」
「いいって、僕が好きでやったんだから」
全く、姫路さんは責任感が強いのかな?
本当に僕が好きでやっただけだから、そう何度も誤らなくていいのに。
あっ、それはそうと、
「すいません、ティアさん。いきなり入ってきて」
「だから先生をつけなさい」
「すいません、ティアさん先生」
「いや、さんの後にじゃなくて」
「すいません、ティア先生さん」
「もうふざけてやってるわよね、それ」
この人はティアさんって言って、文月学園の保健医。
あと、実は僕と住んでいる所が隣同士で、結構世話になっている人だ。
にしても、この人は本当に若い。
実は二人の子持ちなのに、普通に20代前半に見える。
「? 吉井?何か私の顔に付いているのかしら?」
「あ、 いやそういう訳じゃなくて・・・」
「よ、吉井君・・・?まさか吉井君って年上趣味なんですか・・・?」
「いや、違うからね姫路さん。そういう訳じゃなくてね。あと、結婚してるからね、この人。
」
「じゃあ人妻趣味なんですか!?」
「なんでそうなるの!?」
やばい、姫路さんが熱でかなりおかしくなってる。
早く何とかしないと、確か風邪にはねぎを首に巻くと効くって言うけど、あいにく此処にはそんなのないし、買ってくるにも僕の財布の中はゲームですっからかんだし・・・
ガラッ!
「はあ、何やってんのお前ら・・・いきなり人妻趣味とか廊下まで聞こえてきたからびっくりしたよ」
「へっ?」
どうやってねぎを手に入れようか悩んでいると、保健室のドアが開いて聞きなれた声が聞こえてた。
そこには、ティアさんと同じクリーム色の髪で、腰まで伸びた髪を首の所で束ねていて、ちょっと頭の上であほ毛が出ている少年、
「「ジュニア!?」」
僕の親友のジュニアがいた。
★ジュニアSIDE☆
「何やってんの、明久。どんな会話したら、あんな話の内容になるの?」
何で荷物届けに来たら明久が人妻好きという話が聞こえてくるのか意味が分からないんだけど。
さて、ついでにまだ終わってなかった俺の自己紹介もするか。
「全く、ジュニアあなたまで・・・」
「あー、なんと言うか、ごめん母さん」
今までの会話で分かったと思うけど、俺はみんなに『ジュニア』って呼ばれてる。
ああ、別に本名って訳じゃない。ちょっと自分の誓いって言うかそんな感じで本名で呼ばれてない。
んで、俺はこの保健医をやってるティアの息子でもある。
ちなみに俺の本名を知ってるのは実は家族だけで明久でさえ知らない。
まあ、これからも本名が出てくる事は無いだろうから。
理由?この作者の別の小説にいつか出ると思うから、いま停滞してるけど。
「あ、あの・・・?」
「ん?ああ、そういえばこうして会うのは初めてだったっけ。俺はジュニアって呼ばれてる。明久の仲間だ、よろしく姫路。ああ、名前は噂で聞いてたから知ってる」
「は、はい。って、え?ジュニアって・・・?」
「あー、本名じゃないけど、それで呼んで。理由はまあちょっと・・・」
「あ、はい」
こっちの空気を呼んでくれたのか、素直に頷いてくれた。
いい子だな、本当に。
「え?ジュニア、何でこんな所にいるの?」
「お前が荷物忘れていったから、届けに来たんだよ、ほら。で、こっちが姫路の分」
そう言って、俺は二人の荷物を渡した。
「あ、すいません」
「あ、ありがとう。ってそうじゃなくて!テストはどうしたの!?」
「ああ、落としたペン踏んで転んで、そのまま試験監督に頭突きして吹っ飛ばして出てきた」
「「「一体何やってんの(ですか)!!?」」」
ありのまま起こった事を話したら、全員が叫んだ。
まあそっか、自覚あるし。
後悔はしてないけど。
「はあ、あなたは本当に・・・」
「ちょっと、それ大丈夫なの!?」
「まあ、多分大丈夫だって」
「気楽ですね・・・」
まあ、やっちゃったものは仕方ないし。
「あ、そうだ。ジュニア、ちょっと姫路さんのために必要なものがあるんだ」
「ん?必要なもの?」
なんだ?結構真剣な表情だな。
「うん、実はネギが必要なんだ」
「よし、今此処で母さんに診てもらえ、頭を」
「ちょっと!?何でそうなるのさ!?」
「そのままその台詞返す!なんでネギが必要なんだよ!!」
「え?だって風邪のときはネギを首に巻くと良いって?」
「明久、それは民間療法よ・・・」
ああもう!母さんなんかあまりに呆れすぎて名前で呼んでるし、姫路は状況付いていけなくてオロオロしてるし!
ガラッ!
「はあ、何やってんのお前ら・・・いきなりねぎネギ聞こえてきたからびっくりしたんだけど」
「「ん?」」
なんか俺のときと似た台詞で入ってきたのは、赤みがかった短髪ジャージ姿の・・・て、
「父さん!?」
「「ルーク(さん)!?」
「よう」
そこには、俺の父親で体育教師をやっているルークがいた。
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今回から、アビス本編のキャラが少しずつ出てきます。今回はあの人です。 | ||
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