秋蘭(帰還) 前編
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一刀「はっ!?」

 

一刀が目を覚ますと、そこは自分の部屋の天井

 

 

一刀「・・・」

 

しかし華琳達の居た世界の物ではなく、元の世界の天井

 

 

一刀「夢・・・」

 

一刀がゆっくり身体を起こす、と周りを見渡す

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一刀「いや、違う!?」

 

一刀は自分の身体を見ると、数箇所敗れた様な後や、汚れた後が制服に有った

 

 

一刀「夢じゃなかった・・・」

 

一刀はあの世界での事が、夢じゃない事に気が付くとそのまま、顔を枕に押し付ける

 

 

一刀「・・・」

 

一刀の頭の中に浮んでいるのは、最後のあの言葉

 

 

華琳「行かないで・・・」

 

一刀「・・・華琳・・・ゴメン」

 

一刀は何時の間にか泣いていた

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一刀「うああああああああああああーーーーーーー!!!!!!」

 

今の一刀に必要なのは、涙を流す時間だけであった

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泣き終えた一刀は、二・三日学校を休んだ、そして今一刀は久しぶりに自分の教室にいた

 

 

一刀「・・・」

 

及川「何やかずピー、二・三日休んだと思ったらここでは、たそがれかい?」

 

一刀「そんなんじゃねえよ、ただな・・・」

 

及川「まあ、余り深く聞かへんけど」

 

一刀は教室の窓の景色をずっと見ていた

 

 

キーン!コーン!カーン!コーン!

 

 

先生「ほら皆席に付け」

 

チャイムが鳴り、先生が教室に入ってくる

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先生「今日は転校生を紹介する」

 

及川「転校生やて、どんな子やろなかずピー?」

 

一刀「知らん・・・」

 

及川「何かあったん?相談なら聞くで」

 

一刀「何でもない」

 

及川「ほうか、おお!!かずピー見てみ!?メッチャ綺麗やであの子!!」

 

一刀「あっそ・・・」

 

???「初めまして」

 

一刀「!?」

 

一刀が聞いた声は、間違えるはずの無い大切な人の声に似ていた

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一刀(秋蘭・・・)

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???「石田秋蘭です」

 

一刀の目に入ったのは、自分と同じ聖フランシェスカの制服を着た秋蘭の姿であった

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生徒達「うおおおお!!!!!」

 

及川「美女や!!美女が来た!!!!」

 

先生「こら!静かにしろ、石田は中国からの帰国子女だから、判らない事も有ると思うから皆仲良くしてやれよ」

 

生徒達「はーい!!」

 

及川「やったなかずピー!!当たりやで!!」

 

一刀「・・・」

 

及川「かずピー?」

 

一刀「えっ!?何だ!?」

 

先生「じゃあ席は?北郷の隣が空いているな、あそこに座りなさい」

 

秋蘭?「はい」

 

先生に言われて座ったのは、一刀の隣である

 

 

秋蘭?「よろしく」

 

一刀「あ、ああ」

 

一刀は一度顔を確認すると、目線を背ける

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そして放課後

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女子生徒「ねえねえ!!石田さんて、綺麗な髪だね、どんな手入れしてるの?」

 

秋蘭?「そんな特別な事はしてない、手入れはしているが特別な事は何も」

 

男子生徒「どの辺に住んでるの?趣味は?」

 

秋蘭?「そうだな、強いて言えば料理かな」

 

秋蘭の席には、人だかりが出来ていた

 

 

及川「凄い人気やな、なあかずピー?」

 

一刀「・・・」

 

及川が話しかけると、一刀は教科書を鞄に入れていた

 

 

及川「かずピー?」

 

一刀「部活行く」

 

及川「そうか、休んどったからな」

 

一刀「ああ、じゃあな」

 

一刀はそのまま教室のドアに向かっていた

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一刀(あいつがもし秋蘭なら)

 

パチッ!

 

一刀は廊下に出る前に、袖のボタンを嵌める

 

 

秋蘭?「!・・・そう言えば、用事を思い出したから、私はこれで」

 

一刀に少し送れて秋蘭が教室から出て行く

 

 

一刀「付いてくる・・・」

 

一定の距離を保ちながら付いてくる、人物に一刀は気が付くとそのまま屋上に上がる

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一刀(気のせいか・・・あの合図に気が付いてここに来るのは、本物だけだもんな)

 

一刀は、屋上のフェンスを握り締めていた

 

 

ガチャ!

 

 

一刀「!」

 

一刀が振り向くと其処には

 

 

秋蘭?「・・・」

 

一刀(まさか・・・)

 

一刀が袖のボタンを閉めたのは、二人きりで会う時に決めた合図

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一刀「あの・・・」

 

秋蘭?「ッ!」

 

一刀「あっ!?」

 

一刀が気が付いた時には、秋蘭?が抱きついていた

 

 

秋蘭?「会いたかった・・・北郷」

 

一刀「!?・・・秋蘭・・・なのか・・・」

 

秋蘭「ああ・・・」

 

涙を流しながら上目使いで、見つめて来る姿は紛れも無く、一刀の知っている秋蘭であった

 

 

一刀「どうやって此処に?」

 

秋蘭「管輅に連れてきて貰った」

 

一刀「管輅に!?」

 

管輅「そうですよ、北郷一刀」

 

一刀・秋蘭「「!?!?」」

 

管輅二人が振り向くと、顔をフード隠した1人の人物が居た

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一刀「貴方が、管輅」

 

管輅「はい」

 

秋蘭「管輅、何故此処に?」

 

管輅「お二人に伝えねばならない事が有ります」

 

秋蘭「伝えたい事?」

 

管輅「外史の扉は再び開きます」

 

一刀・秋蘭「「!?!?」」

 

管輅「ですから、その間に、北郷一雅(ほんごうかずまさ)の下で修業してください」

 

一刀「爺ちゃんの下で!?」

 

管輅「はい」

 

そう言い終わると、管輅は背を向けて歩き出す

 

 

管輅「覇王の下に戻るならそれ位の、覚悟が必要です」

 

秋蘭「そんな一刀を支える為に、私を連れてきた」

 

管輅「そう言う事です、ではまた会うその時まで」

 

一刀「管輅、有難う」

 

管輅は、ペコリと頭を下げそのまま消えていった

 

 

秋蘭「北郷」

 

一刀「ああ判ってる、当分の目的は決まった」

 

秋蘭「ああ」

 

一刀と秋蘭は二人一緒に空を見上げるのだった

説明
この作品は、秋蘭(理由)と同じ時期に考えたものです。
まだその頃は、前編・後編をやれる勇気が無かったので、後回しにしました。
それではどうぞ
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コメント
ファイズさん 有難うございます、直ちに治します(カイ)
×部下いく→○部活行くではないでしょうか?(ファイズ)
タグ
真・恋姫†無双 秋蘭 一刀 もしもシリーズ 

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