桔梗√ 全てを射抜く者達 第32射 |
桔梗√ 全てを射抜く者達 第32射
視点:一刀
西門に着くとすでに戦闘が始まっていた。こちらに大量の矢が降り注ぎ、矢から身を護る為に盾で守りながら、矢を放つ。そして、西門を開けようと、丸太で扉を突いている。
これは不味いな。西門の扉は最近老朽化しているから、改築しなければ不味い先日報告があった。
だから、こんなことされたら、すぐに壊れてしまうではないか!
俺は城壁につくと、凪監修激辛スモークグレネードを落とす。1個しかなかったが、心配無用だ。
無限バンダナが何とかしてくれた。俺は延々とスモークグレネードを投げ続けた。
下で破裂したスモークグレネードによって、敵兵の叫び声が下から聞こえて来る。
さすがは、インド警察や軍が採用した対テロリスト用カレー爆弾を基に作っただけの事はある。
しかも、凪が監修しているから、威力は相当なものだろう。
人狼部隊の娘達を数分間も戦闘不能にさせたのだ。間違っても暴発させたくない代物だ。
西門の扉を壊そうとする音が止んだ。
ちょっと、ここまで威力あるんだったら、もしかしたら、住民避難させなくても良かったんじゃね?
だが、世の中、そんなに上手くはいかないらしい。いきなり、風が強くなってきた。
指を舐めて、風向きを調べる。風向きは北から南へと吹いている事が分かった。
俺は城門の北側にスモークグレネードを投げたが、投げた瞬間風向きが変わり、城門前の兵を無力化出来ない。何度やっても、風向きが変わり、城門前の兵に対するスモークグレネードの効果が無い。
今日は厄日か?それともこれが前厄とかいう奴なのか?
こんな時に不運とか、勘弁して貰いたい!おもわず、昔読んだラノベの主人公の名台詞を吐きたくなる。
だが、ここで『不幸だぁ!』と叫んだところで何かが改善される訳ではない。
考えろ!此処で最良の策はなんだ?
そうだ。俺には狙撃がある。何故最初っからそれに気付かない!馬鹿にも程があるだろう!
俺は落ち着いて狙撃出来る場所へと移動を開始することにした。
確か、桔梗様が敵を引き付けて、南門に劉焉の軍が行かないようにするために此処より、少し北側に居ると言っていたな。だったら、俺が行くべき場所は南側だな。
俺は城壁の下に居る敵に発見されないように、屈みながら移動を開始する。
「一刀、何処に行くんだ?」
「静かな所で敵の将、劉焉を狙撃する。」
「だったら、私も行くぞ!」
「焔耶。お前はお前の与えられた事をしろ。お前は此処で、杏里の作戦通り、西門の防衛を任されているのだろう?お前の任務は俺の護衛じゃない。」
「だが!」
「だがも!しかしも!へったくれもあるか!お前は自分の任務を遂行しろ!」
「………分かった。」
そういうと俺は南に向かって歩き出そうとした。
「一刀!」
「何だ?」
「此処から脱出したら、お前に伝えたいことがある。だから、無茶な事をするなよ。」
「了解。」
さて、移動したは良いが、困ったな。え?何が困ったって?そりゃあ、観測者が居ないんだよ。
鮮花はどうしたって?アイツには罠設置とか、街の中に隠れて入ってきた劉焉の軍を襲撃するようにアンブッシュさせている。だから、今俺は一人だ。BarrettM82A1を下に置き、俺は双眼鏡を取りだす。
「さて、敵さんは何処かな?」
俺は城門の方から劉焉を探してみることにした。
前線には劉焉らしき人物は見当たらない。ん?劉焉がどんなやつか知っているのかって?
みのも●たのように、ズバッと言わせてもらおう!
知らない!顔も見たこと無い!特徴も知らない!
りゅうえん?なんだそりゃ?和菓子かよ!って感じだ。
だが、将って言うのは一般兵と違った格好をしている。
武器には装飾が施され、着飾っている。
だから、一般兵と違う奴がいたら、片っぱしから狙撃していけばいい。
え?無差別攻撃じゃないかって?失敬な!敵を片っ端から狙撃するだけだから、無差別攻撃では無い。
だが、見つからないな。最後尾で戦いを高みの見物しているのか?
俺は双眼鏡の倍率を変えて、更に遠くの方を見てみる。
だが、それでも見つからない。マジでいるのか?そんな焦りを俺は感じている時だった。
「見つけた!」
劉焉が居た。大きな純白の『劉』の牙門旗の下に屋根付きの神輿があり、その中に劉焉が座っていた。
体形はやせ形。肌は白いというより、蒼白。病弱だと言っていたな。
目は腐ったドブ川のような目の色をしていた。
だが、俺にはそんな病弱に見える劉焉を撃てない理由があった。距離だ。アレは届かない。
BarrettM82A1の有効射程は2kmだが、劉焉の居る場所は最後尾で、ここから3kmは離れている。
こっから3kmも離れているってどんだけ、ビビりなんだよ。
大将がそんなビビってたら、兵の士気が下がるのをコイツは分かっているのか?
そして、籠城戦である以上、近づこうと城壁から降りたら、劉焉の軍に袋だたき合ってしまう。
だから、接近は無理で、ここからアイツを狙撃する方法が無い。
「くそっ!大将を殺せば、戦は終わるんだけどな!」
俺は城壁を殴り、叫んだ。だが、叫んだところで、状況は変わらない。
劉焉がこちらに近づいてくる訳じゃないし、劉焉の軍が止まるわけでも退却するわけでもない。
大体ふざけるんじゃねえぞ!劉焉!何だよ!桔梗さんが太平の世の中を乱した?
お前馬鹿か!?お前の無能さが益州を乱したんだよ。そんなことも分からないのか?
俺が最初にてめえの所に行かなかったから、俺を手に入れる為に、桔梗さんが邪魔?
そんなんで、桔梗さんが死ななくちゃいけないのかよ!
てめえの脳みそ、鱈の白子かなんかで出来てんじゃねえのか!?茹でて、ゆずポンで喰うぞ!コラ!
「ふザケるな!フザけンなヨ!テメえが死ねヨ!」
俺は城壁の上で咆哮を放った。
劉焉の狙撃にこのDistorted Traquilizerが必要だと思った俺は丁度今から五分前に飲んでいた。
だから、丁度五分経った今、薬の効果が出始めた。
力が湧き出て来る。
呼吸が速いのに、呼吸は妙に落ち着いている感じがする。
体が熱く暴れたいと叫んでいるのに、俺は妙に落ち着いている。
矛盾が成立している。やはり、この薬は良く効くな。
今なら、誰よりも速く走ることが出来る!今なら、誰よりもナイフで多くの敵を切り裂くことが出来る!
今なら、誰よりも速く早撃ちが出来る!今なら、誰よりも多くの敵を殺すことが出来る!
見える!聞こえる!匂う!感じる!
敵味方の兵の表情が!敵味方の怒号と悲鳴が!敵味方の流す血の匂いが!敵味方の発する気が!
全て、俺の中に流れ込んでくる。そして、俺はそれらの情報を処理していく。
だが、全ての情報を処理する事は困難だ。だって、そうだろう?
読売新聞と毎日新聞と日経新聞とサンスポとニューヨークタイムズを同時に読める奴なんかいない。
だから、俺は一時的に五感の一部の感覚を制御すること務める。
制御する五感は視覚と嗅覚と味覚。俺は聴覚と触覚に神経を集中させた。
ここから1kmほど先にある丸太をぶつけられる西門の扉の音から、扉の耐久を予測。
先ほどからミシミシと音を立てている。この感じではもって、あと15分だな。
幾ら後ろに家屋の残骸を積んで進路妨害を考えたら、30分は稼げるだろう。
だが、これはあくまでこのままだったらの話だ。
そうだ。俺があの丸太を持っている兵士を一人一人殺していけばいい。
「怒レ!一刀!感情を露わニシろ!
モッと怒ッて良いンダ!怒リハ怒りを産む!サあ!怒っテミセろ!」
それと同時に、薬の副作用が俺の精神を崩壊させてようとしてくる。
だが、薬の副作用に簡単にやられる俺の精神では無い。
あれから、色んな精神修行を積んだのだ。俺は薬の言いなりになるつもりはない!
この気持ちの高ぶりを利用させてもらう。
俺の感情が薬の副作用で暴走するのなら、その暴走をコントロールしてやる。
今はこの怒り!貴様の兵にぶつけさせてもらうぞ!劉焉!
俺は城壁の上にBarrettM82A1を乗せて、狙撃の体勢に入る。
増強した聴覚神経を頼りに、索敵し、常人並みにまで抑えられた視覚で照準を合わせる。
そして、引き金を引き、一人一人狙撃していく。
だが、不思議な事に敵は怯む様子が全くない。
俺はそんな状況に対して不可解さと焦りを感じていた。
そして、その不可解さと焦りが薬の副作用を悪化させていく。
心の隙間に怒りが流れ込んでくる。その結果、俺の怒りがどんどん増幅していく。
辛うじて、何とか気を保っているが、こんなところで狙撃をするのが煩わしくなるほどの怒りだ。
俺は気が付いたら、BarrettM82A1を抱えて、西門の扉の真上へと走り出していた。
視点:焔耶
劉焉の軍が止まらない。
一刀が赤い煙幕を張っていた時は効果があったのだが、幾ら射撃をしても止まらない。
何処かから一刀が狙撃をしているみたいだが、その効果も薄い。
一人倒れたら、入れ替わりで誰かが入るの繰り返しだ。
これまでぶつかってきた軍は何処もこの一刀の狙撃で恐れて逃げていたのに、それが全くない。
正直不気味だった。不気味すぎて、恐怖を感じてしまった。
杏里はそんなあり得ない状況をこう分析した。
あの丸太を持っている兵は罪人か奴隷の可能性が高いらしい。杏里がそう判断した理由は丸太を持っている兵の装備がボロ着に軽装だったからだという。確かに言われてみれば、そうだ。
そして、おそらく戦に勝って帰ってきたら釈放を約束されていて、敵前逃亡すれば、殺される。
そんなことを言われているのだろうと杏里は推測した。
だから、劉焉の軍は止まらない。
そして、門のきしむ音が大きくなり始めた。
「焔耶!打ち合わせ通り、軍を退却させ始めて下さい。」
私は杏里の指示通りに私の部隊を退却させようとした。だが、一部の兵が此処に残ると言い出した。
理由を聞いたら、飢饉で家族を失ったり、桔梗様に恩があるとか様々だった。
その兵達の覚悟は揺るぎないものだった。だから、私は部隊の兵を3つに分けた。
1つ目は街の方へと移動し、凪と沙和の部隊と合流し、放火の準備をさせるため、退却させる部隊だ。
その後、この街から脱出した民達と合流させるつもりだ。
2つ目はこの西門に残って劉焉の軍を最後まで引き止める部隊だ。
この街から離れたくないと言っている年寄りが多い。
3つ目は私と一緒に城まで退却し、私や一刀、桔梗様が死んだように見せかけるために、城で最終決戦をしてくれる部隊だ。
真桜や桔梗様の部隊も同じような現象が起こったらしく、真桜や桔梗様の部隊も3つに分けられた。
最終的に此処に五百、城に千五百残り、残りの負傷兵を含めた二千は全員退却することとなった。
私が退却する兵を誘導させることとなった。
桔梗様と一刀は城で姿を見せる必要があるので、桔梗様と一刀は退却させる部隊の指揮には合わない。
真桜も城のからくりの仕組みを知っているので、最終決戦の為に、此処に残らなければならない。
杏里も最終決戦で指揮する為にも此処に残らなければならない。
だから、私だ。
私は兵を率いて東門へと向かうことにしたのだが、劉焉軍の足止めをする為に色んなところの家屋を壊し、迷路状になっているらしく、普通に脱出できないようになっている。そこで、杏里が地図を見せて脱出路を説明してくれたが、私には地図の見方がさっぱり分からないので、副官に任せた。
どの道を通るのかは知らないが、人狼部隊が一か所だけ封鎖していない所があり、そこを通るらしい。私達が通過するとそこは封鎖されて火が放たれるということも一応理解出来た。
副官が先頭に立ち、退却する軍を誘導する。私は殿だ。
「では、桔梗様、杏里、真桜。また後で。それから、一刀を宜しくお願いします。」
「おう、任せておけ。あやつが居らぬと色んな意味で困るからのう。」
「そうですね。私が虐める人が一人減ってしまうのは楽しくありませんから、守らないと困ります?」
「あれぇ?軍師はん。隊長の事が好きやから死なれると嫌なんちゃうの?」
「きゃわわ!真桜はあの現場見ていたのですね//////」
「はて、何の事やろうな?軍師はんが頬染めて隊長に何か言っていた現場なんてウチ見てへんで?」
「きっちり、見ているじゃないですか!今度から真桜の工房の予算は3割削減です!」
「ちょ!待って―な!そんなん理不尽や!」
杏里と真桜が言い合いを始めたが、そろそろ時間も無い。私は退却する軍について行った。
時間稼ぎをしてくれると言っても、桔梗様達に負担を掛けたくない。私達は急いで東門へと向かった。
私達は走りながら、途中の家屋に火を放って行く。
人狼部隊が待機していた所に着き、私が封鎖場所を通ると、人狼部隊は封鎖作業を始めた。
人狼部隊が破壊した家屋の瓦礫で、道を封鎖し終わり、火を付けた瞬間だった。
「怒レえエエエェぇぇェェぇ!!」
遠くから、一刀の狂ったような叫び声が聞こえた。
一刀を助けに行きたかったが、一刀に自分に与えられた任務を遂行しろという言葉を思い出し、歯ぎしりをして、我慢し、私は東門に向かう部隊について行った。
視点:桔梗
家族のおる兵達を焔耶が率いて退却していく。
此処に残ったのは巴郡の街と共に死ぬと言った死兵ばかりじゃ。
ある者は昔から此処に住んでいて離れたくないと言い、ある者はわしの軍によって奴隷から解放されたと言い、ある者は劉焉に家族を殺されたと言っておった。酒場で知り合った民が何人も居た。
個人によって異なった思い出があり、巴郡の街を立て直したわしに恩返しがしたいと言う。
『逃げろ』と焔耶達が退却前に言ったが、聞かなかった。
酒場で知り合った者の一人が『此処で生きて帰ったら、ツケを払わされてしまう』と笑いながら言うと、わしや兵達は笑う。他にもツケが溜まっていると言って手を上げる奴が居った。
ちなみにわしにツケは無い。全部ちゃんと払っておる。まあそのせいでわしの給料のほとんどが酒代に行っておるから、おかげで酒以外に、服代以外に金を回すことが出来ていないのが、現状じゃ。
わしがこんなんじゃから、嫁の貰い手が居らぬのかのう?
気が付いたら、誰かと結婚しとるじゃろう、と短絡的に考えておったのが失敗だったかのう?
何処かに嫁の貰い手が…………一刀がおったな。
北郷一刀。わしの生き方をガラっと変えた張本人。
酒と戦でのうのうと生きておったわしに志を持つきっかけをくれた男。
一刀が居らぬかったら、適当に酒飲んで、戦して、気が付いたらヨボヨボになっておったじゃろう。
一刀のおかげでわしの所に多くの将が集まり、力を得て、かつての巴郡とは比べ物にはならないほど、この巴郡は発展した。そして、董卓殿が考えた国家連合にも誘われた。
かつてのわしじゃったら、考えられぬな。
だから、わしは一刀の事が嫌いでは無い。というかむしろ好きじゃ。
だが、この好きという感情がなんなのかわしには分からん。
一人の人として好きなのか、良き友人として好きなのか、弟のような存在として好きなのか、
それとも、一人の……男として好いておるのか。分からん。
分かっておるのは、守ってやりたい。一緒に居ると楽しい。
それぐらいじゃ。
「そういえば、一刀は此処から少し南に行ったところで狙撃をしておるのじゃったな。」
わしはそう言って、城門の方を見上げた。
誰か遣いをよこして、退却の伝令をしないとな。
だが、視線の先にはすでに、天の弓を持った一刀が居った。ただ様子がいつもとあまりにも違いすぎる。
確かに戦場で一刀は豹変するのは知っておった。何度か一刀の狙撃を見たことがあったからじゃ。
共通するのは、戦場以外で見せる優男の気は全くない。一人の戦士としての気を発して居る。
だが、今城壁の上に立っている一刀の発する気は異常だった。戦士としての気では無く、狂戦士だ。
「怒レえエエエェぇぇェェぇ!!」
普段余程の事では怒らない一刀が怒気を撒き散らしていた。
わしは心配になり、城壁を登る。真桜や杏里もついて来た。二人とも顔色が悪い。どうやら、一刀の声に驚いているようだ。そして、城壁の階段を登り切ると、目の前に一刀が居た。
「生キるコトヘの憤怒ダァぁぁァ!」
一刀は咆哮のような叫び声上げる。鼓膜が破けそうなぐらい声が大きい。
口は釣り上がり、一刀の歯が見える。そして、口から唾液が垂れていた。こめかみの血管は浮きあがり、脈を打っているのが分かる。瞳孔はこれでもかというほどに開き、充血している。
何時もの一刀を知っているからこそ、その風貌にその場に居た皆が圧倒される。
その姿は怒り狂う狼だった。下手に近づけば喰い殺されかねない。
もしや、これが焔耶の言っておった『歪んだ精神安定剤』という薬か!
12刻の間、強大な感覚を手に入れる代わりに、感情を暴走させ、下手をすれば死んでしまうという薬。そう、焔耶は言っておった。なるほど。これは厄介じゃな。
一刀に厳重注意して、余程の事が無い限り飲むなと言い聞かせておったのじゃがな。飲みおったか。
没収しなかったのは、万が一窮地に立たされた時に服用できるようにする為じゃった。
命は何より大事じゃ。その命が助かるなら、何でも出来る事はするというのがわしの信念じゃからだ。
死んでは何もならん。残された者が悲しむだけじゃからな。
さて、一刀をどうやって落ち着かせようかのう?そんなことを考え始めた瞬間だった。
「ウぐぅゥゥ!…………落チ着け。頭を冷やせ。」
一刀は城壁に片手を突きながら、肩で息をし、落ち着いて来たようだ。
顔色もだいぶ良くなってきた。だが、血管は相変わらず凄い脈動を打っている。
そして、落ち着いて来た一刀は垂れていた涎を拭った。
だが、左手で頭を抱えており、右目の目じりが痙攣している。
「すみません。少し薬を飲んで暴走していましタ。
何とか感情の暴走を抑え込みましタガ、いつまた暴走すルカ分かりません。
撤退するなら、速くしましョう。時間がありまセん。」
「分かりました。では、私が先頭に行き、誘導します。真桜、私は馬に乗れないので、後ろに乗せて下さい。桔梗様は一刀さんの傍について居てあげて下さい。では、退却します。」
「はいよ。軍師様。」
真桜は馬に杏里を乗せてから、馬にまたがり、城へと向かって走り出した。それに兵達は続く。
わしは一刀を馬に乗せる。一刀は自分の感情を抑え込むのに集中しているのか、ぐったりとしている。
馬に乗ると、左腕で一刀を強く抱きしめ、右手で手綱を握り、馬を走らせる。
焔耶が退却の時に街に放った火が大火となり、街は火の海となっておった。
先ほどから風が強い所為か、火が燃え広がる速度が速い。
燃えていないのは城ぐらいで、燃えていない家屋は見当たらない。
まったく、諸行無常とはこういうことをいうのじゃろうな。
城へ向かう途中で人狼部隊の兵を何人か見た。
どうやら、わしらが通るのを待っておったらしく、通り終わったら、罠を設置するつもりらしい。
わしらはこれで住んで来た巴郡の城へと負け確定の最終決戦に向けて入城した。
どうも、黒山羊です。
今回の話は如何だったでしょうか?
焔耶が一刀君に何か言いたげでしたが、一体何だったのでしょうね?
今後も一刀と焔耶、桔梗の関係に注目ですね。
一刀君はあの薬をまた服用しちゃいましたね。
おかげで、一刀君御立腹です。劉焉に桔梗死ねって言われて、かなり御立腹ですね。
劉焉の脳みそ、茹でてゆずポンで食うって真剣に言っていますww
ですが、今回は2回目、薬の副作用に順応してくる描写が必要かな?と思い、こんな感じになりました。
戦いの最中に休憩して落ち着こうとするキャラをモデルにしようと考えました。
モデルはMGSシリーズが好きなら、分かったでしょう?
そうです。レイジング・レイブンとザ・ヒューリーです。
グレネードランチャーとか火炎放射器とか一刀に使わせようかと思いましたが、そこでそれをしたら、スナイパー失格のような気がしたので、BarrettM82A1を使わせました。ただ、それだけでは面白くないので、違いを出させるために、最終決戦のステージを火の海という事にしました。
納得していただけたでしょうか?
それから、一刀がMGSPWのドラマCDの和平=ミラーの台詞を吐いていましたね。
かなり、マニアックなネタでしたが、分かったでしょうか?
それでは、いつもので閉めましょう。
御唱和下さい。
へぅ( ゚∀゚)o彡°
説明 | ||
寝不足気味で瞼が重い黒山羊です。 いや、マジでねみゅ………zzz 最後になりますが、 現在私は2本長編作品を書いています。 『真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝』を読まれる方はこちらの第1話から読んだ方が話が分かると思います。 第1話http://www.tinami.com/view/201495 『桔梗√ 全てを射抜く者達』を読まれる方はこちらの第1話から読んだ方が話が分かると思います。 第1射http://www.tinami.com/view/219495 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3977 | 2916 | 37 |
コメント | ||
通り(ryの名無しさん、凄いへぅ( ゚∀゚)o彡°を開発しましたね。34話で使わせていただきます。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) 歴々さん、アレは連射能力低いですからね。へぅ( ゚∀゚)o彡°(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) 茶渋さん、へぅ( ゚∀゚)o彡°確かに後やっていないのはその2人ですね。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) ぱちしえさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°ありがとうございます。頑張ります。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) ノワールさん、いつまで経っても桔梗がハッキリしないのはやっぱり年の……バタ。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) アルヤさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°牙門旗狙撃を何度もしていても違いを出すのが難しいので、薬服用で色々違いを出させることにしました。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) アロンアルファさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°焔耶のフラグは回収されるのでしょうか?(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) へぅ( ゚∀゚)o彡 へぅぅううう!!!( ゚∀゚)o彡(通り(ry の七篠権兵衛) あちゃ~、一刀また飲んじゃったか。間違って狙撃銃で近接戦をやらかさんかな へぅ( ゚∀゚)o彡°(歴々) へぅ(゜∀゜)○≡一刀でヒューリーとはwww ペイン、ソローをやったらもう多重人格者の戦闘狂だよ(笑)(茶渋) へぅ( ゚∀゚)o彡°凪監修カレー爆弾(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル。そして一刀くん。。。。。また薬呑んじゃったのねorz。目の離せない状況が続いてるので次回も楽しみっすへぅ( ゚∀゚)o彡°(ぱちしえ) 焔耶、戦場でそれは死亡フラグだ…。またも薬で暴走する一刀…いくらか制御出来るようになっても、やっぱり危険過ぎる。桔梗、この期に及んでまだハッキリしないな……今後も新しい恋敵増えるだろうし、そろそろ恋敵に殴られるどころか殺されかけても文句言えないぞ。(ノワール) へぅ( ゚∀゚)o彡° 牙門旗狙撃第二段かと思いきやDistorted Traquilizer第二弾ですか。(アルヤ) へぅ( ゚∀゚)o彡°焔耶がなんかフラグ立てちまってるよ〜(アロンアルファ) |
||
タグ | ||
真・恋姫†無双 桔梗 焔耶 真桜 オリキャラ 一刀=軍人 | ||
黒山羊さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |