真・恋姫無双〜反逆の北郷〜
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自分の血で染まる鳳統

 

劉備、北郷の叫び声らしき声が聞こえるが、認識できない

 

後悔はしていない

 

それで、愛する人達を守れたのだから

 

ただ……

 

その愛する北郷の顔が、なぜか

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―――殺したいと思った

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益州の王が北郷に代わってから約一ヵ月後、今度は劉備が王になった。

それは、先代の北郷が劉備に宣戦布告したからだ。当然ながら、迎え撃ってくるならしかたがないと劉備は応戦。それに乗じて鳳統の策略により益州は劉備の手中に収めるように仕向けた。

そして、その戦時下において新しい仲間も増えるが仲間の死が伴った。

「……雛里ちゃん」

劉備は益州の玉座に初めて座った後、ここまで来れた鳳統の真名を呼んだ。それは、こうして椅子に座れるのも彼女のおかげであり、蜀の建国や皇帝の誕生などというシナリオも全部彼女が用意してくれたからだ。

でも、当の本人は戦時中に自分を庇って戦死してしまう。

「桃香様。どうか雛里ちゃんが命をかけてまで用意したこの蜀をお守りください」

朱里は悲しみを浮かべながらも、劉備だからこそ鳳統は死ぬことを恐れなかったことを誇った。劉備も先ほどまで流していた涙を拭いて笑顔で微笑んだ。

「うん。私頑張る!」

こうして、時代は魏、呉、蜀という三国の誕生を迎えた。

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益州先代の北郷は魏の国にあると北郷の寝室に来ていた。そこには服装や髪の色が違えど北郷という名を持った者が沢山集まっていた。

「お役目ごくろう、偽善の北郷。君が頑張っておかげで蜀は誕生したよ」

策略の北郷が、その北郷に労いの言葉をかけると”そうか”と言って策略の北郷と融合した。それを確認した他の北郷達も次々に策略の北郷と融合していく。やがて寝室に残ったのは四名の北郷だけになった。

「この世界に残ったの北郷はこれで、六人」

魏にいるのは策略の北郷、闘争の北郷、否定の北郷。

呉にいるのは誘惑の北郷。

蜀にいるのは欲情の北郷。

「………六? 一人足りないぞ」

否定の北郷は、六人でないことを否定する。それを策略の北郷は”知っているくせに”とため息をつきながら理由を述べた。

「依存の北郷は、この世界にはいない。彼は美羽に依存しすぎて別の世界に渡ってしまった」

「………だが、こうして俺達が生きているということは奴も生きているという証拠だろ?」

闘争の北郷は憎たらしげな発音で解釈を言うとそれを否定の北郷は否定する。

「それは否定する。さすがに世界を渡ってしまっては『繋がりの糸』は切れてしまう。だから奴は、もう普通の人として生きている可能性もある」

「………おいおい。俺達って一人でも欠けたら死ぬんじゃなかったけ?」

「否定。私達はこの世界の神に近い存在だ。それぐらい原則など無視される可能性はある」

「ふ――ん……まっ。俺は戦争が永遠に続けられるならどうでもいいけど……」

策略の北郷はやれやれと再びため息をつく。

「どちらにせよ、私達は二度と『本物』には戻れない。一人が欠けてしまったからね」

「否定。元々戻る気はない」

「同感だ。俺は戦争嫌いにはなる気ない」

二人は元の北郷には戻る気はないと改めて確認すると策略の北郷は、次の策を言う。

「では、次はいよいよ桃香が死ぬシナリオを描くとしようか」

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孫権は悪夢を見た。

その悪夢は関羽に首を刎ねられる夢。しかも、それを毎日毎日見続けていた。

「………ああ。もう限界だわ」

孫権はそう言うと悪夢を無くす為に呂蒙に命令を下した。

「関羽の首を斬ってきて。もうこれ以上悪夢を見るのはうんざりなのよ」

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―――そして。

 

 

最終話へ続く……

説明
第五話
『反逆の北郷 後編』
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