その後二人は本屋を出て町をぶらぶらした。

途中一刀が待ちの人たちに話しかけ何かを話していた。

夜になり宿で合流した４人は食事をしながら

「これから北郷殿はどうするのですか？」

「取り合えず公孫賛の所に行き、出来れば客将として雇ってもらおうと思っている」

「そうですね〜、お兄さんは一文無しですから何をするにしてもまずは働かないといけませんしね」

「ああ。それと公孫賛を実際に見ないとまだなんともいえないが・・・正式に仕官する事も考えている」

「なぜ公孫賛殿に？」

星の問いに一刀は

「どの人に聞いても彼女に対しての評価が「普通の人」だからさ」

一刀の言葉に稟達の目が点になった。

「おかしく聞こえたかもしれないがよく考えてみてくれ。誰からも「普通」といわれるのはすごい事だとは思わないか？人というのは長所と短所がある。どちらかが強く出ていたら「いい人」と「悪い人」という評価につながる。だが町の人たちの話を聞いたが「普通」という答えばっかだ。ぱっとしない人という事だろうが俺は別の印象を受けた」

そこまで言うと一刀は一旦お茶でのどを潤すと

「普通を言い換えると平均的といえる。すべてのにおいて平均的な能力と印象と言うのはすごく稀だ。

得手不得手がない普通の人を「凡人」と呼ぶがすべてにおいて高い能力は「万能」と呼ぶ。天才や個性の強い人間に仕えるのもいいだろうが俺は「普通」と呼ばれる人がどう変わっていくかを見てみたい。それにそういった人に仕えたほうがやる事が多そうで面白そうじゃないか？」

それを聞いた星は大声で笑い出し

「なるほど、そういう考え方もあるのですな。確かにそれは面白そうだ。われらもどうだろうか？」

「そうですね〜風もいいと思うのですよ」

「決まりですね。北郷殿が増えた分路銀も少なくなりますしそろそろ稼がないといけませんしね。それに意外と公孫賛殿が私達が求めた人物になるかもしれませんしね」

話がまとまった一刀達は次の日、公孫賛がいる城へと向かった。