秋蘭 (帰還) 後編 |
あれから1年
学校を卒業した一刀は、秋蘭と一緒に鹿児島の祖父の家に来ていた
秋蘭「此処が、北郷の祖父の家か?」
一刀「ああ」
一刀が此処に来た理由はただ一つ、管輅に言われた言葉を実行する為である
ガラガラ
一刀「うん?」
一雅「一刀か、良く来たな」
一刀「爺ちゃん・・・」
一雅「さあ、入りなさい、そちらの人も」
秋蘭「は、はい!」
一刀「?」
少し緊張した秋蘭の様子を見て、首を一刀が傾げたが気にせずに、家の中に入る
一雅「さて、聞かせてもらおうか?わしに会いに来た理由を」
一刀「爺ちゃん・・・あの時断った北郷流剣術を教えて欲しい」
秋蘭(あの時?)
一雅「冗談か・・・?」
一刀「本気・・・」
家に入って奥の客室間に入った途端に、この話が始まった
一雅「理由は、そっちのお嬢さんか?」
一刀「爺ちゃんは言ったよな?北郷の剣術は守りの剣だって」
一雅「確かに言った、そしてそれを求めるには相当の覚悟必要とも言った」
一刀「大事な人を守る覚悟・・・」
一雅「そうじゃ、お前にその覚悟が有るか?」
一刀「・・・・・有る」
秋蘭(ここまで真剣な表情の北郷は、始めてみた)
秋蘭は、一刀の横顔を見て、本物の覚悟を持っていると確信していた
???「教えてあげれば良いじゃないですか」
一刀「婆ちゃん!?」
一雅「利子・・・」
秋蘭(北郷の祖母か)
襖を開けて、お盆にお茶を載せて現れたのは、北郷利子、一刀の祖母である
利子「一刀が此処まで言っているんです、教えてあげれば良いじゃないですか」
一雅「しかし」
利子「お嬢さんお名前は?」
秋蘭「あ、い!石田秋蘭です!?」
利子「私はお名前を聞いたんですよ?」
秋蘭「えっ・・・」
一雅「利子、まさか」
利子「ええ、この人からは、私と同じ匂いがします」
利子「別の世界から来た匂いが」
一刀・秋蘭「「!?」」
一雅「そう言う事か、管輅の奴の入れ知恵か」
一刀「何で管輅の名前を知ってるのさ!?それに婆ちゃんが、別世界から来たって!?」
利子「そうね、まず其処から話さないといけないわね」
一雅「わしと利子は、外史で出会った」
利子「一雅が来たのは、戦国時代だったかしら」
一刀(戦国時代?・・・まさか!?)
秋蘭「北郷?」
一刀「爺ちゃん・・・」
一雅「何じゃ?」
一刀「爺ちゃんがいった場所の外史が戦国時代なら、もしかして家は・・・島津?」
一雅「よく判ったのう」
秋蘭「島津と言うのは?」
一刀「この鹿児島を遥か昔に統治していた、大名の家の事だ」
利子「そろそろ教えてくださらない、お嬢さんのお名前は?」
秋蘭「夏候淵・・・妙才・・・です」
一雅「何と!?弓神夏候淵とは・・・」
一刀「婆ちゃんの本名は?」
利子「私の本名」
利子「島津歳久」
一刀「歳久って!?島津義弘の!?」
利子「ええ、妹よ」
秋蘭「北郷、誰なんだそれは?」
一刀「ああ、島津家の人間でな、他国からは鬼島津と言われた猛将なんだ」
秋蘭「ほう」
一雅「一刀」
一刀「何?」
一雅が一刀の名前を呼んで、お茶を一回飲んだ後に真剣な表情を向けた
一雅「修行はきついぞ」
一刀「っ!?・・・構わない」
利子「秋蘭さん、でしたって?」
秋蘭「はい」
利子「私が、北郷の弓の鍛錬をしてあげましょうか?」
秋蘭「えっ!?良いんですか?」
利子「構いませんよ、ただし此方もきついですよ」
秋蘭「お願いします」
秋蘭が深く頭を下げると、一刀も頭を下げる
三年後
一雅「一刀よちょっと来なさい」
一刀「?」
道場で修行していた一刀は、一雅に呼ばれて外に出ると
一刀「っ!?」
管輅「お久しぶりです、北郷一刀」
一刀「管輅・・・」
秋蘭「一刀、どうした?」
管輅「お久しぶりです夏候妙才」
秋蘭「管輅、何故此処に?」
管輅「まもなく外史の扉が開きます」
一刀・秋蘭「「!?」」
一雅「管輅よ本当か?」
管輅「ええ、本当ですよ、修行の方は?」
一雅「もうほとんど終った」
管輅「ほとんど、ですか・・・まあ仕方ないですね」
一刀「何時開く?」
管輅「明日の夜、裏山に来てください」
秋蘭「わかった」
管輅「では、これで」
スゥゥ
一刀「消えた・・・」
伝える事を伝えた管輅は、煙のように消えた
利子「時間のようですね」
一刀「婆ちゃん・・・」
一雅「一刀よ、早く準備せい」
一刀「爺ちゃん・・・」
秋蘭「一刀、帰ろう・・・」
一刀「ああ」
そう言い終わると、二人とも部屋に戻り、明日に備えるのだった
翌日
秋蘭「叔父様、叔母様、」
一刀「爺ちゃん、婆ちゃん、」
一刀・秋蘭「「お世話に成りました」」
一刀と秋蘭は、二人一緒に頭を下げた
一雅「一刀よ、こいつを持っていけ」
一刀「これは、村雨!?」
一雅「わしが使う事は、もう無いじゃろう・・・これからはお前が使え」
一刀「ああ、有難う」
利子「秋蘭さん、一刀をよろしくお願いします」
秋蘭「はい」
利子「後、これを」
秋蘭「これは?」
利子「開けて見なさい」
カパ!
一刀「これって、紅白饅頭!?」
秋蘭「私の間違いじゃなければ、これは女が嫁に行く時の物と学んでいますが」
一雅「細かい事は気にしてはいかん」
一刀「気にするっつうの!!」
秋蘭「有難うございます」
利子「一刀」
一刀「うん?」
利子「行ってらっしゃい」
一刀「!・・・」
優しい祖母の笑顔を見た一刀は、少し泣きそうになったが
一刀「行ってきます」
笑顔で返した
秋蘭「良い想い出だよ、この世界での事は」
一刀「ああ」
管輅「来ましたね」
一刀と秋蘭の二人は、裏山で管輅に会うと、直ぐに目を閉じて手を繋ぐ
管輅「行きますよ」
一刀「ああ」
秋蘭「何時でもいいぞ」
管輅「でわ」
管輅は、水晶を取り出し呪文を唱えると、当たり一体が光に包まれる
洛陽
今城壁の上に1人の少女がいた
名は曹操孟徳真名華琳・・・言わずと知れた魏の覇王
華琳「あれからもう4年・・・一刀だけじゃなく、秋蘭も居なくなって」
今の彼女に、覇王の面影は無く1人の少女になっていた
春蘭「華琳様」
華琳「春蘭・・・あら?皆も」
春蘭の後ろには、魏の武官文官が揃っていた
華琳「今日は、皆一緒なのね」
春蘭「はい、皆眠れないようで」
華琳「そう」
華琳が皆の姿を見た後、直ぐに空を見上げた時
キラーン!
華琳達「「「!?!?!?」」」
見間違いじゃない、紛れも無く二つの流星が落ちていく
華琳「っ!?」
春蘭「華琳様!?」
春蘭が気が付いた時には、華琳は走り出していた
華琳(一刀!!)
春蘭「華琳様!!お待ちください!!」
華琳は必死になって、流星が落ちた場所を探した
華琳「ハア、ハア」
華琳が向かったのは、今まで行く事を避けていた場所
華琳「居ない・・・」
一刀と最後に時間を過ごした場所に行くと、誰一人居なかった
華琳「一刀・・・もう会えないの・・・」
華琳が弱音を吐き、涙を流したその時
ザバアーン!!
一刀・秋蘭「「ぶはあ!!」」
華琳「!?」
華琳が顔を上げると、其処にはずぶ濡れの一刀と秋蘭が居た
一刀「此処は?」
秋蘭「戻ったのか?」
華琳「一刀!!秋蘭!!」
一刀・秋蘭「「!?!?」」
二人が振り返ると其処には、涙を流しながら手を振る華琳の姿だった
一刀・秋蘭「「華琳!!(様)」」
二人で顔を見合わせると、一緒に華琳に向かって走り出す
二人が華琳にあと少しで間近に迫った時
華琳「!?」
華琳の横を通り過ぎる者が多数いた、その正体は
一刀「ああ!!」
春蘭「北郷!!秋蘭!!」
季衣・流琉「「秋蘭様!!兄ちゃん(兄さま)!!」」
三羽鳥「「「隊長!!」」」
霞「一刀!!秋蘭!!」
ガバッ!!
一刀「うおっ!?」
秋蘭「おお!?」
ザバーン!!
全員が一刀・秋蘭にそれぞれ抱きつく
※一刀=三羽鳥・霞
秋蘭=春蘭・季衣・流琉
春蘭「うあああああーーーーーよかった!!ホントによかった!!しゅーーーーらーーーーん!!」
秋蘭「姉者・・・」
季衣・流琉「「秋蘭様ーーーーー!!!!!」」
凪「隊長・・・グス・・・隊長・・・」
真桜「あああああーーーー隊長や!!ホンモンの隊長やーーーーー!!」
沙和「えーーーーーん!!もう会えないと思ったのーーーー!!」
霞「夢や無い!!ちゃんと触れる本物や!!」
一刀「皆ただいま・・・」
秋蘭「帰って来れたのだな、私たちは」
華琳「一刀・・・秋蘭・・・」
一刀・秋蘭「「華琳(様)」」
華琳の側には、桂花達も居た
秋蘭「華琳様、天の遣い北郷一刀を連れて、帰還いたしました」
華琳「大儀であったは、秋蘭・・・一刀」
一刀「華琳・・・」
華琳「お帰りなさい」
一刀「ただいま!!」
この話は少年が少女に会うまでの、小さく、とても暖かい話
説明 | ||
皆さんこんばんは、カイです。 さあ後半がついに完成しました、今回は有るゲームのエンディングを参考に作りました |
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コメント | ||
JDAさん 両親ですね!何時かやってみます(カイ) namenekoさん 外史との関連性を求めたら、こうなりました(カイ) よかった〜〜。ばあちゃんが外史の人間ってのはつい最近他の人の小説でも見ましたが、よい設定だと思いました。これで一刀の両親の話とかもいつかやってほしいです(JDA) 感動した。まさか婆ちゃんも外史から来た住人とは思いもしなかったな。(VVV計画の被験者) |
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