真・恋姫無双〜反逆の北郷〜
[全2ページ]
-1ページ-

選らばれた彼らが彼女を渡らせるために生贄になった

 

五人の英雄

 

目的は違えど利害は一致していたからだ

 

そして彼女はその世界の住人となり

 

死神の死神として動く

-2ページ-

涼州の荒野に、ぽつんとたたずむ小さい村があった。その村の周囲は低い城壁に囲まれ、土くれを積み上げたような住居が、ぼつぼつと立ち並んでいた。

満月がこの上なく輝く夜。

橙色の明かりが、それらの住居の吹き抜け窓に灯っていた。その一つの食堂屋で、女の旅人がひとり、食事をしていた。

「ねえ、おねえさんは、どこから来たの?」

少女は大きい瞳をくりくりさせて、その見慣れない旅人に話しかけた。

「……遠い所」

「遠いところ! ねえ、それって、どこ? おっきな街? おっきな島?」

旅人は、星空を見た。

「こことは違う世界。……妾は時と世界を超えて流れ星と一緒に堕ちてきた」

「嘘つきっ!」

少女はぷっくりと頬をふくらませた。

「人が星に乗るわけないもん」

「嘘ではない。でも、信じるか信じないかは貴方次第」

旅人は、少女に顔を近づけて、にっこりと笑った。

「だって、妾以外にも、流れ星に乗って、やってきた人はいるんだから」

少女は寒気がした。それは、旅人の瞳があまりにも美しく、また恐怖に駆られていたから。

「その人は、乱世を治めると偽って沢山の女性を殺す死神の使者。選ばれた女性は必ず死ぬ運命」

ガタガタと少女の肩が震える。

「あ………あああ……」

「死神の名前は『北郷』と名乗る者」

旅人は少女の耳元へ近づく。

「ねえ……貴方の名前は?」

まだ少し幼い少女は、声が斬られそうな小さい声で名前を言った。

「キョ……キョキョ――イ……」

「そう……妾は『北郷』。そして貴方を探していました姜維」

「!?」

少女の意識はそこで途切れた。

「妾は『北郷』を殺すための別の世界から来た。北郷狩りの北郷……」

北郷は、星空を見上げた。

 

 

 

説明
最終話
『新たなる北郷』
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
2136 1944 6
タグ
真・恋姫無双 恋姫無双 オリジナル 

アインさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com