一刀の晋王転生録 第一章十三話
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 第十三話

   「黄巾の乱 開戦前の密談 後編」

 

「それはどういうことだ!?」

 

孫権が一刀の言葉に驚きながらその意味を聞く。

 

「兵の質、兵の士気、兵の統率・・・この三つが劣るということならば俺も同じこと言うだろう。

 

 勝てないかもしれない、勝てたとしても相当な痛手を負うことになるという意見に

 

 なるだろうと思う・・・だが恐らく今回はそれだけの話じゃないと思うんだ。」

 

「では他に何かあるというのか司馬昭殿?」

 

夏候淵がせかすように問う。

 

「その前に聞いてみたい、夏候惇、夏候淵、孫堅さん、孫策、関羽、君達武人に・・・

 

 漢軍本隊に腕の立ちそうな人はいたかい?」

 

「いや、おらんな・・・」

 

「ああ、姉者と同じく。」

 

夏候惇、夏候淵が、

 

「いないわね、それどころか武人といえる人間すらいないわ。」

 

「少し見た程度でもそのような者はいませんでした。」

 

孫策、関羽も同じように言う、そして、

 

「アタシも同じだね、ていうか隊を指揮している隊長格の奴らのほとんどは賄賂かなんかで

 

成り上がった奴らじゃあないかねぇ、はっきり言って武のかけらも感じないし、

 

指揮能力も高いとは思えないよ・・・何進大将軍はともかく、そいつらはもう勝ちは決まったって

 

感じで必死さも伝わってもこない。はっきりいって最悪だ。」

 

孫堅ははっきりと言った。

 

「そうまずはそこだ、そしてもう一つ、周瑜、聞きたいことがある。」

 

「ん?、何だ?」

 

「さっきいった隠密に探らせたことなんだけど、士気が高いといったけどどんな感じだった?」

 

「そうだな・・・本人に聞いたほうが早いだろう、明命!」

 

「はい。」

 

突如、一人の少女が現れた。

 

「彼女は周泰、探らせたのは彼女だ、明命、司馬昭殿の質問に答えてくれ。」

 

「はい!」

 

そういうと周泰は説明する。

 

「とにかくすごいです。何をしていたかまではわからなかったですがものすごい歓声が

 

 ありました。私、一瞬戦が始まったかと思いました。とにかくすごかったです。

 

 すみませんそれぐらいしかわからないです。」

 

「うんわかった。とにかく何かをしていてそれで士気がかなり高まっている。

 

 それは確かなんだね。」

 

「はい!」

 

「ありがとう。」

 

一刀は周泰への質問を終える。

 

「どういうことなんだ?」

 

孫権がわからないといった感じで聞く。

 

「士気が劣るということに繋がるかも知れないが、俺が懸念しているのは、『恐怖の伝染』だ。」

 

「「「恐怖の伝染?」」」

 

「そうだな、まず君達が倒してきた賊達は恐怖したらどうなった。」

 

「そんなの決まっているじゃない?、隊はバラバラ、戦えるような状態じゃないわ。」

 

孫策がそう答える。

 

「まさか、本隊もそうなると?」

 

孫堅がそういうと、

 

「そうなるね、君達が言っていたことだよ、隊の質、統率が劣ると言ったのは、ならそうなる

 

可能性は十分ある、それじゃあ隊に恐怖が伝染したら・・・君達はどうしたら良いと思う?」

 

「武将が活躍してその勇姿を見せる、策を成功させる、大将自らが出る、といった感じで

 

 士気を上げるわね・・・それが無理なら取り返しがつかなくなる前に撤退するわ。」

 

曹操が答え、軍師達も同じだといった感じだった。

 

「うん、大体そんなところなんだけど、まず策を練ることは何進大将軍が全然考えてようとも

 

 していないから論外、次に大将自らでるというのは最初からするつもりだからこれも論外、

 

 だとすれば武将の活躍だが・・・」

 

ここに至り、ほとんどの者が気づいた。一刀の懸念の意味が・・・

 

「君達は先ほど言っていたね、そういった者達はいないと。」

 

そして、全員が気づいた。

 

「恐怖が伝染したらそれらを払拭させる術を、本隊は持っていない。一方敵の方は

 

 周泰の言うとおりならやり方はどれにも該当しないがその術をもっている。」

 

「そ、それじゃあ、漢軍の本隊はすぐに崩壊しちゃうってことですか!?」

 

「・・・ああ、そうだ。恐らくあまり戦えずに、そうなったら軍隊全ての士気に嫌でも

 

 影響するだろう。一方敵はさらに勢いづく、そして俺達に向かってくる。

 

 それも俺達の軍より何倍の数で。」

 

これが、

 

一刀の答えだった。

 

「だったら尚更、何進大将軍に考え直すように進言してください。」

 

「そのために私達が来たんです。」

 

諸葛亮、?統が一刀に言うが、

 

「・・・そこまで分かっていて、何もしなかったと思うかい?」

 

「ま、まさか・・・」(孫堅)

 

「ああ、すでにそういったんだが、拒否されたよ。それにあの様子じゃ、撤退どころか一時後退

 

 するなんてことは考えていないだろうね。」

 

辺りに重い沈黙が訪れる。

 

「・・・良くそこまで分かったわね、私達の軍師はそこまで気づかなかったのに。」

 

重い空気をどうにかしようと思ってか、曹操が一刀を褒めると、

 

「経験の差だな。結構前から賊と戦っていたから、それと俺自身が武将のような働きをしたから

 

 かもしれない、前線で恐怖したときがどれほど厄介なのかを結構見てきたからな。君達軍師は前線で

 

 そういうところを見る機会が少なかった・・・それも一つの理由かもしれない。」

 

一刀はそう言った後、

 

「これはあくまで俺の考えだ。同意するかは君達の判断だ。出撃するまでどう動くかを

 

 考えると良い。」

 

こうして、話しの後、彼女達はそれぞれ自分達の陣に戻っていった。

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「桂花、どう思う?」

 

「くやしい事ですが、司馬昭の言うとうりの展開になるかも知れません。私達もそうなると

 

 思って行動したほうが良いと思います。」

 

「そうね・・・では準備しなさい。」

 

「「「御意」」」

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「母様、冥琳、私、彼の言うとうりになる思うわ・・・」

 

「同感だ雪蓮。」

 

「じゃあワタシ達も準備を始めようかね。」

 

「はい、わかりましたお母様。」

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「朱里ちゃん、雛里ちゃん・・・」

 

「恐らく司馬昭殿の言うとうりになるでしょう。」

 

「あわわ、私達も警戒したほうがいいです。」

 

「分かった、すぐに準備をしよう。」

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翌日、黄巾党とぶつかり合う。

 

そして、事態はより悪い方向へと向かっていく。

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      あとがき

 

という訳で黄巾の乱 開戦前の密談でした。

 

どうでしょうか?、少し強引な解釈でしょうか?

 

次はいよいよ戦になります。

説明
続いて後編になります。
第一章十三話です。
※11月29日少し内容を修正しました※
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コメント
官軍の腐れ具合がよくわかる・・・マジいらねぇ(よしお)
コメントありがとうございます。とりあえず官軍の役立たずっぷりをお楽しみください(笑)(k3)
あし引っ張りー軍。いらねぇ〜。使えねぇ〜。役立たねぇ〜。(アロンアルファ)
役立たずどころか、むしろ厄介者級ですよね、この官軍は。(summon)
官軍のしょぼさがここまではっきり分かる外史を初めて見た気がする (アルヤ)
本隊の危機、立ち向かう狂鬼、その名は王元姫。なんて。(陸奥守)
経験を武器に戦い考える一刀カッコいいなぁ。(readman )
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