真・恋姫?無双 新たな外史を創る者達(改正版) 二話
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「はぁ……」

 

あの筋肉だるまにこの世界に飛ばされて

牢獄からの解放に近づいたんだろうが……

 

「見事なまでに荒野だな……」

 

一応離れた所に村は見えるが

それ以外は荒野だ……

 

「……とりあえずあそこに行くか」

 

ここに居てもしょうがないしな。

そう思って歩き出すと俺の頭の上を

巨大な影が通り過ぎる。

 

「ん?」

 

影は三つ。

一つはあの街に向かい

二つはそれを追いかけている。

 

「あれは……龍か?」

 

その影は龍としか言えない物だった。

そして、その影が邑に着いた瞬間。

 

ドゴォォォォォォッン!

 

そんな轟音が邑から離れているにも関わらず

聞こえてきた。

 

「っ!?」

 

俺はその轟音を聞いてその街に向かって走る。

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街に着いた俺が見たのはまさに地獄絵図。

俺が居た世界と勝るとも劣らない光景。

 

「何でこんなことに……」

 

『ギャァァァァァァァッ!』

 

ドゴォォォォォォッ!

 

「何だ!?」

 

音がした方を向くと龍達が戦っていた。

黒い龍と白い龍が緑の龍と戦っていた。

 

『縁!何故人を嫌うの!』

 

『人は悪い者ではありません!』

 

『白!黒!何故分からん!人間など滅ぼすべきなのだ!』

 

察するにあの縁と呼ばれた龍がこの邑を襲い

白と黒と呼ばれた龍がそれを止めている光景だ。

俺はその考えにいたった瞬間刀を抜いて走っていた。

走っているとどこからか声が聞こえる。

 

『人間よそのままでは勝てない』

 

「誰だ!?」

 

『我は龍帝。

龍を従える者。

汝に龍帝の地位を与える。

強くなりたいと念じろ……

守りたいと念じろ……

その刀の名は『龍帝刀』

その念に龍帝刀も答えるであろう……』

 

そう言った瞬間声は聞こえなくなった。

 

「俺が守りたい者……」

 

次々と浮かんでくる。

皆……

様々な世界で俺を支えてくれた……

時には敵になったこともあったけど

俺のことを支えてくれた……

この世界に来たのは皆を守る為だ……

 

「俺の念に答えろ!

龍帝刀!」

 

俺がそう叫ぶと龍帝刀が光った。

 

「答えてくれたか……

行くぞ。

守る為に……」

 

俺は緑の龍を見上げて緑の龍に向かって跳んだ。

そして、その高さになって俺は龍帝刀を振り上げた。

 

『む!?』

 

「くらえ!

『龍爪』!」

 

龍帝刀を振り下ろすと

龍の爪とも言える刃が緑の龍に襲いかかる。

 

『な!?

グォォォォォォォォォッ!

人間に負けるとはぁぁぁぁぁぁっ!』

 

龍はそう叫ぶと落ちていった。

俺も今落ちている。

 

「これは死ぬな……」

 

こんなに早く死ぬとは……

救いようのない人生だったな……

そんなことを思っていると地面に落ちた衝撃が背中に走ったが

そこまで痛く無かった。

何故なら

 

『大丈夫?

すごいね!縁を倒すなんて!

縁は龍の中でも上級なのに!』

 

黒と呼ばれていた龍が俺を空中で受け止めていた。

 

「助かった……

ありがとう」

 

『礼を言うのはこちらです。

縁を止めてくれてありがとう』

 

「何故か勝手に身体が動いていただけだ。

あと、これはお前達龍の物だろう?

俺に龍帝?

龍を従える地位なんて大き過ぎる」

 

『え?

それって龍帝刀?』

 

「聞こえた声はそんなことを言ってたな」

 

『ちょ!白!』

 

白と呼ばれた龍は頷いて説明を始める。

 

『その刀は我等龍の王を選ぶ刀なのです。

その刀が選んだ者は何があろうと龍帝です』

 

「俺、人間だぞ?」

 

『人間が龍帝に選ばれたこともあります。

ある薬を飲めば龍と同じ寿命になります』

 

つまり、拒否権は無いから龍帝になれと

言われている訳か……

龍帝刀の力を使うと決めてしまったしな……

 

「分かった。俺の名は北郷一刀。

俺にどこまで出来るか知らんが

やってみよう」

 

『私は黒!よろしくね!』

 

『私は白です。よろしくお願いします』

 

どこまで出来るか知らんが龍の力を使えば楽が

出来るかもしれんしな。

貂蝉もこの世界は『三国志』のちょっと変わった世界だと言っていたし

今は乱世なんだろう。

乱世を治める途中であいつ等に会うことが出来るだろう。

あいつ等が覚えていなくても俺はあいつ等を影から支えよう。

そう俺は心の中で誓った。

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「かじゅと様〜!もう飲めませ〜ん!」

 

「はぁ……」

 

「一刀様申し訳ありません……」

 

一応言っておくと上のセリフは黒

下のセリフは白の物だ。

え?『』←これじゃないって?

何でも成長した龍はいろんな姿を取れるらしい。

で、人間の姿を取ってもらってる。

え?何で黒が酔ってる様な口調になってるかって?

それは約二時間前に遡るんだ……

この街を襲っていた龍を倒した俺達に

この街の長老が感謝の宴会を開きたいと言ってきたんだ。

何度も断ったんだが一向に折れ無くてなこっちが折れて

白と黒に龍の姿をどうにか出来ないかと言ったら人間の姿を取って

今に至る。

と、そう言う訳だ。

 

「黒がここまで酒に弱いとはな……」

 

「はい……ですから黒には酒を飲むなと言ったいるのですが……」

 

「言うことを聞かない訳か」

 

「はい……」

 

聞いてて可哀想になって来るな……

待てよ?俺は龍帝だから……

 

「黒、もう酒を飲むな」

 

「ええ〜!」

 

「俺は龍帝だろ?」

 

そう龍帝とは龍の皇帝。

その者の言うことは絶対だ。

 

「うう〜」

 

「成程」

 

白はにやりと笑って白の前の酒を片づけていく。

 

「一刀様〜横暴ですよ〜」

 

「うむ、確かにそうだな。

なら次から酔わない程度にしろ」

 

「は〜い♪」

 

そんなやり取りをして騒いでいると街の若者らしい

男が走って来る。

 

「どうしたのじゃ?

そんなに息を切らして……」

 

「と、盗賊が……!

盗賊がこの街に向かって!」

 

「何じゃと!?」

 

その報告と共に人々は叫び逃げ惑う。

 

「一刀様いかがいたします?」

 

「面倒なことには関わらない方が良いと思いますよ〜」

 

「黒、お前まだ酔ってるか?」

 

「ぜんぜ〜ん♪」

 

酔ってるな……

 

「お前は街の防御でもしておけ。

白は俺についてこい」

 

「一刀様が出る幕では……」

 

「良いんだよ。

おい、そこの」

 

「はい!」

 

「盗賊は何人程だ?」

 

「二千程です!」

 

少ない方だな。

俺は一万(相手は全員マシンガンorショットガン装備)と

戦ったことあるから。

 

「長老、久々に美味い酒を飲んだ。

その礼でこの街を守ってやる。

臣下の龍を一体置いて行くから

邑から出るなよ」

 

「なら我々も!」

 

「良い。

俺達だけでこと足りる」

 

「ですが!」

 

「黒、人が出ない様にしておけ」

 

「了解で〜す♪」

 

その返事を聞いて俺達は盗賊達が居る方向へと

歩きだす。

さて、俺の相手になる奴は居るのかな?

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後書き

 

今回は『にじファン』の方から持ってきました。

次回から前作とは違う展開になります。

では、また次回で。

説明
二話目投稿です。
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