新訳 真紅の鬼神 第九鬼〜幸せな日々、それが束の間だとしても・・・〜
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洛陽から使者が来て一週間が経ち俺達は洛陽へ到着していた。

 

「ここが洛陽・・・」

「話には聞いていたけど酷いわね」

 

進む道には民のやせ細った死体が転がっている。

かつての繁栄はどこへいったのか、余りにも酷すぎる。

 

「文官は何をしているのだ!!」

「その文官共をどうにかする為に来たんや。ウチかてこれは許せへんよ」

 

華雄と霞は強く拳を握り締めている。

なにもこの二人だけではない。

他の将軍も兵も・・・月に至っては涙を流している。

 

「・・・・焔」

「あぁ行軍を早めよう。直ぐに皇帝陛下に会い政を動かすべきだ」

「そうね」

 

兵を外に待たせ月と詠。華雄、俺が付き従い玉座の間へと向かう。

外では恋と騰。ねね、霞が兵を指揮しており大丈夫だろう。

まぁ恋は一夜の世話をしているがな

 

「華雄、なにがあっても暴れるなよ」

「分かっている。だが、月様に害をなそうとするものが出たら」

「その時は俺も手伝おう」

 

玉座の間の扉が開き月と詠が先に入室し次に俺と華雄が入室する。

中には文武百官と皇帝陛下、その横に十常侍がいた。

 

「よく参られた。董仲頴殿。」

「ハッ」

 

今口を開いたのが十常侍の筆頭として名高い張譲か・・・・

見るからに何か企んでやがる。

 

「今回は何故兵を起こしこの洛陽へ?」

「それは余が呼んだからじゃ」

「・・・失礼。なんと申されましたか?」

「なんども言わすな。余が呼んだのじゃ。董卓をこの都へ」

 

皇帝陛下の言葉の威圧に張譲は苦虫を噛んだ様な顔をする。

 

「董卓よ良く来てくれた。長い行軍で疲れただろう。今日はゆっくり休んでくれ」

 

なんだ?意外としっかりしてるじゃないか・・・

しかし、顔色が悪いな。

 

「陛下。これ以上は体調が悪化してしまいますので」

「そうか、すまないな董卓殿。」

「いえ。」

 

皇帝陛下は咳をしながら後ろに下がっていった。

俺は此方に向く視線の元へと向く。

 

「・・・・」

 

無言で此方を睨む張譲の姿。

その目は月へと注がれていた。

それに気づいてか華雄はあらん限りの殺気を充満させ張譲を睨む。

それに伴い俺も少しの殺気(まぁ普通の者が向けられれば萎縮するのだが)を向ける。

 

「っ!!チッ」

 

それに気づいてか一瞬青ざめた顔を見せ皇帝陛下と共に下がっていった。

 

「焔さん。華雄、先程はどうしたんですか?」

「いえ、少し下衆が月様を見ていたようですから」

「まぁ気にするな。さて俺達はどうすればいい?」

「そうね。まずは陛下のお言葉が無いと動こうにも動けないわ」

 

詠の言う通りだな。

ここは陛下の言葉を待つしかないか・・・

 

「まずは外にいる恋達と兵を移動させようか。」

「そうですね」

 

兵達は陛下が手配してくれたのだろう部屋に向かった。

 

「張譲か・・・」

 

俺は用意された部屋で恋と一夜を見ながら呟いた。

アイツは何を考えてるか分からんな。

陛下もおそらく病気で政が出来ず仕方なく十常侍に任せているのだろう。

実際にあの陛下が政をしてあんな状況になるはずがない。

それよりも、月に何か合っては駄目だ。

華雄が付いているから心配は無いが、万が一がある。

 

「・・・どうしたの?」

「うんにゃ・・・なんでもないよ恋」

「・・・?」

 

顔に出てたかな?

あまり恋に心配させないようにしないと、只でさえ子育てが大変なんだ

 

「一夜はもう寝たか?」

「・・・(コク)」

「そっか」

 

可愛い寝顔だな・・・

そっと頭を撫でる。

 

「むみゅ」

「うおおお可愛い!」

「焔、うるさい。起きる」

「む。すまん」

 

危ないところだった・・・。

もし起きたら寝付かせるのにまた時間がかかり恋の睡眠時間が減ってしまう。

 

「さて、今日も遅いし寝るか」

「・・・・ん」

 

一夜を真ん中に寝せ、川の字で寝る。

うん。なんか感動だ。

この頃になってようやく一緒に過ごせる様になったからね。

横を見れば恋と一夜の寝顔がある。

その幸せの気持ちを心に仕舞い同時にこの幸せを守らなければと心に刻んだ。

 

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チュンチュン

 

「ん・・・朝か」

 

鳥の鳴き声と朝日の光により目が覚める。

 

「焔おるか〜?」

 

ガチャっと俺の返答も無しに部屋へと霞が入ってくる。

てか、聞いた意味ないじゃん・・・

 

「なんや、まだ寝取ったんかい」

「あぁ・・・すまないな」

「いんや、別にええよ。家族団欒や文句は言えんしな」

「そう行ってもらえると嬉しいよ。それで?」

 

なんの用も無しに尋ねてくる訳ないし

 

「そうやった!月が呼んどるんやった!」

「月が?」

「なんでも皇帝陛下から指示がきたらしいんや」

「ほぅ」

 

昨日の今日でとは・・・余程急いでいるんだろうな

 

「せやから今から月のとこ行くんやけど、ついでに焔と恋も連れてこうかなってな」

「なるほどな。すまないが先に行っててもらえないか。俺は恋を起こしてから行くよ」

「了解や」

 

霞が部屋から出ていき、俺は恋を起こしにかかる。

 

「ほら恋起きろ。朝だ早く起きないと飯食い逃すぞ」

「っ!ご飯」

 

起きる理由が・・・(汗

まぁ子供の頃からそうだったから別にいいけどさ

 

「月が呼んでるらしい。一夜も連れて行こう」

「・・・・月?」

 

まだ寝ぼけているのか足取りが不安なので俺が一夜を抱っこし月の元へ向かう。

 

「おっきたきた」

「遅いぞ焔!恋!」

「悪い」

 

空いている席に座り、恋が一夜を俺から受け取り抱っこする。

 

「まぁ大方分かってると思うけど、陛下から勅が来たわ」

「勅、ねぇ〜」

 

ワザワザこんな近くにいるのに勅か・・・

 

「で、なんて書いてあるんだ?」

「まぁ簡単に説明すれば、月を相国にするそうよ」

「相国だと?」

 

相国・・・それは天子を助けて万機を収める。

要するに最高の地位だ。

 

「まぁ政治を動かしたいなら一番の地位だけど・・・・」

「その分、背負う問題も多くなるか」

 

政治を動かすメリットと同時にいきなり月が相国になったと妬む奴等が出てくるデメリットもある。

そうなれば必然と月の身が危なくなる。

 

「私がその問題からも月様を守る!」

 

確かに、華雄が付いていれば暗殺者が来ても安心だろう。

華雄の武はそれ程まである。

 

「まぁそこらへんは俺も目を光らせておこう」

「せやけど、受けるん?月は」

 

最終決定権は月にある。

確かに政治を動かすにはもってこいの役職だし、俺たちもそう望んでいる。

しかし月の事だ勅と言えども私なんかがなってよいのかと思っているのだろう。

 

「私は・・・洛陽の民の為に相国の地位に就こうと思います。」

「妥当だな」

「月〜」

「ですが、私一人では何もできません。ですから、どうか皆さん私を支えてくれませんか?」

 

そう言い俺たちに向けて頭を下げてくる。

聞かなくても返答は決まっていると言うのに・・・

 

「当たり前でしょ!僕はいつまでも月の味方なんだから!」

「もちろです!我が武は月様の為だけに!」

「もちのロンや!」

「ふっ、当たり前だ」

「・・・・・(コク)」

 

皆の返答を聞き満足した月は正式に相国となるべく動く。

 

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正式に相国となり政治を動かし始めた月はまず、賄賂などを厳しく取り締まり街の治安の維持などに力を注いだ。

基本、俺に恋、華雄、霞は武官なので軍備や警邏へと回された。

まぁ例外として華雄は月の護衛だが・・・

 

「ふぅ」

「お疲れ様です将軍」

「あぁ、ここらへんは特に酷いからな」

 

家が崩れたり損害が酷い所を俺達は修繕工事をしていた。

警邏をしていれば嫌でも目に入る所を俺は月に相談して工事をすることを許してもらったのだ。

 

「しっかし、人数増やして正解だったな」

「ですね」

 

最初は数名でやるつもりだったが捗らないため更に人数を増やした。

全員が俺の部下なので無駄に大きな給金を払わなくていい。

しかも意外といい筋トレになる。

 

「あ、あの〜。呂布将軍。これお茶です」

「ん?」

「ひっ!あ、あのすみません!」

 

一人の小さな女の子が手にお茶を持って寄ってきた。

 

「いや、そんなに怯えないでくれ。お茶を持ってきてくれたのか」

「は、はい・・・」

「そうか・・・ゴクゴク」

「あっ」

「美味い。ありがとう。これでまた作業ができるよ」

 

お茶を受け取り飲み干すと少女は笑顔になる。

俺はそんな少女の頭を優しく撫で仕事に戻る。

そんな感じで作業は進み、洛陽の民とも次第に打ち解けていくのに早々時間は掛からなかった。

 

「呂布将軍!」

「将軍!今日もお疲れ様です!」

「将軍!呂姫ちゃんと呂項君に饅頭持っていきなよ!」

「ありがと!まじ感謝!」

 

そんなんで気づけば一年が経ち、俺と恋も19歳となった。政治の方も月と詠のおかげで大分回ってきた。

他にも信頼できる文官とかを詠が上手く使ってるらしいけど・・・。

 

「ただいま〜」

「おかえり」

「とうしゃま〜」

 

一年も経てば少しの言葉を覚えてくるもので一夜も俺と恋の事を『とうしゃま』『かあしゃま』と呼ぶようになった。まぁ舌足らずなのだがそこがまた可愛い!!

そうそう、歩くことも出来るようになったんだ!

 

「一夜〜ちゃんとお母さんの言うこといいてたか〜?」

「キャッキャッ!」

「そうかそうか!あははは!」

 

よちよちと俺の足元まで歩いてきたので持ち上げると楽しそうに笑う。

それを見て恋もニコニコと微笑む。

 

「・・・・今日はねねも遊んでくれた」

「ねねも?そっか〜一夜にしてみたらお姉ちゃんみたいなもんだもんなぁ〜」

「・・・・(コク)」

「そういえば、ねねは?」

「騰と一緒に鍛練しに行った。」

「そっか」

 

ねねは、洛陽に来て一度だけ民に暴力を振っていた兵士に怒って蹴りを入れ気絶させるといった事件が起きた。

その際に見ていた騰が武の才能もある!とか言ってそれ以来ねねに武術を教えている。

まぁ大方戦場に行くときずっ一緒にいる訳じゃないからせめて自分の身は自分で守って欲しいのだろう。

軍師は後方にいるのが普通だが、俺達は常に先陣を切るからな。当然俺達の軍師であるねねはそれに付いてくるし、後方へといたとしても命が無事とは限らない。

 

「今度、俺も鍛練をを手伝ってやろう」

「・・・・恋も手伝う」

 

俺もねねに死なれたら困るしな大事な家族の一人だし・・・

 

「とうしゃま?」

「ん?なんでもないぞ一夜。そうだ今日は遊びに行くか!」

「わーい!」

「恋も行くだろ?」

「・・・・・(コク)」

 

さて、今日は午前で警邏も終わったし久しぶりに家族で出掛けるかな

 

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その頃、キ州では・・・・

 

「なんですって!あの田舎太守の董卓さんが相国に!?」

 

甲高い女性のヒステリックな叫びが城に響く。

 

「姫五月蝿いっすよ〜」

「文ちゃん!」

「キィィィ!!何故この四世三公を輩出させた名門袁家の当主である私が選ばれないのですの!」

「でも、董卓さんは皇帝陛下の勅でなったって報告で来てますし・・・善政を敷いているらしいですよ」

「斗詩さん。貴方、私が田舎者に負けているとでも?」

「えっ?そ、そんな事言ってないですよぉ」

 

金髪でクルクルパーマ、そして無駄に自己主張の激しい胸を更に貼りながら、この城の主である袁紹は言う。

それに袁家の二枚看板の一人である顔良は答えるが、睨まれ涙目になる。

 

「え〜でもなっちまったもんはしょうがなくないですか?」

 

そして二枚看板のもう一人である文醜が怠そうに手を頭の後ろで組みながら答える。

 

「こうなったら・・・斗詩さん、今すぐ檄文の用意を」

「え?」

「名門袁家を差し置いて相国となった田舎太守に目に物を見せてあげますわ!おーっほっほっほっ!」

「えぇぇ!!!」

 

そして袁紹は各諸侯に檄文を回した。

『朝廷を乗っ取り、暴政の限りをつくし洛陽を牛耳っている逆賊董卓を打つべし』

 

と・・・・

 

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「其処を上段回し蹴り!」

「やぁ!!」

「まだまだ力が足りん!」

 

訓練場にて騰とねねは鍛練をしていた。

一つの木に布を巻き其処にねねは蹴りを入れる。

ねねの武器は足による体術だ。

その為、騰はワザワザねねに足甲を特注し買っている。

 

「はぁはぁ!」

「少し休憩しようかの」

 

その言葉を聞きねねは仰向けに倒れる。

 

「はぁはぁ・・・・キツイのです」

「だが、最初の頃に比べたら体力も力も全然違うぞい」

 

倒れているねねの額に浮かぶ汗を優しく布で拭い、竹の水筒に入った水を与える。

 

「んぐんぐ・・・ぷはぁ!」

「そう慌てて飲んだら咽せるぞい」

「大丈夫なのです!」

 

そうか。と微笑み騰は自らの得物である偃月刀を振るう。

ひと振りする度に空気を斬るようにブォン!っと音がする。

 

「騰・・・」

「ん?どうしたのだ?」

「その偃月刀は重くないのですか?」

「ぶっはははっはは!!重くない訳なかろうて!」

「む〜!」

 

豪快に笑う騰を見て少し頬を膨らませるねね

 

「いや、何そうかねねには軽そうに見えたと言うことかの」

 

ポンッとねねの頭に手を乗せ撫でる。

 

「この偃月刀は殿とまではいかぬが普通の偃月刀より重いんじゃよ」

「え?」

 

焔殿の『鬼焔』は70斤もあったはず、それに近い重さであれだけ振り回せるとなれば並みの筋肉ではないだろう。

実際、騰は36歳にしては凄く筋肉がついており、所々見える傷は歴戦の勇士のようだ。

 

「まぁ、この偃月刀は殿より贈られたものでワシの家宝なのじゃよ」

「家宝・・・ならねねの家宝はこの足甲ですぞ!」

 

太陽のような笑顔を騰に向け自分の足に着けた足甲を見せる。

騰はそれに一瞬驚いたが直ぐに笑顔になりねねを抱き上げる。

 

「そうですか!それはワシも嬉しいですな!」

「高いのです〜!!」

 

訓練所には二人の楽しそうに笑う。

 

「さて、そろそろ休憩も止めて続きをしますぞ」

「了解なのです!」

 

元気よく返事をし、木へと足蹴りを放つ。

 

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呂布軍の隊員の日常

 

日が完璧に上がってない時間帯に起き、午前からの訓練の準備をする。

 

「うぃ〜す」

「おはよ!」

 

涼州にいる時は農作物などを作っていた彼らだが、洛陽では壊れた住居などのを立て直している。

 

「そういやこの頃お前筋肉ついてきたな」

「そうか?そういうお前も無駄な肉がついてなくて引き締まってるな」

「そりゃ毎日あれだけ訓練して働いてたら嫌でも付くだろうよ」

 

兵たちは談笑したり飯を作ったりと訓練までの時間を有意義に使う。

もちろん訓練の用意が全て終わってからの話だが・・・・

 

「てか、呂布将軍の子供みた?」

「いや、俺はまだだな」

「俺は見たぜ!めっちゃ可愛かった!」

「しかし、呂布将軍と呂姫将軍の子だろ?」

「どんだけ強く育つのか楽しみだな〜」

「いや〜そん頃には俺たちも爺さんだな」

 

戦場では『地獄の悪鬼』とまで恐れられる呂布軍の兵だが、普段の日常だけを見るととてもそんな風には見えない。

 

「ん?そういやお前のとこも子供いたよな?」

「あぁ、可愛い娘が二人」

「いいなぁ〜俺も早く彼女見つけねぇと」

「はははは!無理だろ!」

「なんだとぉ〜!」

 

兵たちの笑い声が兵舎に響く。

そろそろ訓練の時間になったので兵達は己の将軍が待つ訓練所へと足を運ぶ。

呂布軍は6千と他の将軍に比べてかなり私兵が多い。

しかも全員が手練と言う並外れた戦闘能力を持っている。

その中でも呂布軍の騎兵は涼州産の馬にしたことにより、更に強さを上げ董卓軍最強の戦闘能力を持っている。

それもこれも、焔と恋、騰の厳しい訓練の賜物なのだ。

呂布軍の訓練は死者を出すのではないか?と言われるほど過激なものだった。

 

「騎兵隊整列!歩兵その後ろだ!」

 

焔の声が響き兵は短く返事をした後、直ぐに陣形を整える。

その速さは素晴らしいもので、詠や華雄、霞などからも賞賛を得ている。

しかし・・・

 

「遅い!貴様らはその程度か!もっと早く動かんと死ぬぞ!もう一度!!」

 

焔はなおも速さを求める。

これ以上早く動けるのか?と普通は疑問と不安を抱くが呂布軍の兵士は一切そんな感情が出ない。

俺たちなら出来る。将軍の気持ちに答えなければ

この二つが訓練で思う事だ。

 

「やれば出来るではないか!次ィ!!!」

 

陣形が一通り終わると次は歩兵、騎馬に別れての訓練だ。

基本、焔は全般的に見るが騎兵は騰、歩兵は恋などと決められており焔は常に全体を見ている。

ねねはというと全体を見渡せる位置で兵を見ながら兵法書を読みあさり自身の思い浮かんだ策などを書き写している。

 

「やぁぁ!!」

「せやぁぁぁあ!!!」

「フッ!!!」

「ぜやぁぁああ!!!!!」

 

真剣を使い常に実戦を想定して訓練を行うため、互いに必ず怪我をする。

致命傷にならないのは互いに強いからだ。

初めの内は模擬刀でする。

どちらが手を抜けば死ぬ。

そんあ状況により誰一人として手を抜かない。

騎兵などは集団での戦いなど実戦の様に藁人形を立て突撃するなどの徹底ぶりをしている。

 

「フォォォオオ!!」

「ルアァァアア!!」

「でりゃぁぁ!!!」

 

呂布騎馬隊が最強と呼ばれる一つは轡や鞍などを無しに馬を操れる所にもある。

つまり両手で武器を持ったまま自在に馬を操れるのだ。

 

「よし、そこまで!午前の訓練は終了する!」

 

焔の号令の元全員が手を止める。

そして、直ぐに整列し挨拶をする。

 

「「「ありがとうございました!!!」」」

 

その後は休憩に入り、怪我をしたものは自分で治療をしていく

 

「イテテ。しみるな〜(泣)」

「俺も正直危なかったぜ」

「もうちょっとこうしたら良いんじゃないか?」

「おぉ!なるほどな・・・ん?だとしたらこれも良いんじゃね?」

 

治療をしながらも兵の間では訓練での気になったことや悪い点、良い点を言い合う。

 

「ふむ。そうするとお前は体の重心を注意することだな」

「りょ、呂布将軍!」

「おっす。今日もお疲れ、昼からの建て直しも頑張ろうな!」

「はい!!」

 

焔は兵達とよく話す。

仕事の時や休日の時関係なくだ。

しかも、飯などを一緒に食いに行ったり兵を大切にするので兵達は心の底から焔に忠義を誓っている。

もちろん騰などはしょっちゅう兵たちと酒盛りをしているところを目撃されている。

 

「あっそう言えばこの間さ、月に頼んで新しい馬具を作ったんだ」

 

焔の一言により騎兵隊の連中が身を乗り出して聞いてくる。

 

「将軍!それはいったい!?」

「どんなのっスか!?」

「落ち着けって・・・まずこれ鐙って言ってなーーーーーーーーー」

 

焔の説明に興味津々で聞く兵士達。

実際に装備して馬に乗せてみる。

 

「うぉ!すげぇ!馬の上でも踏ん張りがきくし鞍がずれねぇ!!」

「俺にも試させろ!・・・・・すげぇ!!!」

 

兵達は新しい馬具に興奮して次々と乗って試している。

 

「これなら、もっと強化できるし馬が苦手な奴も大丈夫だろ!その内生産するからそれまでおあずけだがな」

 

兵達は一しきり休んだ後、街へと建築の道具を持って出かける。

 

「韓昭副官!」

「どうした?」

「この木材は何処に置きましょうか?」

「それは、そこでいいじゃろ」

「ハッ!」

 

キビキビと動き、いつものように作業に取り掛かる。

こうして時間は経ち。

夕暮れ時、兵達は切り上げ道具を持ち兵舎へと戻っていく。

 

「ふぅ〜今日も疲れたぜぇ〜」

 

一人が言い出せば他の兵達も口々に言い出す。

しかし、その顔は清々しいほど笑顔だ。

 

「今日の夕飯はなんだ〜?」

「分かんねぇまぁ・・たらふく食えたら言いや!!」

「だなぁ!」

 

兵達は自身の割当てられた部屋に武具を置き、食堂へと足を足を運ぶ。

また別に、街へと食事をとりに行く兵もいるし、家族の元に向かう者もいる。

 

「ん?殿?」

「ムグムグ・・・・おぉ〜お前等も飯か?」

「はい、てか殿もですか?」

「あぁ、たまには食堂の飯も食いたいからな」

「我らも一緒していいですか?」

「おぅいいぞ!飯は大人数で食べた方が美味いからな」

「でわ!」

 

其処からはちょっとした宴会だ。

途中から恋や騰、ねねも入り騒ぎだし、最終的には詠がブチ切れて解散となる。

 

そんな感じで兵士達の一日は終わる。

兵達は部屋に戻るなり武具を手入れし寝台へと入り眠る。

明日の調練の為に・・・・・・・・・・・・

 

説明
更新。
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コメント
ちんきゅーきっくがライダーキック並の強さになるのか?(VVV計画の被験者)
おや、ねねが武術の鍛錬している。ちんきゅーきっくが戦場で見れる日が来るのか。(量産型第一次強化式骸骨)
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