真・恋姫?無双 呉〜新たな外史で綴る物語〜 [ 第四話 ]
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 一刀たちが再会してから数日が過ぎたある日…

 

 一刀は冥琳の政務を手伝っていた。

 

 午前中の政務が終わり、一刀は昼飯を食べに街まで出てきていた。

 

 

 

「ごちそうさーん」

 

「あいよー」

 

(ふぅ〜、食った食った。こっちでも変わらないなぁ。…美味かったぁ)

 

 一刀が入った店は、前の外史で行きつけにしていた大衆酒家だ。

 

 店を出た後、一刀はまだ午後の仕事まで時間があるので、町を見て回ることにした。

 

 

 

(う〜ん、やっぱどこもあっちと同じなんだなぁ。…さてと、もうそろそろ帰らないと冥琳に………)

 

「うわぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!」

 

「………んっ!?………あっちかな?」

 

 館に帰ろうとした時に泣き声が聞こえてきたので、そちらに歩いて行った。

 

「たしかこっちの方から………あっ、いたいた」

 

 一刀が泣き声が聞こえたところに行ってみると、そこでは一人の女の子が泣きじゃくっていた。

 

「どうしたのかな?」

 

 一刀は女の子の目線に合わせるようにしゃがみ込んで、話し掛ける。

 

「ひっく……ぐすっ……おかぁ…さん…と……うぅっ……うわぁぁ〜〜〜〜んっ!」

 

「あ〜、お母さんとはぐれちゃったんだ………よしっ!お兄ちゃんが一緒に探してあげる」

 

「……っ、ひっく……ほん…と…?」

 

「うん。だからもう泣きやんで……ねっ」

 

「ひぐっ……んっ、くっ……うん」

 

「よし。えらいえらい」

 

「えへへへっ♪」

 

 一刀は女の子が泣き止むと優しく頭を撫でてあげた。

 

 女の子も頭を撫でられて嬉しくなり、笑顔になった。

 

「それじゃあ、お母さんを探しに行こっか!」

 

「うんっ♪」

 

 一刀は立ち上がり、女の子に手を差し伸べる。

 

 女の子もそれを見て一刀の手を握り返す。

 

 

 

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 一刀と女の子はとりあえず、大通りまで歩いてきた。

 

(しかしどうやって探したらいいものか………とりあえずあそこで聞いてみるか)

 

「すいませーん」

 

 一刀は近くの屋台の店主に声を掛ける

 

「いらっしゃい!何にしましょう?」

 

「あっ、違います。じつはこの女の子のお母さんを探してて…見たことありませんか?」

 

「う〜ん。この辺りじゃ見かけない子だなぁ」

 

「そうですか…(くいっくいっ)…んっ?どうしたの?」

 

 繋いだ手を引っ張られて一刀は女の子の方を見る。

 

「………おなかすいた………」

 

「あ〜…ちょっと待ってね。すいません、そこの肉まん一つ下さい」

 

「はいよっ!」

 

 一刀は肉まんを受け取って、店主に代金を支払う。そして肉まんを女の子に手渡す。

 

「ありがとうおにいちゃん♪」

 

「どういたしまして」

 

「いただきま〜す…はむっ、もぐもぐ…」

 

「どう?おいしい?」

 

「うん♪すっごくおいしいよ♪」

 

「おうっ!そいつはよかった。ありがとなお嬢ちゃん」

 

 女の子は美味しそうに肉まんを頬張っている。

 

 一刀はそんな女の子の姿を幸せそうに眺めていた………と、そこへ声が掛けられる。

 

「あらっ?か…じゃなかった…『北刀』じゃない」

 

「………んっ?…ああっ、雪蓮か」

 

「こんなところで何してるの?」

 

「ああっ。実はこの子がお母さんとはぐれちゃったみたいで…一緒に探してるんだ。雪蓮こそ何してんだ?」

 

「へっ!?ああっ、私はその〜………」

 

 雪蓮の目は何かを探すかのように右へ左へ泳いでいる。

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「(また政務をさぼって勝手に抜け出してきたな………)はぁ〜〜〜。あんまり冥琳を困らせるなよな」

 

「ぶ〜ぶ〜!なによ〜〜、私より冥琳の方が大事なんだ〜〜〜」

 

「いやっ、そういうことじゃなくてだな…」

 

「ふふふっ♪冗談よっ♪………そうだっ!私もその子のお母さん一緒に探してあげる♪」

 

「いいのか?」

 

「もちろん♪(なんとか冥琳に言い訳もできそうだし♪)」

 

「ありがとう。…さて、それじゃあまたお母さんを探しに行こっか?」

 

「うんっ♪」

 

 一刀は雪蓮にお礼を言って、女の子に向き直って声を掛ける。

 

 そして今度は三人で探し始めた。

 

 

 

「ん〜〜〜、なかなか見つからないわねぇ〜」

 

「そうだなぁ…こう人が多くちゃ探しにくいしなぁ………そうだっ!ちょっとごめんね」

 

「ふぇっ!?」

 

「これならどうだ!」

 

「うわぁ〜〜〜♪たかいたか〜〜い♪」

 

 一刀は女の子に肩車をしてあげた。

 

「ととっ…落ちると危ないからあまりはしゃがないでね?」

 

「私も見てるから大丈夫よ♪」

 

「うん、頼むよ。」

 

 そして、また三人で女の子のお母さんを探し始める。

 

 

 

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「…だいぶ歩き回ったなぁ」

 

「ねぇ…『北刀』、少し休まなくても大丈夫?」

 

「うん。大丈…「あっ!おかあさんだぁ〜♪」えっ?どこだ?」

 

「あっちあっち♪」

 

「こっち?」

 

「ちがうよ〜!あっちだってば〜」

 

「…その子、下に下ろしてあげたらいいんじゃない?」

 

「あっ、そうだな。………よいしょっと」

 

「おかあさ〜〜〜〜ん」

 

 女の子は下に下ろしてもらうと、すぐに母親のもとへと駆けだしていった。

 

「あっ………」

 

「ふふふっ♪よっぽど嬉しかったみたいね♪…さっ、私たちもいきましょ♪」

 

「うん。そうだな」

 

 二人も女の子の後ろ姿を追い掛けるようについていった。

 

 

 

「大変ご迷惑をおかけしたみたいで申し訳ありません。少し目を離したらいなくなってしまって………」

 

「いえいえ。見つかってよかったですよ」

 

「ほんとにありがとうございます。あの…何かお礼をしたいのですが…」

 

「当たり前のことをしただけなんで構いませんよ」

 

「ですが…」

 

「う〜ん…それじゃあ今度はちゃんと子供の手を握っててあげてください」

 

「…そうですね。ほんとにありがとうございました。…ほらっ、ちゃんとお礼を言いなさい」

 

「うん♪え〜と、おにいちゃん、おねえちゃん、ありがとうございました」

 

「よしよし♪えらいわね〜。今度はお母さんの手を放しちゃだめよ♪」

 

 雪蓮はしゃがみ込んで女の子の頭を優しく撫でてあげる。

 

「うんっ♪」

 

 女の子も撫でられて、嬉しそうに元気に返事をする。

 

「それでは、失礼させていただきます」

 

「はい。お気をつけて」

 

「おにいちゃん、おねえちゃん、ばいば〜い♪」

 

「「ばいば〜い♪」」

 

 

 

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「ふふっ♪やっぱり子供ってかわいいわねぇ〜♪」

 

 雪蓮は一刀の肩に頭を預けるようにもたれかかる。

 

「そうだなぁ〜」

 

「…なんだか私も早く子供が欲しくなってきちゃったなぁ」

 

 一刀の腕に自分の腕をからめながらそんなことを呟く。

 

「………へっ!?いやっ…あっ…あの…雪蓮さん!?//////」

 

「ふふっ♪照れちゃってかわい〜♪」

 

(………腕に柔らかいものがプニプニと当たってるんですが………)

 

「でも、肩車をしている時の…『北刀』…なんだかお父さんみたいだったわよ♪」

 

「おっ、お父さんっ!?」

 

「ええ♪…ねぇ、その時の私たちって、周りからは親子みたいに見えてたのかな?」

 

「親子ぉ〜〜〜!?」

 

 雪蓮に親子と言われて、一刀は思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。

 

「あははっ♪…さっ、冥琳も怒ってるだろうから、私たちも早く帰りましょ。あ・な・た♪」

 

「っっ………!!//////」

 

 ボンッ…という音が聞こえそうなほど、一刀は真っ赤になってしまった。

 

 雪蓮も真っ赤になっていたのだが、今の一刀には気付く余裕がまったくなかった。

 

 そして二人はそのまま館へと帰って行った。

 

 

 

 館へ着くと冥琳が眉間にしわを寄せて、二人が帰ってくるのを待っていた。

 

 なんとか二人は事情を説明して事なきを得ようとした………が、出来なかった………腕を組んだまま二人仲良く館に帰ってきたため、火に油を注ぐ結果となってしまったのだ。

 

 結局、二人とも徹夜で政務に励む羽目になってしまった………

 

 

 

 一方、街では、仲睦まじそうに歩く一刀と雪蓮の姿を見た民の間で、ついに孫策様もご結婚か…などと噂が広まっていた………

 

 

 

 

 

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<座談会>

 

作者:さて、前回の座談会で一刀がどこかに行ってしまわれ…

雪蓮:あら、一刀なら部屋にいたわよ。

作者:おおっ!これはこれは、雪蓮様。ようこそこちらに。

雪蓮:あなた、一刀に何かしたの?寝台で丸くなって何かぶつぶつ呟いてるんだけど…

作者:あ〜。そんなに落ち込んでおられましたか…

雪蓮:…あんまり一刀をからかわないでくれる?一刀をからかっていいのは私たちだけなんだから♪

作者:…ですが雪蓮様、落ち込んでる一刀を…ごにょごにょごにょごにょ…

雪蓮:うん、うんうん。…それいいわね♪…でも、あんまり調子に乗るとどうなるか…(キランッ!!)

作者:ハイ。ワカッテオリマス…(………南海覇王はしまってください………)

雪蓮:わかればよろしい♪

作者:(ふぅ〜。助かったぁ〜…)さて、今回は初めての拠点となりましたが、如何だったでしょうか?

雪蓮:やっぱり一刀は優しいわねぇ〜♪それに私も…

作者:最初でしたので、やはりここは、雪蓮様と一刀で書かせていただきました。

雪蓮:早く私も一刀の子供を授かりたいわねぇ〜…

作者:(…なんか惚けられそうだな…)…なら、そろそろ落ち込んでる一刀を…

雪蓮:…そうね。そうさしてもらうわ♪それじゃあね♪

作者:では、私もこの辺で………あっ、作品説明で書いたことなんですが、ご協力よろしくお願いします。

 

説明
 この作品は真・恋姫?無双の二次創作となっております。

 第四話となりますが、第三話で原作の第一章に当たる部分が終わり。また、原作の祭の拠点のほんの一部分ですが、入れてみたので、今回は拠点に挑戦してみました。

 内容に関しては………とりあえず読んでみてください………

 今後、物語の合間に少しずつですが、拠点を書いていこうかなと考えておりますので、誰のどんな感じの話を書いて欲しいなどございましたら、コメントなどにリクエストをお願いします。
 例えば、冥琳のギャグ系(まぁこれは極端な例ですが…)など、どんな作品になるか、自分でも作れるか…どこまでリクエストに応えられるかわかりませんが、挑戦してみようと思っておりますので、よろしくお願いします。

 それでは、第四話どうぞ。
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コメント
>>陸奥守様 うっっ・・・!!痛いところを突かれました・・・(tawards)
>>骸骨様 はい。仰るとおり冥琳の嫉妬が政務に五割増でプラスされてます。(tawards)
mokiti1976-2010様、骸骨様、陸奥守様ありがとうございます。自分では思い付かない設定が出てきて、どう書くか・どれを入れるか迷います。どの設定になるかまだ分かりませんので、本編をお楽しみにと言うことで・・・(tawards)
あの親子って紫苑と璃々だったりして。蓮華の記憶が戻ってなくて、一刀達が四苦八苦しつつ取り戻させる努力をするとかどうでしょう。(陸奥守)
仕事をさぼった罰に嫉妬の分が加わりましたな。拠点は・・・祭さんの料理教室(生徒は雪蓮、冥琳、穏)なんてのはどうでしょう。(量産型第一次強化式骸骨)
思春さんが最初からデレまくっているお話とか(まだ登場もしていませんが)・・・冥琳さんが珍しく仕事をさぼって一刀と遊ぶお話とか・・・(mokiti1976-2010)
タグ
真・恋姫?無双 恋姫  一刀 雪蓮 

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