Destiny/Domhan Eagsula(デスティニー/ドムハン エアグスラ)  第4話    暗黒の魔術師
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ライダーとの戦いから一夜が明けた。

 

「う〜ん……」

 

恵生はいつものように起きる。

 

「さてと、今日こそ右策は来てるかな」

 

恵生は居間に行ってみるが、噂の右策の姿がなく、セイバーしかいなかった。

 

「あれ、右策来てないの?」

「誰も来てないぞ」

「そう、とりあえずご飯に……」

 

そんな時玄関からチャイムが聞こえてくる。

 

「あ、来たかな。は〜い」

「………」

 

セイバーはかなりこっそり恵生の後ろをついて行った。

 

「あ、右策来たんだ。いつもより遅かったから来ないかと思ったよ」

「まあ色々あって……」

 

紫色の短髪に紫色の瞳をした少年、彼が真浦右策であった。

その髪の色と瞳の色は昨日会った彼の姉とされる茜雫と瓜二つだと物陰から見ていたセイバーは思った。

 

「それで恵生先輩、ご飯は……」

「私もさっき起きたところだからまだだよ」

「それじゃあ僕、急いで作りますね」

 

右策が靴を脱いで家に上がりこむ。

 

「そんなに急がなくていいよ」

「いえいえ、昨日は色々あって来れなかったうえに今日も遅刻したんですから、急がないと……」

 

右策が上がりこむのを見てすぐにセイバーはその場から去り、右策に見つからないような場所に隠れた。

そして恵生と右策は朝ごはんを一緒に作り出した。

 

「すみませんね、昨日は来れなくて……」

「昨日来れなかったのって、茜雫が原因?」

「え、なんでそう思うんですか?」

「いやね、茜雫って昔はともかく今って結構荒れてるでしょ。特に最近」

「…………」

「それで思ったんだけど、右策、今日から家に下宿しなさい」

「え!?」

 

右策は驚きのあまり皿を落としそうになるもギリギリのところで皿をキャッチした。

 

「な、なんでそんなこと……」

「だから言ったじゃない、今の茜雫はかなり荒れてるって……。

茜雫の今の様子ははっきり分かってるわけじゃないけど、きっと右策にすっごく負担かけてると思うの。

それとこれはお願いじゃなくてほとんど命令、あなたのためにやるんだからね」

「恵生先輩、今日は嫌に態度がでかいですね」

「まあ私も色々あるの」

 

こうして恵生の強引な手引きによって右策は恵生の家に下宿することになった。

 

「そう言うわけで右策はこっちで預かるけどいいかしら?」

「それをわざわざ電話に儂に尋ねることかな?」

 

朝食を終えて、右策が自宅に戻っている間に恵生は真浦家に電話をし、その電話の相手が賢蔵であった。

 

「一応体裁的にもこうしておかないとこっちが誘拐とか監禁になるでしょ。

それに言っておかないと茜雫が何言い出すか……」

「お主、茜雫のことをよく分かっているな」

「友達のつもりだからね。それと茜雫はどうなってますか?」

「あ奴なら昨日、セイバーに負けてから帰ってないぞ」

「帰ってない?」

「ああ、どこをふらついているのやらあの孫娘は……」

「心配してるんですか?」

「そりゃあ儂の孫娘じゃ、心配するも当たり前じゃろ」

「けど右策は心配してないと?」

「お主の人柄は右策から聞いておるからな。心配する必要もあるまい」

「それはどうも……」

「してお主の目的は?」

「言わなくても分かると思うけど?」

「ふふふ……まあよい、お主に一ついいことを教えてやろう」

「いいこと?」

「この街に桐生神社があるのは知っておるじゃろ。あそこに一人のサーヴァントが拠点としておる」

「サーヴァントが……」

「信じるも信じないもお主次第じゃ、ではの…」

 

賢蔵は電話を切る。

 

「セイバー、今の話は本当だと思う?」

「俺は気配察知は出来るが、その桐生神社の場所が分からんからな……。直接行ってもみないと分からん」

「そう……」

「それでどうするんだ?」

「正直あのお爺さんの言ってることは本当だと思うけど罠がないなんて言いきれない。

後だしにはなっちゃうけど様子を見る。それでいい?」

「お前がそう言うなら構わない」

「けど夜の見回りはするからよろしくね」

「了解した。だが見回りに行くときにあの右策と言う奴にはどう言うつもりだ?」

「別に最近物騒だから見回りに行くって言えばいいのよ、私が正義の味方を目指してるのは右策も知ってるんだから……」

 

 

第4話    暗黒の魔術師

 

 

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そして右策は下宿の支度をして恵生の家にやって来て、二人で晩御飯を食べた後、恵生はセイバーと共に夜の見回りをしに出かけた。

 

「とりあえず下見程度で桐生神社の方に行ってみる?」

「頼む」

「こっちよ」

 

恵生はセイバーを桐生神社の方へと連れて行った。

 

「ここよ」

「確かに嫌な気を感じるな」

「乗り込んでみる?」

「いや、確かにお前の言う通り様子を見た方がいいかもしれん………。

それにライダーを倒したと言ってもまだアーチャーやバーサーカー以外にもサーヴァントがいる。

あの神社にいるのがキャスターかアサシン、もしくはランサーかもしれんが、他に町の人間を襲う奴がいないわけでもないからな」

「それじゃあ今日はもう少し町を見て回って帰ろっか」

 

恵生はひとまず桐生神社を後回しにすることにした。

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幕間

 

 

 

 

 

 

恵生とセイバーが帰るのをある者が見ていた。

 

「ふふふ、賢明な判断だがそれが吉と出るとは限らんぞ……」

 

その者は椅子に座り、神社の中からモニターで一番下の階段付近を見ていた。

 

「どうだ、キャスター。不審者はいたか?」

 

モニターを見ていたのはキャスターと呼ばれる赤い軍服のような帽子と服を着た男であった。

 

「不審者らしき者は麓まで来たがすぐに帰っていったわ」

「ほぅ、それでどんな者だった?」

「女一人とロボットが一体。おおよそマスターとサーヴァントだろう」

「簡単に逃がしていいのか?」

「構わん。どうせここまで来たとしても私に勝つことなど出来ん」

「ずいぶん強気だな」

「そうだ、このシャドルーの総帥、ベガの前では何者も無力なのだ!

ふはははははははははは!!」

 

ベガと名乗ったキャスターは大声で笑うのであった。

そんな時、アラーム音が鳴り響く。

 

「なんだ?」

「侵入者か」

 

ベガが別のモニターを点ける。

するとそのモニターには神社に侵入しようとしていたエリオが映っていた。

 

「ランサーの小僧か」

 

ベガは椅子から立ち上がる。

 

「行くのか?」

「肩慣らしにはちょうどいい」

 

ベガは社から出て行った。

エリオが神社の赤門の前までやって来る。

 

「何とか侵入できたみたいだけど……」

「よく来たな、ランサーの小僧」

「!」

 

エリオの前にはマントで体を覆いかぶせるベガが立っていた。

 

「お前がキャスターか?」

「いかにも、私はキャスターにしてシャドルーの偉大なる総帥ベガ」

「ベガ……、あの秘密結社シャドルーのボスか!」

「そうだ。小僧、ここまで来たと言うことは命が惜しくないと見た」

「!」

 

ベガから放たれるプレッシャーにエリオは押し潰されそうになるが、何とか耐える。

 

「ほう、倒れないか。ならばその首、掻っ切ってやろう」

 

ベガはマントを脱ぎ捨てる。

ベガの肉体はかなり筋肉質で出来ており、並の人間は愚か、並みの格闘家でさえ歯が立たないのが目に見えるくらいである。

 

(こいつ、かなりのやり手だ。

状況によってはすぐに離脱も……)

「どうした、小僧」

「!」

 

エリオの後ろにはいつの間にかベガがいた。

 

「いつの間に」

「どぅおあ!」

 

ベガは魔力を込めた拳をエリオの首筋に向かって殴りつけようとする。

しかしエリオは槍のストラーダで何とか防いだ。

 

「ほう、初撃を防ぐとはな」

「あ、危なかった……」

 

エリオの元から持つスピードが無ければ今頃首と胴体は分かれていただろうとエリオは思った。

 

(まずい……、このままじゃ負ける。

こうなったら何とか隙を作ってすぐに脱出しないと……)

「サイコクラッシャー!」

 

ベガはサイコクラッシャーと呼ばれる必殺技を繰り出し、エリオに向かって突撃していく!

 

「ストラーダ!」

『ソニックムーブ!』

 

エリオはソニックムーブの高速移動でサイコクラッシャーをギリギリで回避。そのまま神社を去っていった。

 

「逃げたか、すばしっこい小僧め」

「キャスター、いいのか? あのまま逃がして」

「先ほども言ったが構わん。どうせまた来たところで奴らには死あるのみ」

 

ベガはそのまま神社の中へと戻っていった。

 

 

 

 

 

幕間終了

 

 

 

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「今日は特に目立ったことは見つからなかったね」

「俺達が見逃してなければな……」

 

恵生とセイバーは夜の見回りを終えて帰ろうとしていた。

そんな時であった。

 

「うん?」

 

突然自分達の上に影が出来る。

二人が上を向いてみると上から何かが落ちてきた。

 

「!」

「待って!」

 

セイバーが剣を握るも恵生が止める。

上から落ちてきたのはエリオであった。

 

「う、うう……」

「エリオ君!」

「ランサー、貴様!」

「だから待って!」

 

セイバーは剣を引き抜くも恵生は止める。

 

「何故だ!?」

「あの子、怪我してるんだよ!」

「何?」

 

恵生の言う通りであった。

エリオは右わき腹を押さえており、右わき腹から血が流れていた。

 

「エリオ君、大丈夫!?」

「あなたはセイバーのマスター……」

 

エリオの意識は朦朧としていた。

 

「待ってて、すぐに助けるから…」

「おい、恵生! 何故そいつを助ける? 敵だろ」

「敵でもここまで苦しんでる人を見捨てておけない!

それにこの間襲ったのだって私がまだ聖杯戦争の関係者じゃなかったから……」

 

恵生はエリオを背負う。

 

「おい!」

 

セイバーは恵生を止めようとするが……。

 

「とにかく家に帰って治療するよ!

さすがにサーヴァント相手はあの神父さん助けてくれそうになさそうだからね」

 

恵生はエリオを背負い、急いで家へと戻っていった。

 

「だから待て!」

 

セイバーも急いで恵生の後を追っていった。

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恵生はすぐに家に帰って来た。

 

「ただいま」

 

玄関には右策がいた。

 

「おかえりなさい……ってその子どうしたの!?」

「この子怪我してるの。とにかく救急箱取って来て、この子私の部屋に連れて行くから」

「分かった」

 

右策はすぐに救急箱を取りに行き、恵生はエリオを部屋に運んでいた。

 

「エリオ君、大丈夫?」

「なんとか……」

「しかし本当にそいつを助けるのか?」

「助けるの!」

 

セイバーはすぐにその場を立ち去り、右策と入れ違いになる。

 

「はい、救急箱」

「ありがとう、あとは私がするから寝てていいよ」

「分かった」

 

右策は恵生の部屋から出ていく。

 

「私は正直回復系の魔術は苦手だから普通の怪我の手当てになるけど大丈夫?」

「それはなんとか……、まだ僕のマスターとの繋がりは絶たれてませんから、魔力供給のおかげである程度の傷は自分で治せます」

「それなら大丈夫ね、でも包帯くらいは巻いておくね」

 

恵生はエリオが怪我している部分の服を脱がして包帯を巻いてあげた。

 

「とりあえず今日はうちに泊まっていきなさい。とりあえず今日は私の部屋の隣の部屋使っていいから」

「でも……」

「もし君が私を襲うんだったらセイバーが容赦なく襲うと思うけどね、それじゃあお休み。

あ、それと私の許可なしに勝手にこの家から出てっちゃだめだからね」

 

恵生は隣の部屋との襖を閉じて眠りに入る。

 

「………」

「このまま残るのか、ランサー」

 

その部屋にはセイバーがいつの間にか来ていた。

 

「僕のマスターは無理に戻れなんて言ってません。

それにここに残らないとあなたのマスターがすごく怒りそうなので……」

「否定できんな」

 

こうしてランサーことエリオはその日、恵生の家に泊まることになった。

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今回明らかにされた情報。

 

 

サーヴァント名「キャスター」

マスター    不明

真名      ベガ(出典作『ストリートファイター』シリーズ)

男性

 

クラス保有スキル

 

「陣地作成」A+        どんなところであろうが、魔術に関する工房を作ることが出来る。

 

「道具作成」A+        魔術やそうでないもの、ほとんどのものを作ることが可能。

 

個人スキル

 

「自己改造」B         自身を改造する力。

 

所有宝具

 

「闇の超能力(サイコパワー)」 宝具ランクEX

 

ベガの持つ能力。自身の筋肉を増強したり、人を洗脳したり、魔力を強力な攻撃に変換できる。

 

 

必殺技

 

サイコクラッシャー

 

ランクB〜EX  ベガの最も得意とされる技。技の微調整によって必殺ランクが変わる。

         最低でもランクB、最高でランクEXの技となる。

         サイコパワーを纏い、拳を前にして回転しながら相手に向かって飛んでくる技。

 

 

説明
この物語は作者が「Fate/Zero」を見た影響で「Fate/Stay night」の話を基に作った作品です。
基となった話はアニメ化されてないルートをメインとしているため、ネタバレが嫌な人はあまりお勧めできません。
また話によっては原作のシーンなどを見ながら作っている場面もあり、原作で出てきたセリフと全く同じやほとんど同じなところもあることをご了承ください。
なお、サーヴァントにつきましてはクロスオーバー的にまったく別の作品からの参加となっています。
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タグ
Destiny/DomhanEagsula Fate 第4話 八子空恵美 クロスオーバー 魔法少女リリカルなのはStrikerS ストリートファイターU 

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