一刀の晋王転生録 第一章十五話 |
第15話
「黄巾の乱 救出戦」
一刀は美華に、何進とその護衛にまわす兵達をまかせて、味方の救出に向かう。
(この状況で味方を救うには敵が行動を停止させた隙に撤退、でなければ突破させなきゃいけないけど・・・問題は
敵をどうやって行動停止をさせるか、だ。)
駆けながら答えを思案する。
(だが敵のこの勢いを少しでも停止させる、となると・・・強襲して即座に敵将の撃破ってところか、て!、
厳しいな、おい!)
どうやって救出するかを決めた後、救出に向かう部隊の順番を決める。
(まず救うべき部隊は・・・公孫賛軍だな。)
一刀は救出に向かうところを定めると、まっすぐに公孫賛軍に向かった。
(頼む・・・何とか持ちこたえてくれ!)
公孫賛軍は今にも崩壊しそうになっていた。
(くそ!、まさかこんなことになるなんて。)
公孫賛も自ら前線で武を振るい戦っていた。
「いけー者ども!、官軍など恐れるに足らず!蹴散らせー」
「くっ!」
だがやはり敵のほうが数が圧倒的に多かった、もう持ちこたえられない。
「伯珪殿!、無事か!?」
公孫賛軍の客将の趙雲が公孫賛に声をかける。
「そっちこそ大丈夫か!?、趙雲!!」
公孫賛も趙雲を気遣う。
二人は声を掛け合いながらこの状況をなんとかしようとしているが、
(いかん!、このままでは壊滅してしまう・・・せめて伯珪殿だけでも・・・)
趙雲は公孫賛だけでも逃がそうと覚悟を決めたその時。
「な、何だ?」
(ん!?)
敵が動揺していた。
「た、隊長が一瞬でやられたー!」
「な、何だって。」
「そ、そいつがこっちに向かってくる!」
(何だって!?)
二人の目に映ったのは強引に突破しながらこちらに向かってきた一刀だった。
「公孫賛って人はどこにいる!?」
「わ、私だが。」
「そうか、君か!。なら話は早い!、奴らが動揺している間に撤退してくれ。いつ奴らが勢いを取り戻すかわからない!」
「わ、わかった、ありがとう!、お前ら撤退するぞ!」
公孫賛は自分の部隊に撤退を指示した。
「貴殿はどうなさるおつもりですか?」
趙雲は一刀に問う。
「残りの味方の救出に向かう!さぁ!早く行ってくれ!」
「・・・わかり申した。御武運を。」
一刀は次に袁術軍のもとに向かった。
「な、七乃ー!」
「だ、大丈夫ですよお嬢様!ですから安心してください!」
今、会話をしているのが袁術、そして張勲である。
張勲が泣いている袁術を安心させながら隊を指揮しているが、
(ま、まさか官軍があそこまで戦えなかったなんて・・・)
さすがに彼女もこの事態には焦ってしまい、なかなかこの状況の打破する術を思いつかない。
(ど、どうしましょー!?)
張勲も泣きたくなった。
絶望しそうになったその時、
「わぁー」
「うわー」
(え!?)
張勲は少し敵の状況が変わったが分かった。
さらに確認すると一人の男がこちらに向かってきた。
「袁術って人はいる!?」
「ぐす、わ、妾なのじゃ。」
「君が!?」
まだ幼くみえる袁術を見て少し驚いたがすぐ気を取り直し、
「今、敵将らしき男を討って敵を動揺させた!、さぁ今のうちに逃げるんだ。」
「あ、ありがとうございます!さぁ、お嬢様、行きましょう!」
「あ、ありがとうなのじゃ。皆の者、退くのじゃ!」
袁術、張勲は撤退は始め、一刀は袁紹の救出に向かう。
「猪々子さん!、斗詩さん!、どうにかなりませんの!?」
「む、無理です!姫様ー!」
「さ、流石にきついっすよこれは!」
悲鳴に近い声を上げながら会話をしているのは、袁紹、文醜、顔良の三人である。
文醜、顔良が袁紹を護衛をしながら奮闘しているがもう限界のようである。
「く、斗詩!、姫をつれて逃げるんだ!、ここはアタイが何とかする。」
「猪々子さん!?」
「文ちゃん!?、そ、そんなことできないよー!」
「けど、このままじゃ、三人とも死んじまう!、だから早く姫を!」
だが顔良はなかなか決められなかった。
彼女は文醜を見捨てられなかった。
(だ、誰か!誰か助けてください!)
顔良は心のそこから助けを求めた。
そして、
「ぎゃー!!」
「な、なに!?」
「うわー!?」
三人の耳から敵の悲鳴が聞こえた。
「間に合ったか!」
一刀が袁紹達のもとに駆けつけた。
「し、司馬昭さん!?」
「袁紹!、早く退くんだ!。君もここで死ぬつもりはないだろう!」
「わ、分かりましたわ!、猪々子さん!、斗詩さん!行きますわよ!」
「助かったぜ、司馬昭のアニキ!」
「あ、ありがとうございます!司馬昭様!」
袁紹達も退却を開始した。
(曹操軍、孫堅軍、劉備軍は撤退できているようだな。後は・・・)
一刀は董卓軍を確認する。
(!、董卓軍もそろそろ危ないな、急ぐか!)
最後は董卓軍の救出に向かう。
「皆さん!あと少しだけがんばってください!」
「あともう少し、もう少しで突破できるわ!」
兵達に声がけをしているのが、董卓と賈?である。
他の隊より前に出ていた董卓軍は撤退ではなく突破しなければならなかった。
「く、だがこのままでは持たんぞ。」
華雄がそう言いながら敵を斬り続ける。
「!、また敵が増えた・・・」
「な、なんですとー!?」
敵の増援を察知しながら、呂布は敵を斬り続ける。
陳宮も動揺しながらも指揮をする。
「あかん!、このままじゃ、持たんで!?」
張遼も奮戦するが限界を感じていた。
(官軍が腐ってることはわかってたけどまさかここまでだったなんて・・・)
賈?は予想以上の出来事に対応が少し遅れてしまったことに悔いていた。
「!、月!」
「え!」
思考の最中に敵兵の一人が董卓に斬りかかってきた。
「あ・・・」
あまりにも突然で動けなかった。
「月ーー!」
賈?の悲鳴を上げた。
そして、
ガキィン!!
「大丈夫か!?」
「!!、司馬昭様!」
「司馬昭、来てくれたの!?」
寸でのところで一刀が割り込むことに成功した。
「・・・ふ!」
そしてさきほどの敵を切り裂いた。
「た、隊長!?」
どうやらこの男が敵将だったようだ。
「今だ!一気に突破するぞ。」
「は、はい!、司馬昭様!ありがとうございます!。皆さん!行きます!」
「了解しました!董卓様!」
「・・・行く!」
「わかりましたぞ!」
「よっしゃーいくでー!」
こうして一刀は何とか全軍を合流させ撤退させる。
しかし、どの軍もかなり手痛い被害を受けてしまった。
(どうやら一旦洛陽に戻らなきゃいけないな・・・)
一刀はこれからのことを考えながら美華のところへ向かう。
そして・・・
(こっちの隊も随分やられてしまったな・・・ごめんなみんな。)
死亡してしまった自分の隊の兵達に心の中で謝罪した。
「一君!」
「美華、大丈夫だったか。」
「うん、大丈夫だけど・・・!、一君!結構傷だらけだよ!」
「まぁ、ちょっと無茶したからね・・・ちょっと休むよ・・・」
一刀は倒れそうになり姿勢を崩した。
美華があわてて一刀の身体を支え、
「・・・お疲れ様、一君・・・」
美華は兵達に丁重に休ませるように言った。
おまけ
何進を護衛する司馬昭隊を指揮する美華。
彼女は一刀のように戦えないが隊を指揮することはできた。
「皆、一君のために戦いなさい!、そして一君の期待に答えなさい!、出来なかったら、ワカルワヨネ・・・」
なぜかスイッチが入った美華、そして
「大丈夫ですよ!、奥方様!、この部隊にそんな奴はいませんよ!」
「奥方様にも指一本触れさせませんよ!」
「司馬昭様のため!、でやぁー!」
(フフフ、ガンバッテネ、ミンナ。そして、これが終わったら一君からご褒美をもらうんだ♪。)
そんなことがあったそうな、無かったそうな。
という訳で十五話になります。
次回は姉君の出番です。
そして美華がプッツン寸前に!?
説明 | ||
十五話、救出戦を投稿します。 最後ちょっとやりすぎたかなぁ。 |
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コメント | ||
元姫が目覚めたら原作キャラ半分は消えますね・・・(よしお) 皆様コメントありがとうございます。拾参拾伍拾様、とりあえず第一章時点ではご都合主義で行くつもりです。(k3) 獲物が増える〜♪増える〜♪増えるぞーーーーー!!(IFZ) 全員の救援に間に合うなんて物凄くご都合主義だね。(拾参拾伍拾) 美華の奴…前回はやけに素直と思ったらこう言う思惑でしたか…(根黒宅) ヤン化が順調に進んでるな・・・・・一番恐ろしいのは、他を巻き込むところだな。伝染みたいなものか(黄昏☆ハリマエ) あーあ、一刀の奴、美華を怒らせることしまくっちゃったな。(笑)(BLACK) 今回のことで一刀は、大量にフラグを立てたな。後一押しで皆落ちるぞ。ということは美華が病化するフラグも大量に立ったということだな。(量産型第一次強化式骸骨) フラグ乱立じゃないか?これ。(アルヤ) 皆、助かって良かったです。 一刀はカッコいいなぁ。(readman ) |
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