(腐ヘタリア)熱ノセイ、酒ノセイ【鯨組】
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「酔ってないよ」

「それは酔ってる奴が言う台詞だべ」

ふうー、とため息をつくノーレ。

本当に酔ってないのに。

 

 

今日は久しぶりにノーレの家に来た。

別に何か用があったとか、そんな事は無く。無意識のうちに、足がノーレの家まで運んだだけの事。

突然の訪問は流石に迷惑になるだろう、と思い引き返そうとしたら、ノーレに見つかり今に至る。

 

そして、ノーレに勧められてちょっと飲んだお酒が、これまた美味しい。

だから、いつもより多めに飲んでしまったが、本当の本当に酔ってないんだから!

 

「そういやさ、ノーレは今日仕事ないの?僕と飲んでて、大丈夫?」

いくら最終的にノーレが連れ込んだとしても、仕事の邪魔になっているのなら、すぐにでも帰るつもりだ。

 

「ん。後少しで終わるべ。大丈夫だ」

「そう」

 

やっぱり邪魔じゃなかと聞くと、逆にいて欲しいと返ってきた。

 

「あ、そうだべ。アイスに渡したいもんがあったっけ」

そう言ってノーレがソファから立ち上がる。と思ったら、ガダっと床に寝そべってしまった。

 

「ノーレ?!」

ノーレを抱き抱えると、凄く体や顔から汗が流れていた。

そしてとても熱い。

 

「あ…わりい、なんか頭が痛えと思ったら」

「なんでそんな事言わないの!ちょっと待ってて。今、水持ってくる」

直ぐさまノーレに水をあげて、さっきつまみやらなんか食べてたので、薬も一緒に飲ませた。

そしてノーレが寒い、と言うので、取り合えず毛布をかけてあげる。その間にベッドを作りあげた。

 

「38度……」

「わりいな」

「なんで早く言わないのさ」

僕が見る限りでは、いつものノーレだった。だから本人が倒れるまで、全然解らないままだったかもしれない。

 

「次からは気をつけるべ」

「…もう、僕がいなかったら、どうしてたんだが」

まあ、ノーレの性格上、言いたくなかったんだろう。なんて言うか…風邪とか病気に負けた、みたいな考えなんだと思う。

 

「何か食べたいものとか、無い?」

「アイス食いて」

…これはアイスクリーム、と取っていいんだよね?

 

「はいはい。アイスクリームね」

「違え。それともアイスランド、でも言ったほうがええけ?」

すると僕の裾野を引っ張って、自分のところに引きずりこむ。

「…ちょっ、ちょっとノーレ!熱でおかしくなったの?」

「本気だべ」

 

えっ、とパニックになったのがいけなかった。

 

チュッとキスされたと思ったら、そのままノーレが僕の上に乗っかている。

 

そしてまだキスが続く。舌までもが加わった。

僕は今どのような状況なのか、わからない。

何か抵抗しなきゃと思っても、さっき飲んだお酒のせいで、体がだるい。

逆に体は、この態勢のほうが楽なようだ。

 

息が続かず、互いに荒い呼吸をする。

僕の口の周りには、ノーレのなのか、僕のなのか、唾液が散らばっていた。

「ねえ、なんでこんな事するの?ノーレは僕に何をさせたいの?」

「アイスは俺とキスして嫌だったけ?」

見事にそらされた。

「……話そらさないでよ。嫌だった、って言ったらすぐ止めるつもり?」

「アイスの返事聞いたらな」

なんだろう…噛み合ってない気が。

まあこんな高熱の中、こんな事をしてるんだもの。ここは『普通』に寝てる所なはず。

見るからに熱でつらそうだ。

だが返事とはさっきの事なのか?

「さっきの事?嫌か良いかなんて、関係ないでしょ?動けないんだから」

どちらもワイシャツ一枚姿だから、ノーレの体が凄く熱いのがわかる。

 

「動けたら逃げんのけ?」

「それ…は…」

解らない。今はただ強がりを言ってるだけなのかもしれない。

 

「正直に言ってみ」

ノーレの笑みが熱っぽく、僕を誘う。

僕もお酒か入って思考がおかしくなりそうだ。

「…やってみれば?逃げないし。…ノーレがお酒飲ませるから、いけないんだ」

「ふーん、上等だ。後で音をあげてもしらねえべ。俺だって、熱にやられちまっただけだ」

 

×××

 

何言ってんだろ、僕。

何でいいって言ったのか。

何で逃げなかったのか。

何でノーレもするのか。

 

きっとノーレは熱のせいにして。

僕はお酒のせいにして。

 

許されるはずもない、互いの思いを。

『何かのせいで起こった事』と唱えてしまえば、この行為は許されると思ったのかもしれない。

 

 

説明
うおおおおおお
なんなんだコレはっ?!
うおおおおおお
鯨可愛いよー
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