桔梗√ 全てを射抜く者達 第36射 |
桔梗√ 全てを射抜く者達 第36射
視点:月
厳顔さんが来てから十数日が経ち、蒼さんと劉備さんの陣営が来ました。
ですが、この2つの陣営が此処洛陽に来た理由は全く異なっていました。
蒼さんの陣営は数日後に行われる国家連合の会談に向けて来ました。いつも思うのですが、蒼さんそんなにあっち行ったりこっち行ったりして内政は大丈夫なのでしょうか?まあ、西涼は最近五胡の襲来も無いみたいだし、落ち着いているみたいです。
一方、劉備さんが洛陽に来た理由は穏やかなモノではありませんでした。劉備さんの話によると、北方から袁紹さんが攻めて来たらしいです。
その数50万。そして、劉備さんは勝ち目がないことから、平原を脱出し、私が治めている洛陽に、保護して貰うために来ました。
ですが、平原と洛陽との間には曹操さんの治めている領地があります。そして、曹操さんから通行料として関羽さんを要求され、劉備さんは民の為に、泣く泣く関羽さんを手放したそうです。その結果、劉備さんが洛陽に来た時、趙雲さん、張飛ちゃん、諸葛亮ちゃん、?統ちゃんと5万の民だけが一緒でした。
詠ちゃんは『洛陽って駆け込み寺だったけ?』と言っていましたが、全員客将として受け入れることにしました。
あの反董卓連合以降、この大陸は完全な戦乱の世となってしまったのですね。哀しいです。
一刻も早く、この大陸の人の心を天下統一して、平和な世の中にしたいです。
そして、蒼さんと劉備さんが洛陽に来てから数日経ち、蒼さんと劉備さんの陣営の人達が落ち着いて来たので、厳顔さんと蒼さん、私と劉備さんの陣営が集まって国家連合の話し合いをしています。
ただの話し合いではありません。国家連合に参加表明をした陣営の一同を介した軍議です。
この軍議で決まった事が今後この大陸を動かしていく、そんな重要な軍議です。そのため、軍議は玉座の間ではなく、大きな部屋に大きな机を置き、円卓で会議を行い、誰もが平等に意見を出せるようにしています。
皆が席に座ると軍議が始まりました。進行役は詠ちゃん、書記は徐庶さんが行う事となりました。
初めの議題は国家連合の名前でした。様々な意見が出ましたが、厳顔さんが御遣い様の考えた案を言うと、皆が賛同し、あっさりと通りました。
劉備さん達の陣営が反対しなかったのは驚きましたが、劉備さんと張飛ちゃん、諸葛亮ちゃん、?統ちゃんは御遣い様と会ったことがあるということを考えるとあり得なくもないかと思います。そういえば、今この場に居る人で御遣い様に会ったことが無いのは趙雲さんだけなんですね。
その次の議題は国家連合においての法です。
そして、数刻の議論の末、国家連合の法も方向性が大分固まってきました。以下のような方針が決まりました。
・この国家連合はこの大陸の安寧の為に存在しているモノであり、平和を乱す一切の行為を禁止する。
・国としての機能を果たしている地域への利己的な侵略の一切を禁止する。だが、悪政が行われている地域への侵攻はこの限りでは無い。侵略を行う場合、国家連合の軍議において全会一致で侵攻が認められなければならない。
・自国の産業を守る程度の関税は認める。
・国家連合に属している国は民に対して人権を認めなければならない。奴隷制度の一切を禁止する。
細かいところはこれから軍師で話し合うそうです。
「次の議題よ。さきほどの議題で決まった国家連合の法の1つ、悪政が行われている地域への侵攻が認められるという件についてよ。
この悪政の定義が何かは今の所はっきりしていないけど、少なくとも荊州については当てはまると思って良いわ。
なぜなら、現在、荊州では未だに黄巾党が南洋黄巾党と名乗り、暴れているわ。ただ暴れているだけならまだマシなのだけど、荊州の州牧を殺して、南陽黄巾党の党首が州牧として政を行っているわ。おかげで史上最悪の地域と言っても過言じゃないわ。
そこで、ボクは荊州の民達の解放の為に、荊州を攻めるのが良いんだと思うけど、どうかな?」
私は首を縦に振り、荊州侵略の肯定に一票を投じる。
以前の私だったら、反対していたと思うけど、私はこの大陸の平和の為に立ちあがりました。戦うって決めました。
だから、犠牲があったとしても、私はそれを背負ってでも、その理想を叶えるために進みます。
それが、これまで、私について来た人の為であり、この大陸の人の為でもあるからと信じています。
私以外の人も荊州侵略には賛成のようです。反対の人は誰も居ませんでした。
特に荊州の隣の益州の一部を治めている厳顔さんが荊州侵略に賛成してくれました。隣の州ということもあって私以上に荊州の現状を知っていたんだと思います。
「でも、詠ちゃん。荊州を攻略してからどうするの?統治者が居なければ、黄巾党を倒しても意味がないと思うんだけど。」
「ボクは荊州の統治を劉備の陣営にしてもらうのが良いと思うのだけど、どう?」
「えぇ!?私ですか!?」
「そうよ。馬騰は涼州と雍州。月は洛陽を含む司隷と豫州と徐州を治めているけど、将が足りなくて困っている状態よ。
そして、厳顔は御遣いを取り戻しに益州を攻めて、その後、益州の統治をするつもりよ。
それに、現在領地をもっていないのは劉備の陣営だけ。
だとすれば、荊州の侵略と統治をするのは貴方の陣営が最適だと思う。諸葛亮と?統はどうかしら?」
「確かに、その考えでは桃香様の陣営が最も適しているとしか言えません。
ですが、私達の勢力は国家連合に参加している陣営の中で最弱と言っても過言ではない状態です。そのため、私達の勢力だけでは荊州攻略は不可能だと思います。」
「それに、荊州を攻略出来たとして、いきなり私達だけで荊州の統治となるとそれこそ人材不足です。益州に戦を仕掛けるというのならなおのことです。
そこで、私達は国家連合に加入している皆さんにある要請をします。」
「その要請って、荊州侵略の援軍と桔梗様の陣営を臣下に迎え入れたい、ですか?朱里?雛里?」
「はわわ!さすが、杏里ちゃん。」
「私達、桔梗様の陣営は最終的に成都を攻めて、劉焉から一刀さんを救出することです。
成都攻略に手を貸してくれるのなら、荊州侵略の援軍は出したいと思いますが、桔梗様の軍は現在数千人程度。
次に、桔梗様の陣営の者が劉備さんの陣営に入ってしまっては、成都攻略後、益州を治める人が居なくなってしまいます。
ですが、成都攻めには荊州の地盤固めが重要です。だから、成都を攻略するまでの間、桔梗様の陣営の一部の将を客将にするなら、私は構わないと思います。他の人はどう思いますか?」
「私もそれが良いと思います。
益州の成都を攻めるのなら、西の荊州と北の雍州から同時に攻めることが効果的です。そのため、荊州の地盤は重要です。
荊州の北は董卓様の領地であるため、攻められる心配はありませんが、孫策さんが治めている西の楊州に、客将だった孫策さんが独立したことにより領地を南下させた袁術さんが治める南の交州があります。二つの勢力、呉も仲も共に天下統一を目指しています。
その為、西と南を警戒しながら、益州を攻めなければなりません。その為にはその方法が良いと思います。」
「賈駆さんはどう思いますか?」
「ボクもそれで良いと思う。
厳顔達が持って行かれるのは辛い所だけど、いつかは厳顔達が独立するのだから、時期が早まっただけ。
それに荊州と益州が速く落ち着けば、月の陣営としては万々歳よ。だから、頑張って人材探しと育成をするわ。月もそれで良いかな?」
「うん。私も荊州の人や益州の人を速く助けたい。劉備さんは良いですか?」
「はい。それだけの条件を飲んでくれるのでしたら、私としては問題ありません。」
「わかった。じゃあ、全会一致で荊州と益州の侵攻を決定するわ。
詳しい事はまた今度の軍議で決めるけど、おそらく荊州を劉備と厳顔、月の陣営で攻めて落とし、益州を北の雍州と西の荊州から攻める。
そんな流れになると思うわ。今日の軍議は解散にするわよ。
じゃあ、今回は月が閉会の言葉でシメさせてもらうことにするわ。それから、国家連合の初めての軍議だったのだから、国家連合の設立の宣誓をお願いね。月」
えぇ!いきなり過ぎるよ、詠ちゃん。えぇーっと、何言ったらいいのかな?
反董卓連合の戦いの最後は何を言ったらいいのか考えていたのに、今回は何も考えていなかったから、分からないよ。
でも、私が考えた国家連合の設立。だから、私の想いを言えば、良いだけです。そう思えば、簡単です。反董卓連合の時と変わりません。
私はちょっとだけ考えると、立ちあがり、国家連合の軍議の設立の宣誓と閉会の言葉を言います。
「此処に、これからもこの大陸の平和を願い、武力に頼らない天下統一を目指す事を私達は宣誓します。
この気持ちを持ち続け、子々孫々の平和の為に、粉骨砕身の精神で心の天下統一を目指し、此処に、国家連合……」
「『晋』の設立を宣言します。」
視点:一刀
―巴郡陥落の日・桔梗さんと別れた直後―
「俺ハ天の御遣い北郷一刀だ!愉快な肉片ニ成りタイ奴は前ニ出ろ!誰モ桔梗様の死に場所へ行かセるモノか!」
俺はBarrettM82A1と真桜特製クロスボウとその弾倉の乗った輜重を持って、敵の前に現れ、怒り叫んだ。
もう、体中の血管が伸縮を繰り返し、体中が熱い。まるで、燃えているようだ。こんな感覚は初めてだ。
ただ単に熱いのだったら、後ろで燃えている炎で熱いと感じていただろう。だが、違う。炎で熱いのなら、露出している所だけが熱いだろう。
こんな感覚は初めてだが、俺がこんな状態になっている理由は容易に分かった。
そう、俺は桔梗さんと別れの挨拶をしていないし、桔梗さんとの一時的な別れに悲しみ咽び泣く時間を与えられなかったことに怒っている。
そして、怒り過ぎて、アドレナリンが分泌されまくって、隊舎が促進され過ぎて熱いのだろう。この前の反董卓連合の時なんて目じゃない。
しかし、あれだな。ブチ切れている時に、目の前に敵がいてマジで助かったわ。
こんな感情が爆発しそうな時に、暴れるなと言われたら、発狂するところだったわ。
まあ、この薬飲んでから発狂しっぱなしだから、おかしな話かもしれないけどな。
俺の眼前の敵軍は坂道に梯子をかけて、ゆっくりと登り始めていたが、俺の言葉で劉焉の軍の士気は上がったのか、行軍速度が上がった。
やっぱりな。戦場ってのはここまで必死じゃないと、やる気が出ない。俺はクロスボウを構える。
BarrettM82A1でないのは、無限バンダナを鮮花に預けている為、弾を無駄遣いしたくなかったからである。
向こうが使わないようにするために此処で弾を打ち切ってしまっても構わないと思ったが、万が一ということもある。
しかも相手は頭のおかしな連中だ。使い方を教えなかったら、良いだけのこと。劉焉に捕まるのは俺一人、味方を人質にして、BarrettM82A1の使い方を聞いてくることも無いだろう。
まあ、拷問は受けることになってしまうだろうが、相手は俺を殺すことは出来ない。
ならば、俺が拷問を耐えれば良いだけのこと、こんな時の為に拷問の訓練は受けている。
まあ、化学薬品とか細菌兵器を使った拷問がこの世界にはないだけマシという奴だな。あれはかなりヤバいからな
俺はクロスボウで一番俺に近い奴を射殺していく。
ヘッドショットを喰らった奴は梯子から落ちて行く。たまに梯子に引っ掛かったまま倒れようとするもんだから、梯子の体勢が崩れて、梯子が倒れて行く。長い梯子が倒れると横にある梯子まで巻き添えを喰らうので、将棋倒しのように梯子が倒れて行く。
だが、相手は20万の大軍。倒しても倒しても、次から次へと湧いてくる。
俺は全ての弾倉を使い果たしたので、クロスボウを火の海の中に捨てる。
これで、劉焉の軍にクロスボウを真似されることは無い。クロスボウを真似されたら、劉焉の軍の強化をさせてしまうからだ。
そして、俺はナイフを抜き、CQCの構えを取る。
「追イ込まれタ狼は、龍ヨリ凶暴だ!」
俺はCQCを駆使し、敵兵を殺していく。
ナイフで刺すと、抜くという動作が増えるので、敵兵の動きに遅れてしまうので、俺は敵兵の首筋をナイフで切りつけることに集中する。
だが、俺は焔耶や桔梗様のように接近戦で多くの敵を同時に倒すことは出来ない。
なんたって、所詮俺はCQCがある程度出来て、狙撃に向いている一兵卒にすぎない。一騎当千の武将では無い。
俺は15人殺した先を、覚えていない。俺の意識はDistorted Tranquilizerの副作用でシャットダウンしてしまった。
分かるのは、俺が死んでいないということだけだった。なぜなら、こんなにも痛くて、熱いのだから。
「やっと目が覚めたようだね。」
俺は咳きこみながら目が覚めた。全身びしょ濡れで寒い。
そりゃあ、そうだろう。なんたって冬だ。びしょ濡れで居たら、体温が奪われてしまう。だが、幸いにも風が吹いていないのが、不幸中の幸いだ。
しかし、あれだな。ここまで濡れているということを考えると、どうやら、俺は目の前に居る奴に水をぶっかけられて目が覚めたようだ。
俺は顔を手で拭こうとしたが、腕が動かない。どうやら俺は腕を手錠のようなモノで固定され、上に引っ張られ、無理矢理立たされている。
若干の余裕があるみたいで、足を曲げることが出来る。あまり上に引っ張られると背骨に良くないからな。不幸中の幸いだ。
顔を腕で拭き、目を開けた。そして、俺が今どういう状況に置かれているのかを理解した。
どうやら、此処は拷問部屋のようだ。俺は両腕を固定され、吊るされている。そして、そんな俺の周りに何人かの男が立っている。
そして、その中の一人は服装が違う。煌びやかで金色の刺繍が所々に施されている。どうやら、何処かのお偉いさんらしい。
周りの男達はどうやら兵のようだ。鎧を着て、武装をしている。このお偉いさんの護衛のようだ。
そういえば、この男、何処かで見たことがある。細身で、色白というより蒼白、肥溜のような腐った目。あぁ、劉焉だ。
なるほど。此処は劉焉の所有の拷問部屋という訳か。残念ながら、皆で集まって楽しくパーティーとかそんな状況では無いらしい。
まあ、ある意味楽しいパーティなのかもしれないけどな。
「あんたが劉焉か?」
「おや?自己紹介は不要か。そう、朕は劉焉だ。」
「朕って、アンタ皇帝にでもなったつもりか?」
「これから、皇帝になるのだ。別に自分のことを『朕』と呼んでも問題なかろう?」
「どうやって、皇帝になるつもりだ?」
「これだよ。天の弓と言ったか?」
劉焉がそう言うと、劉焉の兵の一人がBarrettM82A1を持って来て、劉焉の真横に置いた。
そして、劉焉はBarrettM83A1を持ち上げる。かなり貧弱なのか、持ち上げる時に掛け声をかけていた。
たった13kgの重さを持ち上げるのにも一苦労って、どんだけ貧弱なんだよ。ヘタレにも程があるぞ。13kgっていや、水を6割ほど入れた小学校の掃除用の直径30cmバケツと同じぐらいだぞ。小学生でも持てるぞ。
おいおい!そんな持ち方をするな!サイトがずれるだろうが!殺すぞ!
「これの使い方が分かれば、天下を取れる。天下を取って、朕は皇帝になってやる。」
おいおい。それはあくまで狙撃銃で、戦術兵器だ。戦略兵器では無い。アンタは核兵器でも持ったつもりか?本当に馬鹿だな。
だが、俺がそんなことを言う訳にはいかない。そんなことを言ってしまえば、胴体とおさらばになってしまう。
だから、俺が劉焉に教える事は嘘八百の誇大妄想だけだ。
「確かに、アンタが今持っている物はこの世界じゃ、どんなからくり師でも作ることのできないもんだ。
使い方によっちゃ、30里先の軍隊を壊滅することが出来てしまう代物だ。丁重に扱えよ。地面に落としたら、一瞬で半径5里が火の海だ。
だから、てめえみたいな碌でもないクソ野郎に教えるわけがないだろう。バーカ!」
俺はそう言って挑発すると、劉焉はBarrettM82A1を兵に渡すと、俺を思いっきり殴りだした。
だが、所詮へたれの拳、全然痛くない。これを拷問というのなら、会社で受けた拷問訓練の方が過酷というものだ。
俺はワザとらしく痛がる。その方が劉焉は調子に乗って俺をかなり殴って来るだろうと考えたからだ。
俺がドMなのかって?違うわ!そんなことを言う口はグレネードで塞ぐぞ!ちゃんと考え合っての事だ。
そして、劉焉は殴り疲れたのか、拳を止め、肩で息をしている。俺は苦痛にゆがんだ顔と脱力を演出する。
劉焉は笑いながら言ってきた。
「どうだ!痛いだろう。止めて欲しかったら、この天の弓の使い方を教えろ!」
「―――――。」
「おい、何言っている?」
「―――――――!」
「はあ?」
そう言って、目を細めた劉焉は俺の口元に耳を近づけた。そう、俺はこの瞬間を待っていた。
え?その前に、俺がなんて言ったかって教えろ?教えてやるよ。俺はな。
『耳を喰い千切ってやるから、耳を貸せ!』
俺は脚に力を入れて、体を伸ばし、劉焉に近づいて、耳に噛みつき、思いっきり引っ張った。
劉焉は耳を噛まれてパニックになったのか、俺を引き剥がそうと、俺の顔を押してきた。馬鹿だな。馬鹿すぎて笑えて来る。
周りの兵達は劉焉の悲鳴に反応し、俺を殴ってきた。さっきの劉焉のパンチより、良いパンチばかりだ。
だが、まだまだだな。こんなんじゃ、巴郡の酔っ払いの方がもっと良いパンチをしてくる。
今唐突に思ったのだが、ただ耳を噛むって単純な行為でも強弱で印象だいぶ変わるよな。
甘噛だと、なんかエロティックだよな。昔及川に見せられたAVでやりそうだよな。
でも、ガチ噛みだと、いきなりスプラッター映画になっちまうよな。13日の金曜日とかでありそうだよな。
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
俺に耳を噛み千切られた劉焉は断末魔を上げて、蹲る。そして、兵達は劉焉を囲む。
劉焉の耳があった場所から、ドクドクと滝のように血が溢れだし、床に落ちて行く。
しかし、コイツの耳は美味くないな。もう食いたくないな。どれぐらい食いたくないかというと、ヤーブラカマラカといい勝負だ。
俺は劉焉の耳を足元に吐き捨て、踏んで煙草を消すようにグリグリとする。劉焉の耳は耳と言う事が出来ないほどに原形を留めていなかった。
「はあ、マジで不味いな。もう、食いたくないわ。」
「貴様!俺の耳を食い千切って、よくそんな口を叩けるものだな。」
「おい、一人称が『朕』から『俺』になってるぞ!」
「五月蠅い!おい、お前ら!死なない程度に痛みつけてやれ!くれぐれも殺すなよ!殺したら、天の弓の使い方が分からなくなるからな。」
劉焉の怒声で俺への集団リンチが始まった。どうやら、コイツらは拷問とリンチの違いを知らないらしい。
ただ、殴るだけでは効果的な拷問にはならないってコイツらは知らないのか?よくそんなんで軍人と名乗れるな。ここまで来ると傑作だ。
俺はひたすら殴られた。だが、ただ単に痛いだけだ。激痛じゃないから全然耐えられる。
途中で何度か、BarrettM82A1の使い方を聞いて来たが、吐くつもりは毛頭なかった。
劉焉の兵達が疲れるまで延々と続いたリンチから解放された俺はある牢屋にぶち込まれた。
殴られて気を失いそうな、微かな感覚で、どんな牢屋にぶち込まれたのか、俺は周りの状況を探ってみた。
リンチで数か所切れたらしく、血が出ている。おかげで服が血で体に張り付いている。触覚からは何も分からない。
他にもリンチの時に口も切れてしまったみたいだ。血の味がする。おかげで、血の匂いしかしない。
何やら2種類の音が聞こえる。1つ目の音は隙間風の音だな。隙間風が聞こえるという事は何処かの建物らしい。良かった。地下だと湿気が籠って、病気になりやすい。幾ら小さい時に破傷風の予防接種をしたからと言っても、この状況はよくない。だから、何処かの建物というのは幸いだ。
そして、二つ目の音だが、足音だ。おそらく、俺を此処にぶち込んだ兵の足音だろう。音が遠ざかっていく。
いや、違う。全くの別方向から、俺の方に足音が近づいてくる。俺は目を開けて、足音の主を見た。
「お前、大丈夫か?…!!すまない!服が破れている為、こっちを見ないでくれると助かる!」
そう言って、その女は俺に声をかけてきた。
一瞬だけ、その女の姿を見てしまった。一瞬だったが、牢屋の蝋燭の明かりでその女がどんな姿をしているのか、俺は分かった。
桃色の長い髪、褐色の肌、青色の瞳。この女何処かで見たことがある。そう、その姿は……。
孫策と瓜二つだった。
どうも、黒山羊です。
あぁーあ、ビールが飲みたいな。スーパードライが良いな。
ということで今回のお話は如何だったでしょうか?
前回のお話の支援数があまりにも低かったので、一刀抜きの拠点はあまり読者的に嬉しくないのかなと独断し、話を進めることにしました。
作者的にも書いていて、何か微妙な感じがしました。
だったら書くなよなって話ですよね?すみません。四千字までは酒の勢いで書いていたので、乗り気だったのですが、なんかアルコーツが抜けた瞬間、アレ?と思ってしまいました。でも、また酒を飲んだら、なんか全部消すの勿体ないので、載せてまえ!と調子を乗ってしまいました。
って!これ今回の話じゃなくて、前回の話じゃねェか!
すみません。俺は行き当たりばったりで適当にその時のアルコールの勢いで書くことが多いので、謝ります。
はい。気を取り直して、今回の話です。
とうとう、国家連合が設立されました。その名も『晋』。
この名前は結構前から考えていました。これだけはアルコールが回ってもぶれませんでしたww
あれ?晋って、司馬懿が建てた国じゃねえの?という疑問があるでしょうが、何故一刀が晋という名前にしようとしたのかは後々出す予定ですので、あしからず。そして、これから月、桔梗、桃香、蒼の陣営が黄巾党制圧と一刀奪還の為に荊州と益州攻略に乗り出します。
そして、久しぶりの一刀君登場でしたね。
Distorted Tranquilizerでバグっていたうえに、怒り爆発だったので、一瞬でやられてしまいました。
フランク・イェーガーの名セリフのパクリっぽいのを吐いていましたねww
そして、劉焉に監禁され、いきなり拷問。だが、拷問されるだけの無能野郎では無いのがこの外史の一刀君。
最初は頸動脈を食いちぎって貰おうかなとか考えたのですが、それをすると、劉焉がショボ過ぎるので、却下となりました。
それで、手首の動脈かな?と思いましたが、拘束されているのに、手首噛みつかれるって、どんな状況だよ?ってことで、却下。
最終的に、一刀君には、耳を食いちぎって貰う事になりました。
そして、劉焉の牢屋に出てきた…!
すみません。これ以上はネタばれの神様に殺されるので、終わります。
ここまで、しっかりとあとがき書いたの久しぶりだな。
では、いつものシメと行きましょう。
今回は一番格好良かった月ちゃん流のシメ方でいこうと思います。
それでは、御唱和下さい。
へぅ( ゚∀゚)o彡°
あれ?これって、いつもと同じじゃね?
ということで、次回のシメを誰にして欲しいか。アンケートを取ります。好きな恋姫の名前を上げて下さい。一番多かったキャラを次回の挨拶のネタにしようと思います。それでは、宜しくお願いします。
説明 | ||
唇割れて血がドバドバ出ている黒山羊です。 なんか、お茶が血の味するのは気のせいかな? しかも、ラッパ飲みしている所為か、飲み口が赤くなっているww 最後になりますが、 現在私は2本長編作品を書いています。 『真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝』を読まれる方はこちらの第1話から読んだ方が話が分かると思います。 第1話http://www.tinami.com/view/201495 『桔梗√ 全てを射抜く者達』を読まれる方はこちらの第1話から読んだ方が話が分かると思います。 第1射http://www.tinami.com/view/219495 |
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茶渋さん、冥琳多いっすね。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) berufegoalさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°焔耶たんですか。貴方もブレませんね。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) LYONさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°鮮花さんは良いキャラしていますよねww(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) ZERO&ファルサさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) cupholeさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°ってその他大勢ってww(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) 2828さん、( ゚∀゚)o彡°めーりん( ゚∀゚)o彡°めーりん(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) 茂夫さん、ビールが高いと思うのなら、勇気っていうサトウキビ焼酎をオススメしますよ。4L1500円。ジンジャーエル割りすると美味しい。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) アルヤさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°オリキャラを増やし過ぎると崩壊するので、程々のつもりにします。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) 赤字さん、北斗の拳でケンシロウに速攻やられそうなキャラの台詞ですねww(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) patishinさん、さあ、どうでしょう?(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) アロンアルファさん、へぅ( ゚∀゚)o彡°さてさて、今後の展開をお楽しみに(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) IFZさん、理想を抱きながなも、現実を理想に近づけるべく頑張る桃香へと変わりました。グレイ・フォックスは良いキャラでしたね(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) ノワールさん、先取したほうが、面白いでしょww?(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) quaterさん、冥琳っすね。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) へぅ(°∀°)○彡めーりん!めーりん!めーりんカモーン!щ(゜▽゜щ)(茶渋) へぅ( ゚∀゚)o彡° 好きなキャラ:…恋です。F・Eの「追い詰められた…」は名言ですな。 嬲られる一刀(キョロキョロ)…鮮花さん垂涎のネタ(激写!!!!!(LYON) へぅ( ゚∀゚)o彡° ん〜俺が好きなキャラは風です(ZERO&ファルサ) へぅ( ゚∀゚)o彡° 俺が好きなのは稟ちゃんだーーーー!(とその他大勢)(cuphole) え?国宝いるの?w 好きなキャラ・・・( ゚∀゚)o彡°めーりん( ゚∀゚)o彡°めーりん(2828) ビールは高いから喉越し生でw私は蒲公英が好きだー(茂夫) へぅ( ゚∀゚)o彡° 口調を考えると多分あの子だけどオリジナルだと幅が増えるな。好きなキャラかぁ・・・・・・真桜で。(アルヤ) ・・・なぜ服が破けてるんだろう・・・気になるぜ・・・ぐへへ良い体してんじゃねぇか、俺たちで楽し(ry的な・・・まさかねw 好きなキャラは翠だな〜 (赤字) まさか堅ちゃんか(patishin) へぅ( ゚∀゚)o彡° 蒼さんと同じ様に狙われる展開になるのかな?ww好きな娘は凪(アロンアルファ) 天然桃髪娘は、理想を捨てたのかねぇ? 孫策と瓜二つ、孫堅しか考えられねぇww 服が破けてる・・・・・考えたくない考えたくない。 ちょ、フランク・イェーガーさんww 好きな恋姫・・・無印愛紗。(IFZ) 国家連合・晋!? もう時代先取りしまくりですな〜。 やっぱり一刀視点があった方が面白いですね〜、スカッとしました! 好きな恋姫一人ですか…桃香で。(ノワール) 孫策と瓜二つ・・・だと? 好きなキャラ・・・めーりんです(キリッ(quarter) |
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