【読み切り】サンタ・ミクロースのクリスマス奮闘記
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(12月24日 午後5時 サンタの国)

 

ニコライ(サンタ・クロース):ミクロースや、すまんが今年のクリスマスプレゼント配り、頼まれてくれんかのぉ、いたた

ミクロース:おじいちゃん! ぎっくり腰なんだから無理しないでミク。プレゼント配りの事、言われなくても立候補するミクよ!

ニコライ:娘よ、すまんなぁ。お前の制服はクローゼットにかかっておるからな。それとタンスに4次元プレゼント袋がある。それからガレージにトナカイとソリがあるからな。頼むぞぃ、いたた

ミクロース:わかったミクよ〜、おじいちゃんはしっかり寝ているミクよ?

ニコライ:すまんのぉ

 

こうしてミクロースは、女性用サンタ服に着替えて、自宅の“プレゼント置き場”と4次元で繋がっているプレゼント袋を背負い、ソリに跨って、トナカイに挨拶し、おじいちゃんの担当地区へ出発したのだった。

 

ミクロース:おっしゃ! いっちょ気合い入れて行くミクよ!! 標準セット! ワープ開始!

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・・・・・ビーーーーーーーーン!!!!!!

 

トナカイとミクとソリは、担当地区へワープしたのだった!

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(12月24日 午後7:15 升太の部屋)

 

ミクロース:えっと、まず1件目は・・・・“ぼかろ”さんち? 珍しい名前ミクねぇ

 

ミクロースのソリは大学生・墓火炉升太の住むアパートの2階の部屋に横付けされた。

 

ミクロース:まぁこっちの姿は見えないから大丈夫ミクね。で、プレゼントは・・・・? なんか印が書いてあるミクね

 

(デス地区へ担当変更済み)プレゼント:テト

 

部屋の中は灯りがついていて、なにやら話し声が聞こえていた。

 

升太:うぃ〜〜、ひっく! テトが戻って〜きてくれて〜、俺は嬉しいぞ!! ひっく!

テト:わかった、わかったって。もう〜、升太〜、こんなに酔っぱらっちゃって・・・・。引きずってくるの、大変だったんだから・・・・。あーあ、こりゃ、もう寝かせないとダメね。今度はお布団の用意か、はぁ

 

ミクロース:・・・・・あのちっこい女の子の人形みたいなのが、配達済みのテトみたいね。終わっているならいいや。次行くミク

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

 

(12月24日 午後7:30 鏡音家 リンとレンの部屋)

 

ミクロース:えーっと、2件目は・・・“かがみね”さんちの双子ちゃんか。部屋は2Fね

 

双子の姉のリンと弟のレンは、一緒に窓の外を見て、手を組んでお願い事をしていた。

 

リン:サンタさん、リンは“ろーどろーらー“がほしいです!

レン:ぼくは、“ばなな”がいっぱいたべたいです!

 

ミクロース:はいはい、リストにもそうかかれているミクよ。でも、ちょっと室内じゃ邪魔だから。メモ書きして庭に置いておくミク。じゃあ、次に行くミクね

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

 

***

 

パラッ

 

リン:? なんかかみがふってきたぁ

レン:なんだろうね

 

リンとレンは、そのミクロースからのメモを眺めた。

 

サンタ:プレゼントは庭に置いておくミクよ

 

リン:やったぁ! サンタさんからのおてがみだぁ!

レン:にわに、いってみよう!

 

二人は階段を駆け下りて、庭に躍り出た。しかし、そのプレゼントの前に二人の母親が手を組んで困っていた。

 

二人の母:あらまぁ・・・・・なにかしら、これ

リン:サンタさんからのプレゼントだよ! メモにかいてあったもん!

二人の母:でもねぇ・・・・、ちょっと大きすぎるんじゃないの? リンは“ミニカーのロードローラー”で、レンは“バナナ一房”だったわよねぇ

 

庭の真ん中、3人の前に置いてあったのは、工事用の巨大な重機のロードローラーと、数箱の木箱に入って積まれてあった大量のバナナだった。

 

リン:やったぁ! こっちの方がいい! これであしたからぶっちぎりだね!

レン:わーい! バナナたくさんだぁ!

二人の母:はぁ・・・サンタさん、“ちゃんと”メモしてあったのかしら・・・・

 

***

 

(12月24日 午後7:45 ルカさんの部屋)

 

ミクロース:えーっと、3件目は・・・“めぐりね”さんちのルカさんね。プレゼントは・・・・? ま、まぁいいや、じゃあ、今回は部屋に置いておくミクかね。ほんじゃ、次ミク

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

 

***

 

大学生のルカさんは、部屋でため息を付いていた。

 

ルカ:はぁ・・・この2日間は特に“独り身”はつらいわねぇ・・・・。ケーキもフライドチキンも用意したけど、一人だけのパーティー・・・・。人間はだめでも、せめて、サンタさん、“可愛いペット”をプレゼントでくれないかしら・・・

 

パラッ

 

ルカ:? 何かしらこの箱とメモ・・・・

 

サンタ:かわいいペットのプレゼントミクよ。ちゃんと世話するミクよ

 

ルカ:! サンタさんからのプレゼントだ! わーい、やったぁ! じゃあ、早速開けてみよ!

 

パカッ

 

たこルカ:みゃおー!!

 

ルカ:!? た・・・たこ? い、いや、胴体は私の頭部そっくりだし・・・・。なんなの、これ?

 

たこルカ:みゃおぉ!!!!

 

たこルカはルカの上半身にからみつき、服を脱がし始めた!

 

ルカ:こ、こら!! お前は遊んで欲しいんだろうけど、こ、これは洒落じゃ、す、すまないって! ちょっと!!

 

ポイポイ!

 

ルカ:こらー!!! やめてーーーーー!!!!

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(12月24日 午後8:00 海斗さんの部屋)

 

ミクロース:えー、次の4件目は・・・“かいと”さんね。プレゼントは・・・・こんなんでいいの? んじゃ、自動で現れるようにしておくから、楽しむミクよ〜。ほんじゃ、次ミク

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

 

***

 

高校生の海斗さんは、部屋の椅子に座って、机の奥の窓に向かって、願い事をしていた。

 

海斗:ああ、サンタさん、お願いだから、食べきれない位のアイスを、クリスマスプレゼントにください〜

 

パラッ

 

今回は机の上からメモが降ってきた。

 

海斗:ん? なんだ?

 

サンタ:食べきれない位のアイスクリーム、確かにプレゼントしたミクよ

 

海斗:やった!・・・・・って、ないじゃん・・・・

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

 

海斗:!? なんだ? この地響きは・・・・

 

ドゴォォォォォ!!!!!!!

 

海斗:うわぁぁあぁああぁぁぁぁ!!!!

 

海斗の部屋の天井から、大量のアイスが部屋全体に落ちてきたのだった! 海斗は雪崩に遭うが如く、あっという間にアイスの中に埋まってしまった

 

海斗:ああ・・・・・・・素敵だ・・・・・・冷たい・・・・アイス・・・・サンタさん・・・ありがとう・・・・ああ、なんか意識が・・・・・

 

チーン

 

***

 

(12月24日 午後8:15 メイコさんの部屋)

 

ミクロース:えー、次の5件目は・・・“めいこ”さんミクね。プレゼントは・・・・お酒? ま、まぁいいや・・・? なんか特記事項があるミクね

 

特記事項:この人から先の人は、全員サンタを見ることが出来るので注意する事

 

ミクロース:それはやばいミクね。じゃあ、ひっそりとプレゼントを置いて退散すr

メイコ:サンタギャルー! 見つけたゾー! ひっく!

ミクロース:ひぃ!!!

メイコ:さぁ、早速プレゼントを頂こうかねぇ

ミクロース:は、はひ、この『一級酒“無双正宗”』の一升瓶がプレゼントミクよ。じゃあ、私はこれで・・・・

メイコ:うぃー! ちゃうちゃう! 私がお願いしたのは、伝説の食器“永遠にお酒が湧き出る魔法の一升枡(いっしょうます)”!!

ミクロース:え、えっと、ちょっと待ってくださいミク

 

ゴソゴソ

 

ミクロース:あったミク! この一升枡ミクね!

メイコ:そうそう! それそれ!

ミクロース:じゃあ、私はこれで・・・・

メイコ:こらこら! サンタギャル! お客さんの接待せなあかんやろ! ひっく!!

ミクロース:お・・・お客さんって・・・・(やばいなー、酔っぱらいに捕まっちゃったよー)

メイコ:まぁ、まず、座って、一緒に飲むべ!!

ミクロース:は、はい・・・・

 

***

 

〜1時間後〜

 

メイコ:(ゴーーーーゴーーーーー)

ミクロース:ね・・・寝てくれたミク・・・・。最初の段階でかなり酔っぱらっていたから、助かったミク・・・。でも1時間のロス・・・。急がなくちゃ・・・・

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

 

***

 

(12月24日 午後9:30 学歩さんの部屋)

 

ミクロース:はぁ・・・、次の6件目は、“がくほ”さんミクね。プレゼントは・・・・え? 極上ナス1個? も、もういいや、とにかく私が見えるんだから、さっさと部屋に放り込んで、逃げるミク

 

学歩:そうはいかんぜよ!

 

ミクロース:うわ!!!

学歩:貴女は“さんたぎゃる”でござるな。まずは“ぷれぜんと”のナスを頂くとしようか

ミクロース:は、はい、これ、極上ナス1個ミク・・・

学歩:確かに頂いたでござる

ミクロース:そんじゃ、私はこれで・・・

学歩:すぉおぉい!!!!

ミクロース:ひ!

学歩:ぷれぜんとの“物”部分は終わった。しかし、それでは半分だ。“私のナス談義をたっぷり聞いていくこと”、が残り半分だ

ミクロース:え、だって、プレゼントリストには、そんなこと・・・・・え? なに、この下線と矢印・・・

 

注意事項:この人は“語る人”だから、談義に捕まらないように

 

ミクロース:もう、遅いミクー!!!!!

 

学歩:それでは、このナスの歴史から始めようか

ミクロース:は・・・はい・・・・・・

 

***

 

〜1時間後〜

 

学歩:うむ。今日は“聖夜”ゆえ、コレくらいにしておこうか。だが、これは第1章。来年は第2章以降の講義を聞かせてしんぜよう

ミクロース:はぁはぁ・・・は・・はい・・・ごっつあんでした・・・。つ、次、急がなくちゃ・・・・

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

 

***

 

(12月24日 午後10:45 めぐみさんの部屋)

 

ミクロース:はぁ・・はぁ・・・サンタの仕事も・・結構きついミク・・・。つ、次の7件目は、“めぐみ”さんミクね。プレゼントは、カラオケマイクミク。今度は注意事項をちゃんと見ていくミク

 

注意事項:カラオケ大会に捕まるな

 

ミクロース:・・・・なるほどミク。今度こそ、マイクを投げ入れて、さっさと次に行くミク

 

ズォオオオオオオオオオオン!!!

 

めぐみの部屋の窓は“開いて”いて、なにやら掃除機で吸う音がしていた!!

 

ミクロース:ちょ! なにこれミク!

 

めぐみ:サンタギャル〜、逃がさないわよ〜♪ この“サンタロン掃除機”の吸引力は変わらないんだから〜!

ミクロース:もう、めちゃくちゃミク〜!

 

スポ

 

掃除機のクチの部分にミクロースの背中がくっつき、見事にめぐみに捕まってしまった。

 

めぐみ:さーて、それでは早速頂いたマイクで、私オンリーのカラオケ大会を始めようかしらね。まず1曲目は、やっぱこれよねー、“星間・・・・

ミクロース:わかったミク・・・・聴いていくミク・・・・・

 

***

 

〜1時間後〜

 

めぐみ:うーん、まだ物足りないけど、今日は聖夜、女の子の貴方だって用事の1つもあるかも、だから今日はコレくらいでいいわ

ミクロース:・・・・・・・は、はい、有り難うございましたミク・・・・・。つ、次行かないと

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

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(12月24日 午後11:50 古河家)

 

ミクロース:ぅぉおおおお、あと2件もあるのに、あと10分でイヴが終わってしまうミク・・・。今度こそ、さっさと次にいかないと、本気でやばいミク。で、この“みき”さん宅のプレゼントは・・・・・え・・・・・

 

プレゼント:パーティーお食事セット全部

特記事項:パーティーには強制参加。あきらめろ

 

ミクロース:・・・・・今、午後11:50・・・・・パーティーのセットで・・・・この時間の配達って事は・・・・

 

背後に黒いオーラを立たせた集団が飾り付けが終わっている部屋で仁王立ちしていた。

 

ミキ:サーーーーーンーーーーーターーーーーサーーーーーンーーーーー

隣の家のユキ:グゥーーーーーーーー。おーーーーしょーーーーくーーーーじーーーーーー

隣の家のテル:まーーーーーーってましたーーーーーーよーーーーーーーー

近所の外人集団:ハラーーーーーーーヘリマシターーーーーーヨーーーーーーーーー

 

ミクロース:ひぃぃぃ・・・・・す、すみませんミク・・・・。これから用意させて頂きますミク・・・・・

 

ミキ:たーーーーーのーーーーーーみーーーーーーまーーーーーーしーーーーーたーーーーよーーーーー

 

***

 

(明朝5時)

 

ミクロース以外全員:グーーーーーーー

 

ミクロース:ま・・・・・まさか・・・・徹夜で・・・・パーティー・・・・・するなんてミク・・・・・・、さ・・・最後の1件・・・・・行かなくちゃ・・・・・

 

シャンシャンシャンシャン・・・・・

 

***

 

(12月25日 午前5:15 初音家 ミクの部屋)

 

ミクロース:あーーーーー眠いミク・・・・。で、でもこれで最後ミク・・・。えっと、最後は“みく”ちゃんミクね。一番小さい子だってのに、配達順序が最後だなんて・・・・

 

ミクちゃんは当然だが、お布団で寝ていた。この子もサンタを見ることが出来るためか、昨日夜遅くまで待っていたらしい。しかし来なかったのが悲しかったのか、寝ている顔に、涙の跡が残っていた。

 

そして寝言を呟いていた。

 

ミクちゃん:むにゃ・・・サンタさん・・・・やっと・・・・・きてくれた・・・・やった・・・・・

 

ミクロース:・・・・・はい、ごめんね、めちゃくちゃ遅れて・・・・・。ミクちゃんのプレゼントは、“おもちゃの魔法のネギステッキ”ミクね・・・・・・。遅れたお詫びに、“本物の魔法が使える魔法のネギステッキ”に変えておくミク

 

サッ

 

ミクロースはミクちゃんのお布団の横に静かに、本物の魔法ステッキを置いて、部屋をあとにしたのだった。

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(12月25日 午前7:30 サンタの国)

 

ミクロースは、まさに徹夜仕事で家に帰ってこられたのだった。

 

ミクロース:はぁ・・はぁ・・・やっとこ家に帰ってこられたミク・・・・

 

ミクロースは家のベルを鳴らした。

 

ピーンポーン

 

ガチャ

 

出てきたのはニコライおじいさんではなく、近所に住む同じ仕事のサンタギャルだった。

 

サンタギャル:あら? ミクロースちゃん? 遅かったわね?

 

おじいさんの声:わはははは!!!! 徹夜パーティーは楽しいぞい! わはははは!

サンタギャルの声:サンタおじいさーん、わかーーーい!

 

ミクロース:・・・・・・・・・・おじいさん・・・・・・・ぎっくり腰は・・・・・・・

ニコライ:おお! 娘や! いやーあの後、このサンタギャルさんが来てくれてな。いい“整体師”を教えてくれての。一発で治ったのじゃよ! おかげで、徹夜パーティーでも、なんのその! いやー、良かったわい!

 

プルプルプルプル・・・・・・・・・・・

 

ミクロースは少しうつむいて、半月目になってプルプル震えながら、プレゼント袋に手を入れて、ぼそっと願い事を喋った。

 

ミクロース:・・・・私のクリスマスプレゼントは・・・・ミサイルランチャーミク!!!!!

 

ジャキ!!!!

 

ニコライ:むひょ!!!! む、娘や、話せば解る!!!!!

ミクロース:もう遅いミク!!!! ファイヤー!!!!!!!

 

バシューン! バシューン! バシューン! バシューン!

 

サンタギャル達:きゃあああああ!!!!

ニコライ:むひょーーーーーーー!!!!!!!

 

ドゴーーーン! ドゴーーーン!

 

ミクロースにとっては、最悪のクリスマスとなってしまったのでした。

 

(おしまい)

 

CAST

 

サンタ・ミクロース:初音ミク

 

升太君:とあるボカロマスター

テト:重音テト

 

リンちゃん:鏡音リン

レンくん:鏡音レン

 

メイコさん:MEIKO

海斗さん:KAITO

ルカさん:巡音ルカ

たこルカちゃん:たこルカ

 

学歩さん:神威がくぽ

めぐみさん:GUMI

 

ミキさん:miki(SF-A2 開発コード miki)

テルさん:氷山キヨテル

ユキちゃん:歌愛ユキ

 

近所の外人軍団:海外ボカロ

 

ミクちゃん:子供の初音ミクちゃん

 

ニコライ、サンタギャル、他:エキストラの皆さん

説明
○ボーカロイド小説のクリスマス読み切り作品です。
○サンタガールのミクロースさんの、クリスマスでの奮闘記です。
○実は作中、ここでの投稿がずっと先の作品の設定を1つ入れてあるので、投稿をどうしようか迷ったのですが、この作品をここで投稿する時期が来年のクリスマスにならない可能性が高いので、投稿することにしました。
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タグ
Vocaloid 初音ミク 鏡音リン・レン 巡音ルカ インタネボカロ 年長組 AHSボカロ 海外組 亜種 クリスマス 

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