No.13 |
「浮いている」
私はそう思った
しかし我々はそれを理解しない
「眩い」
私はそう感じた
しかし我々はそれを理解しない
私は理解した
それは違う
それは彼女の断片
私は彼女ではない
真壁紅音ではない
それを理解しているのは彼女だ
では真壁紅音ではない私は何だ
真壁紅音の姿を構築するこの固体をじわじわと蝕んでゆく
これは何?
私?
それとも
私ではないもの?
(我々は還ってゆく) どこに?
(ひとつになる) 何と?
(我々はひとつのもの)
では私は?
私は我々の元へ還ることができない
私は我々であるはずだった
では私でないこれは何だ?
真壁紅音の「目」と呼ばれる器官を通して映し出される
これは私だろうか
私は我々を認識する
我々と私はひとつではない
我々は私ではない
私は私だ
真壁紅音
私は彼女を知っている
彼女の存在を知っている
存在の存在を知っている
ひやりと固体の表面がこわばる
これは「熱」という概念の一種
彼女の断片が教えてくれる
「ついにミールと拮抗したか」
私は真壁紅音によってミールを理解した
それは私ではなくなったもの
ミールはひとつ
私もひとつ
―――― 我らは拮抗した
「急がなければ」
真壁紅音がいた場所へ
私は我々であったものから去る
これが人間が裏切りとよぶ行為なのだろうか
人間が汚らわしいと評する行為なのだろうか
たとえそうであっても
これは私を私にしたのだ
私はここにいる
私は彼らを丘へと導き
茨の冠を被せよう
彼らを 彼らたらしめんが為に
私を私たらしめた彼女の意思を継ぐのだ
そして私はひとり 晩餐の席を立った
説明 | ||
ファフナー文サルベージ 365 Themes(http://www3.to/365arts/ )のお題「318.No.13」として書いたものです。中2臭がすごい |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3920 | 578 | 0 |
タグ | ||
蒼穹のファフナー ミョルニア | ||
スドウさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |