Destiny/Domhan Eagsula(デスティニー/ドムハン エアグスラ) 第13話 激突! 二人の兄弟と二人のサーヴァント剣士 |
ここは桐生神社の地下にある大空洞。
そこに大聖杯があり、そこには二人の人物がいた。
真浦右策、そしてベガであった。
「老人、あの神父に敗れたようだな」
「少し油断したが、まだ予想通りじゃよ」
そこには右策とベガしかいないのに賢蔵の声が聞こえている。
「お爺さん、油断しすぎですね」
「ふふふ、儂も歳と言うことかのぅ。
それよりも右策、お主はそこにいるキャスターと契約しろ。
アサシンの方は既に八子空恵生と契約してしまっているようじゃが、そ奴はまだのはずじゃ。
さっさと済ませてしまえ」
「………」
右策は返事に答えない。
「どうした? さっさと契約せんか」
「お爺さん……」
右策はなんと自分の心臓に向かって右手を突き刺した!
「!!」
右策は心臓をいじる。
そして右策は右手からあるものを取り出す。
それは小さな石であった。
「右策! 貴様…何をする気だ!?」
その石から声が発せられる。
そう、その石こそ右策の体に根付いていた時璽石であり、真浦賢蔵の本体であったのだ。
つまり右策の魔力吸収は真浦賢蔵が現代で生活するために必要な肉体を動かすためのものであった。
「真浦賢蔵。いや、ケンゾール・マウラー、貴様はもう用済みだ」
「何じゃと…、まさか………」
「既に私は契約済みなのだよ……」
「い、いつの間に!? じゃが右策の体にいた儂が気づかない筈が……」
「誰が真浦右策と言った?」
「何?」
「私が契約した相手はこの中にいる奴だ」
ベガは大聖杯を指差す。
「あ、アンリマユと…じゃと!? サーヴァント同士の契約など……」
「意味がない。あるいは魔力汚染でもたないと思っているのか?
貴様はこのベガを見くびりすぎだ!
このベガ、この程度の汚染でどうにかなるほど軟ではないわ!」
「くぅ…」
「さすがサイコパワーを操る、シャドルーの総帥ですね」
「ふはははははは、右策、その石を砕け!」
「ままま、待て! 右策! ここで儂を殺しても何の得にも……」
右策は素手で賢蔵の石を砕いた。
「あんたは俺を利用しすぎた。殺して損になることなんて一つもないよ」
右策はその後、笑い続けた。
幕間終了
第13話 激突! 二人の兄弟と二人のサーヴァント剣士
明け方、恵生と彬渡、セラフィムとジュディスは桐生神社の階段を上っていた。
「神社の方から膨大な魔力を感じます」
「前に来た時に見たけど、池の方ね」
「ああ、それは聖杯で願いを叶えたい用だから俺達の目的とは違う。
言うなればフェイクだ」
「それじゃあ入り口は……」
「横穴でもあるのかしら?」
「探してみましょう」
四人が横穴みたいなものが無いかと探してみる。
すると不審な岩を見つける。
「あれ?」
「どうしたんだ、八子空」
「あの岩から風が吹き込んでる…」
恵生が風が流れていることに気づく。
「と言うことは……」
「待って、ここは私がやるわ」
ジュディスがブリューナクを出す。
「月光・烏!」
ジュディスが月光・烏を放ち、岩の周りを破壊する。
するとそこから空洞が姿を現した。
「これでいいわね」
「行こう」
四人は空洞に入った。
空洞の空気はとても冷たかった。
そして空洞なのにとても広く、天井も高かった。
「ずいぶん大きいわね。
これならバウルを呼び出しても問題ないかも…」
「バウル?」
「私の相棒よ。
私がライダーとして召喚された理由ね。
そのバウルって言うのは生き物なの。私はそのバウルに乗ってよく旅をしていたわ」
「そうなんだ」
「それに槍使いだけだったら、私はランサーとして呼び出されてるわ」
「それで大きさを気にしてたけど…」
「バウルはとっても大きいのよ。何メートルとかは測ったことはないけど、恵生の家の屋敷の敷地にギリギリ入るくらいかしらね」
「それは確かに大きい……」
四人が進んでいくと、あるものを見つけた。
「これって……血痕」
「でもなんでこんなところに……」
「とにかく誰かが先にここを通ったってことだけど……」
「……ここに来る人物は恐らく一人です」
セラフィムの発言で誰が通ったのか全員想像がついた。
「まあそれはともかく先に進みましょう」
四人は再び足を進める。
そして少し広い空洞に出る。
「広い場所に出たな」
「でも大聖杯はないみたいね」
「……止まってください」
セラフィムが静止をかける。
目の前にはゼロがいた。
「ゼロ……」
「やはり来たか」
「あなたの目的は足止めですか?」
「そうだ。だが、小坂、それにライダー。お前達は先に行っていいぞ」
「右策の指名かしら。嬉しいわね」
「それじゃあ俺達は先に行くわ」
彬渡とジュディスはゼロの横を素通りする。
「早く来ないと俺が右策を殺しちまうからな」
彬渡はそんなことを言い残して、先に進んだ。
「………」
ゼロはゼットセイバーを抜く。
「セイバー、あなたの目的は足止め。
私達がここに留まれば攻撃する必要はないはず」
「ああ、だが恵生がここで留まるわけがないだろ」
「それもそうですね。それに…」
セラフィムは木の葉の剣を作る。
「あの時の決着をつけるにはちょうどいい機会ですね」
「ふ、そうだな」
ゼロとセラフィムは笑う。
「「……………」」
二人は同時に駆け出した!
「ふっ!」
「はあっ!」
二人の剣がぶつかり合う。
「くっ!」
ゼロは剣がぶつかっている間に片手をバスターに変える。
「はあああ!」
ゼロのバスターは放たれる。
「!!」
セラフィムはかろうじてその攻撃を避ける。
「秘剣、燕返し!」
セラフィムは燕返しの衝撃をゼロに向かって放つが……。
「はああ!」
ゼロは先ほどよりも大きく、威力とスピードのあるバスターを放つ。
「!」
セラフィムはそのバスターをギリギリのところで回避。
それと同時にゼロの方へと突撃していく。
「はあああ!」
セラフィムはゼロの剣やバスターをギリギリのところで避け続ける。
少しでも避ける行動が遅れれば当たるくらいのギリギリである。
セラフィムがこんな行動をとれる理由は二つ。
一つはセラフィムのスピードがゼロを上回っていること。
ゼロは黒くなってからは攻撃力は上がっているようだが、スピードの方は下がっていた。
そしてもう一つはセラフィムの体質である宝具。
これによりセラフィムは完全一撃必殺の攻撃でない限り死ぬことはない。
だがそれでも痛みは感じたり、鈍ったりはする。
対するゼロは本当にわずかずつだが、ダメージは受けていた。
そんな攻防が繰り返されていたが、二人が距離を取った。
その理由は簡単である。
一気に決めようと二人が大技を繰り出そうとしているからだ。
「「………」」
二人は自分達の剣に魔力を込める。
(あの二人はこれで一気に決着をつける気だ)
恵生もそれには簡単に気づく。
強力な魔力供給が出来てるゼロと魔力供給に限りのあるセラフィムではいざ技と技がぶつかった時、魔力を多く込めた方が勝つ。
つまりはこのままではセラフィムは負けてしまうと恵生は感じていた。
(セラフィムが勝つ方法、それは一度でもゼロの攻撃を防いだりして勢いを抑えること…。
どうすれば……)
恵生は考える。
考えながら自分の左腕の聖骸布を見る。
(………そう言えば……)
恵生はあることを思い出す。
(あれを使えれば……!)
恵生が考えている間にも二人は魔力を溜め、そして魔力を溜め終えた。
「秘剣…」
「一刀両断……」
二人が一気に剣を構えた。
「燕返し!!!」
「幻夢零!!!」
二人の剣から放たれた魔力刃。
セラフィムの燕返し、ゼロの幻夢零。
二つの巨大で強力な魔力刃は激しくぶつかり合う。
「ぐううううううううう!!」
「ふううううううううう!!」
二人は魔力を込め続ける。
二人は魔力を込めているが実はあることに気づいていた。
それは二人が必殺技を放つ直前に二人の直線状に透明なシールドが張られ、そのシールドが幻夢零の攻撃力をわずかに下げていた。
「aegis、成功……」
そのシールドを張ったのは恵生であり、恵生は一度イカロスが見せたaegisを思い出したのだ。
そして聖骸布を解いた時にイカロスの記憶からaegisの詳細を見、ゼロの幻夢零だけを防ぎ、セラフィムの燕返しを一方的に通過させるようコントロールしたのだ。
しかしそれでもまだゼロの方が押していた。
「このままじゃ……」
恵生はイカロスが見せた最終兵器を思い出す。
「この広さなら問題ないはず……」
恵生はある物を投影した。
それはイカロスが出した黒い弓矢、APOLLONであった。
恵生はAPOLLONをゼロの方ではなくぶつかりあっている技の方に向ける。
「恵生」
「まさか……」
「セラフィム、危ないけど我慢してね。ゼロ、許してね」
恵生はAPOLLONを発射させた。
APOLLONの矢は二つの巨大な魔力刃の所に飛んで行き、ぶつかると同時に大爆発を起こした。
大爆発はイカロスのものと比べると小規模。恵生ではイカロスの再現は出来なかったようであるが、それでも結果としてはよかった。
爆発は二人を吹き飛ばし、二人は後方に倒れた。
「くっ………」
ゼロの飛ばされたところに急いで恵生が駆け寄った。
恵生は既に聖骸布を巻いていた。
そして手には彬渡からもらっていた剣が握られていた。
彬渡からもらった剣、それは彬渡が前回の聖杯戦争から昨日までに余った魔力でため込んだ剣であった。
その剣に自分の魔力を込めた。
「……恵生」
恵生は仰向けに倒れているゼロに馬乗りになる。
恵生はゼロの顔を見てすぐに分かった。
(ここで俺を殺さなければ、俺がお前を殺す)
「分かってるよ、ゼロ」
恵生はゼロの胸に剣を刺した。
ゼロの機能は完全に停止した。
それを確認した恵生は剣からゆっくり手を離した。
「ゼロ…」
恵生は涙を流していた。
しかし恵生は右策を選んだのだ。
右策を選んだ以上、ここでゼロを助けることは出来ない。
「………っ!」
恵生は自分の頭の中がひび割れた感覚がした。
初めて聖骸布を外し、投影をした時も起こっていたが、その感覚は酷さを増しており、頭がくらくらし、意識が朦朧としかけた。
それなのに恵生は倒れているセラフィムの方に近づく。
「セラフィム、大丈夫?」
「大丈夫です。私は吸血忍者ですよ。これくらいで死ぬことはありません。
ですが、あれだけの爆発です。体がなかなか動きません」
「ごめん」
「謝る必要あはりません。あなたの助けがなければ私は死んでいました。
むしろ感謝したいくらいです」
「……そう…」
「私はまだしばらくは動けそうにありません」
「それじゃあ動ける時に来てくれればいい」
「そうします。申し訳ございません、せっかく主になってもらったのに……」
「いいのよ、別に気にしなくて…」
恵生はふらふらしながら彬渡達の進んだ先に向かった。
幕間
ゼロが倒される少し前。
彬渡とジュディスは大聖杯のある大空洞にたどり着いた。
「また随分広いわね」
「気を引き締めろ。いるぞ」
二人の前には右策とベガがいた。
「ここが貴様らの墓場だ」
「待て、キャスター。
兄さんだけは譲れないよ」
「ふ、よかろう」
ベガがジュディスの方へと向かう。
「ならば貴様を血祭りにしてやろう」
「やれるものならやってみなさい」
ジュディスがベガと戦い始める。
二人は互いのマスターに危害が及ばないように二人から離れる。
とは言ってもいざと言う時のためにそこまで遠く離れてはなかった。
だがその場には彬渡と右策の二人だけになった。
「兄さん……」
「右策…随分見ない間に暗くなったな」
「誰のせいだと…」
「うん?」
「誰のせいだと思ってるんだ!?」
右策の後ろから巨大な黒い人影が数体も現れる。
「随分怖いもん出してくるな」
彬渡は宝石剣を取り出す。
「その剣は……」
「知ってるか? あの爺さんなら知ってたろうけどな!」
彬渡が宝石剣を振る。
すると宝石剣から大量の魔力波が放たれ、右策の巨人の黒い影をすべて消し去った。
「何!? くっ!」
右策はまた新しく巨人の黒い影を数体出す。
「うりゃあ!」
彬渡は再び宝石剣を振り、宝石剣の魔力波によりまた黒い影は消滅した。
「なんでだ!?」
右策が再び巨人の影を出す。しかしまた彬渡の宝石剣によって消滅する。
それは何度も何度も繰り返された。
「それだけの魔力を消費しているのに、なんで魔力切れを起こさない!?」
宝石剣から放たれる魔力波はかなりのものでゼロの幻夢零に匹敵するほどのものであった。
普通の人間なら一発撃っただけで命の危機に瀕するもの。
それなのにもかかわらず彬渡は既に二十発は放っているのにばてる様子が微塵も出ていなかった。
「まああれだけの魔力、普通なら一発で俺は死んじまうだろうな。
けどな、それはあくまで俺の魔力を込めて撃った時の話だ」
「何?」
「この剣はな…、剣の周りにある魔力素を吸収してそれを魔力波として放つことが出来る。俺がばてないのはそれだよ」
「けど……いくらこの空間の魔力素がかなりあるからって限界が………」
「来る。けどな、この剣、この空間とは言っても平行世界のものでもいいんだぜ」
「それって……」
「平行世界って俺達が今いるこの世界と別の世界ってホントに近いんだぜ。それが何十、何百、数えきれない程にな…。
その近い世界のこの場所から魔力素を取りこんでるんだ。
そちらが無尽蔵っても限界は来る。対してこっちは無尽蔵のレベルを超える無限レベルだ。
手前のその黒い影じゃ、この剣には勝てない!」
彬渡はかなり強気な発言をする。
とは言っても剣を振っている彬渡は人間。
どんな人間でも同じ行動を続けると筋肉の硬直が来る。
つまりは無限に撃てるわけではなく、彬渡の筋肉が限界に達せればそこまでである。
しかし右策は逆上を始めており、そのことは頭に入っていなかった。
「うわああああああああ!!」
「うりゃ! たあ!」
二人の攻防は激しさを増していく。
それをよそにジュディスとベガの戦いも激化していた。
「ふおっ!」
「はあっ!」
ベガの足技をジュディスはブリューナクで受け止め、ベガを薙ぎ払う。
「甘い!」
ベガは飛ばされそうになるも上空に飛び、そこからサイコパワーを纏った拳を振るう!
「月光・烏!」
ジュディスは至近距離で月光・烏を放つ!
そして槍がベガの足に当たるとその場で爆発を起こす。
「ぬうっ」
ベガは地面に着地する。
爆発の煙から再びブリューナクの槍が飛んでくる。
「その程度ではな!」
ベガはその槍を簡単に避け、槍は再び爆発する。
その爆発はベガの視界をさえぎっていた。
「目くらましのつもりか。何を企んでいる?」
「企むなんて人聞きが悪いわね」
ジュディスの声がベガの上から聞こえてくる。
ベガが上を見てみるとジュディスは巨大な生き物に乗っていた。
「ほぅ、それが貴様がライダーたるゆえんか」
「そう。そしてこの子の名前はバウル。
この広い空間だからこそ呼べたのよ」
バウルに乗ったジュディスは上へと上がっていく。
「逃がさん」
ベガは浮遊術でバウルを追う。
(どこまで行けるかしら…)
バウルで飛行できると言ってもあくまでここは天井のある空間。
絶対限界が来る。
その上バウルは巨大なため、ベガの攻撃はほとんど受けてしまう。
そのことをジュディスは懸念しているが、それと同時に一つのチャンスも考えていた。
「そんな巨体で逃げられると思うか?」
ベガはサイコショットをバウルに向かって撃つ。
「ぐおおおおおおお!!」
「バウル! お願い、持ちこたえて!」
ジュディスがバウルを励ます。
「ぶおおおおおお!!」
バウルはすぐに持ち直す。
「ふん、それがいつまで持ちこたえられるかな」
ベガはバウルに向かって何度もサイコショットを放つ。
バウルは何とか避けようにもその巨体のためやはり全ては避けきれない。
「くらえ」
ベガはサイコフィールドのエネルギー弾を何発も放ち、それらは遅い動きながらもバウルを追う。
「ふん!!」
ベガはそれと同時にサイコショットを撃つ。
「ぐるううう!!」
バウルは何とか目の前に来たサイコショットを避けた。
しかし遅れて追って来たサイコフィールド弾が広がり、バウルはそれを受けてしまった。
「ぐおおおおおおおおおおお!!」
バウルは溜まっていたダメージに耐え切れず地上へと落ちようとしていた。
「ふん、これで降りてこざるをえんぞ……」
ベガがサイコクラッシャーの体勢を取る。
ジュディスがバウルから飛び降りた。
「これで終わりだ。サイコクラッシャーーーーーーーーーーーー!!!」
ベガが今まで見せたことのない強力なサイコクラッシャーでジュディスに襲い掛かる!
「っ!」
ジュディスはサイコクラッシャーを受け止めようとブリューナクを前にしてガード体勢に入る。
「それで受け止められると思うか!?」
ベガのサイコクラッシャーは止まろうとせず、ジュディスに近づいてい来る。
そしてベガとジュディスの距離が数センチと言ったところで……。
「封塵衝月華!」
ジュディスは槍を前に突き出すことによって自身の前に魔力の球体を作り出し、ベガを閉じ込めた。
「ぬぅ!」
「はあ!」
ジュディスは落ちそうになりながらもベガを閉じ込めた球体を蹴り飛ばす!
「逃がさないわよ!」
ジュディスは落ちそうになるバウルの方に何とか飛ぶ。
「バウル、ごめんなさいね」
ジュディスがバウルの体を飛び台にしてベガの球体の方へ飛ぶ。
そしてブリューナクに大量の魔力を注ぎ込む。
「はあああああ!!」
ジュディスは何度もベガに切りつける。
そして何度目に切り付けた後に再びベガの球体を蹴り飛ばす!
「覇王籠月槍!!!」
ジュディスは魔力が大量にこめられたブリューナクをベガに向かって投げ、ブリューナクはベガの体に刺さる。
「ぐおあっ!」
そして刺さってすぐに魔力が大爆発を起こした。
その爆発は球体内で凝縮された。
ベガは爆風と共に地面に叩きつけられた。
「やった…わ…」
ジュディスも意識を失い、地面へと落ちていき、ジュディスに召喚されたバウルも消えていった。
二人の対決が終えた頃、彬渡と右策の対決も終わりを迎えようとしていた。
「うおおおおおお!!」
「おおおおおおおお!!」
右策は自分から黒い影をだし、それを尖らせ、彬渡を襲う!
彬渡は宝石剣を構えて右策に突撃をかけていく!
彬渡は突撃する中で宝石剣を右策の方に投げる。
「爆ぜろ!」
彬渡がそう言うと宝石剣は右策の目の前に爆発する。
「!!」
右策は思わず目を閉じる。
目を開ける直前にあることに気付いた。
抱かれている感触があった。
そして次に目を開けた瞬間、自分には考えられないことが起こっていた。
それは自分が出した黒い影の触手に体を刺されながらも自分を抱きしめていた彬渡がいた。
「兄……さん?」
「へ、八子空には偉そうなことを言っていながらこの俺がこんなことをしちまうなんてな……」
「なんで?」
「なんで? 俺とお前は血の繋がった兄弟だろ。こんなことしたっておかしくないだろ」
彬渡は口では右策を殺すと言っていた。
それは右策と対峙していた今でも思っていたことである。
たが心の奥底ではそんなことを望んでいなかった。
それを直前で彬渡は悟り、こんな行動に出たのだ。
「まったく、結局俺も甘ちゃんだってことだな…。
右策、お前は何があっても生きるんだ。……いいな…………」
彬渡はそのまま倒れて行った。
「兄さん……う…う………うわあああああああああ!!!」
右策は激しく動揺する。そこに……。
「右策…」
「恵生……先輩…」
幕間終了
「恵生……先輩…」
右策の目の前に恵生がやって来ていた。
恵生は右策の前に倒れている彬渡を見る。
「小坂…やっぱり、小坂も同じだったんだね」
恵生はそうつぶやきながら、恵生は右策に近づこうとする。
「近づかないでください! 俺は……俺は……、この手で兄さんと爺さんを殺したんだ!」
「小坂はまだ死んで…ない……。まだ息はある…」
「けど! …けど!!」
「右策……今のあなたは少し悪いのに取りつかれてる。
だから私がその取りついたものからあなたを…解放する」
恵生は投影を始める。
「投影…開始……」
恵生はある物を投影した。
それは少し尖りが変わっており、曲がった剣であった。
「未来の私、どうやってこんな物の知識を得たのかしら?」
恵生はその剣をしっかりと握る。
右策は自分に恵生を近づけまいと影を操って恵生を攻撃するも恵生は止まらない。
そして恵生と右策の間合いがほとんどない距離となった。
「右策………少し痛いけど我慢してね。
それで……一緒に帰ろう。私達の家に……」
恵生はその投影した剣を右策の胸に突き刺した。
すると右策の体に取りついた影は破裂するかのようにはがれ、飛び散った。
右策の体は黒い状態から元の状態へと戻っていた。
そして右策は意識を失い、倒れそうになるのを恵生がかばう。
「右策…」
「恵生」
そこに何とか魔力を回復させたセラフィムとジュディスがやって来る。
「セラフィム、ジュディス」
「終わりましたね」
「まだよ。まだあの聖杯が……」
「…あれを!」
ジュディスが大聖杯の方を指差す。
するとそこには倒したと思っていたベガが這いつくばっていた。
「大聖杯よ……。私に力を与えよ!」
ベガは大聖杯から力を得て、再び立ち上がろうとしていた。
しかし大聖杯はベガの願いを聞き入れようとしてなかった。
「貴様……! ならば消してやる!
そして貴様の中身を私がもらうぞ!」
ベガが残ったサイコパワーを手に凝縮させ、大聖杯にむけて放とうとしたその時であった。
「ぐはっ!」
ベガの体を一本の剣が突き刺さる。
「こ、これは……」
「誕生を阻む者よ。消え去るがいい」
ベガの体は消滅し、剣も消滅していった。
「今のは一体……」
「あれを!」
そこに一人の男が金色のオーロラの壁を後ろに出したまま恵生達の前に現れた。
「あの男は……」
「裏影……終死郎……」
そこにはまだ生きていた裏影終死郎がいた。
今回明らかにされた情報
サーヴァント名「セイバー(オルタ)」
マスター 真浦右策
真名 ゼロ(出典作『ロックマンX』シリーズ)
男性
クラス保有スキル
「対魔力」C 魔力の乗った攻撃に対して防御が働く。対魔力はランクと同格以上でないとダメージを与えることは難しい。(魔力が乗ってない攻撃でダメージを与えることは不可能ではない)
個人スキル
「魔力察知」C 魔力反応を察知することが出来る。ランクCなら半径10メートル内の魔力反応を感知可能。
所有宝具
「ゼットセイバー」 宝具ランクA+
ゼロの持つ剣。その剣から魔力を込めた攻撃を何通りも持っている(例として魔力波をそのまま飛ばしたり、炎や氷を纏うことが出来る)。
また刃の形をある程度変えることが出来る。
「ゼロバスター」 宝具ランクA
ゼロの右手をバスターに変えることで出来る。バスターから魔力を込めた魔力弾を打ち出せる。
必殺技
飛燕脚
ランクC 簡単な高速移動をする技。飛距離は短いが相手の後ろや上に回り込みやすい。
閃墜斬
ランクB ゼットセイバーに魔力を纏わせ、敵に向かって下に突撃していく。
双幻夢
ランクB+ 一時的に自身の分身を作り出す。
裂光覇
ランクA 地面に力強く魔力を込め、上空から魔力波の雨を降らせる。
幻夢零
ランクEX 汚染されたゼロが使える最大の技。魔力を溜めた魔力刃を敵に向かって飛ばす。その威力は、恵生の援助が無かったらセラフィムの燕返しは打ち消されていた。
サーヴァント名「ライダー」
マスター 真浦右策
真名 ジュディス(出典作『テイルズオブヴェスペリア』)
女性
クラス保有スキル
「対魔力」C 魔力の乗った攻撃に対して防御が働く。対魔力はランクと同格以上でないとダメージを与えることは難しい。(魔力が乗ってない攻撃でダメージを与えることは不可能ではない)
「騎乗」 A+ 機械でも生き物でも何でも乗りこなせる。
個人スキル
「解読」 A 暗号を解読したり、結界の元の場所を見抜くことが出来る。Aランクだと、見ただけですぐに分かる。
「直感」 A 戦闘時に対する第六感。ランクが高ければ高いほど冴えわたる。
所有宝具
「ブリューナク」 宝具ランクA
ジュディスが長年愛用していた槍。偉人が作ったとされている。
「バウルの角」 宝具ランクA+
始祖の霊長であるバウルを呼び出すときに使う角。
必殺技
月光・烏
ランクC 槍を敵に向かって投げつける。必殺技のランクはCであるが槍の宝具ランク自体がAのため実際のランクは違うと思われる。
月破墜迅脚
ランクB- 強力なドリルキックを上から放つ。
翔舞槍月閃
ランクB 槍を使って相手を地面に叩き落とす。
封塵衝月華
ランクA 相手を魔力の球体に閉じ込め、その後敵に蹴りを入れる。
煌華月衝閃
ランクA+ 周りに魔力の雷を発生させると同時に槍を魔力の雷に纏わせ、攻撃する。
覇王籠月槍
ランクEX 大量の魔力を纏った槍を振り回し、最後に敵に向かって槍を投げ、魔力を爆発させる。
サーヴァント名「キャスター」
マスター 真浦賢蔵→真浦右策
真名 ベガ(出典作『ストリートファイター』シリーズ)
男性
クラス保有スキル
「陣地作成」A+ どんなところであろうが、魔術に関する工房を作ることが出来る。
「道具作成」A+ 魔術やそうでないもの、ほとんどのものを作ることが可能。
個人スキル
「自己改造」B 自身を改造する力。
所有宝具
「闇の超能力(サイコパワー)」 宝具ランクEX
ベガの持つ能力。自身の筋肉を増強したり、人を洗脳したり、魔力を強力な攻撃に変換できる。
必殺技
サイコショット
ランクC+ サイコパワーのエネルギー弾を敵にぶつける。
サイコフィールド
ランクB- 動きは遅いが、発動したら広範囲に渡り、サイコパワーのエネルギー場を作り出す。ベガ以外がそれに巻き込まれたらダメージをくらう。
サイコクラッシャー
ランクB〜EX ベガの最も得意とされる技。技の微調整によって必殺ランクが変わる。
最低でもランクB、最高でランクEXの技となる。
サイコパワーを纏い、拳を前にして回転しながら相手に向かって飛んでくる技。
説明 | ||
この物語は作者が「Fate/Zero」を見た影響で「Fate/Stay night」の話を基に作った作品です。 基となった話はアニメ化されてないルートをメインとしているため、ネタバレが嫌な人はあまりお勧めできません。 また話によっては原作のシーンなどを見ながら作っている場面もあり、原作で出てきたセリフと全く同じやほとんど同じなところもあることをご了承ください。 なお、サーヴァントにつきましてはクロスオーバー的にまったく別の作品からの参加となっています。 |
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