とある少女の昔話 |
何時からでしょうか・・・彼のことを気に成り始めたのは。
『おや?聖女、目覚めたばかりですか?いけませんね、寝癖が着いています。ささ、身だしなみを整えて。』
『しかし、これから戦場に行くのだ。兜で隠れるから大丈夫では?』
『それでもです。常に身も心も清くなくてはいけません。一つの汚点ですべてが終わる事など少なくありません。さ、鏡を持ちますので手早く直しましょう。』
『まて、それくらいは侍女にやらせろ。貴公は貴族なのだぞ。』
『貴女の前に貴族も関係ありません。それに私がやりたいのでやるだけです。』
『・・・スイマセン。』
『いえいえ。』
あなたはいつも私を気にしてくれて・・・支えてくれた。
『お・・・おおぉぉ・・・大丈夫ですか聖女!!』
『ウルセェよ!!静かにしやがれギョロ目!!』
『何ですかその渾名!!それよりも聖女大丈夫ですか!敵に斬られたと聞いて副官に場を任せ飛んでまいりました。』
『今にも目が飛びでそうだぞ、おい。』
『ふふ、大丈夫ですよ。イルもからかわないでください。』
『へいへい。そんじゃ邪魔になりそうだから外に出ますよ・・・いちゃつくなら声出さないでくださいね。』
『こ、こらイル!!・・・もう。それはそうとジル。私はもう大丈夫ですから場に戻ってください。もう少ししたらリッシュモン卿が援軍に来るはずです。』
『そうですね。では、聖女。どうか無理せずに・・・』
『大丈夫です。この身は国の為、我が神の為・・・そして、ジル。貴方の為にも。』
だからこそ・・・だからこそ!!
『ぐへ・・・へへ、失敗しちまったよ。すまねぇ、聖女様。』
『イル!・・・貴方、私を・・・どうして。』
『決まってるだろ!俺たちの救世主を、聖女様を、大将を救いに来たんだよ!!』
『・・・イル、ですが私は・・・明日にはもう』
『関係あるか!救いていから救うんだ!リッシュモンの旦那も王に掛け合ってるし、ジルもまだ捕まっていない!まだ、何とか成る!!』
『・・・』
たくさんの民衆いる広場中央に私は火刑台にかけられていた。
「殺せぇぇぇえ」 「魔女だぁぁぁぁあ」
罵声が私に飛び交う。
『神様・・・神さま・・・かみさま・・・』
神様に祈る・・・祈る・・・いのる。
死にたくない・・・まだ死にたくない。
神様・・・私を助けて・・・
『ジャンヌ――ッ!!』
・・・あ、この声・・・
「ジャンヌ!!!・・・私は信じております!!!」
・・・あはは、やっと名前で呼んでくれた。
「誰があなたのこと魔女と言おうが 罵ろうが 私は貴女が正しいことをッ・・・・・・信じております!!!!!貴女が信じたもの、成し遂げたもの、その全てを信じております!!!!」
ありがとう・・・ジル・・・私・・・今、少しだけ・・・嬉しいな。
『・・・神様、あなたに全てを委ねます。』
だからどうか・・・皆に・・・ジル・ド・レイに神の導きが有らん事を・・・
だからこそ!私は願う!!
「我が望み・・・それはある人の運命を変えること。」
そう・・・今度は私が救う。貴女を、ジル・ド・レイを!!
説明 | ||
聖女の願い、その原点。 | ||
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