第3回同人恋姫祭り『月サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショーwith詠トナカイ』 |
「詠ちゃん。ねえ、一緒にやろうよ」
もうすぐ新しい年になろうとする12月も末、天の御遣いこと北郷一刀の専属メイドである月は、同じく一刀のメイドで自分の親友である詠にある服を持って迫っていた。
「月ぇ〜……でもこれ、少し恥ずかしいわ」
「私も一緒にいるから、大丈夫だよ」
「うぅ………分かったわよっ」
月の上目遣いで懇願する顔にやられ、詠は仕方がなく頷き渡された服に着替えることとなった。
「やっぱし少し恥ずかしいわね…」
「きゃー、カワイイ!似合ってるよ詠ちゃんっ」
月に渡されてきた服は、頭のフードには何又にもわかれた角がついており、上下は一体となった着ぐるみのようで少しダボ着いた茶色を基本としてお腹の部分は白色、おしりの部分にはチョンと可愛いシッポが付いている、トナカイの格好であった。
「それよりも何なのこの格好?鹿?」
「違うよ詠ちゃん。それはね、私がなっているサンタさんの仕事を手伝っているトナカイさんの格好だよ」
そう言うと月は、その場で詠に自分の着ている服を見せる様に狂いと一回転してみせた。
月は赤を基調とし、襟や袖にはモコモコした飾りがついたワンピース型のサンタ服を着ていた。
もちろん頭にはサンタの帽子を装着。
「で、そのサンタって何をするの?」
「えへへ、それはね……」
サンタはクリスマス、トナカイが曳くソリに乗り子供たちにプレゼントを配る。
一刀に天の国の話を聞いた月は、自分もなにか皆のために贈り物をしようそう考えたのである。
月は昔、洛陽で悪虐非道を働いたとされる董卓であった。
その噂は事実ではなく、董卓を陥れるためのものであったのだが、そのせいで月は自らの名を失うこととなった。
そして一刀たちに保護され、天の御遣いのメイドとして働きだした彼女はその中で奉仕の心に目覚めたのである。
もともと世話好きであった月は一刀の世話をするうちに、人の役に立つ喜びを感じ、大陸を混乱に陥れた『董卓』としての罪滅ぼしをしたいとそう考え始めたのである。
このサンタもその一環で、人々を笑顔にしたいと言う彼女の気持ちの現われであった。
「月ぇ〜〜〜…分かったわ。ボクも協力するわっ!」
そんな幼なじみの決意を受けた詠は、先ほどまでとうって代わり月に協力しようと思うのであった。
「ありがとう詠ちゃん。えっと…ふぉっふぉっふぉー」
「……それ何?」
「えっ?これはサンタさんの笑い方だよ。ふぉっふぉっふぉー」
サンタは基本おじいさんだけである。
そのことを知らない月は一刀に教えられた事を元に、サンタになりきるのであった。
「それ絶対あいつに騙されてるわよっ!」
「ふぉっふぉっふぉー(そんなことないよ)」
「月ぇ〜〜〜!」
意外とこの笑い方が気に入った月であった。
まず月サンタと詠トナカイが向かったのは街の保育園である。
この保育園は天の知識によって作られたもので、街の共働きの者達が子供たちを預けており、ここにはたくさんの子供たちが居る。
子供たちに配るプレゼントを持って訪れた月達は、集まってきた子供たちに早速プレゼントを配りはじめた。
「ふぉっふぉっふぉー、かわいいね詠ちゃん」
「(もう何も言うまい)え、ええ、そうね」
「はぁー…私も子供が欲しいな……」
「な、何言ってるの月っ!ああああいつとなんか駄目なんだからねっ!
あいつの子供なんて、絶対ろくでもない子供よっ!」
「私とご主人様との子供……えへへ」
詠の言葉に自分と一刀との子供を想像した月は顔を赤くし、その様子はまさに恋する乙女そのもであった。
その後、二人は幼稚園の他に広場や公園など子供たちが多くいる場所に行き、プレゼントを配ってまわった。
プレゼントを配り終え、城に戻ると月は一度部屋に戻り、大きな箱とリボンの束を持って戻って来た。
「それなに?」
「ふふふ。これはね、ご主人様のための贈り物だよ。
天の国では、クリスマスに自分の好きな人に『プレゼントは私です』ってこの紐を体に巻いて相手に見せるんだって」
「何よそれっ!」
そう言い月は着ていたサンタコスを脱ぐと、自分の体にリボンを絡めはじめた。
「ん〜〜、うまく結べないよぉ。詠ちゃん、手伝って」
「い、嫌よっ。ねえ、それって本当に本当なの?
あいつがスケベ心丸出しで言ったことなんじゃないのっ?」
「えー、本当だよ。ご主人様は嘘、つかないよ。
あ、詠ちゃんの分もちゃんとあるからね。一緒にこの箱に入って、それで二人でその…」
「なっ!?ちょ、ちょっと何言ってるのよ!私はあいつのことなんかその…」
「詠ちゃん、素直になろうよ。
本当はご主人様の事、好きなんでしょ。ずっと一緒に居るんだもん、分かるよ。
それに嬉しんだ、詠ちゃんが私と同じ人を好きになってくれて」
「月……。し、仕方が無いわね。
あいつが月に無理させないように見張っていてあげるんだからっ」
「詠ちゃ〜ん、じゃあこれね」
うまく月に話を逸らされ誘導される形となった詠であった。
その後、一刀の部屋で箱に入り、部屋の主が帰るのを待った詠に黒歴史が生まれたのは言うまでも無い。
短いですが同人恋姫祭り、クリスマスをテーマにしたお話でした。
え?クリスマス?なにそれ美味しいの?
ああ、クリスマスね…今年はいろいろあったから中止だよ。
……はぁ〜〜〜〜〜
そんな私は今年も一人………
説明 | ||
第3回同人恋姫祭り作品です。 初めての人は初めましてlovegtrです。「真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~」という、一刀が孫権だったらという作品を書いています。主なヒロインは思春ですが、呉の面子や他の勢力の娘たちもフラグを立てて行ってます。 おすすめの作品は kaz様の「真・恋姫†無双 十√」 殴って退場様の「真・恋姫無双 〜新外史伝〜」 です。 十√は更新の間隔が長いのが残念ですがとても面白いです。続きを早くお願いします。 新外史伝は無印を終えた一刀と紫苑、璃々が再び外史に行くと言う話です。璃々は大きくなっており、一刀に対して恋心を持って居ます。 拙い文で続けていますが、私の文を読んでくださっている皆様に感謝! |
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クリスマスでなく、毎年「クルシミマス」でなおかつ「シングル(一人の)ヘル(地獄)」じゃああ!wリア充に天誅を!・・・はい、ごめんなさい、うらやましいだけです・・・グッスン(きまお) | ||
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