恋姫で霊帝になってみた 第6話
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=建寧三年 1月中旬(曇り)=

 

 

婚姻によってめんどくさい袁家の対策は進んだ。

 

袁家は皇帝の即位に関りまくって、その力を増した一族だから滅茶苦茶強い。

揚州一の名家である周家を初め、袁家が取り立てた家は多く、外戚、宦官を使い分け、力を蓄えてきた為に横つながりが強い。

敵に回すわけにはいかない。しかし、要求通りにもしたくなかった。

 

まず、袁家の前の当主はお人形にならなかった質帝を殺した梁冀の腹心として三公を二回やっている。

つまり、お人形皇帝を求めている派閥のトップの盟友。

 

「袁成さんに頼めば、なんでもやってくれる。」

 

なんて洛陽で言われるほどだ。

数十年前まで賄賂はもらう、地位は好き勝手するという宦官とどう違うの?状態だった。

 

しかし、梁冀の一族が宦官に殺されると、一気に不遇となった。

お人形とならなかった桓帝を先代の質帝の様に殺そうとして反撃をくらい滅亡した一族の盟友。

当たり前だが信用されるわけがない。

そこで方向転換して竇武さんに接近、俺の即位を手伝った。

報酬として300戸加増しているが…

 

そして袁家の力が欲しい竇武さんの口聞きで清流派となった。

 

しかし、清流派と仲が悪い。勝てそうな時になったら鞍替えをしていて、さらに清流派の仲間になったのに中常侍で自分の親族である袁赦といまだに仲良くしていて、どっちが勝ってもいいようにしている。

今回の事件でも袁家出の清流派は一切被害が出ていない。

 

これを重用するとなると清流派が本当にバラバラになる。

 

梁冀は租税の半分を懐に詰め込んだらしいが、袁家はどれだけ貯め込んでるのか…

それを使って流民に武器を持たせて戦力化とかされたら本当に困る。

 

 

そこで袁家が一族の者を中常侍にして、国が乱れているのに私財を蓄える事ばかりしていて、

 

「袁家は富み奢ることが激しくて、やはり他の三公の家とは違うなあ。」

 

なんて言われている自分の一族にキレて、

 

「先祖(袁安)が私欲なく王朝に貢献したのに、子孫が徳を守らず宦官に媚びて奢っているのは、最悪だ。死ねばいいのに。」

 

こんな事を言って隠居させられたガチガチの清流派として知られる人の娘を正妻にして、袁家を割って力を抑える。

袁家はでかい家なので兄弟が清流、濁流に分かれていることもある。

意思の統一が出来ていない。

 

さらに袁逢は兄が早世したので家督を継いだがその娘である袁紹という娘が居て、お家騒動になるかもしれない所まで来ている。

 

そこに清流な袁家の人間を優遇する事で袁逢派、袁紹派で分裂しかけている所に袁?派を突っ込んで3つに分けて対処することにした。

 

身内で好きに争ってってね。って感じだ。

 

 

あと配下がやばいかったのも理由にある。

 

袁家の右腕の周家。

 

周家の跡取りの周景は梁冀の腹心として豫州刺史、河?太守などの高官を務め、おいしい思いをしていた。これは普通なら名声を失うが、着任の前に試験を課すことで官吏の質の維持を試みようとした左一族を難癖つけて罰することで豪族から名声を得ながら中央への影響力を拡大させていた。そして袁家ととも賓客を呼んで、軍事力を集め、今では長江や淮水の流域で、一大勢力となっている。

 

一万を超える兵力。そして太守や刺史として任地に付く時には、百を超える戦車の部隊を引き連れていた。

そんな好き勝手が許されるほど袁家の後ろ盾は強い。

 

周家は今でも官吏登用試験の義務に反対し、豪族の師弟が優先して推挙される制度を推奨している。

 

もし袁家と周家が挙兵し、討伐に失敗すれば儒生出身の孝廉生に対しては経術、文吏出身の場合には箋奏の試験の義務化を進めたい李膺さん達の意見を棄却され、豪族の勢力はもっとでかくなる。

 

一枚岩になった袁家とその配下を敵に回すことは愚策。

 

袁?の目指す所は袁家を袁安の時の様に権力や財におぼれない家とする事で、こちらの利害と合う。

婚姻の最大の問題は外戚問題。

 

子供出来て

 

「はい、さよなら。もう用済みだから死んでね。」

 

とか洒落にならん。

外戚として権力を握るのではなく、外戚としての立場でありながら、一臣下としての礼を尽くすことで名声を上げたい袁?さんの派閥に居る「七賢」を初めとした清流な人間のみ重用する。

 

清流で優秀な人間だけを手に入れたいけど反乱させたくない。という我儘なこちらの都合を通す為にはこれぐらいしか手がなかった。

 

あとは袁?さんに頑張って家の建て直し頑張って貰う。

 

やはり、えげつない。

政戦って凄いんだな〜とか思いました。

 

袁家よ頑張れ!

 

 

 

=建寧三年 四月中旬(晴れ)=

 

 

 

軍事方面の教育をしてもらっているのは盧子幹という人。

党固くらってから辺境に引き籠ってたのを無理やり連れてきた。

 

 

なんだかんだ言って実際の名将の話を聞くとやっぱり、本を読むだけじゃ駄目だなあと思うしね。

密集陣形がなぜ強いのかとか質問したら

 

「逃げられないからです。」

 

「…?誰が?」

 

「味方がです。」

 

 

ぶっちゃけこの時代に国からの保証なんてないわけで、農民はすぐ逃げちゃうそうな。

それで密集陣形作って前にしか出れないようにして戦わせる。

まあ、農民連れてきただけだし、色々な陣なんか出来るわけがないか…

色々な陣形を組んで戦う将軍は幻想だ!

 

あとよく将軍が賊相手に10倍、20倍ひっくり返しているがあれも実際は違うらしい。

将軍は賊の非戦闘員の数もひっくるめて報告しているからとか、やたらと多くなる。

女性のほとんどは戦えないし、一人の兵士の雑役に従事する男性が5〜10人。

だいたい賊10万で相手の戦える人間が1万位になるらしい。

同数の敵に負けても

 

「10倍の敵に負けました。」

 

で済むし、勝てば

 

「10倍の敵に勝ちました。」

 

となるわけで、負けてもごまかせるし、勝てば報酬が多く貰えて名声もゲットしやすいとか…

これを本気にして賊が弱いと勘違いして突っ込んでいく馬鹿が出てきて

 

「我々は官軍ぞ!賊ごとき相手にならん!」

 

とか言って突っ込んでいく。

同数で勝てないから勝てる人が名将とか呼ばれるのに素人がそんな事して勝てるわけもなく大損害出して軍費をかけまくる。

軍制とか出世方法を見直すか…

 

 

 

=建寧三年 一〇月中旬(晴れ)=

 

 

今の徴兵方法だと軍の質が悪い。

と言う事で軍制改革をしてみる事にした。

 

今の徴兵方法は県や郷単位で今で言う村長的立場の人に人選をまかせて一定人数の男性を出頭させるのだがぶっちゃけ、その郷で邪魔な人間を追い出す為に使われるからいい人材が少ない。

 

そこで各連隊ごとに一定の地域を割り当て、その中で徴兵を行うようにした。

この国では里や郷によってしゃべっている言語が違う。

日本みたいに単一民族じゃないし、数百年前は別の国で戦争をしていたわけだからしょうがないのは分かるがこんな状態で戦えるのか?って感じだ。

 

だからこそ、同数で勝てる者が名将と呼ばれるわけだが、名将がごろごろと転がっているわけじゃない。

せめてそこそこ優秀な将軍で賊に二倍の数くらいで勝てるだけの練度は欲しい所だ。

同じ所の出身という事で団結してくれる。贅沢を言えば現地での軍の徴収と言う名の略奪も…無くなればいいな。

略奪された人が賊になって討伐して、また略奪して、みたいなループになると困る。

 

初めは北方民族と和平して内政とか思ったけど無理だし、せめて国内は安定してくれないと破産する。

 

檀石槐は和平なんて考えても居ない。

どっちが下に付くと決断するまで攻めてくるだろう。

 

男は皆従軍で時には女子供も参戦だから高い地位に就くような将軍に人気もない。

賊討伐は10分の9と戦わない場合が多いが、北方民族は皆戦うし、強い。馬に乗ってるから早い。負けそうになったらすぐに逃げる。

 

わかりやすい戦果をあげる事が難しい。

しかも相手の将軍はこの大陸最強なんじゃないかっていう名将中の名将

俺も将軍だったら行きたくない。

辺境に行きたがってくれる鈴音に本当に感謝だよ。

 

 

 

 

 

=建寧三年 一一月中旬(晴れ)=

 

 

九卿の地位にある劉焉さんが

 

「地方で反乱とか起きた時の為に州牧制導入しましょう。そして信頼できる物を派遣して対処させましょうよ。」

 

とか言ってくる。

 

鈴音を涼州牧にでもするかな〜。

とか考えてたら

 

「私は交州牧が良いです。」

 

とか言ってきた。

 

…お前が交州行きたいだけじゃないのか?

 

良く考えたら国切り分けろって言ってるようなもんじゃん。

 

断った。

 

同じ辺境行きたいでも種類が違う。

 

でも交州を中心にシルクロード貿易で儲けるのも良いかもしれん。

涼州経由でのシルククロードで行ける国は北方民族の侵略や病気でそんな余裕ないからインドやベトナムを中心とした南方貿易に力を入れてみるかな。

この時代、外国ではシルクは金と同じ価値で大儲け出来るし…。今は宦官から分捕った金を開拓資金にしているけど、流民の数が多すぎて、赤字になっている。相談してみるか。

 

もちろん劉焉さんは派遣しない。

 

 

 

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コメント
劉焉さんや、イエスと答えると思うたか(アルヤ)
劉璋と違ってなかなか腹黒で割りとやりたい放題やって死んだ劉焉だしな…(TAPEt)
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