朝暮れ
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朝焼け

それを見ることはあまり珍しいことではない。

 

夕焼け

これを見ることはなんら変わらない日常である。

 

ただ、夜明け

この瞬間をよく見るようになったのはいつからだろう。

太陽が星を、夜を隠していく瞬間。

ほんの数分から十数分の間の出来事。

朝焼けや夕焼けなんかよりははるかに短い時間。

「こんな時間に目が覚める事なんてあんまりなかったのに・・・」

俺が一番好きな時間。

今ではこの時間に目を覚ますことが当たり前となってしまったこの体。

春夏秋冬関係なく、体は温かさを感じ目を覚ます。

まるで、短い一日が持ったない、とでもどこかの酒飲み連中が部屋へ押しかけ訴えかけてくるように心地よいまどろみに確かな熱を与え覚醒へと促してくる。

「・・・出るか」

昼が夜になる時間が夕暮れなら

夜が昼に変わるこのときを夜明けを俺は朝暮れともよびたい。

暁では早すぎるし、自分が声に出していうには身があまる願望なので、この好きな時間を好きなように心の中で思うくらいでちょうどいいのかもしれないな

結局は小心者なのだ。自分は、とも感じてしまう自己嫌悪もあるが・・・

 

軽装・・・といっても護身用の刀を腰につけ森の中へと、すっかり明るくなり白んでいる空を隠す木々の中を歩く。

歩きなれた道。これからも歩き続ける道。

「やっぱりまだ少し寒かったかな?」

寒くないようにしっかりと服を着たつもりが肌寒い。けれども、結局は着すぎて昼間には脱いでしまうのだ。なら必要ない。

そう自分で納得し近くの小川、目的地へとたどり着く。

手ごろな石・・・といっても、もはや定位置なのだが・・・

定位置に腰をかけ、流れに目を、耳を、考えを向けてやる。

川の流れる音、森から聞こえる音

川の流れ、森のざわめき

二つの動きに心を傾ける。

 

あまり長くない時間を何も考えずに目を瞑りすごす。ほんの一時の気まぐれに身をまかせ

気まぐれに目を開け、しっかりとした面持ちで対岸に目をやり確かな言葉を放つ。

「やっとここまでこれたよ」

対岸へと投げかける声、音。

誰に彼にもかけた言葉ではない。しかし誰に彼にもかけた言葉でもある。

「国中にさ、笑顔が広がってきたよ。毎日言ってるけどさ。」

返事なんてものはない、対岸からはただ沈黙があるのみ。

川の流れる音、森のざわめきの音しかない。

「俺たちの理想の体現。というには横柄かもしれない。でもさ」

ただ投げかける、その行為だけがこの場を支配していた。といっても過言ではないだろう。

「望んだことを、望まれたことを少しでも成し遂げていけてるんだよ」

笑顔で対岸に話しかけるその姿は、ある種子供のような幼さ、純粋さが、滲み出ていた。

「だけどね、それでも、格差や差別、争いはやっぱりなくならかったよ。」

悲しそうな顔をしながら対岸へと話しかける。変事のない対岸に

「頼りなくて本当に申し訳ないと思うよ。」

頭を下げる。誰にでもない。人にではないのだ。

「それでもやっぱり聞いて欲しいからさ」

少し暖かさが強くなってきていた、それ幸いとばかりに名残惜しそうに立ち上がる。

「また来るよ」

来た道を戻る。

話しかけていた対岸には、結局なんの変哲もない石しかいなかった。

 

城へと戻り、朝食を食べに食堂へ向かう。

もう眠ってはいられない。

この国に朝暮れをもたらす太陽。

安息の夜からせわしない昼に変わり皆を活気付ける。

 

空になった食器を下げ、「太陽」へと着替え、夜を隠しにいく。

「お早う」

確かにまだまだ早いかもしれない

まだまだ寝ていたい。

それでも「お休み」はもったいない

だから今日も皆を照らす。

夜を空ける扉が開く

そこには昼間にも輝く星たちが待っている。

まだまだ輝くにははやいから

だから言うのだ

「おはよう!!」

説明
思いついたまま書きました。
中身は恋姫をイメージしたつもりです。
ただはじめて文章を書いたものでかなり稚拙な文章になっていると思います。
ご容赦ください。
それではどうぞ
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稚拙 恋姫 恋姫†無双 

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