そらのおとしもの  外伝    弁当が如く
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智樹視点

 

 

こんにちは桜井智樹です。

今日は色々あって俺は夕方のスーパーに来ました。

イカロス達エンジェロイドは家で待機してます。

なんでかって?

何故か会長が家にいて会長に言われて……。

 

「スーパーで半額弁当を人数分買って来てね〜」

 

そんなことでスーパーに来てます。

でもスーパーに来ても弁当は半額になってませんでした。

 

「はぁ〜」

 

ため息なんかつきたくなっちゃいます。

しばらくしてると、どうやら店員らしき人が弁当コーナーに現れてシールを張ってます。

 

「むむ!? あれは……」

 

そのシールは半額シールでした。

すぐに取りに行きたいけど、さすがにマナーを考えると店員さんがいなくなった後の方がいいと思いました。

だから店員さんの姿がなくなったのを見て弁当コーナーに行ったら……。

 

「うん?」

 

後ろがやたらと騒がしいので振り返ってみたら黒服の大人がいっぱいやって来ました。

 

「げふっ!」

 

その黒服の大人の一人に思いっきり殴られました。

俺は意識が薄れていく中、黒服の大人達がなぐり合って半額弁当を奪い合っているのを見た。

 

 

 

智樹視点終了

 

 

 

 

そらのおとしもの  外伝    弁当が如く

 

 

 

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「う、う〜ん…」

「大丈夫ですか? マスター」

 

智樹が目を覚ますとそこにはイカロス達がいた。

 

「イカロス…ここは?」

「ここはスーパーの店員の休憩室よ」

 

ニンフが答える。

 

「なんでそんなところに……」

「店員さんの計らいよ〜」

 

美香子もいた。

 

「会長…」

「皆桜井君が心配で来ちゃったのよ〜」

「それで会長、このスーパーどうなってるんですか?

弁当が半額になった途端に突然襲われて……」

「実は最近半額弁当をめぐって、我が五月田根家と争ってる家があるのよね〜」

「へ?」

 

美香子は語り出そうとするが……。

 

「あの〜、とりあえずお連れの方が目を覚ましたのなら帰ってくれます?」

 

店員に言われて智樹達は家へと帰った。

家に帰ってみたら留守番していたのはカオスだけでなく、そはらに守形、アストレアに日和もいた。

 

「あれ? なんで皆いるんだ?」

「俺が呼んでおいた」

 

すると後ろから秋山が突然姿を現した。

 

「どわっ!」

「とりあえず全員に話を聞いておいた方がいいだろ。

それで美香子、話をしてくれ」

「分かったわ」

 

そして美香子は語る。

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「もう何十年も前の話よ。

昔この空見町には五月田根家と五木田根家って言う任侠者(セレブ)がいたのよね〜。

五月田根家は知っての通り、今もこの町にいるけど五木田根家は空見町を離れたわ」

「師匠、なんでですか?」

「その何十年前に五月田根家と五木田根家で争いがあったのよ。

それでその争いは五月田根家の勝利で、敗北した五木田根家は空見町を去ったのよ」

「それが何故か最近になって五木田根家が戻って来たんだ」

「何故って何かあったんですか?」

「だから理由が分からんのだ」

「私も聞いた話だけど五月田根家に敗れた五木田根家は空見町に足を踏み入れてはならないと誓約を立てたらしいけど、それを破っているのよ」

「極道が誓約とかは簡単に破らないと聞く。

破るってことは……相当なことがあるってことだな。

例えば五月田根家を打ち負かすことができるとかな…」

 

秋山がそれらしいことを言う。

 

「まあきちんとした理由は俺も知らん。

だけど半額弁当を狙う理由すら……」

「それは分かっているわ」

「何?」

「昔五月田根家と争っていた最大の理由は半額弁当をめぐる争いだからよ」

『ええええええええ!?』

 

全員が驚きの声を上げる。

 

「は、半額弁当のための……」

「争いって……」

(く、くだらねえ〜〜〜)

 

智樹はそう思った。

しかしそれは智樹以外の面々も同じであった。

 

「まあつまりは智樹を血祭りにあげたのは……」

「五月田根家への見せつけね」

「……会長、あんたそれ知ってて俺に行かせただろ?」

「あら、ばれた?」

「やっぱり!」

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それから数日後、空見町のスーパーに大勢の黒服の男達が弁当コーナーに近くにいた。

五木田根家の舎弟達である。

周りにいる一般人達は怖くて何もできなかった。

そこに五月田根家の舎弟の者達がやって来る。

辺りはざわつく。

そんな時、店員が現れ、弁当に半額シールを張り、そして立ち去った。

 

『うおおおおおおおお!!』

 

互いの者達がぶつかり合おうとした時であった。

 

『!』

 

彼らの真ん中にスリッパが飛んでくる。

 

「おいおい、楽しそうなことしようとしてるじゃないか?」

 

そこに現れたのは秋山であった。

秋山はけんけんをしながらスリッパを回収して、五月田根家の舎弟達の前に立つ。

 

「な、なんだ手前は?」

「あんたはお嬢の学校の……」

「臨時教員ね。それと手前ら……」

 

秋山が五木田根家の面々に対して言う。

 

「極道ってのがなんなのかは俺もきちんと知らねえけどな……。

人様の迷惑は考えてみるんだな。

それとあんたたち、手は出さないでくれ」

「何故です!?」

「これは五月田根家と五木田根家の問題!」

「まあ、いいじゃないの」

 

そこに美香子達もやって来る。

 

「お、お嬢!」

「今回はあの人に任せてみるのもいいんじゃないの?」

「そうですね、あの人、かなり強いですから」

「イカロスさん! わ、分かりやした!」

 

イカロスに対して五月田根家の舎弟全員が頭を下げた。

 

「さてと……俺が五月田根家の代わりにやってやるよ。

全員、かかってきな」

 

秋山が挑発する。

 

『舐めやがってーーーーーーー!!』

 

秋山に向かって五木田根家の舎弟達が襲い掛かる!

 

 

 

秋山VS五木田根家の舎弟

 

 

 

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五木田根家の舎弟達が秋山に飛びかかる。

 

「あらよっと」

 

秋山は舎弟の一人の足を掴む。

 

「ぬっ!」

「うら!」

 

秋山は掴んだ舎弟を物のように振り回し、掴んだ舎弟を投げ飛ばし、飛ばされた方向にいた舎弟達は倒れる。

 

「せいやぁ!」

 

舎弟の一人が秋山に殴りかかろうとした時、秋山はその殴りかかって来た舎弟の腕を取り、見事な一本背負いをする。

 

「ふん」

「そこだ!」

 

また別の舎弟が後ろから秋山に襲い掛かろうとするが……。

 

「はっ」

 

秋山は頭上高くに飛び、後ろから襲おうとした舎弟の頭を掴む。

 

「うらっ!」

 

掴んだ舎弟の顔面に膝蹴りをくらわせる。

 

「てめええ!」

「ふりゃ!」

 

秋山は足払いで舎弟達を床に転がす。

 

「でぇええええい!!」

 

また別の舎弟が秋山を殴りかかろうとする。

しかし秋山は横に避けると同時にその舎弟の体を肩に掴む。

 

「そりゃあ!!」

 

肩の上にいた舎弟を立ち上がろうとした舎弟の一人の上に叩き落とす。

 

「「どあっ!!」」

 

二人の舎弟は大ダメージを受ける。

 

「さて、お次は?」

 

40人ほどいた五木田根家の舎弟達は既に3人になっていた。

 

「こ、こいつ……」

「強い……」

「手前、一体何者なんだ?」

「五月田根家の御嬢さんの学校の臨時教員だ」

「お前みたいな教師がいるか!」

「だから臨時教員だって…」

「お前達、何やられてやがるんだ!?」

 

そこに少し派手なスーツ姿の男がやって来る。

 

「あ、あいつは…」

「うん? その格好とか察するにお前は五木田根家の若頭と言ったところか?」

「そうだ」

「この人をなんだ思ってやがる!」

「この人は五木田根家組長のご子息にして次期組長の若頭、五木田根征児(いつきたね せいじ)さんだぞ!」

 

残っていた舎弟達がその征児と言う男の前に跪く。

 

「あんた、かなりやるじゃない。相当な修羅場をくぐって来たって顔、してるな」

「まあな…」

 

秋山の修羅場、それは尋常ではなかった。

普通に命がけの戦闘だったり、ロボットに乗っての戦闘だったり、時には人外ばかりとの戦闘だったりとかなりの修羅場をくぐっている。

 

「俺と勝負しな」

 

征児は上着全てを脱ぎ捨てる。

征児の背中には虎と龍の刺青があった。

 

「悪いが俺は極道もんじゃないんでな、脱ぐ気はないぜ」

「別に構わないさ」

「しかたねえな……こい!」

 

 

 

 

 

五木田根家若頭   五木田根征児

 

 

 

 

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征児は飛び蹴りをかまし、秋山はそれを避けると同時に征児の腕を掴んで転がり飛ばす。

 

「へっ」

「きな!」

「ふあっ!」

 

秋山と征児の殴り合いが始まる。

 

「うりゃあ!」

「どりゃあ!」

 

征児の攻撃はことごとく秋山に避けられ、秋山のパンチなりキックは全て征児に命中する。

 

「くそ……てやっ!」

 

征児は何発目かの秋山のパンチを避けて、そのまま秋山の腕を取って十字固めを決める。

 

「このまま腕をもらう!」

「悪いがそいつは無理な相談だ!」

 

秋山は残っていたもう片方の手で征児の足を押し出し、解放する。

 

「くそ、なんて力してやがるんだ」

「次で決めるのはどうだ?」

 

秋山がそう言ってジャンプすると同時に征児もジャンプし、二人で踵落としを繰り出そうとしていた。

 

「「秋山(征児)ーーーーーーーーーーーーーーー!!」」

 

その踵落としの勝負は秋山の勝ちであり、征児は床に叩きつけられた。

 

「がはっ!」

「俺の勝ちだ」

 

秋山は倒れている征児に背中を向けて勝ち誇る。

事実、征児にはもう戦う力はなかった。

 

「手前!」

「よくも若頭を!」

「いい加減にせんか!」

 

そこに着物を着た一人の老人が来た。

 

「組長!」

「親父」

 

そこにやって来たのは五木田根家の組長であり、征児の父親の五木田根仙次郎であった。

 

「この勝負はお主らの…いや、儂ら五木田根家の負けじゃ。

まったく、儂の知らんところで何をしておると思ったら、極道が誓約を破るんでないわ!」

「は、はい!」

 

全員が頭を下げた。

 

「みな帰るぞ! 征児、帰ったら説教じゃ!」

「分かったよ」

 

そして五木田根家は全員帰っていった。

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「これで半額弁当も取れ放題ね〜」

 

五木田根家の人間がいなくなって平和が戻ったスーパー。

 

「やっと平和が戻った」

 

安堵する智樹。

 

「何を言っているのかしら、桜井く〜ん」

「へ?」

「会長、まだ満足してないわよ〜。桜井君はこれからも半額弁当を買いに行くのよ〜」

「な、なんで!? ま、まあもう半額弁当で争うことはないだろうけど」

「甘いぞ、智坊!」

 

そこに空見町の商店街の人達がやって来た。

 

「な、おばちゃん達、なんでここに?」

「智坊から半額弁当を守るごとに10万円もらえるんだ!」

「そのためにやられてくれ!」

「なんでーーーーーーーーーーー!!」

 

こうして美香子が飽きるまで智樹は半額弁当争いをさせられ、大体商店街の人達にぼこられる毎日を送るのであった。

 

 

 

 

 

おわり

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おまけ

 

 

作者「おまけだ」

智樹「なんで俺がこんな目に!」

作者「当たり前だろ」

智樹「当たり前かよ!」

作者「ちなみに今回のは『ベン・トー』を基にしているがもう一つ基にしている」

智樹「なんだよ?」

作者「『龍が如く』っていう極道もののゲームだ」

智樹「極道かよ!」

作者「だってさ〜、『ベン・トー』を見て毎回思うことは『警察呼べよ』とか『治安悪すぎだろ』とか思うんだもん。絶対『龍が如く』の神室町レベルみたいに極道がいないとダメだろ。あんなの…」

智樹「世界が違うからいいだろ」

作者「よくねえよ。そんでまだ思うことは『ベン・トー』ってさ、戦うのはいいし、提供がセガなのはまだいい。けど、セガなら『龍が如く』みたいな要素入れてもいいだろ」

智樹「最近は暴力団とかの問題があるだろ」

作者「けど、戦いにおいて倒れてるやつに追撃をやるのが普通じゃないかな?」

智樹「会長じゃないんだし、酷いだろ!」

作者「いいだろ」

智樹「そういえば秋山って名前…」

作者「ああ、俺の本名と発音が似てるやつを探してな、まんまやあまりに近すぎるのは嫌だったから考えた結果、被るけど秋山にしたんだ」

智樹「そうだったのか」

作者「まあ性格は俺そのものだ」

智樹「そういえば前回のが今年の投稿じゃなかったのか?」

作者「誰もそんなことは言ってない。予告のは新年に投稿すると言っただけだ。まあ今年のはこれで終わりにしよう。

それでは!」

説明
今回の話は「ベン・トー」の影響で作ったものです。
また今回はオリジナルキャラがメインの話となっており、作者の分身のオリジナルキャラ(秋山総司郎)も出てきます。
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コメント
巻き込まれた智樹も、やがて変態と呼ばれる狼になっていくわけですな。………あれ? 普段から変態って呼ばれてね?(tk)
タグ
そらのおとしもの 桜井智樹 五月田根美香子 秋山総司郎 ベン・トー 龍が如く 

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