魏エンドアフター罪を背負いながらも…… 六話
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見事一回戦を突破した俺達は対戦表を見に来ていた。

 

「二回戦俺は……マジか……」

 

「かずぴ〜は良い方やで。

わいなんか……」

 

「及川ちゃん、今まで楽しかったわよ……」

 

落ち込んでいる及川の肩に手を置く貂蝉。

流石の俺でも同情を禁じ得ない。

一応対正史の人達の為に対戦表をここに載せよう。

 

一刀VS張飛

 

及川VS呂布

 

例に倣って以下略とさせて頂くが一回戦の勝者位は載せておこう。

一回戦勝者は俺、張飛、及川、恋、霞、愛紗の六名だ。

 

「ついてないな、呂布と当たるなんてよ」

 

「全くや、わいを当てた奴はわいを殺そうとしてに違いないわ」

 

まぁ、及川も呂布にボコボコにされたら少しは静かになってくれるだろう。

そう言う意味ではこの選択には感謝している。

 

「刃?今何か酷いこと思われた様な気がするで?

わいの気のせいか?」

 

相変わらず鋭い奴め。

 

「気のせいだ。お前が思っていることは全て気のせいだ」

 

「そっかそっか良かった―――」

 

「正史でナンパした女の子と結構仲良くなれたと思っているのも

自分がイケメンだと思っているのも全て気のせいだ」

 

「刃それひどないか!?」

 

別に酷く無いと思う。

俺はただ単に現実を教えているだけだ。

 

「ほら、俺はもう行くぞ。

俺は一回戦目と同じで一仕合目なんだから」

 

俺はそう言いながら舞台へと向かった。

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舞台上

 

『天下一品武道会!二回戦目!第一仕合!蜀の元気な子!張翼徳!』

 

『『『うわぁぁぁぁぁっ!』』』

 

『それに対するは!楽文謙に勝利した命知らず!刃!』

 

まだ命知らずって扱いなんだな……

ちょっとショックだ……

 

「一回戦を見てからお兄ちゃんと戦いたかったのだ」

 

「え?俺と?」

 

「そうなのだ!お兄ちゃんとっても強いのだ!」

 

彼の張翼徳に認められるなんてすごい栄誉だな。

 

「だから絶対に勝つのだ!」

 

やばいこの子本気で俺と戦う気だ……

まぁ、別の世界の記録で見た鈴々もそう言う感じの子だからな。

 

『お互いに気合は十分の様です!

では……始め!』

 

仕合を始める銅鑼が鳴った。

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第三者視点

 

「うにゃにゃにゃーーーっ!」

 

銅鑼が鳴った瞬間そう叫びながら一刀に向かって猛攻を繰り出す。

一刀は最小の動きでその猛攻を全て受ける。

それは三国の将の中でも関羽レベルで無ければ困難なこと。

だが、一刀はそれを簡単にやってみせた。

猛攻を受けている間一刀はこう思っていた。

 

「(あの棚で丈八陀矛を視て無かったらこの猛攻を受けているのは無理だったな……)」

 

そう、一刀は及川が見せた棚で丈八陀矛を解対していた。

そして丈八陀矛の一番良い使い方を視ていたのだ

だから、一刀は張飛の攻撃を受けることが出来るのだ。

 

「(まぁ、俺が視たのはあくまで一番速い軌道と一番良い使い方だけだけどな)」

 

「にゃぁっ!もう本気出すのだ!」

 

「(まだ本気じゃないのかよ……しょうがない、俺も本気を出すか)」

 

一刀がそう思った瞬間一刀の腹の寸前に張飛の丈八陀矛があった。

 

「っ!」

 

一刀はそれを体を捩じってかわし刹那を鞘に戻した。

その瞬間張飛の体が倒れた。

 

「あんな状態でも出来るとは思わなかったな」

 

一刀はそう言って自分の手にある先程まで鞘にあった筈の刹那を鞘にしまう。

 

『しょ、勝者!刃!』

 

『『『うわぁぁぁぁぁぁっ!』』』

 

一刀はその歓声を聞きながら客席へと戻って行った。

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魏の客席

 

「何なのあれは……」

 

魏の客席で華琳はそう呟いた。

そう呟くのも無理は無い。

彼女達でも一刀が体をねじった瞬間に張飛が倒れたとしか見えなかった筈だ。

 

「春蘭、見えたかしら?」

 

「いいえ、何が起こったのか全く分かりませんでした……」

 

「そう……」

 

魏の将は何があったのかを考え始めた。

その瞬間

 

「何が起こったのかを説明したろうか〜?」

 

「「「うわぁっ!」」」

 

「何を驚いとんのや?」

 

及川はそう言いながら首を傾げるが無理のない話だ。

気配の無い所からいきなり声がすれば誰であっても驚く。

 

「な、何しに来たのよ?」

 

華琳のこの反応も当然の反応である。

 

「刃が何をしたのかの説明や」

 

「教えてくれるのか?」

 

「教えても対処できへんからな」

 

「何だと!?お前は対処できるのか!?」

 

春蘭がそう言って及川に詰め寄ると及川は一言

 

「無理や。対処できへん」

 

こう言った。

 

「音がどれぐらいの速さか分かるか?」

 

「いいえ、分からないわ」

 

「音は十三秒で一里先まで届くんや。

刃は音の速さの五倍の抜刀術をやったんや。

せやから見ることは出来るかもしれへんけど対処だけは絶対できへん」

 

「そんな速さで攻撃など出来筈が……」

 

「それが出来るんよ。

刃はその抜刀術をその速さになるまでずっと練習しっとたからな。

と言っても普通の攻撃は音並の速さやないで?

おっと、そろそろわいの仕合の時間や。

さよなら〜」

 

及川はそう言って手を振りながら魏の客席から出て行った。

 

「結局あいつは何がしたかったのよ……」

 

華琳の呟きに魏の将全員が頷いた。

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一刀side

 

時間は戻り一刀達の客席

 

 

俺が戻った時既に及川の姿は無かった。

しょうがなく席で肉まんを食べている貂蝉に尋ねる。

 

「及川はナンパか?」

 

貂蝉は首を横に振って答えた。

 

「違うわよ、曹操ちゃん達の所に行ったわ〜」

 

「華琳達の所へ?まさか……」

 

華琳に俺の正体をバラしに……

 

「一応言っておくけどバラしに行った訳じゃないわよ。

刃ちゃんの技のことを教えに行っただけよ」

 

「俺の技?抜刀術のことか?」

 

「ええ、あれなら別に教えても大丈夫でしょ?」

 

「別に良いけどな……

あんまり手の内は晒したくないって言うかさ……」

 

「管理人最強が何を言ってるのよ〜

あ、及川ちゃんよ〜!」

 

貂蝉がそう言いながら指す方向を見ると舞台上に及川が立っていた。

 

「頑張れよ、及川」

 

俺はそう言いながら及川の仕合を見届ける為に席に座った。

説明
六話目投稿です。
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コメント
抜刀術スゲー・・・(伝説の勇者)
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