外史異聞譚〜幕ノ四十〜 |
≪漢中鎮守府/田元皓&沮元明視点≫
う〜ん、どうしよう?
完全におつむが熱暴走した状態で退席した奉然ちゃんは置いておくとして、本当は置いておいたらまずい気がするんだけどやっぱり置いておくとして、とりあえず問題はそこで眠そうな目で座っている程仲徳なんだよね
元ちゃん達の見立てでは、軍師策士にありがちな徹底して実を取る型の人間に見えるんだけど、そうなるとこの行動の説明がつかないので少々困っちゃっています
何に困っているのかというと、彼女が考える“実”がどこにあるか読めないからなんだよね
これが理を基準にしたものであるなら、そこにどれだけ奇怪なものがあろうと思考で導き出せるものなんだけど、その理由が個人的感情や思索の結果である場合、そこに理を求めるのはとても無意味
これは一刀ちゃんが教えてくれた事でもあるんだけど、特に負の感情や個人的な思い入れを基準にした行動というものは、絶対に理屈ではないのでこちらでそれを操作しないものである場合には最終的な予測は不可能、と断じています
元ちゃん達もそれには全面的に賛成です
つまり、今の程仲徳の行動は彼女にしか理解できない理由と理屈で行われているという事で、そこに理を求めてはいけない部類のものだということになります
ちらっと一刀ちゃんの方を見てみると、完全に傍観の姿勢をとっている感じなのでアテにしても無理だろうというのが解っちゃいました
仕方ないのでちょっと頑張ってみようかな、と思います
「仲徳さんはどうしてここに来たかったのかな?」
「仲徳さんはどうしてここに座ろうと思ったのかな?」
「場所によっては即断されてもおかしくない」
「場合によっては極刑に合うのも不思議じゃない」
『さてさて、それは理解できてるのかな?』
みんな割と、こういう変人というか独特な人物には寛容な気風が強いのが天譴軍なんだけど、それも程度問題です
元ちゃん達はこういう子は嫌いじゃないんだけど、その思惑がどこにあるかを吐き出させない事には無駄な心労が増えるだけになっちゃうし
仲徳さんは「むう〜……」とか唸りながら、飴ちゃんを口元にもっていきます
実はちょっと羨ましかったりします
「そですね〜……
私がどうしてここに来たのかというと……………ぐう………」
『そこで寝るのか!』
「………おおっ!!」
あまりに強烈な空気を読まない(逆に読んだ?)ボケに、仲達ちゃんと元ちゃん達以外の全員がツッコミを入れました
困ったものです
これで場の空気は彼女のもの
非常にやりづらくなったのは事実です
仲徳さんは目元をこしこしと可愛らしく擦りながら、どことなく気怠げに答えます
「まあ、一言でいうならですけど、私の夢を確かめるため、とでもいいましょうかね〜」
この言葉について一気に思考を回転させます
この“夢”という言葉には様々な意味がありますが、通常このような場で用いられる場合の“夢”とは“大望”や“理想”や“展望”といった未来の事を指し示します
しかし、これらは当て嵌らないのではないか
元ちゃん達がそう考える根拠は、先の仲達ちゃんの評価と聞き取りのときの言葉にあります
彼女はこう言っていたそうです
“董相国の下では自身が望むような地位や信望は恐らく得られない”
この言葉は実際のところ、そのまま天譴軍にも当て嵌ります
一刀ちゃんの構想に従って汲み上げられた天譴軍の現在の陣容は、有能であっても後発の人材がなまなかな事では上層部に食い込む事も適わない、そう言えるだけの異能異才の宝庫でもあるのです
だとしたら、彼女が指し示す“夢”とは一体なんなのか
その疑問を口にしようとしたところ、それを“ぬるり”という感じで問いかけた人がいます
やっぱりというかなんというか、仲達ちゃんです
「夢、ですか
理想や大望という事ではなさそうですが、どのようなものかお伺いしても構いませんか?」
「む〜ん……」
仲徳さんは可愛く唸りながら飴ちゃんで口元を隠しています
その視線は泳いでいるようでありながら、意外に強いものを感じさせるもので、説明を嫌がるというよりは言葉を選んでいるようです
「えっと〜…
理想ではないかもですが、大望ではあるのですよー
私が幼い頃から見ていた夢がありまして、それが最近すこ〜し変わってきたので、その理由が“ここ”にあるんじゃないかな〜、なんて……」
すると、それに間髪いれずに答えたのは、やっぱりというかなんというか、一刀ちゃんでした
「ああ、君が泰山に登り両手で太陽を掲げる、という夢の事かな?」
さすがにびっくりしたのか絶句している仲徳さんですが、無理もないよね
これをやられるとなんというか、普通は一刀ちゃんが妖怪か悪鬼の類に思えちゃうもんね
「………天の御使いさんがそれを知ってるのは、やはり“御使い”だからでしょうかー?」
一刀ちゃんの怖いところはこれなんだよね
人は“御使い”だからとか、その“知識”がって思うんだろうけど、元ちゃん達に言わせればそれは余録でしかない
一番怖いのは、こうやって的確な時と場を見極めて、相手の思考や心に楔を打ち込む言葉を選び抜いて話すところ
ほら、これで空気が一気に変わっちゃった
生返事で彼女の問いを肯定している一刀ちゃんを横目に、元ちゃん達も自分の仕事をしようと思います
折角引き戻した空気を利用しない手はありません
「泰山ってことは帝位に関わる事だね」
「太陽を掲げるってことは、誰かが帝位に就くのを支えるって意味かな」
「なるほどなるほど、それなら確かに相国の下はありえない」
「さとりてここでもそれは望めない」
『一体何が変わったのかな?』
見るとみんなの顔も引き締っています
当たり前です
元ちゃん達は“帝なき未来”を志操して集っているのです
絶句したことが失策だったと気付いたんだろうけど、別に隠すことでもないという感じで仲徳さんはのんびりと答えます
「ん〜……
なんていうんですかねー、私が太陽を掲げるのじゃなく、私も一緒に太陽になる、とでも言うんでしょうか〜
そんな感じなのです〜」
「なるほど、ね……」
ひとり頷く一刀ちゃんですが、正直笑えないと思います
少なくとも元ちゃん達は思わず踊っちゃいそうなくらいには笑えません
「予知夢…
いや違うな
啓示ってやつかね、こりゃ……」
公祺ちゃんが顎を撫でながら呟いています
多分五斗米道の奥義書の中に、似たような記述があったりするんだと思うのだけど、どうなんだろう?
「啓示、ね……
こりゃまたあやふやなもんが出てきたもんだが、技術屋としては意外と馬鹿にできんかったりもするんだが…」
忠英ちゃんはよく「キタキタキター!!」とか叫んでたりするので、そういう事もあるのかもです
そういうのに逆らうと良い事はなにもないんだそうで、それは武官の人達も似たような事を言っています
なんでも、そういう“勘”やら“夢”やらを笑い飛ばすと大抵はロクなことにならないんだとか
そもそもが、そういったものの具現化というかなんというか、凝り固まったようなのが一刀ちゃんな訳で、そうなると色々と困ったちゃんな感じになっちゃいます
「う〜ん…笑い飛ばせないのがつらいところだね」
「ぬ〜ん…これを理由にってなると一刀ちゃんがね」
『立つ瀬も浮かぶ背もなくなっちゃうもんね』
なんだよそれは、という顔でがっくりと肩を落とす一刀ちゃんですが、本当の事なので諦めてもらうしかないもんね
気持ち和やかになった雰囲気の中で、子敬ちゃんと元直ちゃんが目配せをしてきました
郭奉孝の扱いが元ちゃん達によるものなので、まとめて引き受けろって意味だと思います
思わず心の中で滂沱しながら踊ってみたんだけど、他の人に任せる訳にもいかないのがとっても悲しいです
「ではではこれからどうしよう?」
「さてさてこれからどうしよう?」
「元ちゃん達は提示はできる」
「元ちゃん達は受け入れる」
「どれを選ぶか決めるのは貴女」
「楽ではないし簡単でもない」
『程仲徳、貴女はどうする?』
元ちゃん達の言葉に、程仲徳は眠そうな顔のまま答えました
「そですね〜
私が選んでもよいのでしたら〜………」
≪漢中鎮守府/郭奉孝視点≫
軟禁状態が続いて早数日、私は苛立ちを隠せずにいます
この郭奉孝ともあろう者が、相手を甘く見た結果このような事になろうとは…
しかしながら、ある意味感謝もしているのです
例えどのような場合であっても、喩えるならば幼子相手であろうとも、弁論の場では一瞬たりとも気を抜いてはならないという事実を明確に再認識させてくれたのですから
愚者の言葉であろうとも賢者の言葉であろうとも、その言葉の重みに寸毫の差もありはしない、それを刻みつけてくれた事には感謝すべきでしょう
行動の自由が全くない、という点を除けば、実のところ待遇は悪いものではありません
書の閲覧も望めば行えますし、食事も十分な質と量のものを提供されています
監視つきではありますが庭の散策も行えますし、庭にある東屋の利用も可能です
こちらが問う前に教えられたのですが、漢中では基本的に罪人を拘留するという法がないため、このような場合には司法ではなく近衛の管轄として扱うのだそうです
司法の管轄の場合は即日極刑になるか労役になるとのことで、基本的に人間を軟禁もしくは監禁するような場合を想定していない事が伺えます
言いがかりともいえる理由での軟禁ではありますが、その理由はある意味で正鵠を射ていたため、現状に甘んじるしかないのが今の私の立場です
後日、正式な依頼をひとつ客将としてこなすことで開放を約束してくれましたが、それも果たしてどこまで本当の事か…
そう考えながら物憂げに夜の庭を眺めていたところ、来客との先触れがありました
その先触れに応諾を示して気を引き締めたのですが、やってきたのは風でした
「稟ちゃーん
ごろごろ食っちゃ寝してお肉が増えたりしてませんか〜?」
「この姉ちゃん、実は隠れ巨乳だからな
油断してるとすぐに増えるに決まってるぜ」
「風、それに宝ャ、あなた達ねえ……」
構えて待っていただけに思わず脱力した訳ですが、風がここに来られるという事は事態は好転したと見るべきでしょう
思わず安堵の溜息を漏らす私に、風がいつものようにのんびりと話しかけてきます
「いやいや、これでも苦労したんですよー?
でも風は頑張り屋さんなので、稟ちゃんのために一肌脱いでみちゃったりしたのです〜」
「はいはい、感謝してますとも」
たった数日でしたが、このような軽口を言い合える事もなかったという事実を再認識します
とはいえ、この間で風がやってきたということは、必ず意味があるはずです
こうしてじゃれ合っているのも楽しいのですが、まずはそれを確認すべきでしょう
「それで、あなたがここに来た理由は?」
「むうー…
愛する稟ちゃんの為に万難を排してやってきた風に、優しい言葉のひとつもないのですねー」
「薄情な姉ちゃんだぜ、これだから隠れ巨乳はよ」
言いたい放題言われている気もしますが、軽口を叩くにはまず現状を把握してからです
思考が定まれば余裕ができ、余裕ができれば更に先を考える事もできるのですから
眼鏡を直しながら先を促す私に、風は珍しく居住いを正して話します
「えっとですね〜
風はとりあえず、稟ちゃんのお仕事のお手伝いをしようと思います」
風の表情は滅多に見ることがない、本当に真剣なものです
私は背筋を伸ばして先を促します
「簡単に言っちゃいますと、このままでは稟ちゃんは完全に使い捨てにされます
風としてはそれは流石に避けたいのです」
使い捨て、か…
まあ、そんなところだろうと思ってはいましたが
「明日、正式に依頼が来るかと思いますが、稟ちゃんには涼州豪族や諸侯の切り崩しの任が与えられるそうです」
「涼州……
確か、刺史として天の御使いが正式に認められ、事実上は内乱寸前と聞いているけれど?」
劉玄徳殿達の言葉と風評から推し量ったに過ぎませんが、天譴軍と涼州諸侯の関係はほぼ最悪といえる状態で、涼州はいまだ天譴軍の統治を拒否している、と聞き及んでいます
切り崩し、と言うからには慰撫や離間等を駆使して統治を盤石とは言わぬまでも、官吏を送り込める下地を作れ、という事だと普通なら考えます
ですが、そんな大役を私に、というのは考えられません
これは、私が失敗する事を大前提とし、私の失策を理由に大鉈を揮うつもりだという事でしょう
「なるほど
私が失敗のみならず、逃げる場合まで考慮しての扱い、という事ですか」
私の呟きに風も頷きます
「天譴軍としては、たったひとつの問題を攻略し終えているなら上策といえますね〜」
「大事な人材を失うことなく、私がどう転んでも損はない、か…」
そう、たったひとつの問題とは、果たして涼州諸侯の全力の抵抗を平らげられるだけの武力があるかどうか、ただそれだけなのです
40万とも50万とも言われる、涼州諸侯豪族に彼らと友好的な少数民族の全力
これに抗しきれる勢力は近隣ではひとつもないでしょう
長駆遠征を強いて補給線を痛めつければまた別でしょうが、漢中ではそれも望めない
つまり、漢中……否、天譴軍は涼州との戦に絶対の自信を持っている、という事になります
「それで、私は情報が少なすぎて策を練る事も適わない状態なのだけれど、そこは風に期待してもいいのかしら?」
物事がはじまる前に全てを終わらせるのが私達策士の本領であるならば、今まさにこの時が真剣勝負です
この苦境にむしろ笑顔を浮かべる私に、風もにんまりと笑って応えてくれます
「愛しの稟ちゃんの期待に添いましょうか〜
とはいえ、実はほとんど詰みの状態ではあるので、風達ができることはそう多くはないんですけどねー」
確かにそうだろう
私を送るというのは、彼らにとっては棚から牡丹餅ではあっただろうが、満を持しているからこそ取れる手段であり策なのだ
既に小細工は必要なく、最後の大義名分が欲しいだけなのだろう
これらを察するに、今回の私は涼州を犠牲にしても自分が生き残る策をまず練らねばならない
彼らに義理はないのだし、こんな事で自分を犠牲にする理由もないからだ
「私は自分の安全は確保しつつ、どう火種を撒いて逃げるか、もしくは最初のうちに逃げてしまうか、よね」
「ただ逃げるのはお勧めできませんね〜
まあ、これも聞かれているのを前提で言っちゃいますが、可能な限りの涼州諸侯豪族の方々を糾合して、逃げる準備は整えておく、これが上策かと」
そうなると、私は敗戦なり事前の離脱なりで涼州を離れる勢力を纏めあげる事が要求される
確かに、その形であれば風がいうような依頼は完全にこなした事になるし、その後に関しても言い訳も容易になる
となると問題は…
「受け入れ先に当てはあるの?
玄徳殿ならふたつ返事だとは思うし、場合によっては相国という手段もあるけれど?」
私の言葉に風はゆっくりと首を横に振りました
「天譴軍と親和の道を模索している玄徳殿や董相国では少々弱い気がしますねー」
ふむ…
しかし孟徳樣ではさすがに遠すぎるし、巴蜀では五胡の地か漢中を通過しなければならないという無謀に過ぎる道程が待っている
「しかし、袁家も事実上崩壊していると言える現在、他に一体誰が…」
首を傾げる私に、風はさらりと答えます
「ぬふふ〜……
涼州と気質も近く、これから人材を求めて伸びようとしているだろうお方が多分現れるのです
風はそちらにお世話になろうかと〜」
え?
そんな人物どこかにいましたか?
私の思いが顔に出たのでしょう、風は悪戯が成功した時の子供のような笑顔を浮かべながら、あまりに意外な名前を告げました
「風は天譴軍の肝煎りという名目で、北平の公孫伯珪殿のお世話になろうと思います〜」
この一言で全ての絲が繋がった私は、同じような笑顔を浮かべます
「なるほど……
これは天の御使いとやらに一泡吹かせてやることができそうですね」
≪漢中鎮守府/徐元直視点≫
「………ご報告は以上です」
「ご苦労さまでした
引き続き最低限の監視は続行してください」
礼をとって下がる細作から視線を外し、私は溜息をつく
私の数少ない娯楽としてお菓子作りがあり、たまに深夜のお茶会と洒落込むのだけれど、大抵はこのような報告待ちを兼ねている
自分でいうのもなんだが、なんというか仕事人間かな、と思わなくもない
深夜のお茶会は、その時に手が空いている人に声を掛ける事にしていて、今日は巨達と伯達さんを招いている
今日のお菓子は一刀が天の国にあるといっていた乳酪を小麦粉を折りたたんで作った生地に流し込んで焼くというもので、あいつは“ちいずけえき”とか言っていた
なにせ農業やらについては事細かく覚えている男なのだけど、こと食事に関しては
「だいたいこのくらいでこんな調理法でこういうの云々」
などという、あまりにも当てにならない事を言うため、試作の段階で非常に苦労をする事になる
お菓子は分量の正確さが大事だという基本が判ってない、非常にいい例だ
そんな状態でも工夫をして新しいお菓子をというのは楽しいもので、こうやって他の人の口に運べるくらいの仕上がりになったものは試食を兼ねてお茶会で供したりもしている
「もうちょっと甘い方がいいかも……」
そう呟く伯達さんの意見には私も賛成だったりする
焼くときに塗る果実を煮詰めたものが予想より酸味が強くて、美味しいのだけどもう少し優しさが欲しい感じがする
「でも、脂の多い料理の後だと、このくらいがいいかも…」
はむはむとお菓子を口に運びながら巨達が感想を言ってくれる
なるほど、単品ではなく先に食べる料理によっても、という考え方ならこれで丁度いいかな?
頭の中で材料の内容を組み立てていると、伯達さんが満足そうにお茶を飲みながら吐息をつく
「ごちそうさまでした」
「おそまつさまです」
伯達さんはすっと表情を引き締めると、先の報告について尋ねてくる
「思ったより早く動いたみたいですね
予定は早まりそうですか?」
私はそれにこくんと頷く
「一刀が言ってた通り、有能極まりない上に一筋縄でもいかないようです
かなり前倒しになるかと思います」
「うー……
ちょっと厳しくなるかな
子敬ちゃんの機嫌は確実に悪くなるよ」
「うわ…
あまり考えたくないな、それ…」
とはいえ、天譴軍の食糧をはじめ生産物の管理を一手に担っているのが伯達さんです
ある意味天譴軍の誰よりも食糧の状況について熟知しているだけに、補給輜重に関しては彼女が“無理”といえばそれは絶対に動かない事実でもあります
子敬ちゃんの機嫌が悪くなるのは出費が増えるからで、とにかく予定外の出費があると彼女の機嫌は劇的に悪くなります
「じゃあ、私は孫家や劉玄徳あたりをどう抑え込むか、だよね」
巨達がのんびりと呟いてるけど、これはこれで難事です
「とりあえず、涼州諸侯が大量離脱して河北なり交州なりに流れ込む場合を想定した策に修正、かな…」
実のところ、程仲徳と郭奉孝が考えている策は既に私達の予想の範疇で、特に難しい事はなかったりします
最初から“彼女達の才覚の範疇”で生き残るならそれでよし、としている訳で、むしろここでどこまでやれるかで今後の対処が決まるだけに、是非全力で生き残って欲しいところです
別に死んで欲しい訳でもないですしね
さて、折角のお茶会だし、仕事の話はここまでということで……
「実はもう一品、天の国のお菓子を作ってみたんだけど、大丈夫?」
ふっふっふっ……
実はこれは結構自信作だったりする
「一刀は“あっぷるぱい”とか言ってたんだけど、簡単にいうと林檎の蜜漬けの焼き菓子ね
ここで評判がよかったら次の円卓に出そうと思うんだけど…」
『もちろん食べるっ!!』
目を輝かせて身を乗り出す二人に、料理人として少なくはない満足を覚えながら、私は籠からお菓子を取り出す
月とお菓子とお茶に友達
様々な謀略に彩られながらも、私の一日はこうして過ぎていくのだ
説明 | ||
拙作の作風が知りたい方は 『http://www.tinami.com/view/315935』 より視読をお願い致します また、作品説明にはご注意いただくようお願い致します 当作品は“敢えていうなら”一刀ルートです 本作品は「恋姫†無双」「真・恋姫†無双」「真・恋姫無双〜萌将伝」 の二次創作物となります これらの事柄に注意した上でご視読をお願い致します その上でお楽しみいただけるようであれば、作者にとっては他に望む事もない幸福です コラボ作家「那月ゆう」樣のプロフィール 『http://www.tinami.com/creator/profile/34603』 機会がありましたら是非ご覧になってください |
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通り(ry の名無しさま>アナタってひとはとうとう覗きまで…(ほろり)(小笠原 樹) 転生はりまえ$さま>実質的には武将同士がぶつかりあうような戦争まだですしねー(小笠原 樹) shirouさま>こういうやりとりこそ策士の華といえるかなあ、と(小笠原 樹) gotouさま>どうするんでしょ?(笑)(小笠原 樹) 田吾作さま>変わった夢の内容が明確になってないですから(笑)(小笠原 樹) おい仲業さんその覗き窓代われ!いやむしろ代わって下さいお願いしま・・・ってあれ?まだ貴方外出禁止じゃなか・・・げぇ!仲達さん!(じゃーんじゃーん(通り(ry の七篠権兵衛) この物語って策略、計略、謀略、騙しの多い話だよね?いまさらながら・・・・・(黄昏☆ハリマエ) 稟すらも騙す算段な風に見える・・・・・・。騎馬隊強そうだなぁ合併すれば確かに。(shirou) さあ、これから風さんはどうすんだい(gotou) なんと、ここで放浪軍師組が公孫伯珪の下につくとは。確かに一刀君に発破をかけられた今の彼女なら二人を本気で欲してもおかしくはないはず……あれ、でもそれだと程仲徳が見た夢と矛盾するようなしないような。ぐぬぬ。(田吾作) |
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