恋姫外史アナザー・とりあえず一刀第二十九話 |
「始め!!」
審判の声と共に第一試合、春蘭・秋蘭組対雪蓮・祭組の試合が始まった。
剣と弓、獲物もほぼ同じである。
「さあ、始まりました第一試合!華琳様はこの試合、どう思われますか?」
「春蘭・秋蘭が組んで負けるとは思わないけど、相手は呉の小覇王に宿将、厳しい戦いになるでしょうね」
「なるほど」
そんな会話の中、春蘭と雪蓮がほぼ同時に突っ込んでいった。
「「はああああああ!!」
そしてお互いに気合の一撃をお見舞いする。
ガキーーン!!
剣と剣がぶつかりあい、そのまま鍔迫り合いの体勢となる。
ヒュヒュヒュ!!
それとは別に、秋蘭と祭も互いに矢を放っていた。
もっとも、どちらも危なげなく避けていたが・・・
「弓使いの二人は牽制しているだけね。おそらく鍔迫り合いの均衡が破れた時、即座に介入するつもりなのでしょう」
華琳が的確に解説をする。
鍔迫り合いはしばらく続いたが、力では春蘭に分があるようで、雪蓮はぐいぐいと下の方へ押し込まれていく。
が、
ヒュウ!
「姉者!」
「おお!?」
頭一つ分が出た所で祭の矢が春蘭を襲う。
かろうじて避ける春蘭だったが、その隙を雪蓮は見逃さず、
「ハアッ!」
春蘭に対して、下段から上段へ振り上げの一撃をお見舞いした。
ガッ!
アゴに痛烈な一撃がヒットする。
「グウッ!」
崩れ落ちる春蘭。
そのまま雪蓮たちの勝利で終わると、誰もが思っただろう。
だが、
ガツン!
「あ・・・」
春蘭が倒れる前に、一本の矢が雪蓮の眉間に当たっていた。
「姉者を敗者にはさせんよ・・・」
そのまま雪蓮も倒れ、両者ノックアウト。
「ぬかったわ・・・」
祭が忌まわしげに唇を噛んだ。
「それまで!この勝負!引き分け!!」
審判の声と共に、第一試合は終わった・・・
「いやー、まさか有力候補の二組が引き分けとは、意外な展開になりましたね〜〜」
「まあ、お互い最低限の面目は保たれたと言った所かしら?・・・不本意でしょうけどね」
「ちなみに引き分けの場合、どちらの組も失格という事になります」
「それにしても一回戦で終わりとはね。春蘭たちにはお仕置きが必要かしら?」
不適な笑みを浮かべる華琳。
そして第二試合、愛紗・鈴々対紫苑・桔梗組が始まる・・・
「さあ!奇しくも蜀の武将同士の戦いとなりました!どうなるんでしょうか?華琳様?」
「一方は武では蜀で一、二を争う義姉妹。もう一方も蜀で射撃の一、二を争う二人。まあ、展開自体は簡単ね」
「と、いうと?」
「接近戦に持ち込めれば義姉妹の勝ち。懐に入らせず、仕留める事が出来れば紫苑たちの勝ちよ」
「確かに簡単ですね」
「両組、前へ!」
審判に呼ばれ、闘場の中央に集う二組。
「手加減はせんぞ。紫苑。桔梗」
「あらあら、手加減なんてしたらすぐ終わってしまうわよ?愛紗ちゃん」
「負けないのだ!」
「若いのう。じゃが勢いだけでは勝てんぞ」
お互いに見えない火花が散っているようだった。
「では・・・」
武器を構える四人。
「第二試合!始め!!」
こうして第二試合は始まった・・・
ドカーン!ドカーン!
ヒュヒュヒュ!
紫苑と桔梗の激しい攻撃に、愛紗と鈴々は全く近づけなかった。
「にゃあ!全然近づけないのだ!」
「落ち着け鈴々!紫苑の方はともかく、桔梗の豪天砲は弾を装填するのに時間がかかる。その間に・・・」
ドーン!
「くうっ!」
必死に避ける愛紗と鈴々。
試合は完全に膠着状態となっていた。
「・・・おかしいわね」
「どうかしましたか?華琳様」
「いくらなんでも紫苑は矢を消費しすぎだわ。もう少し撃つ量を減らしても十分近づかせない事は出来る筈よ」
「そうなんですか?」
「それに比べて、桔梗は・・・」
そこまで言って、華琳はハッとした。
「どうかされましたか?」
「そういうこと・・・単純な罠だけど、かかるかしら?」
「?」
なにか理解した様子の華琳に、地和は首を傾げるのだった。
カシャン!
豪天砲から弾が無くなった音がした。
「ぬっ・・・紫苑、少し頼む」
そう言って、桔梗は弾の補充をしようとする。
「分かったわ」
そう言って、紫苑は放つ矢の量を更に増やす。
「愛紗!」
「よし!行くぞ!!」
二人は矢の雨を避け、弾き、前へと走っていく。
そして、間合いまで後三歩の所まで迫った二人だったが、
「・・・終わりじゃ」
いつのまにか豪天砲を構えた桔梗の姿があった。
「何を言っている。まだ弾の補充は・・・」
愛紗の発言に、桔梗は笑みを浮かべ、
「後一発、残っているとしたら?」
「・・・!!」
言葉の意味に気付いた愛紗はすぐさま距離をとるが、
「遅いわ!」
その叫びと共に
豪天砲が火を噴いたのだった・・・
結局、取り残されていた鈴々が豪天砲で吹き飛ばされ、場外。
愛紗・鈴々組の負けとなったのだった。
「いや〜、また意外な結末でしたね?」
「そうね。一発きりの大博打、桔梗が好きそうな作戦だったわね」
「やはり年のこ・・・」
ヒュ!
カーン!
地和の顔のすぐ左側に矢が放たれて、会場の壁に弾かれた。
「・・・・・・」
無言で青ざめる地和。
大波乱を起こしながら
武道大会は続く・・・
どうも、アキナスです。
う〜ん、思わぬ結末ばかりですね。
優勝候補がのきなみ潰れたりしそうな感じ。
最後に勝つのは果たしてどの組なんでしょうか?
それでは次回に・・・・・・
「クロノ・ブレイク・キャノン発射!!」
説明 | ||
正々堂々と、試合開始!! | ||
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コメント | ||
アンプレゼントさん:ゲームは大体持ってるんですけど、アニメは少ししか見てないんですよね・・・(アキナス) まさかのギャラクシーエンジェル(笑)(アンプレゼント) IFZさん:・・・(矢でハリネズミ状態)(アキナス) カリ濡らしのヒトヤッティさん:ゴム弾とかですかね?それでも怪我はするかな・・・?(アキナス) 年の功だねww さぁ言ったぞ?殺ってみろよ?(IFZ) 豪天砲は杭の代わりに何を入れていたのでしょうか?矢と違い当たれば大怪我しそうですが(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) |
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