学園?無双 十話 |
暗殺依頼を受けた翌日だからと言って変わったことは何も無い。
そう、何も……
「………」
何も……
「………」
クールに決めてみたけど本当はさっきからすごく悩んでます。
え?簡単に暗殺依頼を受けたのが悪い?
しょうがないじゃん!来る者拒まずって言うのがうちの家訓なんだから!
それに桃香が標的だなんて予測出来る訳無いじゃん!
「マジでどうすっかな……」
山口に金返して……そんな簡単な訳無いか……
と言うか何で俺は依頼を実行するのを躊躇してるんだ?
依頼は絶対に実行しないといけない。
そんなこと分かってる筈なのに……
「北郷君、この問題をやってみてください」
「は、はい」
先生に言われて前に出て問題を解く。
多分これで合ってる筈だけど……
「あら?珍しいですね。ここはこうですよ?」
「あ、ホントだ……」
間違えやすい間違いだけどちゃんと見ていれば分かる間違いだ。
いつもならこんな間違いしないはずなんだけどな……
「まぁ、間違えやすいこと所ですから仕方ないですよ」
先生はそうフォローしてくれたけど俺自身間違えた理由は分かってる。
俺は冷静な判断が出来て無いんだ。
「癪だけど祖父ちゃんに相談しないと駄目だな……」
いつもはいい加減なジジイだけどいざと言う時には中々の助言をくれる。
頼るのは本当に癪だけどな……
「何を言われるんだか……」
自分で解決出来んのかとか言われそうだなぁ……
北郷家一刀の祖父の部屋
「そんなもん自分で解決出来んのか」
「やっぱ言われた……」
学校が終わって部活も終わって家に帰って山口組に依頼されたことを祖父ちゃんに話すと予想通りのことを言われた。
「……『来る者拒まず』等と言う家訓が無ければ私も依頼を拒否していました」
「……それはその家訓を作った儂に喧嘩を売っておるのか?」
「事実を言っているまでです」
「ほう……?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
殺気の応酬で部屋にある物が軋んでいる。
祖父ちゃんはこれ以上は不味いと判断したのか殺気を引込めた。
俺も祖父ちゃんに倣い殺気を引込める。
「しかし……道音の坊主のう……」
「知ってるんですか?」
「うむ、お前には教えて無かったが儂はその父親の剛三郎と兄弟の盃を交しておってな。
その時に会っておるんじゃ」
「えぇっ!?」
マジかよ!あの『熊殺しの山口』と繋がりがある人が身近に居るなんて夢にも思わなかったぜ!
「あの、それで印象はどうだったんですか?」
「うむ、剛三郎の様な暴走坊主とは違い大人しく商売等で稼ぐ感じじゃったの」
それは俺も感じたことだ。
他に情報は無いだろうか?
「剛三郎氏が海外の敵対マフィアと繋がっていると思いますか?」
「思わん。奴はそんなことをするような奴ではない。
恐らく奴は道音に嵌められたんじゃろうな。
道音の坊主は剛三郎を嫌っておったからの」
「何でそれを?」
「裏で悪口を言っておるのを聞いておったんじゃ。
まさか、剛三郎を嵌めるまでとは思っておらんかったが……」
「そうですか……
ところで私がその道音に依頼されたことはどうしたら良いんでしょう?
断りたいんですが……」
「金を返せば良いんじゃないのかの」
「そんな簡単な問題じゃないから困ってるんですよ!」
この適当ジジイめ!
「儂が何とかしとくわい!
だから依頼料を渡すんじゃ」
「はいはい……」
少し不安を抱きつつもジジイにアタッシュケースを渡す。
本当に大丈夫かなぁ……
「一刀よ、今日の晩飯は家で食うと良い」
「分かりましたよ……」
どうせ嫌だって言っても強制になるんだから……
「おい、一美!(俺の妹)俺の肉勝手に取っただろ!」
「お兄ちゃんが油断してるのが悪いんだよ〜」
「ぐぐぐっ……流石我が妹……!
だが、お前も俺と同じミスを犯すのだ!」
「え?あ!私のウインナー!」
「ふふふふっ……ザマ見ろ」
え?大人げない?言ってろ!
我が家の食卓は戦場なのだよ!
「あれ?祖父ちゃんは?」
カンカンカンッ!(肉を取りに来ている一美の箸を迎撃する音)
「さっき出かけたよ?」
カンカンカンッ!(同じ音)
「どこに?」
カンカンカンッ!(同じ音)
「さぁ?分からない。隙あり!」
「させるか!」
俺に肉は絶対に取らせねえ!
パクッ
「あっ!母さん!それ俺の!」
「お母さん!それ私のになる筈だったんだよ!」
「そこにお肉があったんだから」
「ジ○ージ・マ〇リーのパクリで逃げようとしてんじゃねえよ!」
「別に良いじゃない。どうせもう死んでるんだから」
「人として品位を疑う発言だぞ!
父さんも何か言ってやれ!」
俺がそう言うと父さんは箸を置いてため息をつき一言。
「静かに食事も出来ないのか」
「「「ごめんなさい……」」」
俺達は項垂れて謝るのだった……
第三者視点
その頃源刀は山口組の事務所に居た。
「久しいのぉ……道音の坊主」
そう言う源刀の向かいに座っているのは山口道音。
「何故ここに?」
「お前、儂の孫への暗殺依頼の仲介をしたじゃろ?
孫はその暗殺依頼を断りたいそうなんじゃ」
「先日は了承して頂きましたが?」
「気が変わったんじゃと。
金はほれ、持って来とるぞ。
それにお前等にも持ってきとる。
だから、の?」
源刀がそう言うと道音はため息をつき席から立って源刀に近づく。
「源刀さん、我々は子供のお使いでは無いんですよ。
あなたが金を持って来たからと言って『はい、そうですか。分かりました』と言って納得する訳にはいかないんですよ」
「それは分かるがのう……頼む」
源刀はそう言って頭を下げる。
「はぁ……いい加減にしてください。
そんなことをされても出来ないことは出来ないんです」
道音がそう言うと部屋の気温が一気に下った。
そこに居た若手の組員はほとんどが気絶した。
「儂がここまでしとるのに言うことを聞かんか若造。
命は惜しく無いのか?」
「……っ!」
道音はどうにか気絶しない様にしているが気を抜けば気絶してしまう。
「素直に金を受け取って一刀への依頼を取り消させるのか
それとも……死ぬのか、どっちじゃ?」
「とり……けさせます」
道音がそう言うと源刀は笑顔になる。
その途端部屋の温度が元に戻った。
「それじゃぁの、儂は帰る」
源刀はそう言って事務所から出た。
道音達はそれを後ろから見ていることしか出来なかった。
そして少しして道音は何か思い出した様な顔をして携帯のボタンを押しある所に電話をかける。
「わ、私です!申し訳ありません!先程北郷源刀が来て依頼の取り消しを迫られ応じてしまいました!
大丈夫です!私達があなた達の標的を消しますので写真を送ってください!
え?成功したら依頼料をくださるのですか?ありがとうございます!
明日消しますのでご安心を!」
道音はそう言って電話を切った。
その後少しして道音の携帯電話にメールが来て写真が送られてきた。
「この小娘を消すぞ!失敗したら俺達は確実に消されるからな!」
「「「は、はい!」」」
山口組組員は必死に準備を始めた。
説明 | ||
十話目投稿します。 | ||
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コメント | ||
骸骨様ご指摘ありがとうございます。すぐに修正します。(DOWANNGO) 山口道音の死亡フラグが立ったwww 3p「お前も俺よ同じミス」→「お前も俺と同じミス」では?(量産型第一次強化式骸骨) |
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