真・恋姫†無双〜愛雛恋華伝〜 43:【動乱之階】 出来ること 望むこと
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◆真・恋姫†無双〜愛雛恋華伝〜

 

43:【動乱之階】 出来ること 望むこと

 

 

 

 

 

どうにか問題もなく、といっていいのは分からないが、とにかく夕食会を乗り越えることが出来た一刀。

重圧から開放され気が抜けたのか、宛がわれた部屋にたどり着くなり寝台へと飛び込んでしまう。

 

「うあー、しんど……」

 

しなくていい気疲れと、断れずに重ねた酒気に圧されるようにして、自然とまぶたが閉じそうになる。

そんな状態でしばらく彼がだらけていると、部屋の外から声がかけられる。

どうぞー、と、その声に応えつつ。身を起こし、身内が入ってくるのを迎えた。

鳳灯、呂扶、華祐の三人である。

一刀が洛陽を訪れた本当の理由。それは、これから行う報告にあったのだから。

 

 

 

とはいうものの。

幽州からの使者が無事に上洛できた以上、報告出来ることはほとんどない。

彼自身は、伝達が断たれてしまうような事態に備えた"保険"のようなものだったからだ。

そもそも一刀が洛陽まで同行したのは、あくまで"念のため"でしかなかった。

伝えるべき内容は、公孫?が派遣した官吏が持つものとと変わりはない。

ただ、そこに至った背景に関雨の"天の知識"が関係している、という点を伝えておきたかったからに過ぎない。

 

こうして一刀と対面するよりも前に、鳳灯は、正式な使者である幽州官吏の報告を受けている。

黄巾の戦乱の原因、首領格の身柄確保、そして太平要術の書の存在。

それらの内容には、さすがの彼女も驚いて見せた。

同時に、一刀と呂扶が伴って洛陽までやって来た理由も察する。

 

使者からの報告に対しては、「一晩考えさせて欲しい」と保留にした。

近衛の面々にどう伝えるか考えた上で報告し、明日以降、どう対応するかを検討することになるだろう。

 

「本当に、なにが起きるか分かりませんね」

「むしろ起こしてる張本人だろうに。どの口がそんなことをいうのやら」

 

やれやれといった風に、頬に手を当て嘆息してみせる鳳灯。そんな彼女に突っ込みの言葉を入れる一刀。

華祐はふたりのやり取りに苦笑を漏らし、呂扶はそんな様を眺めながら、大人しくお茶を飲んでいる。

 

一刀と鳳灯が話を進めていき、華祐が時折口を挟み、呂扶はその傍らで飲み食いをする。

そんな、彼と彼女たちにとって、普段通りの光景が広がっていた。

 

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「結局、雛里はどうするの? あの三人とか、例の書とかは」

「少なくとも、太平要術の書は押さえなきゃ駄目だと思っています」

 

別の誰かの手に渡ってなにか起きる前に、朝廷が保管、または破棄する。

その必要があると、世の平穏を望む鳳灯は考えていた。

ただの旅芸人が、漢王朝を揺るがすほどの騒動を起こせてしまうのだ。

これがなにがしかの意志思想を持つ者が持てば、それこそ世の中が傾くほどのことが起きるかもしれない。

有事の芽は、早々に摘んでおくに越したことはない、と。

 

「俺は話に聞いた程度しか知らないけど。太平要術の書、って、本当にそんなこと出来るの?」

 

普通に考えれば、そんなとんでもないモノが存在することなど信じられない。

しかし彼自身、時間と世界を超えるという不可思議に巻き込まれているのだ。

今であれば、そんなモノもあるのかもしれないなぁ、程度には信じることが出来る。

なにより、世界が違うとはいえ、その書に翻弄された経験を持つ者が目の前にいる。これ以上に説得力のある話もない。

 

その彼女、鳳灯が、噛み砕くようにして説明をする。

 

「私たちがいた"以前の世界"では、黄巾賊鎮圧の際に、"華琳"さんたちが天和さん、つまり張角さんたちを確保しました。

そして、彼女たちの歌や踊りを活用して、兵力の充実を図ったんです」

「それが後世のいう、魏の兵力充実に繋がるわけだ」

「張角さんたちを手に入れた"華琳"さんは、彼女たちの歌や踊りを国威向上に用いました。

活用はしても、悪用されることはなかった。

そういった意味では、"華琳"さんが保護したのは幸いだったのかもしれません」

 

一刀は、うろ覚えな「三国志」の知識と照らし合わせながら、鳳灯の言葉にうなずく。

 

「もし雛里が保護者だったら、どうなってたかね」

「どうでしょう。そのときはまだ、義勇軍でしたから」

 

どうにもならなかったかも、と、鳳灯は笑う。

 

「でも、太平要術の書には興味を持ったでしょうね。

自分だったらどんな内容が書かれているのか。今の私でも、ちょっと見てみたいです」

「危険だな」

「危険ですね」

 

一刀もまた、彼女の言葉を茶化すように笑う。

 

「で、書は最終的にどうなったの?」

「黄巾の戦乱において、失われました。少なくとも、私は見たことがありません」

 

 

 

この世界では、歴史の進み方が大きく異なっている。鳳灯がいう通り、彼女らの経験から得た群雄割拠の知識は、今では参考程度にしかならない。

それでも、有事に際しての選択肢に幅が生まれる。そんな強みはあろう。

事実、こうして太平要術の書の存在を察知出来たのは、なにより"天の知識"のおかげなのだから。

張三姉妹の力を活用するかはともかく、騒動の元を押さえたという意味では、彼女らの経験に沿った流れといえなくもない。

 

黄巾賊による騒乱が落ち着いてきた頃、張角ら三姉妹は改めて旅芸人としての活動を始めようとしていた。

人を集めてしまう歌や踊りをやらなければ問題ないだろう、と考えていた。

彼女らの存在に気付くことが出来なければ、旅をし転々とする先々でまた黄巾賊が蜂起する可能性もあった

だが彼女たちが逃げ延びた幽州には、"天の知識"を持つ関雨がいた。

関雨は、保護という名目で張角らを確保した。現在は、彼女を初めとした幽州軍の下に置かれている。保護とはいっても、実質、監視といっていいものだったが。

 

「まだ、人前で歌わせるのはやめておいた方がいいと思います」

「大っぴらに歌って踊って、っていうのは、黄巾の残党が燻ってるかもしれないから許可出来ないってことか」

「はい。彼女たちの噂が立って、また再集結されると問題になりますし。

冗談ではなく、張角さんたちを奪回するために幽州へ雪崩れ込む、なんて展開になりかねません」

「それでも、制圧するだけならば、今の幽州なら容易いだろう。後々のことを考えれば、それだけでは済まないだろうがな」

 

鳳灯の言葉に、華祐が応える。一刀もまた同様に理解を示し、腕を組みながらうなずいてみせた。

そうか、そうだよな、と、彼はなにやら想像を巡らす。

巡らしたのだが。

 

「……いやな想像しちまった」

「はい?」

「ウチの店で手伝いをしながら、時々歌うくらいならいんじゃないか? って思ったんだけどさ」

 

言葉を切る。深く考えたわけじゃないが、と念を押す。

 

「……今、ありがたいことに、公孫軍の人たちがたくさん店に来てくれるんだよね。

で。考えちゃったわけ。

公孫軍将兵が、ウチの店で彼女らを見て、軒並み黄巾賊みたいに我を忘れて熱狂したらどうなる? ってなことを」

「……想像したくないですね」

「冗談でも、洒落にならんぞそれは」

 

かの白馬義従とそれに連なる将兵たちが、群を成し、まるで黄巾賊のように暴れ回る。

そんな一刀の想像に、勘弁してくれと首を振る、鳳灯と華祐。口にした彼自身も、そんなのは御免だと、心から思う。

 

「恋が吹き飛ばせば、恐怖心かなにかで元に戻るとか、ないかな」

「それは……ないとはいい切れませんけど」

「長く植えつけられたものは、仙術もどきでは払拭できんのかもしれんな」

 

ある意味、物凄く酷い言い草なのだが。

一刀、鳳灯、華祐のそんな言葉にも、呂扶は大した痛痒も見せず悠然としていた。

 

後になって、呂扶に首周りを極められ苦しむ一刀が見受けられたのだが。

それを考えると、彼女もいくらか気を悪くしていたのかもしれない。

 

 

 

それはともかく。

想像はしていたものの、随分と規模が大きい上に掴みどころのない話になり。一刀は溜め息を吐いてしまう。

俺は庶民で一般人のはずなのに、と。

 

「やっぱりあれだね、"天の知識"みたいなモンがあっても、出来ることと出来ないことがあるよ」

「一刀さんは、出来ることの方が多いような気がしますけど」

「いやいや、雛里たちみたいに世に名が知られる、なんてことはありえないね。

基本は、幽州で鍋振るってるだけ。時々は地元のために気張って見せようかなってくらいだよ。

そもそも現状ですら、ありえないほどに恵まれてる状況だし。州牧に知己があるって出来過ぎでしょ」

 

普通に考えれば、どれだけの運が巡って来ているのか、というほどの知己を得ている。

しかも今回は、漢王朝の中枢部分に顔を出すまでになった。おまけに、彼に対する評判評価も悪くはないのである。

 

ここまで来ると、光栄とかありがたいといった気持ちを突き抜け、怖くなってくる。

そんな一刀だった。

高名な面々と顔を合わせるたびに感じていた、気後れするような感覚。それが、洛陽についたこの一日だけで突き抜けてしまった感がある。すすめられた酒をひたすら飲み干していったのも、この感覚からの逃避だったのかもしれない。

 

「いやもう正直、早く洛陽を出たい。さっさと商談を済ませて、幽州に帰りたい。

俺はただの平民なんだよ。小物ですよ? こんな、偉い人しかいないようなところにいるのは場違いだよ」

 

あんまり長居すると、物凄く買い被っている華琳さんに無理難題を吹っかけられる。

その前に逃げるんだ、気疲れで死んでしまう、と。

一刀は本気で口にしていた。

 

「このまま懇意にしてもらえれば、幽州に戻ってもいろいろ役に立つんじゃないのか?」

「それにも程度ってものがある。商売人としては、仲が良くなりすぎるとかえってやりづらくなるし」

「そんなものか」

「そんなものだよ」

 

華祐の疑問にも、淡々と答える一刀。

 

「そもそも、世に名を残すような英雄武将知将と同じ扱いをされるのがおかしい。

俺は吹けば飛んで埋もれちゃうような庶民だから。前の方へ出ることなんてないから」

「その気になれば、色々な意味で洛陽お抱えな人になれそうなのに」

「だから、その気になんてならないの。というか、目立ちたくない」

 

大局で見た世界平和なんて、それが出来る立場の人が考えてくれ。

俺はどうあがいても庶民だ、と、一刀はそういって憚らない。

 

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「私も、出来れば表だって名を残すようなことはしたくないですね」

「え、そうなの?」

 

意外といえば意外な、彼女の言葉に一刀は少し驚く。

 

「そもそもこの世界において、私は在るべき存在ではありませんし。

すでにいる、同じ"自分"に悪いような気持ちも、少しあります。

洛陽に来てから裏方仕事ばかり選んでいたのは、目立ちたくなかったから、かもしれません」

 

改めて考えてみれば、自分の知る未来をどうにか変えようという思いはあっても、それによって名を上げようといった気持ちはまったくない。

遅まきながら、鳳灯は、そんな自分に気がつく。

 

「現状を見る限りでは、反董卓連合が起こる可能性はほぼないと思うんです。

でも他に争いの種が出て来るなら、洛陽にいた方が対処し易いんですよね」

 

いつになったら幽州に帰れるんだろう。

そんなことを漏らしながら、彼女は溜め息を吐く。

 

 

 

都合が悪いわけではないが、華祐もまた、強いて目立ちたいわけではない。

名声云々も、彼女が胸の内の声に従い動いた結果生まれた副産物のようなものだ。

 

「そういう意味なら、私もそうか。

武才を突き詰めていく志はあっても、名を上げようという気持ちは大きくないしな」

「なにいってるんですか。毎日のように、名のある武将や将兵たちをバタバタ薙ぎ倒しているような人が」

 

華祐さん凄く有名になっちゃって、と、鳳灯は、彼女の現状を一刀に吹き込む。大人気だ、と。

いわれ慣れない言葉に気恥ずかしさを覚えたのか。華祐は、ふい、と、横を向いて視線を合わせようとしない。

 

「武を競う相手に困らない、ということでは、洛陽は確かに居心地がいいな。

相手が誰であれ、課題を見つけながら修練を繰り返すのは楽しい」

 

それはそれとして、と、話題を変えるように言葉を重ねる。

 

「とはいえ。雛里と違って、私は洛陽にこだわる必要はないんだな。

……孫堅殿のところに行ってみるのも、ありかもしれん。

"こちら"の孫策がどの程度のものかにも興味があるな」

 

それはそれで楽しそうだ。

面白いことをも思いついたように、彼女は笑みをみせた。

 

「一刀。お前たちは、南に向かう予定だったか?」

「うん、長江に沿って揚州に入るつもりだけど」

 

ふむ……と、華祐は考え込む。

 

「……恋。孫堅殿に会ってみないか?」

 

聞き手に回りっぱなしだった呂扶に、いきなり話が振られる。

お前なら私よりもいい勝負が出来るだろう、というか私がその立会いを見てみたい、ならどういった順路で行くのがいいか。

などなど、華祐は自分の中で勝手に段取りを組んでいく。

もちろん呂扶は、なんのことやらさっぱり分からない。

 

「あ、それなら。明日の報告で方針が決まったら、華祐さんに、袁術さんたちへの言伝役をお願いしますよ。出向くいい理由になるじゃないですか」

「それはありがたいが、いいのか?

というよりも、あいつらに伝える必要があるか? きっとなにもしようとしないぞ」

「いえいえ、ちゃんと伝えたっていう事実が大事なんですよ」

 

これまた酷い内容の会話を交わしながら、華祐と鳳灯はどんどん話を進めていく。

一刀と呂扶は置いてけぼりである。

 

「……孫堅?」

「あー。つまり、強い奴がいるからそいつのところに行ってみようぜ、ってことかな?」

「分かった」

 

一刀の乱暴な解説に、納得がいったと呂扶がうなずく。

 

少しばかり真剣な話をしていたと思うんだが。

と、話題が捻じ曲がり妙な盛り上がりを見せ始めた場を見て、彼はひとり首を傾げる。

一方で、場所が変わっても、鳳灯と華祐のふたりが、楽しそうに過ごしていることが知れてほっとする一刀だった。

 

 

 

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翌朝。鳳灯は早々に、近衛の面々を集める。

幽州から報告があり、漢王朝として対応が必要と判断した。

添えられた言葉、その規模の大きさに驚きながら、誰もが表情を真剣なものにする。

 

先に起こった、黄巾賊による騒乱。

切っ掛けは、領主の悪政。それを拡大させたのは、"太平要術の書"の存在。

前者は、近衛軍が組む新体制の指導によって改善して行けるだろう。

だが後者は、手にしたものが誰であれ不要な諍いを生むとも限らない。

 

出来れば漢王朝の手元に置き、場合によっては破棄すべき。

鳳灯の主張は近衛の将らに受け入れられ、早速各地に調査の手を広げるべし、という指針が決められた。

 

黄巾賊の発生から拡がり方までが確認され、それに沿って書の行方を追いかける。

同時に周辺地域におかしなことがないかの調査を行うべく、細作などの編成の見直しが急務となる。

数は少ないとはいえ、洛陽から逃れた十常侍一派もいる。その探索の手を緩めるわけにもいかないため、効率よく人員を使っていく必要があった。

 

そんな中で。

 

「華琳様」

 

夏侯淵が顔を寄せ、小声で、主に注進する。

鳳灯の報告を聞き、彼女は引っかかるものを感じていた。

 

「青州近辺のことで。桂花からの報告に、気になるところが」

 

武官とはいえ、知能派である夏侯淵の言葉。曹操は先を促す。

 

曰く。

幽州南部で起きた黄巾賊の鎮圧戦以降、戦場となった冀州東北部と青州西部の復興が進められている。

冀州は、州牧たる袁紹が帰還したこともあり、力強いその手腕をもって問題なく行われていた。

一方で青州は、率先して復興の指揮を取れるような人材が不足していた。冀州の復興作業のおこぼれによって、少しずつ手をつけられているといった状況だったらしい。

それがこのところ、復興の速度が驚異的に上がっているという。

冀州の梃入れがあったわけではなく、青州独自にそれは行われているとか。西部を中心として、治安や民の混乱が落ち着き、まとまりを見せている。

 

「数日前の報告によれば、治安が乱れているわけでもなく、むしろよく治まっているそうです。

話だけを聞くならば、いいことだと思うのですが」

「不自然さを、感じるのかしら?」

「はい」

 

曹操は、腕を組み、眉を寄せながら思考に耽る。

 

考えすぎだと一笑に付してもいいだろう。

だが。

黄巾賊を煽っていた三姉妹が逃亡し、その手から書が離れた。

彼女らを追い、徐州、青州、冀州とだんだん北上していった黄巾賊。その道程である青州で、書を拾った者がいたとしたら?

その者が領主に近しい、もしくは義勇軍でもいい、人を指揮する地位にあり書を活用したとしたら?

時期としても、辻褄が合う。

 

だが、推測でしかない。

なにか騒動が起きているとでもいうならば、こういった話し合いの場に持ち出してもいいだろう。

怪しいとは思う。しかし、なにも問題は起きていないのだ。

 

「……さぐりは入れておくべきか」

 

かといって、なにもいわずに無視を通せるほどの些事ではない。そんな予感はある。

なにより、曹操の勘にも、良からぬものとして引っかかる。

 

「もっと詳しく調べさせましょう。現在の領主らとその繋がり、なにか起きたのか、または起きているのか、土地の雰囲気諸々ね」

「はっ」

 

一礼し、夏侯淵は再び主の後方につく。

 

裏ではともかく、表立って話すにはまだ情報が足りない、か。

曹操は考えに耽りながら、軽く頬杖をつき、自らの巻き髪をいじる。

当面にすべきことを頭の中でまとめながら、彼女は、この場が解散するのを待った。

 

 

 

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青州西部・平原。

町を治める領主が新しくなり、緩やかにであるが、民の顔に余裕と笑顔が戻り始めていた。

慣れない治政に頭を捻りながら奮闘し、その結果が町の中に溢れていく。

そんな様を見るにつけ、新米領主は、もっと、もっと頑張ろう、と、想いを新たにしていく。

 

平原の新米領主を補佐する、文官であり軍師でもある臣のひとり。

彼女はどういった経緯からか、一冊の書物を手にしていた。

 

「……なんだろうこの本」

 

彼女の名は、諸葛亮。

知に秀でた彼女も、手にした書が呼び起こすであろう難事について、まだ、想像することは出来ずにいた。

 

 

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・あとがき

年が明けてもペースは相変わらず。

 

槇村です。御機嫌如何。

 

 

 

 

 

新年一回目の投稿です。

ちんたらした牛歩ペースではありますが、よろしければこれからもお付き合いいただけると幸いです。

読む人がいなくなっても、ひとまず最後までは書いてやるぜ。

 

 

 

さて。

今回、後々広がっていくための種をいろいろ蒔いたつもり。

なのですが。

まとまりに欠けるような気がしないでもありません。コレでいいのかーって気持ちが、最後まで拭えないでいた。

それはそれで、これからの展開や内容で巻き返していこうと思ってはいますが。

もっとテンポ良く話が進むよう精進します。

 

 

 

……また王冠がついている。

おまけに見てくれた人の数が半端ないんだけど。

なにがあったんだ……。

 

説明
年明け初の更新だよー。

槇村です。御機嫌如何。



これは『真・恋姫無双』の二次創作小説(SS)です。
『萌将伝』に関連する4人をフィーチャーしたお話。
簡単にいうと、愛紗・雛里・恋・華雄の四人が外史に跳ばされてさぁ大変、というストーリー。
ちなみに作中の彼女たちは偽名を使って世を忍んでいます。漢字の間違いじゃないのでよろしく。(七話参照のこと)

感想・ご意見及びご批評などありましたら大歓迎。ばしばし書き込んでいただけると槇村が喜びます。
少しでも楽しんでいただければコレ幸い。
また「Arcadia」「小説家になろう」にも同内容のものを投稿しております。

それではどうぞ。
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コメント
三回連続で王冠をいただきました。すげぇ。皆様ありがとうございます。 でもこれから地味な展開も挟むから、ここでストップすると思う(笑)(makimura)
陸奥守さま>書そのものの認知度って、どうなんでしょうね。まぁこのお話の中では、華琳さんたちがむしろ認知度を上げている気がしますが。(makimura)
アルヤさま>でも正直な話、ソッチ方面に進めた方が早く完結すると思うぜ?(笑)(makimura)
通り(ry の名無しさま>だからやめろ(笑) 俺の中でこれ以上ネタを熟成させるな(笑)(makimura)
黒乃真白さま>書に対する考え方次第で、いくらでもお話を掻き回せるんですよね。舵取りが難しいです、書き手的な意味で。(makimura)
summonさま>「まずは私を倒していけ」って感じで、恋さんが立ち塞がりますきっと。 ……無理だろ。(makimura)
アロンアルファさま>確かに、愛紗さんはむしろストッパー役でしょう。本当に不憫な人だ(笑)(makimura)
anngetuutekiさま>まだ始まってもいねぇよ(笑)(makimura)
jonmanjirouhyouryukiさま>捉え方は様々ありましょうが、槇村は、桃香さんアンチにするつもりはありません。展開上役回りが損なところは否めませんが(笑)(makimura)
となりのヒトヤさま>やめろ、ネタを思いついちゃっただろ(笑)(makimura)
シグシグさま>恋vs恋は書こうと思ったんだけど、先に進めることにしました。vs孫堅は書くつもりです。(makimura)
骸骨さま>んー、“神視点”ではなく“人視点”でみれば、案外誰でも使っちゃう気がするんですけど槇村は。どうだろうか。(makimura)
大ちゃんさま>このお話の、ターニングポイント。さてさて、どうなるかお楽しみに。(makimura)
槇村です。御機嫌如何。書き込みありがとうございます。(makimura)
太平要術の書はどこの勢力に渡っても危険なんだけれどね。朱里は一応博識という設定なのだから太平要術の書の事を知っていても可笑しくないと思いますが。(陸奥守)
思わせぶりなことを書いておきながら実はただの801とか言うオチなら・・・・・・(アルヤ)
大陸が八百一で満ちるのか・・・・・・この外史は滅ぶっ!www(通り(ry の七篠権兵衛)
一刀には強く生きて欲しい。が、しかし劉備軍に太平要術の書とは……これはもうダメかも分からんね(黒乃真白)
一刀さんの気持ちもわかる気がしますね。華琳さまやらが認めてくれるかは別として…(summon)
↓『桃香と愛紗が〜』と言うより、『桃香と鈴々』な気がする。ある意味駄面子な軍団に渡っちゃったorz死亡フラグwww(アロンアルファ)
劉備オワタwwwかな?(anngetuuteki)
案外朱理が持ったら大陸中が801大好きになるとか(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
恋vs恋や恋vs孫堅の夢の一騎打ちがあるのか楽しみですね。朱里は太平要術の書をどう使うのか・・・桃香の魅力を倍増させるのか?朱里のカミカミによる萌えによってファンクラブ結成なのか?太平要術の書による騒乱がどうなるか楽しみですね。(シグシグ)
朱里の手に渡ったのか・・・桃香や愛紗が知ったら深く考えずに使いそう(量産型第一次強化式骸骨)
孔明に太平要術の書はマズイ・・・黄巾党より酷い事態になりそうだ (大ちゃん)
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