真・恋姫?無双 新たな外史を創る者達(改正版) 六話
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黄巾党の乱

 

史実では皇甫嵩が広宗で黄巾軍を奇襲によって破り張梁を斬り、病死していた張角の死体を晒し、鉅鹿太守の郭典と共に、曲陽にて張宝を打ち破り斬った。

このことにより収束に向かう事件だ。

それがこちらの世界でも起こった。

そして、黄巾党を討てと言う命を漢王朝から。

 

「さて、黄巾党を討伐せよと言う命が来た。

俺達はそれに従い黄巾党を討伐する」

 

俺はそう言って段下に居る将達の様子を見る。

特に動揺は無いらしい。

まぁ、ある訳無いのだがな……

 

「ところで……何でお前はここに居るんだ?風」

 

「……ぐぅ」

 

「寝るな」

 

「おおっ!単刀直入な質問をされたので睡魔が襲って来たのですよ〜」

 

「稟は良いのか?多分あいつ寂しがってるぞ?

案外寂しがり屋だから」

 

「お互いに納得しての選択ですから大丈夫なのですよ〜」

 

「そうか……」

 

俺は一瞬だけ……一瞬だけ風が寂しそうな顔をしたのを見逃さなかった。

でも、彼女達が決めたことならば指摘はしまいと決めて俺は軍議を続ける。

 

「風と白は出撃の準備をしておいてくれ」

 

「はい」

「分かりました〜」

 

「一刀様〜私は〜?」

 

「黒は………………寝ててくれ」

 

「酷くない!?私にだって出来ることあるよ!」

 

「それでは解散!」

 

「無視しないでよ!」

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黄巾党の砦の前

 

「さて、敵の戦力は二千に対しこちらの戦力は千五百……

相手の方が数が多い上に相手は籠城している。

こちらとしてはやりにくいが……」

 

「こっちには龍の白ちゃんと黒ちゃんが居ますからね〜。

風は眠れるのですよ〜」

 

まさか、こいつ……そんな理由でここに来たんじゃないだろうな?

そうだとしたら少しショックだぞ……

 

「一応言っておきますがお兄さんの所に来たのは眠れるからではないのでご安心を〜」

 

「心を読むな」

 

風はあれか?妖術に手を染めたのか?

 

「染めてませんよ〜」

 

「もうお前染めてるだろ。じゃなきゃ心を読めることをどうやって説明するんだ」

 

「さぁ?」

 

「さぁ?じゃねえよ」

 

俺がそう言いながら風の頭を軽く叩いていると

 

「一刀様、全部隊の展開が完了しました」

 

白がそう言って俺に報告してくれた。

因みに黒は馬の上で寝ている。

最初白が咎めたが『一刀様が寝てろって言ったんだもん』そう言った。

実際俺が言ったことなので咎めることはしなかった。

白に相当睨まれていたが……

 

「黒を俺の命令だと言って起こしてくれ。

その後俺の口上が終わったら敵の砦を攻めろ」

 

「お兄さん、お兄さん、ちょっと待って欲しいのです」

 

「風、何か策でもあるのか?」

 

「はい、まず、砦を襲うのは白ちゃんか黒ちゃんのどちらかにして敵を砦から追い出します。

そして、こちらがもう一方の龍と共に賊を襲えば効率良く敵を倒せると思います〜」

 

「挟み撃ちか……って、それって相当ひどくないか?」

 

風の作戦は一度安心させてから絶望に落とす様な策だ。

 

「そうかもしれませんが……こちらの損害が少なくなりますし……

仕方無いのですよ」

 

「そうか……ならその策を採用しよう」

 

風は俺が傷付かない策を取ってくれたのだろう。

味方があまり死なない策を……

風は何だかんだ言って優しい子だからな。

 

「風、ありがとう」

 

「いえいえ〜」

 

俺は少し風の頭を撫でた後全部隊の前に出る。

そして少し息を吸った後前を見る。

兵士達の視線が全て俺に集中し俺の緊張感が一気に最大限まで膨れ上がる。

桃香や華琳、それに雪蓮はこれに耐えて兵を鼓舞していた。

やはり、彼女達の覚悟はそれだけ大きかったのだろう。

俺もここに立ったのであれば覚悟をしなければならない。

戦場で戦う覚悟を、そして……戦場で死ぬ覚悟を……

俺は覚悟を決めてこう号令した。

 

「聞け!我が同胞達よ!我らの相手は我らが愛する民を蹂躙する獣達だ!

我らが負ければ我らの愛する者達は蹂躙されてしまう。

守りたくば獣共を皆殺しにせよ!

情をかけることは禁ずる!

情をかければそれは恩としてではなく仇となって帰ってくる!

全軍、突撃せよ!」

 

俺の号令で全ての兵が賊に向かって突撃を開始した。

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第三者視点

 

敵は風が考えた策で混乱していた。

 

「りゅ、龍が二頭も居る!もう駄目だ!」

「誰か助けてくれ!」

「もう賊なんてやめるから殺さないでくれ!」

 

そんな賊達の命乞いも一刀や龍や兵達は聞き届けず武器を振い続ける。

 

「……慣れないものだな。人を殺すと言うことは……」

 

賊を斬りながら一刀はそう呟いた。

一刀が殺した人数は今回の戦を除いて3000を超えている。

それでも、一刀は人を殺す時にほんの少し躊躇する。

それでは駄目だと周りから言われるが一刀は常にこう返している。

『その躊躇が無くなった瞬間俺は殺し屋から殺人鬼に変わってしまう』

 

「今はまだ躊躇がある。大丈夫だ……」

 

一刀はそう呟きながら刀を振い続けた。

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一刀side

 

戦が終わった後俺は本陣に戻った。

 

「お兄さん、大丈夫ですか?」

 

本陣に戻った後風は珍しく心配した様な顔で俺にそう尋ねて来た。

 

「大丈夫だ。怪我はしてない」

 

「そういうことを聞いてるんじゃないんです!」

 

風は珍しく声を荒げた。

風が声を荒げたことに驚き白や黒、その他の者達は風を見ている。

 

「本当に大丈夫だ。安心してくれ」

 

「……本当ですか?」

 

「ああ、本当だ」

 

「……なら、信用します」

 

「風」

 

「何ですか?」

 

「俺はこれからいつまでも戦に出て戦う」

 

「!」

 

優しい風には酷なことを言っているかもしれない。

戦が起こるたびに心配しろと言っている様なものなのだから……

でも……

 

「戦える力を持ったから。

俺は常に戦に出て戦いたい。

民の為に、愛する者達の為に……

でも、いつか挫折する日が来るかもしれない。

そんな時は……」

 

俺はそう言いながら風に手を差し出す。

 

「俺を支えてくれ」

 

これから先、俺一人で何でも出来るとは思わない。

だから、俺が愛する風に支えて欲しい。

 

「勿論なのです」

 

風は微笑んで俺の手を握ってくれた。

すると、そこに二つの手が重なった。

 

「一刀様、私も一刀様を支えるよ」

 

一つはいつも調子に乗りながらも優しい黒。

 

「私もです。一刀様が立派な龍帝になれるように。

それに人の王としても立派な方になれるように支えていきます」

 

もう一つは真面目で俺に対し忠誠を誓ってくれている白。

 

「……これからの道は長い。

最後まで頼むぞ」

 

「「「はい!」」」

 

三人は俺に微笑みかけてくれた。

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後書き

 

強引な展開でしたね……

それでは『寂しがり屋の女の子の為に……』を書き直してきます。

また、次回に。

説明
六話目投稿します。
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コメント
更新まだかなぁ。(ケフカ・パラッツォ)
更新待っとります!(ポンチキ)
更新待ってます!!!!!!(迷い猫@翔)
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