【グリザイアの果実SS】 ?本物と偽物のツンデレ? |
雄二「頼む、榊」
榊「…………」
雄二「大丈夫だ。ちょっとエッチなポーズをして水着を付けてくれるだけで良いんだ」
榊「…………」
カチカチカチカチ。
雄二「む、そのカッターの音で承諾してくれたという解釈で良いんだな」
ビュ。先ほどまで俺の頭があった位置をカッターナイフが通過する。
雄二「そんなに手を振り回すほど喜んでくれたか」
ビュビュビュ!
雄二「よし、任せたぞ榊。今週日曜日の13時だからな。絶対遅れるなよ」
榊「……あなたねえ!」
雄二「ん。水着を選んで欲しいのか? 悪いが俺はこの後榊から借りた本を見るから無理だ」
ビュビュビュビュビュビュ!
素人にしては悪くない……と言いたいが、振りが大きすぎる。
天音「ちょ……雄二、何してるの!?」
榊「周防さん。この変態押さえ付けて」
天音「はあ?」
雄二「天音。榊に水着を着せさせるの手伝ってくれ」
榊「……っ!」
天音「あー、はいはい。日曜日のミスコンの件ね」
榊「ミスコン?」
む。言ってなかったか。
雄二「実は今度の日曜日にミスコンがあって、そこに榊に参加してほしいんだ」
榊「……なんでアナタはそういうことを先に言わないの?」
雄二「言ったら言ったで「なぜわたしが?」しか言わないだろ」
榊「………………」
天音「ほらほら、雄二。ちょっとあんた強引すぎなのよ」
榊「部屋に戻るわ」
天音「あー、でもダメかな。今週の日曜日予定とかある?」
榊「予定も何も、なぜわたしがそんなものに出るのよ」
雄二「なぜわたしが。一回目」
ビュビュビュ!!
天音「あはは……えっと。今度のミスコンで優勝したらマグローマンの超特大ロボがもらえるのよ」
榊「…………」
わかるぞ榊。マグロなのにロボという不可解な設定に理解できないのだろう。
天音「それね。蒔菜がすっごい欲しがってるものなんで、できれば榊さんに参加してほしいなー、なんて……」
榊「だから、なぜわたしが?」
雄二「なぜわたしが。二回目」
ビュビュビュビュビュビュ!!
天音「それは……えーと……」
雄二「天音が……!」
と口を開いたところで天音から強い視線を感じた。
天音(天音が日曜日行けないから、じゃなくて周防さんを持ち上げるの)
雄二「……」
天音(女の子はそういうものなの!)
なるほどな。その範囲に関しては俺はまだ教養が無い。
よし。
ならば素直に天音の言うことを聞いておくか。
榊「天音さんが……なに?」
雄二「いや、天音がいると言いにくいんだが。俺は榊の水着姿が見たい」
榊「……」
天音「ぶーーーーーーーー!」
雄二「おい汚いぞ天音。蒔菜が真似したらどうする」
榊「あなた……本気なの」
雄二「俺はいつでも本気だ。いつでも本気だし、いつでも手を抜かない」
榊「……」
カッターナイフを避けるのだって、見え見えとはいえ一歩間違えれば大けがに繋がりかねない。
俺はどんな状況下でも油断もしなければ相手を見下さない。うむ。真実だ。
榊「……なんでわたしなの?」
雄二「蒔菜が喜ぶ顔が見たい。榊なら簡単にミスコンを優勝できる。そして何より単純に俺が榊に好意を抱いているからだ」
榊「…………………………っ!」
む、顔が赤いな。熱か?
雄二「なんでわたしなの。三回目だ。俺はもっとスタイル抜群の榊に自信を持って欲しい」
榊「…………………」
天音「……雄二、それはさすがに、」
榊「あ、あぁ、そう……」
なるほど。流石天音だ。言われたことをやるだけであんなに嫌がっていた榊がここまで見事に屈服するとは。
榊「じ、時間があったら行ってあげなくもないわ」
雄二「そうか。では頼む。俺は榊が好きだからずっと待っている」
榊「…………っ!」
バタン。
天音「雄二。アンタねえ………!」
雄二「流石自称クソビッチだ。女という生物をよく理解している」
天音「誰がクソビッチだごらあ! 私は処女だ!」
ガチャ。
みちる「ねー、みんな海行くのー?」
雄二「む? 覚えは無いな」
天音「うん。あたしも。どうしたの?」
みちる「いや由美子がね。この辺で水着売ってる店ないかー? って聞いてきたから」
雄二「……」
天音「……」
みちる「ねー、海行くんでしょ。行くんだろー。でもいいわよ。私も行ってあげないことないんだから」
雄二「みちるよ」
みちる「なに?」
雄二「お前がうそツンデレであるというのがよく理解できた」
みちる「なによそれー!」
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