そらのおとしもの 名探偵(?)桜井智樹 |
ある日の学校でのこと。
「私の下着がないわーーーーーーー!!」
「私もよ!」
突如女子更衣室から下着がなくなったとの悲鳴が聞こえる。
『桜井ーーーーーーーーー!!』
女子更衣室にいた女子全員が智樹の教室に走って来る。
「な、なんだ!?」
「あんたでしょ! 返しなさい!」
「返しなさいって何を?」
「何をって下着に決まってるでしょ! 返しなさい!」
女子全員が智樹に詰め寄る。
「そんなこと言ったって俺は盗ってないぞ……」
「嘘つくなーーーーーーーー!!」
智樹は女子全員にボコボコにされた。
しかし下着は返ってこなかった。
「桜井、いい加減にしなさい」
「だから俺は盗ってないって〜」
「とりあえず今日はこのくらいにしてあげるわ。でも絶対下着取り返してやるんだからね!」
女子達はその場を去っていった。
「くそ〜、俺じゃないの……」
「マスター」
イカロスが声をかけようとしたら……。
「こうなったら俺が真犯人を探し出してやるぜ!」
そう言いながら智樹は教室を出て行った。
「マスター」
「好きにやらせたら?」
寂しく思うイカロスとどうしようもないと思うニンフであった。
そらのおとしもの 名探偵(?)桜井智樹
智樹は探偵な格好する。
「智ちゃん、本当に探すの?」
「当たり前だろ! 俺はやってないんだから…」
「だが学校中の人間は皆智樹を犯人だと思っているぞ」
「女子だけじゃなくて男子に先生達もね〜」
そはら、守形、美香子もなんやかんやで疑っていたりする。
「でもあんたじゃないとしたら誰なのよ?」
アストレアが尋ねた。
「それを見つけるんだよ! 行くぞ!」
智樹は新大陸発見部の部屋から出て行った。
「マスター…」
「とりあえず待ってよ智ちゃ〜〜〜ん」
そはらにアストレアも智樹の後を追っていった。
智樹はひとまず女子更衣室に入ろうとしていた。
「智ちゃん、ストップ!」
智樹が女子更衣室に入ろうとするのをそはらが止める。
「智ちゃんはここで待ってて! 私とアストレアさんが見てくるから」
「え〜、けどな……」
「「いいから待ってて!!」」
二人が恐ろしい形相で智樹を睨む。
「は、はい…」
智樹は身の危険を感じ、女子更衣室を二人に任せた。
「それじゃあ俺はその辺りでも見てみるか」
女子更衣室の周りに何かヒントを得られるものが無いかと智樹は見て回った。
しかしヒントとなりそうなものが何一つ見つからなかった。
「くそ〜、全然見つからねえ」
「智ちゃん」
女子更衣室からそはらとアストレアが出てくる。
「そはら、アストレア、何か見つかったか?」
「それが……」
「何にもなかった」
「くそ〜、どうすればいいんだ……」
智樹が悩んでいたら……。
「にゃ〜」
窓の外に猫がいた。
「あの猫……」
「どうしたんだ?」
「あの猫、さっき私達が女子更衣室で探してた時、ずっと私達の方見てたの」
「あの猫……何かあるな!」
智樹の大声を聞いたためか猫は逃げ出そうとする。
「逃げる気か! 待て!」
智樹は猫を追いかけた。
「あの猫、本当に何かあるのかな?」
「さあ?」
猫を追う智樹を止めなかったそはらとアストレア。
「待て待てーーーーーー!!」
逃げる猫を追う智樹。
猫は窓からどこかの部屋に入り込む。
「逃がすか!」
智樹も猫が入った窓からその部屋に入る。
その部屋は……。
『きゃあああああ!!!』
入り込んだのは女子トイレ。
しかも何人かの女子はトイレの外にいたため、智樹の侵入を見て悲鳴をあげる。
「ちょっ! まっ……」
智樹は弁明の機会を与えられないままボコボコにされた。
猫はその様子を見てあざ笑うかのように去ろうとする。
「待ちやがれ!」
智樹はボコボコにされながらも猫の後を追う。
「待ちなさい! 桜井!」
女子トイレにいた女子達も智樹の後を追う。
『待てーーーーーーーーーー!!』
猫の後ろには智樹、智樹の後ろには女子達と並ぶように走る。
猫は開いていた扉からどこかの教室へと入っていった。
「今度こそ!」
智樹がその教室に入るとそこには体育の時間で着替えようとしていた女子達がいた。
『きゃああああああああ!!』
女子達は入って来た智樹に向かってあらゆるものを投げつける。
その投げられたものは見事に智樹にのみに当たる。
「ぐえ! へぶっ! まだまだ!」
智樹は教室から逃げて行った猫を追う。
『待ちなさーーーーーい!』
着替えていた女子達も智樹の後を追っていった。
そんな繰り返しが3回ほど行われ、学校の女子のほとんどが智樹の後を追っていた。
「なんだか騒がしいわね」
美香子が騒がしいとつぶやく。
「?」
ニンフが新大陸発見部の部室の扉を開くと目の前には一匹の猫とそれを追う智樹、そして智樹の後を追う女子達がいた。
「何よこれ!? きゃ!」
猫がニンフに飛びかかる。
「そこだーーーーーーー!!」
猫に飛びかかるように智樹も飛び、ニンフと接触事故を起こす。
「きゃっ!」
「捕まえたぞーーーーーーーーーー!!」
智樹は猫を捕まえ、高らかに猫を上げる。
「ようやく止まったわね、桜井…」
「へ?」
智樹は気が付くと女子達に囲まれていた。
「覚悟は出来てるわよね?」
「か、覚悟ってなんの……」
『問答無用ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!」
智樹は学校中の女子達にボコボコにされた。
女子達は智樹をボコボコにしてすっきりしたのかその場を去っていった。
智樹は捕まえていた猫を手放していた。
「大丈夫ですか? マスター」
イカロスがボロボロになった智樹を介抱する。
「くそー、あの猫め……」
「あの、マスター」
「なんだ?」
「更衣室のことなら時間を戻せば犯人はすぐに分かります」
「へ?」
イカロスが一枚のカードを取りだす。
「これは一時的に一部の空間の時間を戻すものです」
「そんなのあるんだったら早く出して!」
「ですが……」
「お前がイカロスの話を聞かずに出て行ったんだろ」
そこに秋山もやって来た。
「てかそんなことならイカロスだけじゃなくて俺に言えばいいだろ」
「ほぅ、秋山、お前にそんな能力があるのか?」
守形が興味を持って秋山に尋ねる。
「まあ人様の能力を二つ使うんだけどな。一つはイカロスが解消してくれるだろ。
とりあえず女子更衣室行こうぜ」
ひとまず智樹達一同は女子更衣室を訪れた。
「それじゃあイカロス、やってくれ」
「はい」
イカロスがカードを起動させると、そこには幻影ではあるものの時間が戻されていき、先ほど女子更衣室を調べていたそはらとアストレアが映し出される。
「これさっきの私達だ」
「もっと前だな」
次に替えの下着がなくなっているとわめく女子達が映し出される。
「もう少しだ……」
もう少し時間を戻してみると一人の怪しい男が窓から女子更衣室に侵入し、下着を盗んでいた。
「こいつか……」
「知らん顔だな。そもそもこの学校の関係者じゃないようだな」
「泥棒?」
「下着専門のか。ま、いいさ。次は俺がやってやるか」
秋山はそう言うと体から何かを召喚した。
すると秋山の横には奇妙な人型が現れた。
「何よ、その気味悪いの……」
「人様の能力『ハイウェイ・スター』。こいつは特定の匂いを嗅いでその人物がどこにいるのかを探ることが出来るスタンドだ。
必要であればその人物の養分を吸い取り、動けなくさせることも可能だ」
「スタンド?」
「本当ならスタンドは人には見えん。同じスタンド使いでもない限りな。例外はいくつかあるが、俺はお前達に見えるように完全な具現化をさせてるんだがな」
「それでそいつはどうするの?」
「さっきも言ったように匂いをかがせる。こいつの鼻は犬以上だ、すぐに見つけられる」
秋山はそう言ってハイウェイ・スターに匂いをかがせた。
「よし、それじゃあGO!」
秋山はハイウェイ・スターを行かせてみた。
「形が変わった!?」
「追跡するときは素早く動くために体を分割させる。その時形は足のものになるし、時速100q。おまけに対象から離れすぎると対象から一定の距離で現れるぞ」
「随分怖いわね」
するとハイウェイ・スターは学校の中の方へと進んでいった。
「学校にいるようだな」
秋山達がハイウェイ・スターを追って学校の方に進むと……。
「ぎゃああああああああ!!」
「この叫び声、捕まえたな!」
「ニンフ、どこか分かるか?」
「え〜と……この上よ!」
智樹達が上の階に行き、ある場所にたどり着く。
「ここって……」
そこは女子トイレであった。
「またか……」
「とりあえず俺達も入るぞ。さすがに文句は言わせないぜ」
秋山達が女子トイレに入り、閉まっている扉が一つあるのを発見する。
「ここだ」
秋山達が扉を無理矢理こじ開けるとそこには猫と一緒にハイウェイ・スターに襲われていた下着ドロがいた。
「いた!」
「あ! この猫は!」
「猫……そう言えばさっきの映像でもいたな。
どうやらこの猫、この泥棒の下見役だったようだな」
こうして下着ドロとその相棒の猫は警察に引き出され、下着は全部盗まれた女子達に返された。
「で、俺に言わなきゃいけないことは?」
智樹は自分に疑いをかけた女子達を集めて謝らせようとしていた。
「そりゃあ、疑って悪かったけど……」
「桜井の日頃の行いが悪いからでしょ!」
女子達は謝ろうにも疑った元々の原因として智樹の日頃の行いだと言って素直に謝ろうとしない。
「まあそれは否定できんな」
「桜井君はいつもエッチなことをしてるからね〜」
「そうだよ、智ちゃん!」
「お前らどっちの味方だ!?」
守形、美香子、そはらも助けてくれそうにない。
「皆の言うとおりでしょ」
「ニンフまで!」
「イカロス! 皆を謝らせる方法はないのか!?」
「そのようなカードはありません」
「そんな〜、秋山!」
「俺がそんなことすると思うか?」
「出来るんだな!?」
「出来るけどしない。俺、帰るわ」
そう言って秋山は帰っていった。
「俺は……どうすればいいんだーーーーーーーーーー!!!?」
結局智樹は皆を謝らせることは出来なかったとさ。
「ちょっと! 私には聞かないの!?」
アストレアが智樹に怒鳴りこむ。
「だってお前、バ〜カだし〜」
ごもっともであった。
終わり
おまけ
作者「俺からのお知らせです。
最近、ネタが妙に思いつかない(一応5つほどストックはあるけど)からしばらくは投稿しないつもりです。
しかしそうはいっても気分次第やネタが出来たらネタストックを増やして、それから投稿する可能性はありますが、基本的にはしばらくは投稿しないという考えでお願いします。
期限は決めてませんが、可能な限り早く戻ってきます。(とはいっても来週には何事もなく投稿される可能性あり)
それでは…」
説明 | ||
今回ふと思ってやってみたいと思って書いた作品です。(アニメオリジナルでありそうな展開かもです) またこの小説には作者の分身とも言えるオリジナルキャラクター(秋山総司郎)も出てきます。 追記 こちらの手違いで同じ作品を2つ投稿していたようです。 深くお詫び申し上げます。 |
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コメント | ||
名探偵ならぬ迷探偵ですねぇ。トモ坊はもう少し日々の生活を改めるか、いっそ開き直るしかないかもしれません。(tk) 智樹が探偵として役に立っていない所に、彼の作中における重要な役割を見た気がします(枡久野恭(ますくのきょー)) |
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