真・恋姫無双〜散りゆく乙女たち〜
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彼女は夢を見た

 

満開の桜が咲いていた

 

そして、そこには二人の乙女が笑顔で微笑んでいた

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白帝城。

劉備は己の死期が近い事を悟って諸葛亮を呼んだ。

「朱里ちゃん……私の最後のお願いを聞いてくれる?」

衰弱しきった劉備の手を握りながら諸葛亮は首を横に振った。

「何を弱気な事を言うのです桃香様。すぐに元気になります」

誰が聞いても気休めにしかならない言葉。しかし、それで元気になるなら越したことはないと思うばかりに諸葛亮は願うが、劉備自身は笑顔で拒んだ。

「ううん……もう、いいの朱里ちゃん。自分の体は自分でわかっているの……。だから……ね?」

悲しい瞳で見つめてくる劉備に諸葛亮は何も言えず、ただ頷いた。

「あのね、蜀の未来は貴方に託したいの……」

「っ!?」

それは驚きの遺言だった。

「何を言っているのですか! そんな事、私……」

「小蓮じゃ、駄目なの……。きっと国を滅ぼしてしまうわ」

残酷な切捨て。彼女は家族となった義娘の存在を否定したのだ。

「そんな事をありません! 小蓮様はきっと……」

「もう小蓮にも承諾させているし、貴方の知らない所で話は進んでいるわ」

「……桃香様」

劉備は悲しむ諸葛亮を他所に目を閉じた。

「ごめんね朱里ちゃん……でも……きっと……これ―――で」

そして、劉備は永遠の眠りについた。

「桃香様……」

呉との戦い以後、諸葛亮の意見を無視した劉備は最後まで己の主張を通して死ぬだった。

 

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洛陽。

「諸葛亮が蜀の皇帝になっただと!?」

劉備の死を喜ぶ暇なく北郷に問題が起こる。

「劉禅はどうしたんだ?」

「それが……劉備の死んだ後に数日後に」

「ちっ……偽者は何に立たなかったか」

「どういたしましょう?」

北郷は兵士に笑みを見せた。

「問題ないさ。歴史は決して変わらない。決してな……」

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――――舞台は終焉へ

説明
最終話
『乙女の遺言』
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