どこにでもいる高校生の徒然なる日々 1 |
???「ほら、朝よ!早く起きなさい!」
母親がシャッとカーテンが引かれて、窓から朝日が差し込んでくる。
その眩しさを避けようと布団を深く被ろうとして、
母「今日から新学期でしょ!遅刻したいの!?」
と、引っぺがされた。
???「う〜・・・起きた、起きたから大丈夫だって・・・。」
天気の良さとそれによる気温の心地よさと眠気がマッチしているこの至福の時をもう少し堪能したいんだが・・・。
そんな心情を読み取られたのか、
母「二度寝なんかしたら大変なことになるからね?」
実にイイ笑顔で言われた。布団の温もりが一気に消し飛んだ。
朝からなんでこんなに背筋が冷たいのか。おかげで眠気は完全に吹っ飛んだよ!
???「完全に目が覚めましたので大丈夫であります、サー!」
母「なら早く支度してご飯食べなさい。」
母はそう言って部屋から出て行った。
実に幸先の悪い展開と思った俺はきっと悪くない、悪くないよ・・・ね?
俺こと「折沢 祐也」は、今年から高校2年生となったごく普通の一般人だ。
家族は母と姉が1人。父親はもう顔も思い出せないが、小さいころに離婚して家を出て行った。理由は父親の浮気だとか。
母子家庭という境遇で育つと普通は性格が荒れそうなものだが、不貞腐れる訳でもなく、真っ当に育ったんじゃないかと思う。代償は姉が男勝りな部分と、男1人という肩身の狭さだろうか。男女平等の世界の縮図が我が家なんじゃないかと思ったことがあったりする。
祐也「さてと、サッサと準備しないとまた怒られるな。」
始業式ということで、教科書はほぼ必要ないのでカバンが軽くて楽だ。せいぜいが筆記用具くらい入れとけばいいかね。
あとは寝癖を直すために洗面所へ。癖毛ではないのだが、髪質が柔らかいせいか寝癖がつき易いらしい。手入れとかはあまりしない。ぶっちゃけてしまえば面倒くさいし。
そんなわけで洗面所に到着した。
???「ん、祐也おはよう。」
祐也「姉さんか、おはよう。」
「折沢 彩子」もとい、俺の姉さんがいた。
男勝りというのはさっき言ったが、ショーットカットがお気に入りで他の髪型を見たことがなく、ボーイッシュである。
祐也「寝癖直したいから洗面台譲ってくれ。」
彩子「あんたより私のが時間かかるから先にご飯食べてから来な。」
祐也「あとやること何があんだよ?」
彩子「女は時間がかかるものってことくらい判れ。」
姉というより兄かと思わせる言葉遣いである。ていうか、これじゃ姉(ねえ)さんというより、姉(あね)さんと呼んだほうがしっくりくる。
ちなみに姉さんはどちらかというと苦手な相手だ。
母親が仕事で夜遅くに帰ってくる時はよく夕飯を作ってくれていたのだが、そのご飯が大抵リゾットのようなおじやのような、よく分からない創作料理を出してきて「適当に作ってみた」と食わせようとしたり、気まぐれで、「ぶん投げていい?」と言ってジャイアントスウィングをしようとしてきたり、何ていうか、女性とか姉とか言い辛いキャラなのである。小さいころに掛けられた足四の字固めの痛みは二度と味わいたくない思い出である。
仕方ないので、先に朝食を取る事にした。
献立は和食のが多いのがうちの食卓である。母曰く、「パンより経済的」だそうだ。
今日は、ご飯と大根と揚げの味噌汁、焼き鮭にほうれん草のおひたしと納豆。父親が大阪生まれだそうで、納豆を食べていた記憶(小さすぎて見たのを覚えてないかもしれないが)がないので、その反動か何か知らないが、朝食に出てくる頻度が結構高い。ちなみにゴマと刻みネギと卵入りである。
祐也「頂きます、と。」
ご飯の真ん中に穴を作ってそこに納豆を投下。卵入りなのでそうしないと茶碗からこぼれるのでそれ対策だ。
こぼさないようにご飯とかき混ぜてかきこむ。うむ。いつもと変わらん。
味噌汁は煮干で出汁を取ってあるが、煮干を取り出さずにそのまま具にしてあるのが我が家のやり方。「カルシウム取れるから」だそうだ。
まだ熱いので、具をつまみつつ、鮭とおひたしに手を伸ばす。
特に何か特別なことはないので、この2品については省略。いや、説明っても焼いただけとほうれん草を茹でて鰹節と醤油がかかってるだけだし。あ、これ説明か。
いってきまーす、と母の声が聞こえた。
それぞれが家を出る時間が違うため、朝食を一緒に食べるということがほとんどない。昨今の家庭状況じゃよそも結構似たようなものじゃないかなーとは思うけど。
遅れて姉さんが支度を終えたらしく出てきたので、入れ替わりで寝癖を直しにいく。朝食は当然食い終わってるから安心しろ。ちなみに食べたのは俺が最後だったので、食器は水に漬けてある。
食べ残しとかもったいない派なので皿は全て綺麗にしてあるから楽だしそのくらいは、ねぇ。
続いて姉さんが家を出た気配がした。母がいるときゃ何か言うが俺だけの時は基本何も言わない。これもいつものことだ。
というか皆出たから時間もあんまりないな。寝癖はお湯をつけりゃ直るからさっさとやっちまおう。
俺が通っている学校は私服登校が認められている。一応制服もあるらしいが、少なくとも俺は一度もお目にかかったことがない。そこに釣られてある意味受験した部分もないわけじゃないけど。
だから服も気軽に準備できる。中学のときは制服があったが、予備が少ないため色々と面倒なことがあったから本当に楽だなぁ。
男の着替えの説明?いや、知りたいやついないだろ・・・。カットカット。
祐也「さてと、いってきまーす、と。」
誰もいなくなった家に挨拶して学校へ向かう。
今年1年は一体どんなことになるのかねぇ。
1話目とは言え結構短いかも。長編を書くのは初めてというわけではないですが、投稿する場所でそう見えるのかも?(昔ブログで2次創作で作ってたことがあったり)
そんなわけで、短編連作か連載タイプかまだ未確定だったりしますが、やっていきたいと思います。
ちなみに話の内容ですが半フィクションです。基本経験から何かを書くのがやりやすいもので。
投稿は不定期だと思いますが、良ければ読んでいってください。
説明 | ||
オリジナル小説ですが、連載できるものを書いてみようと思ったので投稿してみました。 稚拙ですが、良ければ読んでいってください。 |
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