Monthly Hero 誌上飲み会 「タイガーに怒られ隊」
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今回は飲み会開始前にヒーローの出動があって、開始時間が遅れてしまいました。出動後なのに疲れた様子も見せずに来てくれたのはT&Bのお二人と、折紙サイクロンです! いつも以上にカオスな飲み会の模様をお届けします!

 

ワイルドタイガー(以下「T」)「いやー、悪い悪い、待たせちまって!」

編集長ウラジーミル・バラノフスキー(以下「長」)「いやいや、ヒーローとの待ち合わせにこういうのは、付きものだろ? それよりウチの高木(MH所属カメラマン)助けてくれたんだってな、ありがとう、バーナビー!」

バーナビー・ブルックス Jr(以下「B」)「いえ、当然のことですから」

編集部新人シモン・ソシュール(以下「新」)「でもTVに写ってなかったからノーポイントで残念でしたね」

B「別にポイントとか評価とかのために、高木さんを救出したわけじゃありませんよ」

T「まーた格好つけちゃって。俺知ってるもん、バニーちゃん今日救出ポイント一個も付かなくて、超不機嫌だった!」

B「そんなことありません!」

T「そんなことありますーぅ。俺すんごい当たられたもんねー」

B「っ……」

長「今日めずらしくバーナビーにあんまりカメラ張り付いてなかったな」

折紙サイクロン(以下「O」)「今日はスカイハイ殿が広範囲で飛び回っておられたので、地上カメラもスカイハイ殿の方を追わざるを得ず、動きの早いバーナビー殿を追いかけられるカメラが少なかったでござる。拙者も見切れるの大変でござった」

長「やっぱ折紙はよく見てるな。折紙、ヒーロー辞めてウチに来いよ。いい写真撮ってくれそうだ」

O「い、引退デスカ……」

T「ちょ、バラさん、なんてこと言うんだ! 折紙めっちゃ若いんだぞ! むしろこれからなのにそういうこと言うなよ!」

O「いいんです…、どうせ僕なんかたいした能力もないし、早く辞めた方がいいんだ…」

長「あれ、なんかスイッチ押しちゃった? ごめんね折紙!」

T「なんでそんな軽いノリなの…。折紙、お前最近すごいじゃん、俺ちょっと尊敬してんだからな! ほら、今日もあれすごかったよな! アレあの時なにやってんの?」

B「……まあ、タイガーさんが何言ってるのかは全然分かりませんが、折紙先輩はすごいと思いますよ。ポイントも確実に取ってるじゃないですか。僕も負けてられないですね」

T「なんでお前俺の言うこと分かんねーんだよ。折紙は分かるよな?」

O「え……」

B「分かるわけないでしょう! 先輩を困らせないでください!」

O「もしかして『神』のことですか?」

T「そうそう! なんか『神』って文字が出て、光るじゃん! あれ何やってるの?」

O「そ、それは内緒でござる……」

T「ふーん? なんか秘密の技なんだ? 忍者っぽくていいな!」

O「に、忍者っぽいでござるかっ!!」

T「おー、忍者っぽい忍者っぽい」

B「……」

新「折紙さん実は救助とかしているのに、ポイントに繋がらないことが多いですよね。僕、先週の出動のとき、折紙さんに救助されたんですけど、そのときもHERO TVのカメラがついてなかったんで、ポイント付かなかったんですよ」

長「折紙はそういうの多いよな」

O「拙者、ポイントは二の次でござる! 第一に市民のみなさんのため、そして次にスポンサー様をアピールするために頑張っているでござる!」

長「かっこいい! バーナビーと違って、本音っぽいのがかっこいいよ折紙!!」

T「そだぞー。バニーちゃんなんて、ポイントとカメラ写り気にして、超うるさいもん。『おじさん、なんであと10秒が待てないんですかっ! CMあけてからって言ったでしょう!』とかさ。お前はアニエス(編集注:HeroTVプロデューサー)かってーの!」

B「…………」

O「あ……、で、でもポイントとかテレビ写りは大切ですよねえ? 僕もテレビ写りはすごく気にしてるし……」

B「別に! 僕はポイントとかテレビ写りとか気にしてません!!!」

T「え、なんでいきなりキレたの…?」

B「僕は人に評価されたくてヒーローをしているわけじゃない! あなたは分かってくれていると思っていたのに!」

T「ちょ、バニーちゃん落ち着けよ」

長「まあまあ。そりゃ、せっかくちゃんと仕事したのに評価されないってのはムカついて当然だよ。HERO TVが取りこぼすそういうヒーローの活動を伝えるために俺達MH誌があるんだぜ」

T「めずらしくバラさんがバーナビーを擁護したな」

O「編集長殿、めっちゃドヤ顔してるでござる! いいこと言ったって思ってるでござるな!」

長「まあ今日は高木を助けてもらったから特別にバーナビーにやさしい俺なんだ! 高木が超至近距離でバーナビーのいい写真いっぱい撮ってきたしな。まだ編成会議してないけど、今月の巻頭に持ってこようかと思って! 出動中のバーナビーの超アップが何枚も! お姫様だっこされてる高木の目線からの写真もあったりして、これであなたもお姫様抱っこされたタイガー気分! 雑誌売れまくっちゃう! どうしよう!!」

T「なんか後半の発言がイラってする」

O「先週の拙者の働きはやっぱり載らないでござるよね…」

長「載せるよもちろん! 真ん中より後ろの白黒ページで!」

O「まじでござるか! 拙者のヒーローっぽい写真が載るでござるか!」

T「折紙……、バニーちゃんと明らかに差をつけられてるのにこんなに喜んで…ヤベ、涙出てきた」

長「今月号売り切れちゃうかも! どうしよう!!」

T「ていうかさ、いい写真撮れるのはいいけど、MHの記者、ヒーローに救助されすぎだろ。前から思ってたけど」

長「いい記事を書くためには最前線に立たなきゃいけないんだよ! 時にはHERO TVのスタッフ押しのけてでも、警察の非常線越えてでも前に出なきゃならないんだよ!」

T「それってバラさんの方針なの? 俺たちは市民の安全を守るために戦ってんの。俺たちのこと一生懸命取材してくれるのはうれしいけど、そのためにMHの記者が危険にさらされるなんて本末転倒だ。そんなことされても俺は全然うれしくないね」

長「まあ、いくらなんでもヒーローに救助されるのは、完全にヒーローの仕事妨害しているもんな。最近ちょっと行きすぎがあるのは認めるよ。今後は気をつけるから」

T「分かればよろしい」

O「なんで怒られたのに編集長殿そんなうれしそうなんでござるか」

長「分かんないかなー折紙! このたまにかっこよくなるタイガーに怒られるのはむしろ我々の業界ではご褒美であって…」

O「おお! 編集長殿、歪みねえ虎党でござるな!!」

T「なんなの、ご褒美とかって…。バラさんちゃんと分かってんの?」

長「分かってるよ! タイガーにはたまに怒られるからいいんであって、毎回怒られたいわけじゃないからな。今度からちゃんと安全確保を優先させるから。でもこういう至近距離の写真は惜しいけどなー。最前線に出てもヒーローに迷惑をかけない記者……。やっぱり折紙をヘッドハンティングするしか……」

O「え……」

B「……いいんじゃないですか、先輩。記者向いてると思いますよ」

O「えっ……」

T「ちょっ、バニーちゃん、なに言ってんの?」

O「いいんです。どうせ僕なんか、さっさとヒーローやめてスカイハイさんのヒーロースーツのすそから覗くあのきわどいチラリズムをローアングルから撮ったり、ポセイドンのファンイベントとか行って、ファンに愛を送る天使への賛辞を書き連ねたりしたらいいんだ……。……あれ?これマジでいいかも…」

T「なんかちょっとうっとりしてる…」

O「MHの記者ならどんなにチケット入手困難なファンイベントでも必ず入れるし、記者会見とかも行けるし、フィギュアとかもメーカーから見本送られて来るし、過去のMHもアーカイブで見放題だし、あれ? これいいことしかなくね? むしろパラダイスじゃね?」

T「おい! 折紙! 戻って来い!!」

長「密着取材なんていうのもあるぞ。四六時中べったりだ」

O「!!!!!!」

T「折紙! お前これからは見切れだけじゃ終わらないとかって意気込んでたじゃねーか!」

O「でもヒーロー業は見返りがなさすぎでござる! スカイハイさんのフィギュアの予約開始日にも仕事みっちり入れられて、帰ったらもちろん予約終了でござる! 戦う前に敗北でござるよ! 頑張ってもスカイハイさんのフィギュアすら手に入れられない仕事と、スカイハイさんのフィギュアの出来を評価する仕事と天秤にかけたら、それはもう後者の完勝でござる!!」

T「え? なに? フィギュアでんのスカイハイ?」

B「何言ってんですか。あなたのスポンサーの商品でしょう」

T「え!!!? あー、……アレな。知ってる知ってる!」

B「明らかに顔引きつってますけど」

長「分かった、折紙! いまMHに移籍するなら、スカイハイのフィギュアをつけよう!」

O「まじでござるかあああああ!!!!!(泣)」

B「よかったですね、先輩」

T「『よかったですね、先輩』じゃねー! なに落ち着いてんの、バニーちゃん!! 止めたげてよ!」

B「いいじゃないですか。先輩スカイハイフィギュアが欲しいんですよ。本人うれしそうなんだから、僕が止める理由はありません」

O「世の中にこんな素晴らしい仕事があるってことに、なんで今まで気づかなかったんでござろうか…!! ヒーローなんかよりずっといい仕事でござる! 見返りありすぎでござる!」

T「ああ、そうかよ。ヒーロー業に見返りを求めてんなら、お前はヒーローには向いてねえよ。バニーちゃんも言ってたけど、俺達は評価されたくてヒーローやってるわけじゃないんだ。お前はそういうヤツじゃねえって思ってたんだけどな。俺の見込み違いだったよ」

O「……タイガー殿…」

T「お前はまだまだ若いし、これからもっと伸びると思ったんだけどな。バニーちゃんとかお前が、これからのシュテルンビルトを守って行ってくれるんだと思ってたんだ」

B「虎徹さん…! 僕、頑張ります!」

T「おう! 折紙が抜けても頑張ろうな!」

O「タイガー殿! 拙者が間違っていたでござる! やっぱり拙者、ヒーローとしてがんばっていくでござる! ホントは見返りとかどうでもいいんでござる! スカイハイ殿が手に入らなくてむしゃくしゃしてやったでござる! 今は反省してるでござる!!」

T「そんなにフィギュア欲しかったの…?」

長「もー、せっかくいい社員が入るところだったのになー」

O「編集長、すまぬでござる。でも編集長の言ってたこと分かったでござる。かっこいいタイガー殿に怒られるとちょっとキュンってしますね」

長「やっぱりー? 折紙なら分かってくれると思ってたんだよ! これで折紙も『タイガーに怒られ隊』のメンバーだな!」

T「なんなのそれ!! 怖い!!!」

B「タイガーさんに、怒られ隊……?」

長「おっ、なんだバーナビー、お前も入りたいのか?」

B「ば、馬鹿なことを言わないでください!」

長「えー、どうしようか折紙ぃー。バーナビーが入るかどうか、折紙が決めていーよ!」

O「ふむ。……あ、じゃ、じゃあ、一つ条件が、あるんですけど…」

B「……なんですか」

T「え、バニーちゃんその変な会に入んの?」

O「あ、あの、バーナビーさんのスポンサーさんって、バ●ダイさんですよね…?」

B「……?!! ダメです! そんなことスポンサーに頼めるわけないじゃないですか!」

T「へ? なんなの?」

O「僕、知ってるんですよ! バーナビーさん、タイガーさんのフィギュア出たとき、●ンダイさんに頼んで確保してもらってたじゃないですかっ! なんで今回はダメなんですか! そもそもバン●イがスポンサーってせこいですよ! プラモデルからフィギュア、ガシャポンからカードダスまでなんでもアリじゃないですか!」

B「そんなものに、僕は興味はありません!」

O「嘘です! ヒーローのカードダスが出たらタイガーさんのを絶対集めるに決まってます! むしろ商品開発に口を出すに決まってます!」

B「っ!!!」

T「え? これ、なんの喧嘩なの??」

長「ヒーローオタの喧嘩だよ」

B「はっ! そこまでフィギュアが欲しいなら、スカイハイさんにお願いしたらいいじゃないですか。スカイハイさんのスポンサーでしょ? 魂●イションズ」

O「っ!!!! スカイハイさんのフィギュア最低3体欲しいですとか本人に言えるわけないでしょお!!」

B「あなた、今僕がタイガーさんのフィギュア欲しがっていたこと、本人の前で暴露したじゃないですか! あんたも恥ずかしい思いをすればいいんだ!!」

O「絶対にイヤです!」

長「タイガー、多分これしばらく終わんないから、勝手に飲んでようぜ!」

新「ていうかタイガーさんがスポンサーさんに頼んであげたらコレ終わるんじゃないですか?」

T「えー、やだな。スポンサーに借りつくんの」

長「意外とそういうトコは冷たいな、タイガーww」

T「俺は日常的にスポンサーに借り作ってんの、賠償金的な意味で! それ以上の借りを作りたくないの! 今後の賠償金のために!」

長「いや、しかし折紙イイわー。ヒーロー好きだし、絶対素質あるわー。将来引退してからでいいから、やっぱうち来て欲しいー」

T「まだあきらめてなかったんだね…」

 

まだ大分先ですが、将来僕には日本フリークでかわいい後輩ができるようなので、楽しみです。(シモン・ソシュール)

説明
私の中のバニーちゃんの好きな人ランキングは 虎徹さん>折紙先輩 なので、普段は折紙先輩にやさしいバニーちゃんだけど、虎徹さんと折紙先輩が仲良くしていると急に折紙先輩にいじわるになる みたいな 嫉妬しちゃうバニーちゃんまじ天使! みたいな。      
今回はちょっと難産でした。なんか書いてるうちに「あれ? これ、おもしろい…か?」てなって、完全に迷子になったの…。お、おもしろい?…でござるか? 
タイガーさんの熱狂的なファンのこと、なんて言うんですか? 虎のファンと聞いて「トラキチ」と「虎党」しか思い浮かばなかった方、関西人です! はやくUSJは改装してシュテルンビルトを再現してください! T&Bアトラクションを作ってください! 

将来引退しても、きっと折紙先輩はヘリペリCEOの懇願でヘリペリを辞められないんじゃないかという気がします。編集長残念だったね!
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鏑木・T・虎徹 イワン・カレリン バーナビー・ブルックスJr. TIGER&BUNNY 

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