真・恋姫無双〜武の頂点に立つ者〜第伍話 |
第伍話 暗躍
あれから、黄巾党は着々と勢力を伸ばしている。
恋と共に、賊と戦ってからとゆうものの、
至る所で俺たちの名が知られるようになった。
しかし、『黒鴉』というのはこの時代では、
不吉の象徴じゃなかったか?
まあ、いい。それよりもだ。
黄巾の乱が集結した後は、反董卓連合。
結成理由は、たしか、董卓による専権専横によるものだったはず。
しかし、この世界での董卓はあの月だ。
そんなことは有り得ない。
だが、おそらく、反董卓連合は興るだろう。
いままでも、理由や過程はどうあれ、
歴史的な出来事はすべておきている。
宦官の横行、黄巾党の発生、台頭、近く霊帝も死去するだろう。
人物像が多少ずれようと、やはり、もとは三国志ということなんだろう。
だとすれば、ほぼ間違いなく、反董卓連合は結成される。
理由を考えるとすれば、霊帝死後の後嗣争いに巻き込まれることと、
月が人質に捕られる可能性だ。
最悪は、月を人質に捕られるほうだろう。
確実に、巻き込まれるじゃ済まない。
何にせよ、反董卓連合と戦うことは逃れられないだろう。
そして、反董卓連合の盟主は袁本初だった筈、
一度見たことがあるが、あれは、この上なく俗物だ。
たとえ、こちらが勝利してもすぐにまた来るだろう。
他の諸侯もそれだけのことをして、
負けたので帰って来ましたと、言うわけにも行かないだろう。
だとすれば、まず必要なのは・・・、
「詠とこの案について相談だな」
そう結論づけ、俺は我が軍の軍師に、話しをしに行くことにした。
→<詠視点>→
八雲は異常だ。
それがボクの八雲に対する主観。
恋以上の武を持っていて、尚且つ、
ボクと同じ量の仕事を半日で捌ききるって、どんな化け物よ。
ボクは夜遅くまでやってようやく終わるのに。
確かに、重要度は低いけど、それで半日も差が開く訳ない。
さらに八雲は、ボクが考えつかないような政策も
思いつく。気がつくと既に準備万端、後はやるだけっていうことが多々ある。
しかも、結果が出るから言い辛くて仕方ない。
実際、洛陽は今目覚ましい発展を遂げている。
それも、これも八雲が準備した政策によるものだ。
本当、とんでもない。
コン、コン
この入る前の合図は、八雲だ。
また、何か持ってきたんだろう。
「入っていいわよ」
ボクが入室を許可すると、扉が開いて八雲の姿が目に入る。
「失礼します」
仕官する前は、言葉遣いも酷かったけど、
仕官してからは、むしろこういうところまで
しっかりしている。
「今日の化粧は亡霊が、違和感を感じなさそうですね」
・・・そのぶん、こういった遠まわしな毒が増えたけど。
「普段通りの喋り方でいいわよ」
許可を出すや否や、
「そうか、俺もこっちの方が楽だ」
すぐに普段通りの喋り方になる。
この切り替えの早さは、並みの軍師でも難しい。
武官と文官どころか、将軍と軍師並みの仕事量をほぼ一人で
こなしてる訳だから、早くて当たり前なんだけどね。
「それで?今日は何の用?」
そして、八雲がこうして出向いてくる場合の多くは、
何かしらの政策や謀略の許可をもらいにくることが、
一番多い。
「ああ、少し、な」
八雲が、珍しく言葉を濁した。
普段から重要なことは、簡潔にかつ直球で言う八雲にしては
非常に珍しい。
「これからのことについてだ」
それを聞いて、ボクも顔を引き締める。
「黄巾党の情報?」
「いや、もっと先だ」
「終わってから、ってこと?」
「ああ」
こんなに短い言葉で伝わるのは、さすがというところ。
だけど、これから先?
何かあるとは思うけど、それに月が関係するとは思えない。
「この黄巾の乱が終われば、しばらくは何もないだろう。
だが、それも霊帝が存命しているまでの間だ。
霊帝はもう長くない。その情報は持ってるだろう?
なら、わかるはずだ。霊帝の死後、朝廷はさらに荒れるだろう。
後嗣争いで、な。何進大将軍と十常侍、
両者は戦力を求める筈だ。高い戦力でありながら、
体のいい生け贄をな」
「それに巻き込まれるっていうの?」
「ああ、俺たちは今、かなり注目されている。
治めている領地は発展していて、戦力は恋と俺がいる。
俺たち程とはいわずとも、霞と華雄もいる。
さらに、軍師に詠とねね。
それを裏付けるが如く、俺たちは黄巾党相手に
連戦連勝している。
他の多くは、連戦連敗しているにも関わらず、だ」
そこまで聞けば、何が言いたいか誰でも分かる。
思わず、自分の顔が歪むのが分かる。
「故に、確実に巻き込まれるだろう。
最悪の場合、月が攫われて脅される可能性すらある」
「ッ!!」
思わず、息を呑む。
確かにない訳じゃない。有り得ないなんて言えない。
奴らは狡猾で傲慢だ。それくらいのことを平気でするだろう。
「だから、早めに動く必要がある。
名が売れ始めたばかりで、顔を知る者が少ない今の間に」
「まさか、月を隠すの?」
「そうだ。新たに作った部隊に、隠密部隊がある。
その中から、月に体格の似た少女を選抜した。
これが、その資料だ。
この子を月の影武者として表へ出し、月を隠す。
心配は要らない。そういった状況も考えて、
訓練してある」
資料に目を通せば、なるほど、全員、月と同じ位の体格だ。
彼女達が所属している部隊に居る者の大半は、
八雲が洛陽にあった、奴隷商や不正を働いていた官史、豪族等を
粛正した際に保護された、少女達の中から、
募集し、それに応じた娘達のようだ。
他にも、様々な場で彼女達のような娘は、活躍している。
だが、
「本気?」
そう。これを本気でやるのは、かなり難しい。
月を隠し、周りにそれを悟られないようにし、
影武者を月として仕立て上げる。
月にも気を掛けなくちゃいけないし、他の仕事もある。
そこまでするのは、非常に骨が折れる。
さらに、最悪の場合、月の立場が悪くなる可能性もある。
問題点も非常に多いのだ。
「そうだ。それくらいのことをしなければ、意味がない。
宦官の連中は、鼻が利く、奴らを欺くには並大抵のことでは、
無理だ」
確かにそう、欺くのは並大抵のことじゃ出来ない。
八雲のこと、もう準備はほとんど終わってる筈、なら、
「いいわ。やってやろうじゃない。
ボクは月を守るために居るんだもの。
なら、絶対に月だけは守ってみせる!」
そう決意した。
→<八雲視点>→
聡いんだか馬鹿なのか、いや、両方か。
まあ、これでひとまずの安全は測れた。
ここから、さらに固めていかないとな。
さて、上手くいくかな?
あとがき
はい、主人公、黒いですね。
謀略、暗躍、無双なんでもござれ。
でも、クオリティ低いのは作者の責任です。(T^T)
もういや。(´・ω・`)
はあ、さて、次回予告。
幾度も戦場に出て、次第に黄巾の乱も終わりが見え始める。
そして、漢王朝は更なる腐敗を始め、争いが巻き起こる。
その頃、曹操、孫策、劉備は一体?
時代は更なる加速を始め、渦を巻き始める。
その先に在るのは、一体何か?
次回、始まる胎動
Bloody walk the earth
(血塗れた大地を歩む)
説明 | ||
これは、ひとりの男の転生から始まる物語。 男は力を得て、何を為し、どう生きるのか。 それはまだ、誰も知らない。 どうも、ナナシノゴンベです。 処女作です。学生なので、鈍亀更新です。ついでに、駄文です。 そんなのでよろしければ、どうぞ。 |
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コメント | ||
せっかく書いたのが、全部消えました。(T_T)なので、次話、かなり時間が掛かるかとおもいます。ご了承ください。(ナナシノゴンベ) 董卓軍を全体的に見ての台詞です。そろそろ期末試験なので、一つ一つの更新が遅くなっています。すみません。(ナナシノゴンベ) 八雲が馬鹿と思ってるのは詠?(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) |
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