真・恋姫 つなぐ想い 18 |
〜前回までのあらすじ〜
オス!オラ一刀!
いやぁ〜ぶったまげたぞ。
目が覚めたらいきなりおかしな世界にいた。
この世界はすげえ奴がいっぱいだ。
なんかオラわくわくしてきたぞ!
…冗談です。
<蜀 玉座の間>
「話は聞かせてもらったわ。何か面白そうなことになってるわね♪」
不意に入口から声がした。
一斉に視線が集まる。
そこには…
腰まである長い桃色ストレートの髪をなびかせ、額に紋章のようなものを刻んだ褐色肌の美人が立っていた。
肩から胸元まで露出し、大胆なスリットの入った真っ赤な服を着ていて、高級そうな装飾品がつけている。
きりっとした目元と、口元のほくろと…
…その豊満なお胸が印象的な女性だな…ごくっ。
「「「「「「「「「「……………。」」」」」」」」」」
……ひいっ。
な、何だ!?このプレッシャーは!?
「…こほんっ。で、何故あなたがここにいるのかしら?雪蓮?」
華琳がその女性に向かって声をかける。
さっきまで瘴気が見えていたのは気のせいだよな。鎌の錯覚まで見えたし。
いや〜、最近ホント気のせいが多いな〜。
ははははは。…はは。…はぁ。
「なによぉ〜。久しぶりに会ったっていうのに随分とご挨拶じゃない。」
「この前会ったばかりでしょう。ホントにあなたは…。」
「それで、本当にどうしたんですか?雪蓮さん。」
桃香も会話に加わる。
「退屈だったから遊びに来ちゃった。」
軽っ!!
でもふらりとここに来れるってことはそれなりの立場にいるはずだよな。
「仮にも一国の王があまりに軽率ではないですか?」
愛紗が言う。
……ん?
王って!?
え?待てよ。あと残る王と言えば…呉しかないじゃん。
じゃ、じゃああの人が、孫権?
いや、孫策か孫堅ってこともありうるな。この世界なら。
「い〜じゃない。面白い話も聞けたし。やっぱり私の『勘』はさすがね。」
自由すぎない?この王様。
「…で、あなたが女泣かせの天の御遣いさんね。」
おっと。
いきなり話かけられた。
…女泣かせってなんだよ。
「はい。オレは北郷一刀。一応『天の御遣い』って呼ばれていたらしいです。失礼ですが、あなたは?」
「あ〜。そういえば記憶を失くしているんだったわね。我が名は孫策、字は伯符。呉の王よ。よろしくね。天の御使いさん」
「こちらこそよろしく、孫策さん。あと、天の御遣いって呼ばれるのは好きじゃないんだ。できれば名前で呼んでもらえると嬉しいかな。」
「わかったわ。北郷。あんまり華琳達を泣かせないであげてね。」
「なっ!?何を言い出すのよ。」
…
……
………
そうしてしばらくオレ達は彼女のペースに巻き込まれながら、雑談に興じていった。
「あのさ、孫策さん…。」
オレはさっきからずっと引っかかっていたことを聞いてみることにした。
予想通りなら、ここでわざわざ孫策さんに聞くのは憚られる。
でもこのタイミングを逃せばもうこの話ができない気がする。
乱世が終わって平和になった世の中には、はっきりとさせておかないといけないことってあるはずだ。
昔は強敵でも、今は心強い味方なんだから…隠し事はしたくない。
上辺だけの仲の取り繕いは得意じゃないし。
オレは覚悟を決める。
この行動がもたらす結果を受け入れる覚悟を…。
「なあに?どうしたの?」
「さっき、ちらっと聞いたんだけど、オレ…黄蓋さんと何かあったの?」
「………………知りたい?」
…っ!?
いきなり鋭い視線で射抜かれた。
雰囲気が一気に変わっている。
すごい圧力を感じる。
でも、オレは負けじと彼女の目を真っ直ぐ見据えて答えた。
「ああ。是非知りたいな。」
「…そう。祭…黄蓋は、赤壁の戦いという魏と呉蜀連合の戦の時に、あなたに策を看破されて…命を落としたわ。…で、知ってどうするつもり?謝罪でもしてくれるの?」
まるで、虎が目の前にいるようだ。
場の空気は張りつめていく。
華琳や桃香達も黙って見ている。
「いや、謝るつもりはないよ。そんなことをしたら黄蓋さんを侮辱することになる。戦場に赴く真の将軍は死ぬ覚悟を持って行くんだ。」
オレは何も覚えてはいないが…死力を尽くして闘った相手にそんな言葉は無粋すぎるだろう。
「戦場の生き死にに恨みを持ってはいけない。恨みは死した者への武への侮辱だ。…さっきのあなたの言葉を聞くと解っているようだけど?」
「そのとおりだ。でも…人間ってそんなに簡単に割り切れるものじゃないだろ?頭で解っていても感情はそんなに簡単じゃない。…あなたを見ていたら無理をしているようにかんじたんだ。ま、オレの『勘』だけどね。」
「……へぇ。なら、何故今そんなことを言い出したのかしら?ただの興味本位?」
「まさか。それこそ最低だろ?ただ…さ。せっかく平和な世の中でこれから手を取り合っていく相手になるかもしれない。そんな相手に煮え切らない想いなんて持ちたくないんだ。…お互いにね。」
「………。それであなたはどうしたいの?あなた、今ここで殺されても文句を言えないわよ。」
「オレを憎んでくれても、嫌ってくれても構わない。でも、腹の中に溜めずにはっきりさせてほしい。大事な時に協力できない同盟なんて無意味だと思うんだ。だからあえて言わせてもらった。そして、さすがに死にたくはないけど、たとえ今自分が選んだ行動のその結果が『死』でも後悔だけはしないよ。」
オレは自分の想いを畳み掛ける。
「……はぁ。あなたバカね。長生きしないわよ?」
孫策さんは呆れたような顔を向けてきた。
張りつめた空気が少し緩んだ気がした。
「ははっ。自分でもそう思うよ。」
「相変わらずね。一刀。(ぼそっ)」
…華琳さん?
また孫策さんは真面目な顔になって聞いてきた。
「最後に一つ聞かせて。 何故記憶のないあなたがそんなことを気にするの?」
オレは照れながらも自分の想いを口にする。自然と頬は緩んでいた。
「まあ、色々理由はあるよ。こんな自分を受け入れてくれた皆への恩返しとか、過去の自分を否定したくないとか…さ。でも、ただ単純にオレはこの世界が好きなんだ。記憶は関係ない。平和でいてほしい。…君みたいな美人な人とも会えたしね。」
うぉ!!最後の一言で全方位から凄い殺気が!!
父さん。すごい妖気です。
調子に乗りすぎたか!?
「…ぷっ。」
「…へ?」
「ふふふ…ははは…あーっはっはっはっはっは。」
「あの、孫策さん?」
な、なんだ?
孫策さんは突然大笑いしだした。
「はぁ〜。あなた面白いわ。最高よ。気に入ったわ。」
「はぁ…どうも。」
どういうこと?
「いいわ。私の真名は雪蓮。北郷一刀、あなたにあずけます。」
「え!?いいの?」
「いいわよ〜。言ったでしょ〜?あなたが気に入ったって♪」
「ありがとう!大切に預からせてもらうよ。雪蓮。オレは真名は無いけど一刀が真名みたいなものだから、そう呼んでもらえると嬉しいかな。」
「あなた最初から真名を預けていたの!?」
「うん。雪蓮なら大丈夫って感じたんだ。それに信用してもらうには、まず信用することが大事だと思うし…ね。」
「ほんとに一刀はバカね〜。」
「いいだろ。別に。じゃあ、あらためてよろしく雪蓮。」
「よろしくね。か〜ずと♪」
そうしてオレ達はがっちりと握手を交わす。
ん?一瞬雪蓮の動きが止まった気がした。
手汗はちゃんと拭いたつもりだぞ。
と、思ったら雪蓮の顔に物凄くいい笑顔が浮かんでる。
…いかん。
何か分からないが、とても良くない気がします。
へのつっぱりはいらんですよぉ〜。
と、その時轟音と共に何か大きなものが飛び込んできた。
「さぁすがはご主人様ねぇぇん。さっきのすがた。もうわたしのこころはめ・ろ・め・ろよぉぉぉん。」
「うむ。だぁりんにも勝るとも劣らぬいいおのこよの。わしの身体も滾ってきたわ。」
つづく
あとがき
意外にシリアス。
でも突っ込みどころは満載!!
スルーしてくださいおねがいしますおねがいします。
所詮、生ごみですから。自分。
では次回「ちんにゅうしゃ!?」
三話連続キャラ乱入でますますカオスに?
ご都合主義の本気を…見せてやる!!
………期待はしないでください。
コメントや応援ボードは拝見させて頂いてるのですが、お返事する暇がなかなか取れずにいます。本当に本当に本当にすいません。
ちょくちょく合間を見て書いたものをアップさせてもらっていますので。
ただ、この生ごみは、心の底から勇者の方々のコメント・メッセージに感謝し、心の支えにして書かせて頂いています。本当にありがとうございます。
次も早めに書きたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。
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おはようございます では今回もおなじみゴミを置いていきます。 文を書くってむつかしいですね。 |
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コメント | ||
更新まだかなぁ。(ケフカ・パラッツォ) ここまで一気に読まさせていただきました。続きを楽しみに待っています。せっかくなのでこのタイミングで出てきた二人に全ルート記憶を全員に戻して貰いハーレム√にしてみてはいかがでしょうか?(k.m) 化物きたwwww(TK) ななななな、なんかきたーーー!!まさかこのタイミングであの二人かい?(幼き天使の親衛隊joker) 生ごみ?いいえ粗大ごみです、地球規模の・・・これはほめ言葉なんでしょうか? それはさておきついにあらわれましたな、漢女組(よーぜふ) その理屈だと雪蓮も殺されても文句言えないんだよ(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) |
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