一刀の晋王転生録、第一章拠点・澪羅 |
拠点・澪羅
「ある水軍訓練の時」
「違う!、そこはそうじゃない!!」
澪羅は現在、兵達に水軍の指導をしていた。
「何をやっている!!、このままだとお前らの船が味方にぶつかるぞ!!」
「へい!!、わかりやした!!。」
そんな訓練の様子を一刀は見ていた。
(陸での訓練に比べるとやはり厳しくなるな、彼女は水の上での戦いには拘っているみたいだし・・・
ちょっと厳しすぎるような気もするけど・・・)
だが・・・・
(皆、素直に澪羅の言うことを聞いているな・・・澪羅の事を信じている・・・良い軍だ。)
一刀が関心しながらその後も彼女の指導の様子を見ていた。
「あれ、一刀のお頭!?、一体何時から此処に!?」
訓練を終えた彼女は一刀の姿を見つけて驚き、駆けつけた。
「少し前にね、良いものを見させて貰ったよ。」
「い、いや、お頭に比べたらまだまだだよ。」
澪羅はそう言うが一刀は、
「謙遜はしなくて良いよ。」
(お頭からその言葉が出るとは)
澪羅はそう思っているところに一刀はさらに続ける。
「普通、あれだけ厳しい訓練をしたら、兵達の何人かが反発してくることがありえる。だけど俺が見たところそんな事
は無かった。兵達皆が澪羅の事を信じてなきゃ絶対に起きない現象だ。良い将だよ、澪羅は。」
「そ、そんなに褒めないでくれ、か、かなり照れるよ。」
澪羅は顔を赤くしながら言った。
「そうか。」
「そ、それにやっぱりお頭ほどじゃ無いって。」
今度は澪羅が一刀を褒め称えようとした。
「お頭の軍だけじゃなくてアタシの軍の奴ら、江里香の軍の奴ら、さらには闇那の隠密の奴らだって皆、お頭のことを
慕ってる。自分の軍だけのアタシ達三人じゃ敵わないよ。」
「そうか・・・それはうれしいな。」
澪羅から言われ、一刀は本当にうれしそうに言った。
そして一刀は続けて、
「だけど、自分の軍だけってところは訂正したい。君も、江里香さんも、闇那も少なくとも俺の軍の中で認めている
人達はいる。そして、江里香さん、闇那も君の事は認めてくれているよ。」
「そ、そうか、うれしいね。」
やはり照れながら澪羅は言った。喉が渇いたのか彼女は水を飲み始める。
そこに一刀は、
「面倒見が良いところがあって、美人だし、良い将だけじゃなく良い女だと思うし。」
「ぶっ!!!」
澪羅は思わず水は噴き出した。
「お、お、お頭!!?」
「ん?、どうしたんだ?。」
「変なこと言わないでくれ!、アタシが美人とか良い女とか!」
澪羅はそんなことは無いと言うつもりだったが、
「変なことか?、本当にそう思っているんだけど。」
「!!!!!」
澪羅はもはや頭の中が真っ白になってしまい、
「えー、あー、うー。」
どう言葉を返したら良いかわからなくなってしまった。
そして、
「じゃ、じゃあ、アタシこれから仕事あるから!」
澪羅はそう言って一刀と別れた。
夜、澪羅は自室にいた。
(アタシが美人とか良い女とか・・・あんな笑顔で・・・本当はあの後、街を一緒に歩くつもりだったのに。)
そして・・・
(反則だよあんなの・・・美人、良い女・・・)
にやにや、にやにや、
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ」
じたばた、じたばた、ごろごろ、ごろごろ、
澪羅は部屋の中で悶えた。