解かれた手に絡まる髪が
帳をはためかせ
一筋 空を絶つ
光が抱きしめた掌は
輪郭を喚び起こす
痣が絡んだ喉がひりむ
なんて濃い手付かずの大気
白む空の奥底で
太陽に焼かれたあの鳥が見ている
透過していったあらゆる色が
あたしに還ってくる
機首を上げろ
何者ともすれ違わない空の境界に
今滑り込むとき
向かい風を呑み
あなたの高度を取りなさい