プロローグ――ティナ |
私は丘の上からある場所を見ていた。
焼き尽くされた土地、そしてその上に建つ大きな城。一見すると、理解不可能な絵画に等しいが、それはこの現実にしかも、「ティナ」目の前に存在しているのだ。
「これが王国なのか? いくらなんでもこれは――」
――地獄絵図だ。
私はここに来る前に、とある村に滞在していた。そこで、私は診察を行なっていた。
「もう心配ないですよ。病気は完治しました」
「本当にありがとうね。街の病院までは遠いからね。あなたが来て本当に助かったよ」
いえいえ、と微笑みながらその老婆に言った。
この村には医者おろか若い人がいない。だから、私がここの医者として、ここの住人を診ているのだ。そして、さっきの患者で完治し終わったのだ。
「そろそろ他の街に移動するか……」
「やはり、何処かに行ってしまわれるのですか?」
私は村の空家だった仮設診療所の中で道具を片付けて、最後のチェックをしているときにその老人は来たのだ。
「村長さん。誠にすまない事だと思いますが私は他の村へ行かなければなりません。それが私の仕事ですので……」
私は申し訳なさそうに、この村の村長に言った。しかし、村長は私にこう言った。
「ここから東に歩いて三日の所に王国があるじゃが」
「どこの王国のも腐った医者がいる。そいつらに任せれば私は必要ない」
すると、村長は話を続けた。
「その王国は、かなり荒廃していると噂を聞いてな、人材を募集しているとのことじゃ。一度、出向いてみたらどうかの?」
――と言う村長の言葉で私はここにいるのだ。正直、「どうせ王国だろう」と思っていたが、浅はかだった。
「明日から忙しくなる……な……」
とてもではないけど、私にこの国を医者として「治す」ことが出来るのか、不安しかこの胸に無かった。だけど、これは医者として乗り越える壁だ。
ティナは丘を下りその王国「アクトティニア王国」へ向かう。
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