おっぱい(仮)その2 |
長い黒髪をサラサラと水滴が流れていく。
「良いなぁ…………」
「どうしたんですか? さくらちゃん」
知世は洗い終えた髪をまとめながら、さくらへ振り返った。
「知世ちゃんの髪、とっても綺麗だなぁって」
「ありがとうございます。さくらちゃんの髪も綺麗ですよ」
そう言って彼女の髪を手に取り、優しく撫でる。さくらのはちみつ色の髪は知世とは違った弾けるような美しさが備わっている。知世の黒髪が持つ落ち着いた艶めかしさとは対極にある美しさだ。
「うーん、でも男の子って黒い髪の子って好きみたいだし。……それに知世ちゃんの方が胸だって」
さくらは自分の胸を包み込むよう両手をそこへ当てる。まだ膨らみ始める気配を見せないそこは女性らしい魅力を持たない、なだらかな曲線を描くだけだった。
「…………そうですね。確かに黒髪が好きな男の子は多いですけど、それだけが全てではありませんし、さくらちゃんの魅力はそう言った物とは違う所にあると思いますよ?」
「そう、なのかなぁ……」
さくらにしては珍しく弱気な顔を見せる。
いつもは快活な魅力を振り撒いている彼女。そんな彼女がこうして見せる儚げな表情もまた魅力的ではあるのだが、知世としてはさくらにずっとそう言う表情をさせてしまうの心苦しい。
「どうかしたんですか?」
「うん。……小狼くんのお部屋を掃除してたら、そのグラビアって言うのかな? 胸の大きい女の子が一杯載ってる本があって……」
なるほど。知世は納得をし、さくらには気付かれないようため息をついた。小狼のような年頃の男の子には仕方のない事だと知世は理解しているのだが、さくらにはその心理を汲み取る事はまだ難しいのだろう。彼女が小狼に対して一途だからこそ余計に。
彼女にそこまで思われている小狼を羨ましく思い、また少しだけ疎ましくも思う。
これだけさくらに思われているし、また彼もさくらを思っているというのに、グラビアを見ているのはどこか腑に落ちない。
「男の子は大きな胸を好きか方が多いですから」
「私も……、その、知世ちゃんみたいに早く大きくなりたいなぁ」
チラリと知世の胸を覗き見るさくら。その恥じらいを持った仕草が余りに可愛らしくて、知世の中で小さな悪戯心が頭をもたげる。自分の心の中にずっと秘めようと思っていた叶わない想い……。
「大きくするには人に胸を揉んで貰うのが良いと聞きましたが、やってみますか? さくらちゃん」
説明 | ||
前回との直接的な繋がりはありません。 何となく似たようなネタなのでタイトルは続き物ですが。 知世ちゃん+さくらちゃんで、小狼くんは出てきません。 ▼2012/02/23:作品を公開するアカウントを変更しました。 |
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