スーパーヒーロー大集合! グミの大冒険! #6 激闘!そして真実の扉!
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(キノコネット・カイセンの村・闘技場・夕方)

 

 メグロイドXと剣神ガクポはメグロイドXを前にして縦に並び、大胆にもルカに向かって真っ直ぐに突貫していった。

 

ルカ:これでも喰らえ!

 

 ルカは思いっきり振りかぶって、とげのムチを振りかざした!。しかし、メグロイドXも負けていなかった。メグロイドX、剣神ガクポ共に、低い軌跡のムチを飛び越え、ルカの懐に飛び込んでいった!

 

 ルカは体制を整え、JIMを後ろに控えさせて、改めてムチを構えた。

 

メグロイドX:グミパンチ!

 

メグロイドXは右手にタメを作った後、一気にルカの腹部めがけてパンチを繰り出した!

 

ルカ:甘いわね

 

 ルカは瞬時にしゃがみこみ、後ろのJIMに攻撃を任せた。メグロイドXのパンチは空を切る前に肘を曲げて、キャンセルされた。そして同時にメグロイドXもしゃがみ込んだ。

 

メグロイドX:頼むわ! ガクポ!

剣神ガクポ:りょーーーかい!!

 

 ガキン!!!!

 

 JIMの大振りのまぐろソードの一太刀と、剣神ガクポの刀がつばぜり合いを起こしていた。ルカとメグロイドXはそれぞれ左右に回避していた。

 

JIM:OK! OK! OK! Nice fight!

 

 ギギギ・・・

 

剣神ガクポ:I win!

 

 ガガガガ・・・・

 

JIM:No, No, No. A gong sounds for me!

 

 キュイン!

 

 キュンキュンキュン・・グサ

 

 つばぜり合いが解かれ、剣神ガクポの刀が大きく外に弾かれ、放物線を描いて飛んでいき、離れた場所に突き刺さった。

 

剣神ガクポ:し、しまった!

 

JIM:Game end!

メグロイドX:そうはさせない!

 

 メグロイドXは回避した横から、JIMの顔にパンチを繰り出した。そしてそれは見事にクリーンヒットした。が・・・。

 

JIM:? Did the mosquito stop?

 

 JIMには全く効いていなかった。唯一、まぐろソードの動きが止まっただけだった。しかし、剣神ガクポがこの場から脱出し、刀を取りに行く時間だけは稼げた。

 

 メグロイドXはバックステップを繰り返し、再びルカ達と距離を取った

 

メグロイドX:ふぅ・・。お互い“コンビネーション攻撃”を考えていたワケね。とりあえずルカのムチだけは回避できたけど、あの俊敏さ、アノ男の頑丈さ、どれも最強みたいね

ルカ:それはどうも。こちらも最初のムチ攻撃はヒットしたと思っていただけに、少しタクティクスを変更しないとダメみたいね。

剣神ガクポ:まさか、その大振りな大剣で、こちらの日本刀をはじき飛ばすとは思わなかった。やはり“斬撃”に切り替えないとだめのようだな

JIM:Huuu〜. It’s great ・・・. But, I do not want to become Sashimi !

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 メグロイドXは剣神ガクポと小声で会話することにした。

 

メグロイドX:(・・・さて、ガクポ、どうする?。単独だとあのムチか男のパワーの餌食だし、やはり、またコンビネーションで行く?)

剣神ガクポ:(・・・いや、とにかくあの二人を引き離そう。コンビネーション攻撃はあっちの方が上だ。飛び道具、使えるな?)

メグロイドX:(えっ、ええ。衝撃波くらいなら)

剣神ガクポ:(どれくらい撃てる?)

メグロイドX:(パワーを分割すれば2分くらい保つ)

剣神ガクポ:(私の方の出力を上げれば、引き離す位の時間は稼げるな。二人が離れたら、男は僕が相手をする。ルカは頼む。よし! 行くよ!)

メグロイドX:(はい!)

 

 二人は少し間を置いた。そして、メグロイドXは拳を軽く構えた。剣神ガクポは刀を束に納めた状態で両手で構えた。

 

メグロイドX:はいぱ〜はどーーーーーーーーーけん! オラオラオラオラ!!!!!

 

 メグロイドXの拳は残像を残すほどに連続してパンチを繰り出し、拳の先から、半月状の衝撃波が無数に飛び出し、ルカ達の所に向かっていった!

 

剣神ガクポ:奥義! 五月雨斬空剣(さみだれざんくうけん)!!!!!!!

 

 剣神ガクポは、刀も腕も見えなくなるほど高速に流れるように抜刀→納刀を繰り返す、いわゆる“居合い切り”を使うことで、刀身から半月状の青白い衝撃刃を繰り出し、衝撃刃も、ルカ達の所に突っ込んでいった!

 

 斬!斬!斬!

 

 二人は紙一重での回避をしているのだが、服、髪の毛等は、少しずつだが裂傷が増えていった。

 

ルカ:むむむ、荒っぽい攻撃だけど、ある意味効果的ね

JIM:Oh !. Japanese magic !. Awesome KAMIKAZE !

ルカ:日本マニアもいいけど、そろそろこっちもタクティクスに移らないと、やばいんじゃない?。That’s tactics, OK?

JIM:OK !

 

 この会話の前の時点で、持っている武器は元のたこルカに戻っていた。そしてメグロイドX達の策の通り、剣神ガクポの方向にJIM、メグロイドXの方向にルカが飛び出していった!

 

剣神ガクポ:チャンス!!

 

 剣神ガクポは居合い抜きをやめて、完全に刀を抜き、両手で斜めに構えて、JIMに突貫していった!

 

剣神ガクポ:うおおおおおおお!!!!!!!

 

JIM:No.No.No…It’s a shallow idea. Change Fire Whip !!

 

 JIMの持っていたピンクのタコは、なんと炎のムチに変形した。

 

剣神ガクポ:な!!!! ぶ、武器を・・・・交換していたのか!!!!・・・だが、それも含めて切り刻む!

 

 剣神ガクポはムチを切り裂くつもりで、その上から刀を振り下ろした。

 

 スカッ

 

剣神ガクポ:くっ! ムチ、そのものが炎なのか!

 

JIM:Final attack ! Hell Fire !

 

 炎のムチは剣神ガクポの体を、炎で包んで縛り上げ、そこを起点として、全身を炎で包んでしまった!

 

剣神ガクポ:うぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!

 

 あまりの熱さに耐える事が出来なかった。ムチも離れたが、炎のダメージからある程度守っていた変身スタイルが解除されてしまった!

 

GAKU:ぐほぉ・・・・・・・

 

 GAKUはその場に膝から崩れ落ちた。

 

JIM:Finished・・・. Luka,OK?

ルカ:Thank you !

 

メグロイドX:ぐ・・・ルカの武器は、当然“大剣”・・・・。どうしよう・・・

ルカ:わかっているじゃない。そう、こっちの武器は大剣よ。たこJIM変形!、オオマサン・マグロソード!

 

 ルカのたこJIMはJIMが持っていた大剣より、さらに大振りで大型のマグロ型大剣に変形した。右手でしっかり掴んで振り回し、体を一周させた。

 

 ビュンビュン!

 

ルカ:さて、どうしますか?

メグロイドX:ぐ・・・・

ルカ:戦ってもいいんだけど“負けを認める”事の方がいいと思うんだよね。あの元侍さんのやけど、早くあなた達のセコンドに治療を頼んだ方がいいと思うのよ。バトルが続いている場合、戦闘不能者は場外に出してもらえるけど、即治療をしてもらうことは許されてないからね。どうする?、メグロイドXさん?

GAKU:う・・・・メ、メグロイドX、わ、私に構うな・・・・男子たるもの、せ、戦場で死ぬのは本望也・・・・・。

JIM:Oh ! It’s Samurai’s Soul !!

 

メグロイドX:・・・・・・私たちはここで討ち死にするために、旅をしているんじゃないの

 

 シューーーン

 

 メグロイドXはなんと、自分で変身を解いてしまった!

 

GUMI:髭のおじさん、私たちの負けよ。早くゴングを鳴らして、GAKUの治療をお願いします

ルカ:それが賢明な判断ね

髭のリングアナウンサー:わ、わかりました。試合終了とします! 担架を早く! このやけどの男性を早く病院に!

 

 闘技場のスタッフが担架を持ってきて、GAKUを乗せ、すぐに闘技場外に出て、救急車で病院に向かった。

 

髭のリングアナウンサー:とりあえずコールします。この勝負、GUMIチームの敗北宣言により、チャンピオンチームの勝ちとします!はい、これファイトマネー

ルカ:貰って置くけど、私の意志で、これをあの元侍の治療に使う事にします。治療費高いからね

 

 ルカはGUMIに袋に入ったファイトマネーそのままを渡した。

 

GUMI:ルカさん・・・あなたは敵なの? 味方なの?

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ルカ:RINとLENはどう思っているかわからないけど、私の個人的な意志としては、あなた達を殺したりするつもりはないわ。闘技場の戦いでは手を抜かないけど、負傷者が出たのなら、話は別

GUMI:協力感謝します

ルカ:それとあなた達には“KNC本社”に来て貰います。向かっている先も同じらしいから、そっちとしても都合がいいんじゃない?

GUMI:え!?

ルカ:おそらく“大きな誤解”をしていると思うのよ。あの人から“真実”を聞いて欲しいの

GUMI:で、でもGAKUが・・・・

ルカ:大丈夫。JIMに付き添いを任せるわ。変身スーツがあったから、そんな重傷じゃないと思う。JIMにも彼が治ったら一緒にKNC本社に来て貰うように伝えるから

GUMI:わかりました

ルカ:それと・・・

 

 ジュルルルルル

 パクパクパク

 ゴクンゴクン

 

 観客席にはネルハクテトのあの3人もいて、観戦していたのだった。3人共に、売店で買った、「ソフトカツゲン」(飲み物)と「でっかいやきそば弁当」(焼きそばとスープは売店のポットのお湯で作った)を飲んだり食べたりしていた。

 

 ハクは感激で泣いていた。

 

ハク:ううう、なんて美しい友情なんでしょう!

ネル:お互い戦闘相手で“友情”か? 戦いとはいえ、やけどさせたのはルカ達だろ? それに、怪我させたヤツに“けが人の看病”を任せるなんて、あのルカって女、どうもよくわからん・・・・

ハク:それは、敵味方を越えた“友情”なのよ。ルカ様、ステキ!

テト:。・゜゜・(>_<)・゜゜・。

ネル:おいおい、ハクもテトもちょっと・・・・。俺的には、あのセコンド双子の“ヤっちまってください”的な目つきの方が戦闘向けだと思うけどなぁ・・・・

 

???:誰がヤっちまってくださいの目つきだ?

 

ネル:え?

 

 ネルが振り返ると、小型銃の銃口をネル達に向けた、あの双子が立っていた。

 

ネル:げ! あのロードローラーの双子!

 

RIN:GUMI達を尾行し、ここで観戦し、私たちの会話を拾い上げて聞いていたり・・・。あんたら、なんか“ワケアリ”なわけだな

LEN:おまえ達もGUMI達と一緒に、我々についてきて貰う。いいな?

 

ネル:くっ・・・・銃で脅す程の内容と判断した。いいだろう。どうせこれもGUMI達の尾行になる。ついて行ってやろう

ハク:でも、なんか、この人達・・・怖い

テト:( ̄□ ̄;)

 

RIN:ちなみに伝えて置くが、もう尾行じゃないぞ。おまえ達は感じていないかもしれないが、すでにGUMI達にもおまえらの尾行、ばれてるぞ

 

ネル:え!? あの完璧な尾行を見抜くとは・・・。恐るべしGUMI一行・・・

 

RIN:・・・・・・・・・・・まぁいいわ。とにかくついてきてよ

 

 こうして、双子とルカとGUMIとMEIKOとミク、そしてネル一味全員が集合し、KNC本社仕様のマイクロバスに乗って、KNC本社へ移動する事になった。

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(キノコネット・カイセンの村とシリコンの谷の間の街道・マイクロバスの中・夜)

 

 ガタンゴトンガタン・・・・

 

 GAKUを除いたGUMI達一行は全員うなだれていた。それとは対照的に、あのネルは飲みかけ食べかけだったソフトカツゲンとやきそば弁当を食べ、ハクはルカを見てキャーキャーいっていて、テトは景色を見ていた。

 

GUMI:GAKUは一時リタイア、JIMが看病、試合には負けるし、組織には連れて行かれるし・・・・。はぁ〜、いいとこないな・・・

MEIKO:GAKU・・・大丈夫かな・・・。というか乗り物・・・・あったんだね・・・・

ミク:ミクは知らなかったミク・・・・

ネル:じゅるるる・・・、ごくん。まぁ、そう、悲観するなって! なんとかなるって!

ハク:ルカ様! サインください!

テト:o(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)o

 

GUMI:あんた達、明るいね・・・・

MEIKO:脳味噌が足らないだけじゃないの・・・・

ネル:ズゾゾゾゾ。 な! なんだとぉ! 俺達のIQ、60もあるんだぞ! 凄いだろ!

MEIKO:だめじゃん・・・・・

ルカ:サラサラサラ・・・ハクさんへ・・・・はい、どうぞ

ハク:感激です! ルカ様!

テト:\(´∀`)丿

 

RIN:・・・・・やっぱりこの3人は、連れてこない方が良かったかな?

LEN:・・・・・仕方ないじゃん。一応関係者だし、俺達側の会話も聞かれちゃっているし、尾行していたし

ネル:ジュルルル、ゴクン。そーそー! “旅は道連れ”ってね!

ハク:ルカ様、今度は一緒に写真、お願いできますか?

ルカ:はいはい、いいわよ〜

ハク:やったー! ああ! 感激です!!

テト:ノ(>▽<)ノ

 

MEIKO:はぁ・・・・・何故に“修学旅行”気分・・・・・

GUMI:まぁ私たちも前半はそうだったから、文句言えないけどね・・・・

ミク:でもミクもちょっと楽しみたい気分ミク

RIN:こういうことだけは、私たち、共感できるわ

LEN:少なくても俺達だけでも、しっかりしていよう。申し訳ないけどお守りはルカさんに任せよう・・・

 

 パシャ!

 

ルカ:はい、これでいい?

ハク:ありがとうございます!! 印刷して額縁に飾っておきます!

ネル:ズゾゾゾゾゾ・・・・ごくん。3人分の残りご飯じゃ、足らないな。ねえ、KNC本社って食堂ある〜?

ルカ:あるわよ〜。名物メニューもあるから期待していてね。あ、お風呂もあるわよ

ネル:やったー! ルカさん大好き!

テト:(^q^)

ハク:あ、あの、ルカさん、KNC本社のお風呂、一緒に入りませんか? お背中、流させてください!

 

GUMI:・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・

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(キノコネット・シリコンの谷のKNC本社正門・守衛の詰め所・夜)

 

守衛:パスカードを

 

 運転手は、社長レベルのパスカードを見せた。

 

守衛:! これは失礼しました。どうぞお通りください

 

 守衛が正門を開けたので、バスは門を通り、何度かのセキュリティチェックを受けた後、屋内駐車場に停車し、全員がバスから降りてきた。

 

GUMI:ここがKNC本社・・・・

MEIKO:思ったほどの大きさでは無かったけど、さすがにセキュリティは厳重ね。なんか凄いパスカードみたいだから、バスの中のチェックは無かったけど

ネル:う〜ん、はー、やっと着いた! ねえ番頭さん、食事が先かな?

RIN:番頭じゃないわよ!

ハク:あ、あの、ルカさんとお風呂・・・・・

テト:゚+.(?∀?)゚+

 

MEIKO:やめれ・・・・・

 

ルカ:とりあえず、うちの社長に会って貰います。シナリオの展開次第だけど、食事とかお風呂は後にしてね♪

ネル、ハク:了解しました! お姉さま!

テト:(>▽<)ノ

 

ルカ:こちらの直通エレベーターを使います。どうぞ

 

 運転手以外の全員は、エレベーターに乗り、どこにも立ち寄らないで、社長室のあるフロアにたどり着いた。そしてルカの案内で社長室の前にたどり着いた。

 

 コンコン

 

ルカ:社長、ご連絡の通り、負傷者を除いた全員をお連れ致しました

社長:入ってくれたまえ

ルカ:失礼します

 

 ガチャ

 

 全員が社長室に入った。そして社長を見るやいなや、GUMI達は、不信な顔をせざるを得なくなった。

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(KNC本社・社長室・夜)

 

 社長は細身で、青いマフラーに、白いスーツ。色は違えど、どこかで・・・・。

 

社長:皆さん、また会いましたね。私が社長の“工藤海斗(くどうかいと)”です

 

 GUMI達は“また会いましたね”の言葉を聞き、複雑な心境になった。そこで確認のための質問をする事にした。

 

GUMI:途中の闘技場であった、ある男に酷似してますが、関係者ですか?

海斗:わかりました。わかるようにします。変身!

 

海斗はその言葉の後、色が“黒”に変化した。

 

海斗:これでわかりましたね

 

GUMI:わかりすぎよ。やっと会えたわね! 闘技場の男!

 

 海斗は変身を解き、元に戻った。

 

海斗:私はあなた達と戦うために、ルカに頼んで呼び出したわけではない。ある重要な用件を伝え、誤解を解くために来て貰ったのだよ

 

MEIKO:なら、1つ1つやっていきましょうか。誤解なんてないと思うけど

 

***

 

海斗:まず伝えたいこと。このキノコネットを“運営、管理、開発“しているのが、我が社”キノコネットコーポレーション“、略して”KNC“だ

GUMI:それは知ってます

海斗:では、このキノコネットの真実は知っているのか?

MEIKO:それも検索した上で知ってます

 

海斗:なら、ここが現実世界のPCとネットによって構成されている“電子の世界”であることは知っているのか?

GUMI:え!?

 

海斗:ここは我々が開発したソフトウェアによって動いている、我が社のサーバー上で構築されている“キノコネット”というネット上に存在する世界であることも?

MEIKO:な・・・・

 

海斗:君たちだけではない。少なくても知っている限りでは、私、RIN、LEN、ルカ、JIM、そしてここKNC本社で働く従業員全員は、現実世界に本体である“肉体“を保管された上で、精神だけ、このキノコネットに存在している

ミク:ミクを含めて、GUMIさん達は、なんでその中に入っていないミク?

海斗:私が君たちをここへ召還した事がないからだ。ここへ召還したのは私以外の誰かのはずだ。特に妖精のたぐいを召還した覚えは全くない

GUMI:なら、私たち以外の街の人はどうなっているのよ!?

海斗:あれはRPGゲームで言うところの、“NPC”(ノンプレイヤーキャラ)であり、このキノコネット自身が生み出した、電子の存在だ。現実世界に本体がない

ルカ:まず、これらが重要な用件ですね

海斗:そう。他、いろいろ訊きたい事もあるだろうが、次に移らせて貰う

 

GUMI:わかりました。次は“誤解”の事ですね

海斗:そう。この“誤解”というのは、君たちを含めた現実世界からこっちに来てしまった人間のうち、我が社関係ではない人物の事だ。これは先ほども話したとおり、我が社で行ったことではない。前に君たちと会ったときにも話したが、どうやらこのソフトウェアのβ版を不正に入手し、悪用しているユーザーがいるということだ。今のところ、それしかわかっていない

GUMI:なにが悪用よ。ソフトウェアの名前からして怪しいじゃないの! 「スナイパーウェア」=狙撃ソフトなんて!

ミク:痛!、ミククク・・・・

 

 海斗側の全員が首を傾げた。

 

ルカ:何を言っているの?

RIN:なんなの? その物騒な名前のソフト

LEN:なにかと勘違いしてないか?

 

海斗:なるほどやはり誤解されていたようだ。我々が開発したのは、精神だけの存在になって、ネット世界で安定して生活するための次世代平和利用ソフトウェア、名前は「ライフウェア」だぞ?。そのβ版をネットで配布し、ユーザーに使って貰う事にしただけだが? こっちに来れるのは“使ったユーザーだけ”。前に話した通り、ユーザーは社外の人間、そう巧くソフトを使えないと想定したから、早期に現実世界に戻れる“安全装置”まで付けて配布したのに

ルカ:だから、いつまで経ってもあなた達に安全装置が働かないから、仕方なく“ネット不正介入者”の扱いに切り替えたのよ

RIN:私たち会社側の開発担当の人間達はライフウェアを使って、その介入者の調査と、自分たちがここでの生活をちゃんと出来るか試験するために、ちょくちょく、こっちに来ていたのよ

海斗:ところでその「スナイパーウェア」とかいう名前のソフトの出所はどこなんだ?

GUMI:えっと、確かネット上の掲示板の噂で・・・・・。いや、私だって信じてなかったわよ。でもこうして被害を被っちゃったら、信じるしかないでしょ!

海斗:うーーーーーーむ

 

ネル:あの〜、ちょっといいですか?

GUMI:なに・・・って、あなた達のキャラは、こういう話には入ってこないんじゃなかったの?

ネル:あ、いや、その、あまりにも“こっち側”の情報と違った事を話しているから、ちょっと口を挟む事にしたんだよ。その「スナイパーウェア」っての、うちらの組織で使っている言葉だぞ

 

ネル一味以外全員:!!!!!

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 MEIKOはネルの胸ぐらを掴んだ

 

MEIKO:出所も、私たちをこんな所に連れてきたのも、全部“オマエラ”か!

ネル:く、苦しいです! 離して!

MEIKO:とっとと私たちを現実世界に帰せ!

ネル:わ、私たちは博士に作られた調査用の強化人間で、いわゆる“NPC”なんです! だからスナイパーウェアは使えないし、あなた達を戻す事も出来ないんです!

 

 MEIKOは手を離して、ネルを床においた。

 

MEIKO:KNCの謎がわかったら、今度は“真の敵組織の下っ端”登場かい・・・・・。全く・・・・

 

海斗:つまり君たちは、組織にいても、「スナイパーウェア」がなんだか、詳しく知らないわけだね

ネル:げほっ、はい、そうです。闘技場でのあなたの話から展開していった、博士と御前の話にはいっぱい出てきました。私たち3人は組織がなんかやってこっちに来た“イレギュラーな現実世界の人物”を調査したり、場合によりやっつけて組織に連れていったりしてましたが、組織で何をしていたかは知りません

 

GUMI:本当に下っ端なのね・・・・

 

海斗:ユーザー以外をこっちに放り込むことが出来、自分で帰れる“安全装置”が付いてなく、動作が不安定な“改竄(かいざん)ソフトウェア”か。GUMIさんたち、わかったかい? 君たちの敵は我々ではないということが。というか、我々もこの3人が所属する組織と“敵対関係”になるわけだ。少なくてもその組織にいる“改竄した当人”を探して、現実世界で警察につきだして“逮捕”して貰わないといかん。りっぱな犯罪だ

ルカ:なるほど、狙われた対象は、自分の意志に関係なく、自動帰還機能無しでネット世界に放り込まれてしまう。いわば“暗殺”できるソフトウェアだから「スナイパーウェア」か・・・

RIN:だが、ソフトが不安定のため、イレギュラーで放り込まれてしまう対象が出てきてしまうため、あなた達のようなNPCを作ることで、その“修正”を行っていたワケね

LEN:俺達の開発した平和利用の生活用ソフトウェアを、なんて目的に変えちまったんだ、そいつら! 許せねぇ!

 

ネルハクテト:ごめんなさい・・・

 

GUMI:もういいよ。でも、ここまでネタバレしちゃったら、あなた達も組織に消される事になりそうね。ネルさん、携帯を見せて

 

 GUMIはネルが持っていた携帯を受け取り、持っていた小型ドライバーでメインの蓋を開けた

 

 パカッ

 

 そこには小型の集音マイクと基盤が設置されていた。

 

GUMI:やっぱりね。あなた達、“組織に見張られている”って感じたことない?

 

ネル:え・・・その、ミッション前の寝坊とか、無駄会話しているときに、御前からいつも携帯で呼び出しが・・・・・あ!!

GUMI:やっぱり。あなた達“も”ずっと尾行されていたのよ。これで

MEIKO:ってことは、ここの位置から、会話の内容まで、組織に筒抜けか・・・・

ハク:そ・・・そんな・・・・! だとしたら、あの5人もこっちに向かっている!

海斗:あの5人?

ネル:特務戦隊の“ガイジン戦隊フジヤマニッポン“です! 博士の話では凄く強いそうです!

MEIKO:なんじゃ、その名前は・・・・

海斗:ルカ、メインレーダーを

ルカ:はい

 

 ルカは大型パネルの横のボタンを押した。すると、マップらしき画面に動体反応を示すランプが点灯した。

 

海斗:我々に関係していない反応が点灯される。この5つがそれだな

 

画面にはかなりの速度で移動する5つの反応が表示されていた。

 

海斗:RIN君、LEN君、本社内を防衛モードに切り替え、君たちはここでの防衛線になってくれ。我々は、この反応の動きを見ながら、ここから出来るだけ離れた地点で、エンカウントすることにする

 

RIN、LEN:了解

 

海斗:ネルさん達は道案内を頼む。GUMIさん達は戦力になってくれ。GAKU君にはJIM経由で連絡しておく。どこかで合流しよう

ネル:わかりました・・・というか、ついに組織と対立する事になっちゃったね

ハク:仕方ないよ、尾行までされていたんだから。戻っても消されちゃうし・・・

テト:ヽ(`Д´)ノ

GUMI:これが正真正銘の“実戦”なのね

MEIKO:やってやろうじゃないの! やつらぶっ飛ばして組織になぐり込んで、さっさと現実世界に帰るわ!

ミク:いたた・・あー、痛かったミク・・・・ミクもお供させて貰うミク!

 

海斗:ルカ、移動手段は確保できるかい?

ルカ:はい、小型機動戦艦が1機確保出来ました

 

海斗:では、みんな! 行くぞ!

 

***

 

ナレーター(妖精ミク):“真の敵”が判明し、ネル達、KNC側をも仲間にして、組織の戦隊とエンカウントするGUMI達一行!。GAKUの欠員は想定外だけど、ついに、“現実世界に戻る”ための実戦が開始されようとしていたのだった!。次回、こうご期待!。

 

(続く)

 

CAST

 

GUMI(勇気めぐみ) & メグロイドX:GUMI

GAKU(神威学歩) & 剣神ガクポ:神威がくぽ

妖精ミク & ナレーター:初音ミク

MEIKO(咲音メイコ) & ぷりちーどーる・め〜こ(め〜こ人形):MEIKO

 

RIN(プレシオン・ライト、鏡音リン):鏡音リン

LEN(プレシオン・レフト、鏡音レン):鏡音レン

 

LUKA(巡音ルカ):巡音ルカ

JIM(巡音JIM):巡音JIM

 

ネル:亞北ネル

ハク:弱音ハク

テト:重音テト

 

社長(工藤海斗):KAITO

 

髭のリングアナウンサー、観客、守衛、闘技場のスタッフ:エキストラの皆さん

説明
○ボーカロイド小説シリーズ第6作目の”スーパーヒーロー大集合! グミの大冒険!“シリーズの第6話です。
☆ちょっと変わった、RPG風冒険小説です!
○今回はGUMIを筆頭とした“ボカロ達”が、色々なヒーローに変身して戦います。
○ゲームをプレイしている感じで、お読みいただけると有り難いです。
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タグ
Vocaloid GUMI 初音ミク 神威がくぽ MEIKO 鏡音リン 鏡音レン 巡音ルカ 亜種 KAITO 

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