Reincarnation |
第一話「Reincarnate」
線香の香りがする。
黒服に身を包んだ人々は終始俯いたり、泣いたりしている。
そんな様子を遠いところから眺めている。
俺の隣にいた少女は言う、
「どう?自分のお葬式を見る気持ちは―」
1ヶ月ほど前のことである。
俺の名前は((阿須名 宙|あすな そら))。どこにでもいるような普通の高校2年生だ。いつもの決まったメンバーとつるんで毎日楽しく過ごしている。
本日の授業終了を知らせるチャイムが鳴る。
「おーっす!今日忘れてねーよな?」
と、いきなり声を掛けてきたのはいつもつるんでるグループの1人で親友の((飛騨 優輝|ひだ ゆうき))。髪は茶色がかってツンツン、ちょっとお調子者でグループのリーダー的存在だ。
「今日何かあったっけ?」
「おいおい、宙の誕生日だろー。」素で忘れていた。
「そっか、忘れてたよ。」
「つーわけで、今から誕生日会やるぜ!」優輝はノリノリだ。
素直に嬉しいし、時間なら空いてる。断る理由はない。
「いつものメンバーは集まれるの?」
「ふっふっふ、心配せずともみんな来る。もちろん陽奈ちゃんもな!」とニヤニヤしながら答える優輝。
((天川 陽奈|あまかわ はるな))。黒髪のセミロング、周りに気を配る優しい性格。いつものメンバーの1人で、高校1年生の時同じクラスになってから俺が想いを寄せてる人だ。グループでよく遊んでるが、なかなかチャンスを掴めないでいる。優輝はこの事を知っていて、よくイジってくる。まぁたまには後押し的なことしてくれるんだが・・・。
校門前に行くとすでに2人の女の子が立っていた。
金髪ロングの見るからにギャルっぽい(本人に言ったら殴る蹴るなどの暴行を受ける)のは((東雲 紫亜|しののめ しあ))だ。明るい、根はいい子だ。人を見かけで判断してはいけない。
そしてその隣に立っているのが先にも話した、天川 陽奈である。
俺・優輝・陽奈・紫亜のこの4人が、中学時代からずっとつるんできた、「いつものメンバー」だ。
4人で誕生日会と称して、カラオケ、ボウリング、ケーキ屋に行ったりと思いっきり遊んだ。
日も落ち、辺りが暗くなってきたところで優輝が閉会を宣言した。解散場所の関係上、俺と陽奈以外は別の方向に帰ることになった(優輝の思惑としか思えない)。
2人っきりで帰るが、何を話していいか分からない。無言がずっと続くかと思いきや、
「ねぇ、あ、あの・・・誕生日おめでとう・・・。」と言って、丁寧に包装された箱を差し出された。
「もしかして、プレゼント?」
「うん・・・。」
「ありがとう。」箱を受け取る。「女子からプレゼントもらうの初めてだ・・・。」
「えへへ。」と陽奈ははにかみ、照れ隠しのためか早足になり、俺の少し前を歩く感じになった。
青信号の交差点に差し掛かる。
突如、嫌な予感が俺を襲う。
考えるより体が先に動いていた。
横断歩道を渡る陽奈に迫る巨大な物体。
そう、信号無視をしたトラックがまっすぐ向かってくるではないか!
俺は陽奈を歩道へ突き飛ばした。
俺はそのまま・・・
キィィィィィィ・・・ガシャーン
「いやああああああッ!!!」
女の子の悲鳴が響き、道路上には赤い液体が飛び散る。
トラックは横転し、建物に突っ込み大破。
死の間際、俺が思うことはしょうもないことだった
ああ・・・結局陽奈ちゃんに告白できなかったな―
暗闇が俺を包み込む―
永遠に続く漆・・・こ・・・く?
ガバッ!
「がはっ、う、はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・。」
まるで限界まで息を止めていたかのように荒く息をする。
ここはどこだ・・・?
俺は轢かれて死んだはず・・・まさかの夢オチ?
確かに今俺がいるのはベッドの上だが、ベッドのある部屋は見たこともない部屋。学校で例えるなら理科室のような感じか。
周りには、人の形をしたクッションのような、簡素なヒトガタ人形が数体転がっている。
何かの実験場?
さらに、壁や床の至る所に魔法陣やら何かの術式っぽいのが乱雑に描かれている。奇妙だ。
すると出入り口の方に影が見えた。
警戒しながら見やると、
そこには女の子が立っていた。
「君は・・・誰だ?」
「私の名前はディーヴァ。」無表情で淡々と答える。
「ここはどこだ?」
「私の部屋。」
「そ、そうか。」そして、俺は一番の疑問を問いかける。
「俺は確か、トラックに轢かれたはずなんだ。その・・・俺は生きているのか?」
またもディーヴァと名乗る女の子は無表情で、
「あなたはソレで死んだ。そして、生まれ変わった。」
「・・・は?」何を言ってるのかサッパリ理解できない。
「正確にはあなたがさっきまで使ってきた体が壊れたので、ここにある新しい体を手に入れることで生き長らえた。」
ますます意味が分からない。
「詳しい説明は後でしてあげる。」
とりあえず俺はあの事故で死亡した。
その後、よくある漫画の展開的に、別の人の体に俺の意識が乗り移ったとかそんなトコだろうか・・・(漫画の読み過ぎ)。まったくついていけないが!
「まぁ今はいいや。で、君は何が目的なんだ?」
「私に手を貸して!」
説明 | ||
一応オリジナルストーリーです。絵は下手ですが、これに沿ってイラストや漫画などを描きたいなという願いの下の自己満足です。過度な期待はご遠慮ください。 小説というにはあまりに稚拙ですが、暇なときに読んでいただければ幸いです。 よろしくお願いします! |
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