真・恋姫無双「新たなる地と血」第30話
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この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

 

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愛紗は酒家の一室にいた。なぜこんな所にいるのかというと昼間、黄蓋との話で諭された愛紗は、自陣に戻り徐州へ行く準備を手伝っていたのだが昨夜までの雰囲気が消え去っていたのを星達に指摘されたのだ。心のもやもやが無くなって、上機嫌になっていたのが思いっきり表に出ていたようだ。それを問い詰められ白状させられてしまったのだ。

 

漸く一刀へのわだかまりが解けたことに星達はほっと胸を撫で下ろした。そして星達はこちらの手伝いは良いから、今のうちに一刀の元へ行けといった。愛紗は驚きその申し出を断った。手伝いを中途半端に放り出して、私事であるこの件を優先して行く事など出来ないと真面目な愛紗らしい答えが返ってきたが、明日には此処を発ち徐州へ行く。そうなると今からではあまり時間がない。今日行かねば一刀と話し合う機会が無いと。それにこう言う事は早いほうがいいと言われてしまったのだ。

 

そう言われた愛紗はしばらく渋っていたのだが星達に半ば強引に追い出され城へ向かい、一刀への面会を求めたのだが忙しい事を理由に断られてしまったのだ。まさか断られるとは思っても見なかった愛紗は、肩を落としながら陣に戻ると、星達は事の外、早く帰ってきた愛紗に驚いた。

 

何があったのかと聞こうとするとちょうどそこへ買出しを終えた桃香達が戻ってきた。桃香は上機嫌で愛紗達に駆け寄ると手を握り、北郷さんって凄いね〜とひたすら繰り返していた。朱里は事情を知らない桃香が愛紗へ一刀の話をするのを見ると慌てる。愛紗の機嫌を損ねてしまうのではないかと。だが愛紗は桃香の話を黙って最後まで聞いていた。その姿に驚いた朱里は星達に何があったのか小さな声で尋ねてみる。

 

星達に事情を聞いた朱里は愛紗の態度の軟化にほっと胸を撫で下ろした。そして桃香の話が終わるのを待っていた星に、どうしてこんなに早く帰ってきたのかを尋ねたられた愛紗は事情を説明する。

 

事情を受けた星達はどうしてだろうと首を捻っていた。ちょうどそこへ治療を終え、その報告に訪れた華佗が卑弥呼を伴ってやって来た。朱里は皇帝陛下を診ている華佗ならば中の様子を知っているだろうと思い、城の中の一刀の様子を聞いてみた。一刀はいま月の後任に付くという事で引継ぎなどで忙しそうにしていると事。

 

「あいつなら今、董卓の仕事の引継ぎをしていて忙しそうにしているぞ。」

 

当然と言えば当然なのだが、それを想定していなかった朱里達は皆一様に肩を落とした。

 

「儂が何とかしてやろうか?」

 

そこへ助け舟を出したのは卑弥呼であった。愛紗達は驚き卑弥呼の方を見る。

 

「そんなに大勢で見つめるな。照れるではないか。」

 

此処に居る全員の視線を受けて、卑弥呼は身体をくねらせる。

 

「キサマッ!ふざけるなっ!こちらは真剣に悩んでいるというのに!」

 

「まあ待て、ホンのちょっとした冗談だ。場を和ませようとしただけじゃ。」

 

「くっ…」

 

卑弥呼の冗談に苛立った愛紗は青龍偃月刀を振り下ろしたが、卑弥呼に平然と受け止められる。流石あの貂蝉の師だと感心する。

 

「で、どの様にしてくれるのだ?主は多忙なようだが、そんな時間を簡単に取れるのか?」

 

「まあ、そこは儂に任せておけい。」

 

そう言うと華陀と共に卑弥呼は去って行った。

 

「大丈夫…でしょうか?」

 

「今の我々には手立てがない。奴を頼る外にないからな、待つしかあるまい。」

 

その後、準備を再開しそれが終わる頃、城より使いがやって来た。夕方、指定の場所へ来られたしと言伝を受けた。

 

そうして愛紗は現在ここで一刀を待っていた。

 

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此処に来てからどれほど時間が経っただろう。一刻だろうか?二刻だろうか?実際にはそんなに時間は経ってはいないが、一人で待つ時間というのは永く感じられる。ひょっとしたら来ないんではないだろうか。

 

そんな考えが浮かんでしまうと急に怖くなり、この場を立ち去ろうかと思い椅子から立ち上がる。するとちょうど扉が叩かれる音がした。

 

「あ…ど、どうぞ」

 

反射的にノックに反応し、入ってくるように促してしまう。今更ながら気付いたがこれをする人物は一人しかおらず、その人物が部屋に入ってくる。

 

「ごめん。待たせたかな?って、あれ?何で愛…関羽が此処に居るの?」

 

「私は卑弥呼に此処に北郷殿が来る為待つよう言われたのですが。」

 

「俺は卑弥呼に此処で少し話しがあると言われて来たんだが…」

 

卑弥呼は一刀に自分がここに居る事を知らせないでいたらしい。わざわざそんな事をしなくて一刀なら来るのだが。無用な気遣いだと思う一方、内心感謝をした。

 

一方、一刀は愛紗が此処に居る事に一瞬焦った。まさか自分を避けている人物がここで自分を待ってるなんて思いもしなかったからである。卑弥呼の話はてっきり泉の事だろうと思っていたから、此処に来たのだ。

 

「とりあえず座りませんか?此処で立っているのもなんですし。」

 

「え?あ、ああ…」

 

愛紗に言われ、一刀は愛紗の向かいに座り、出されたお茶を飲む。

 

(なんか、気まずい…)

 

「あの…お忙しそうですね?」

 

「うん、まあね。今は引継ぎやらその他に色々あってね。」

 

「そうですか…昼間少々話がありまして訪れたんですが、忙しいからと断られました。」

 

「ごめん。今、中々時間を取れないんだ…」

 

理由を聞くと、今回の戦いの事後処理の指揮を一刀が執り行なっているからとの事。

 

「あの!「ん?」い、今まで大変申し訳ありませんでした!」

 

愛紗は勢い良く立ち上がると一刀に対して、謝罪の言葉を述べると共に頭を下げた。突然の出来事に一刀は訳が分からず、一瞬固まったが直ぐ様気を取り直すと愛紗の頭を上げさせ、どういう事なのか訊ねてみた。愛紗は今朝、祭とあった出来事を話した。それを聞いた一刀は、祭に見抜かれていた事に驚くと同時に流石は呉の宿将と感心する。

 

「俺の方こそごめん。君に不快な思いをさせてしまって。そうだよな、自分の知らない((女性|ひと))との間にいつの間にか子供がいたなんて知ったらちょっときついよな、そんな事に気が付かなくてごめん。」

 

一刀はそう言うと愛紗に頭を下げた。

 

「いえ私の方もみっともない真似をしてしまいまして、大変申し訳ありませんでした。」

 

愛紗もそう言うと頭を下げる。暫くそう言うやり取りをしていた。

 

「あはは、ははははは…」

 

「ふ、ふふふふふ…」

 

だがやがて、どちらともなく笑い出し、暫く笑っていた。

 

「ハハハ、これじゃあ埒が明かないね。」

 

「ふふふ、そうですね。」

 

そう言うと二人は席に着き、話をしながら運ばれてきた料理を食べ始めた。

 

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「自責の念、か…」

 

「どうしました、ご主人様?」

 

一刀の漏らした一言に愛紗は反応した。

 

「あの世界と君達を失った事についてちょっとね。」

 

「…あれは左慈と干吉とか言うものが悪いのです。ご主人様が気にする必要はありません。」

 

「いや。あれは俺にも責任があるんだ。」

 

「どういう事ですか?」

 

「あれは守れなかった俺にも罪があるんだよ。俺が破壊をしたも同然なんだよ、あの世界を守れなかったんだから…俺はずっとその事を気に掛けて生きてきた。俺にもっと力があればみんなを守れたんじゃないだろうか、そう思い泉に武を習ったよ。でも…また守れなかったよ。逆に守られた。」

 

「そんな事は御座いません!悪いのはあ奴等です!ご主人様は守ろうとしてくれました!!それに我等の力が足りないばかりに「でも結局は守れなかった。」ご主人様…」

 

「どういう過程であれ、結果俺は君達を…言うなれば死なせてしまったんだ。俺も十分((罪人|つみびと))だよ。」

 

「…」

 

愛紗は一刀のそこまで感じている責任感に危うさを感じてしまう。何時かその責任感の強さに押し潰されてしまうんではないかと…

 

「ご主人様。お願いですから、そこまで自分を責めないで下さい。責任感があるのは素晴らしい事だと思います。でもそれに押し潰されたりしてしまい、あなたが壊れてしまうんではないかと心配してしまうんです。」

 

「愛紗…」

 

愛紗は一刀に近付き彼の手を胸に抱く。

 

「私はあなたの事を決して、恨んでも憎んでもいません。寧ろあなたに会えて…仕えれて…愛されて、幸せでした。誇る事が出来ます。ご主人様はいかがですか?」

 

「俺も…君に愛されていた事を誇りに思うよ。」

 

「でしたら!その想いを踏みにじるような真似はしないで頂きたい!」

 

「愛紗…」

 

自分の手を胸に抱く少女が涙を流す。自分がしてる行為は彼女達を貶めているのだと一刀は気付いた。

 

(俺はあれからちっとも成長していないな…)

 

また彼女を傷つけてしまったのかと、後悔をする。

 

「ごめんね、愛紗。」

 

愛紗の顔を上げさせ、空いた手で涙を拭う。

 

「愛紗…」

 

「ご主人様…」

 

二人の顔が近付き唇が触れようとした瞬間…

 

ドタッ!

 

「あいたっ!もう誰なの〜?!押したの〜?」

 

「それより重いのだ〜!みんな早くどくのだ!」

 

扉が突然開き、人が雪崩のように崩れ落ちてきた。文句を言う桃香、一番下にいる鈴々は早く退けと喚く。それらの面々は一刀と愛紗の目が合うと気まずそうにする。

 

「あ、どうぞお構いなく。直ぐにここを立ち去りますので、気にせず続けて下さい。」

 

一瞬呆気に取られたが声を掛けられたが、直ぐに正気を取り戻すと立ち去ろうとする桃香の肩を愛紗は掴んだ。

 

「桃香様〜、何をしてらっしゃらるんですか〜?」

 

「あわわ〜?!星ちゃん助けて!…って、もう居ないの!?」

 

一緒に居たはずの星達に助けを求めるが既に姿は無くなっていた。取り残された桃香は慌てた。

 

「ああ、星達も一緒でしたね…何、心配なされずとも後で星達にもお話しをしておきましょう。取り敢えず先ずは桃香様からお話しをしましょうか?」

 

「あ…あ…あ…」

 

愛紗は満面の笑みを浮かべているが、目は笑っておらずその様子に桃香は震え上がり動けないで居た。

 

「それではご主人様。少々急用が出来ましたのでこれにて失礼さして頂きます。」

 

「あ、うん。ほ、程ほどにね?」

 

「ええ、分かっています。明日の出発には差し支えない程度にしておきますので。それではお休みなさいませ。」

 

「うん、お休み…」

 

そして挨拶を済ますと、愛紗は涙目になっている桃香を引き摺りながら自陣へと戻って行った。そんな後姿に一刀は小さく手を振りながら見送った。彼女らの無事を祈りながら…

 

「…さて、愛紗も帰ったし俺も帰ろうかな?」

 

そしておもむろに何処へとも無く声を掛ける。すると周りにあった気配が遠くに離れて行くのを感じられた。

 

一刀はやれやれとばかりに溜息を付いた。そして改めて思う、自分はみんなに支えられてるんだと…

 

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あとがき

 

一刀と愛紗の…中々会話が浮かばなかったよ。後半の部分はぱっと思い付いたんですが、そこに持っていく過程が…

 

お陰で更新に一ヶ月も掛かったorz…尤もそれだけではないんですがね(^^;)なんか知らないがただひたすらプラモを作っていた。

 

MG G−3ガンダム、ガンキャノン、ガンダムエピオン、シナンジュ、ダブルオーライザーガンダム

RG ガンダム、シャア専用ザク。

現在製作中MGデュエルガンダムアサルトシュラウド。

 

急にただひたすら作りたい衝動の駆られたからやった…だが後悔はしてはいない(`・ω・´)キリッ!

 

ではまた次回ぃ〜

 

説明
愛紗と一刀の邂逅

※まず最初に本当に申し訳ありませんでした!コメを下さった方々、支援されて下さった方々、重ねて非礼を詫びます。修正前を投稿してから削りすぎたかな〜?とずっと考えて、やっぱりもう一度直そうと思い下書きを引っ張り出し修正することにしました。手を抜いていたと言う訳ではないんですが、あまりにも酷いと思い投稿しなおしました。少しでも良くなっていると良いですが…
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コメント
アルヤ さん それは楽しみです(アロンアルファ)
聞いた話ではSEEDの最初のガンダム五機全部MG化するそうですよ。(アルヤ)
2828 さん あれは個人的には色々とヤバイと思う(懐的にも、置き場所的にも、時間的にも…興味はあるんだが)(アロンアルファ)
殴って退場 さん 慈雷愛紗というより説教魔ですね、今回はwww(アロンアルファ)
GNX さん ユニコーンまだ見てねえorz借りに行ったらどれか抜けてるんだよな〜(←ある程度溜まったら一気見するほう)(アロンアルファ)
転生はりまえ$ さん 第三者入れるとカオスにしかならない(訳:纏まるものも纏まらない)散々周りに色々と諭されてますからね、最後ぐらいは二人っきりで語らってもらいました。(アロンアルファ)
アルヤ さん バスターMG化希望!なんかこいつも作りたくなったww(アロンアルファ)
PGは作らないのか?w(2828)
慈雷(ジェラシー)愛紗復活かな…?(殴って退場)
今月のバンシイも楽しみです。各キャラクターに対応するMSは何かな?例えば呂布ならエピオンか・・・(GNX)
淡々といったなもうちょいやりとりがあると思ったが(主に第三者の介入により)(黄昏☆ハリマエ)
アサルトシュラウド出てたのか(←本編にコメントしろよwww)(アルヤ)
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真・恋姫無双 恋姫†無双 北郷一刀 愛紗 

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